こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

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(`・ω・)オリキャラじゃないよ、名前を変えただけだよ。


第六話「近づく悪意」

 

その頃、宇宙空間を疾走するGPの船があった。

その船の中で一人の女性が深い溜息を吐いていた。

 

「はあ~~~~」

 

『さっきから何を溜息を吐いているネ、阿知花殿。幸せが逃げて行くアルヨ』

「そんなモノ、とっくの昔に逃げてるじゃない。……大体溜息くらい吐きたくもなるわよ勘九朗!何で私が地球に行かなくちゃならないのよ。ち、地球にはアイツが…アイツが……美星が居るのよーーーー!!」

 

彼女の名は真備阿知花(まきびあちか)、美星がGP本部に所属していた時の元パートナーである。

その頃は美星が持ち込むアクシデントをすべてその身で受けていて誰が呼んだか「GPの不幸のブラックホール」(笑)

 

「(笑)じゃない!!」

 

地の文に突っ込まない様に。コホン

そして勘九朗、それは阿知花の船のサポートユニットである。

 

『その美星殿が居るからこそ阿知花殿に白羽の矢が立ったアルネ。誰も彼も「不幸のブラックホール」の名は継ぎたくナイネ』

「その名で呼ぶなーー!! せっかく、せっかく美星から離れられて幸せだったのにーーー!!」

『恨むならジグラードを恨むネ。奴が地球に向かったという情報が無ければ阿知花殿は幸せなままだったネ』

「其処よ!大体地球には樹雷皇家の人達や宇宙一の科学者白眉鷲羽が居るし、元宇宙海賊の魎呼まで居るんでしょ?銀河系そのモノを相手に戦争が出来る戦力が揃ってるのよ。何で私が行かなけりゃいけないの?」

『其処アルネ!仮にも樹雷皇家の方々が居る星にダルマー・ギルドのジグラードが攻め込むのにGPが見て見ぬ振りは出来ないというのが理由アルヨ。まあ、之も美星殿に関わった者の末路という事で諦めるネ』

「うわ~~~ん!!」

 

その泣き声はドップラー効果となって船は一路、地球の方角へとワープした。

 

 

 

 

         第

         五

       近 話

       づ

     悪 く

     意

 

 

 

 

 

そして地球では、横島達の所に美星が何処からともなく現れていた。

 

「あら~、見慣れない人ですね~。お客さんですか~?」

「なっ!?」

 

何食わぬ顔で現れた美星に鷲羽は驚いている。

研究室に拘束したままなの筈なので当然である。

 

「美星…アンタどうやって出て来たの?」

「もがいていたら何時の間にか外に出ていました~」

「ははは…美星さん、こちらは横島忠夫さんだよ」

「どうも~、初めまして~。九羅密美星と申します~」

「ど、どうも…横島忠夫です……」

 

天地に紹介され、笑顔で挨拶して来る美星に対して横島は何時もの様にナンパするでも無く、その笑顔は何処となく引きつりながら鷲羽に小声で話しかける。

 

「ね、ねえ鷲羽ちゃん。あの美星って娘…」

「美星殿がどうかしたの?」

「……悪気はこれっぽっちも全然全く無いんだけど、すぐに暴走をして周りに迷惑をかけたりする?」

「……何故分かるの?」

「いや…俺の知り合いにもそういう娘が居るもので……何と言うか…同じ様なオーラが…」

 

そう言いながら美星を見る横島の目には、彼女の後ろに同じ様な笑顔で微笑む六道冥子の幻影が浮かんでいた。

当然、心眼もその暴走に巻き込まれた経験がある為に虚ろな目をしながらその名を口にする。

 

『ああ…冥子殿か……』

「そう…あなたも苦労してるのね……」

 

「「『はあ……』」」

 

 

三人は同時に溜息を吐いた。

 

 

 

キイイイーーーーン……

 

 

「ん、何だ?」

『どうした横島?』

「いや、誰かに呼ばれてるような」

「誰かって誰だよ?」

「え~と、船穂って名のってるな」

 

魎呼の問いに横島はそう答え、その名を聞いた勝仁は船穂が呼んでいたのは横島であったと確証を得た。

 

「ほほ~う、船穂が呼んでおったのはやはり君か」

「忠夫お兄ちゃん、船穂の声が聞こえるの?」

「砂沙美ちゃん、その船穂って誰なの?」

「ふむ、では紹介しよう。ついて来なさい」

 

