こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

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「石を探しただけなのに」

 

 

 

「…こんちわ~~っス!」

 

横島忠夫は何時もよりもかなり腰の低さで事務所に入って来た。

 

「いらっしゃい、横島さん」

 

何時も通りに笑顔で横島を出迎えるおキヌと違い、美神は何やらしかめっ面で横島を睨みつける。

 

「……横島クン、何やら妙な妖気を感じるんだけど…、そのバックの中に隠してるのは一体何かしら?」

「こ、これっスか?は、はははははは……じ、実は」

 

横島は冷や汗を垂らしながらバックを抱えたまま後ずさって行く、そんな横島にシロとタマモは鼻をクンクンを鳴らしながら近づいて行く。

 

「くんくん…何やら狐臭いでござるな」

「と言うよりこの霊波の匂い、何だか馴染みがあり過ぎるんだけれども……」

 

二人がバックの匂いを嗅いでいるといると突然、バックの中で何かが動き始める。

どうやらバッグの中に何やら妖気の元となる動物がいるらしい。

横島は慌てて抑え込もうとするが一瞬早く、その動物がバックから顔を出した。

 

ヒョコッ

 

「「「「なっ!」」」」

 

その場に居た横島以外、全員の驚いた声が重なる。

それもその筈、それは一匹の子供の妖狐だったのだから。

 

「よ、妖狐?」

 

顔を覗かせた妖狐は辺りをキョロキョロ見回し上を見上げ、横島の顔を確認すると「こ~~ん♪」と嬉しそうな声を上げバックから飛び出し横島の顔に飛びついてその顔を舐めまわす。

 

「「「「なーーーーっ!」」」」

 

再び全員の叫び声が重なる。

何故ならばその子狐にはタマモ同様九本の尻尾が生えていたのだから。

 

 

ぽむっ

 

 

「「「「なぁーーーーーーーーーっ!?」」」」

 

 

横島にしがみ付いていた妖孤は突然変化をし、その姿に皆は三度驚き同時に声を上げた。

その姿はまるで小さなタマモで、黒髪のナインテールの根元を、赤いリボンでまとめていた。

 

 

 

―◇◆◇―

 

 

「で、納得のいく説明をしてもらえるんでしょうね」

 

仁王立ちした美神は腕を組み、目の前に正座させた横島を突き刺すような視線で睨みつける。

 

横島の後ろのソファーにはおキヌとシロ、そして小さなタマモ(子タマ)を膝に載せたタマモが座っている。

子タマはいわば分身ともいえるタマモ相手には暴れる事無く大人しくしている。

 

おキヌが抱こうとしたが嫌がり、シロ相手ではお互いに威嚇し合っていた。

 

「は、はぁ……実は…」

 

そして横島はしぶしぶと説明を始めた。

 

生活費が尽き、明日からの食費が無くなり途方にくれている時、TVのある鑑定番組で、そこら辺で拾ったような石に驚くほど高い鑑定額がついてた事を思い出し、ならば自分も珍しい石を見つけて金を稼ごうと思った。

 

そしてあちらこちらを捜しまわった結果、未発見の殺生石の欠片を捜し当ててしまったという訳だ。

そんな彼を一体誰が責められるというのだろうか?

 

「私が責めるに決まってるでしょうがーーーっ!何を考えてるのよアンタはーーーーっ!?」

「ぎゃーーーーーっ!ゴメンなさいゴメンなさい、堪忍やーーーっ!みんな貧乏が悪いんやーーーっ!」

 

そして殺生石を手にした瞬間、石に横島の霊力が流れ込み、タマモとは別の妖狐として復活してしまい人外キラースキルの発動+インプリンティングで懐かれてしまったという訳らしい。

 

「それでこれからどうするつもり?言っとくけどウチじゃ面倒は見ないわよ」

「それなんスけど俺から離れようとしないし、俺が面倒をみるしか…。と言う訳で給料の値上げを」

「却下!」

「うう~~、あんまりや~」

「よ、横島さん。私がお食事を作りに行きますから」

 

涙目の横島におキヌが慰める様にそう言い、何気にポイントアップを狙う。

そんな時シロが辺りを見回すと、何時の間にかタマモの姿が消えていた。

 

「ところでタマモは何処に行ったんでござるか?それに子タマの姿も見えないようでござるが」

「なぬ?」

「そう言えばさっきからやけに静かね」

「お部屋でお昼寝でもしてるんでしょうか。ちょっと見て来ますね」

 

そう言っておキヌは屋根裏部屋に上がるが、すぐに不思議そうな顔をして戻って来た。

 

「おかしいですね、何処にもいませんよ?」

「何処に行ったんじゃ?…何か嫌な予感がするな…」

「アンタの嫌な予感っていうのは結構当たるからね。まあ、私に迷惑がかかるんじゃないなら別にいいけど」

「……………」

「どうしたの、シロちゃん?」

 

何か考え事をしている様なシロにおキヌが聞くとシロは青い顔に冷や汗を流しながら立ち上がる。

 

「シ、シロちゃん?」

「ま、まさか…まさかあの女狐……。子タマを先生との子供だと偽って良からぬ噂を流すつもりなのでは……」

「え゛……、何じゃとぉーーーーーーっ!」

 