そう言って勝仁は皇家の樹、船穂の所に横島を案内する。

其処には池の中に一本の樹があり横島達が近付くとその葉から幾重もの光の乱舞が走る。

 

《ハジメマシテ、アイタカッタデス。ヨコシマタダオ》

「あ、どうも初めまして」

『我が名は心眼。暫しの間よろしく頼む』

 

皇家の樹と普通に会話をする横島に驚く天地だがもはや突っ込む気は失せている様だ。

対して勝仁はそんな横島を感心するように見つめていた。

 

(ふむ、皇家の樹という存在をごく普通に受け入れるとは中々の人物の様じゃ。それに我等にも匹敵する力も持っておる様じゃし退屈はしないで済みそうじゃな。後は……瀬戸様に目を付けられない様に祈るのみじゃな。……無理だとは思うが)

 

勝仁もまた、天地同様無駄と知りつつも横島の無事を祈った。

 

「この樹は皇家の樹といってな、我等樹雷皇族のパートナーなのじゃ」

「パートナー…スか?」

 

樹雷皇族には樹選びと呼ばれる儀式があり、樹に選ばれると第一世代か第二世代の樹と契約する事となり、選ばれない場合に第三世代の樹が与えられる事となる。

大抵は樹に選ばれる事無く第三世代の樹を与えられるが、第一世代の樹に選ばれれば皇位継承権を得て樹雷皇になる事さえ可能となる。

 

「ちなみにこの船穂は第一世代じゃ。もっとも地球の地に根付いた事でその力は失われておるがな」

「私の龍皇は第二世代で、今新たに成長をしている途中です」

 

「ところで何で船穂は俺の事知ってたんだ?此処と俺の居た世界は別の次元なんだろ」

「ん?言われてみればそうじゃのう。何故船穂はお前さんの事を知っておったのか」

 

《アナタノイタ次元ニハ五世代目ノ皇家ノ樹ガアリマス。アナタノコトハソノ樹カラ“イロイロ”トキイテイマス》

 

船穂が言うには五世代目以降の樹は各次元に根を下ろし、次元ネットワークによって意思疎通が可能場との事だ。

 

そして、そんな彼等が居る地球に、一つの動乱が近づいていた。

 

 

 

 

 

ー◇◆◇ー

 

「ジグラード様、じきに地球へと到着します」

「ふふふふふふ、そうか。今、地球に居る樹雷の姫、阿重霞姫か砂沙美姫のいずれかを手中に収めればその身柄と引き換えに皇家の樹の一本ぐらいは手に入るだろう。そうすればギルド内での俺の地位は盤石な物になるはずだ」

「そしていずれはジグラード様がギルドの長に……」

「そう言う訳だ。お前達も甘い蜜を吸いたければ気を抜くんじゃねえぞ」

 

「「「「おおおーーーーーーーーっ!!」」」」

 

ダルマー・ギルドの海賊、ジグラードという動乱が……

 

 

『阿知花殿、太陽系に突入したアルネ。もうじき懐かしの美星殿に再会できるのコトネ』

「したくないって言ってるでしょーーがーーーっ!!」

 

 

 

後、ついでに阿知花も。

 

 

 

=続劇=の予定

 




(`・ω・)本当はタラントを出す予定でしたがGXPとの関係でややこしくなるだろうという事で名前を変更しました。どうせヤラレキャラなので付け方は適当。
皇家の樹が各次元にあるというのは独自の勝手な設定なのできついツッコミは無しの方向でお願いします。

(・ω・)それと、阿知花ですが天地ファンなら説明不要でしょうが天地の母親の名前が清音になったので彼女の名前はねぎし版からお借りしました。
改訂版ではもうややこしいので彼女の登場は丸ごとカットする予定でしたがオリジナルサポートユニットの「勘九朗」を出したかったので登場となりました。
ほら、美星のサポートユニットが「雪之丞」だから……

阿知花「そんな理由で……」(号泣)

(・ω・)で、申し訳ありませんが天地クロスもここで一旦停止。
砂沙美(津名魅)と横島の話とか、カオスがマリアと共にやって来る話とか、書きたい話はあるので現在少しづつ書いているのでその内うpします。
さて、次回からは何を晒そうかな?

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