 

 

 

 

大正解(笑)

 

 

 

「(笑)じゃねえーーーーーっ!冗談じゃないわーーーいっ!」

 

横島は雄叫びを上げながら走り出し事務所の外に駆け出すと其処には満面の笑みを浮かべた西条が立っていた。

 

「やあ、横島君。可愛い子供じゃないか、お め で と う。(ゲス顔)彼女を幸せにしてやるんぞふっ!」

 

横島はその顔面を手加減無しの手甲型のハンズオブグローリーで殴り飛ばした。

 

「タマモーーッ!とんでもない事をしおってーーーっ!」

 

そう叫びながら横島は走り去って行く。

 

「ふ、ふふふふふ、これで令子ちゃんは僕のもごふっ!」

 

「タマモちゃん…あなたってヒトハ……ウフフフフ」

「おのれ、タマモーーーッ!抜け駆けは許さぬぞーーーーっ!」

「まったく、とんでもない事ばかりして」

 

倒れ伏していた西条だが、後から駆け出して来たおキヌ、シロ、美神に次々に踏み付けられて逝く。

 

……西条終了。

 

 

 

―◇◆◇―

 

タマモを捜して走っていると横島の前に一人に涙ぐんでいる一人の少女がいた。

 

「よ、横島さん……ぐすっ」

「こ、小鳩ちゃん?」

「横島さん、小鳩は、小鳩は…お幸せに……。うわあああーーーーんっ」

「小鳩ちゃーーーん」

『小僧っ!一度は小鳩と結婚しておきながら。この薄情モン!小鳩ーー、待つんやーーー』

「……イカン、早い所タマモを止めんと」

 

そう言いながら再び走って行くが行く先々で……

 

「おお、小僧。タマモ嬢ちゃんと仲良くするんじゃぞ」

「横島さん・マリア・悲しい・でも・諦めません」

「な、何を?」

 

 

 

 

 

「横島君。いや、何も言うまい。主は何時でも君を見ているからね、タマモ君を幸せにするんだよ」

「横島さん、僕は…僕は…ううう」

「ちょっと待て、ピート。何故そこでお前が泣く?」

 

 

 

 

 

 

「まさかオタクがタマモを選ぶとはね。まあ、令子の悔しがる顔が見物なワケ」

「やっぱり横島サンはそっちじゃったんじゃノー」

「ちがーーうっ!ワイはロリじゃないーーーっ!」

 

 

 

 

 

「横島君~~、酷いの~~、冥子、冥子、悲しいの~~、ふえええ~~~ん」

『ギャオオオオーーーーーーンッ!』×12

「ぎゃあああああーーーーーーーーっ!」

 

 

 

 

 

「横島さん、今まで食べた食事の代金、払って下さいね」

『しめて合計、15万円になるニャン』

「何でですかーー!? あれは驕りって言ってたじゃないっスかーーーっ!?」

 

 

 

 

 

『仏罰ーーーーっ!』

「何でーーーっ!?」

『パピという者がいながら浮気とはいい度胸でちゅね!』

「だからワイはロリやないと言っとるやないかーーーーーっ!」

 

 

 

 

 

 

「横島君、令子を…ひのめを裏切るのね」

「ちょっと待って下さい隊長、美神さんはともかく何故にひのめちゃんまで?」

「に~に…びええ~~~~ん!」

「あ、青白い炎が…ぎゃああああ~~~~~~~っ!」

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでようやく諸悪の根源の所にたどり着いた。

タマモは公園のベンチで子タマを抱き、子タマもタマモにじゃれ付いていた。

 

「はあ、はあ、タ、タマモ……お、お前なぁ~~」

「うふふふふ。ほらコダマ、パパが来たわよ」

「あっ、ぱぱぁ~♪」

「誰がパパじゃいーーーー!」

 

横島はタマモに食って掛かろうとしたが其処にまるで地獄の底から響いて来るような声が聞こえて来た。

 

「誰って、お前の事じゃないのかい?忠夫」

「………………はい?」

 

ギギギィ~~~、と恐怖に震えながら振り向くと其処には何時日本に帰って来たのかGMが御降臨なされていた。

 

「お、お袋?」

「はぁ~~。お前はあの宿六の息子だからね、ある程度は覚悟してたけれどまさかこんなにも早くお婆ちゃんになるとは思って無かったよ」

「いや、だから、この子タマは俺の子供じゃなくてだな」

「忠夫!」

「は、はひっ!」

「言い訳は男らしくないよ。男なら男らしく取るべき責任は取りなさい!」

「まあまあ、お義母さん。あんまり強く言わなくてもヨコシマならちゃんと責任を取ってくれるわよ。それより少しコダマの相手をよろしくお願いするわ」

「ばばぁ~♪」

 

何時の間に懐いたのか、子タマ改めコダマは百合子に手を伸ばし抱っこをせがむ。

 

「はいはい、いらっしゃいコダマちゃん。お婆ちゃんとあしょびまちょうね~~♪」

 

初孫(誤解だが)、しかも女の子のコダマが可愛くて仕方ないのか百合子はコダマを抱きしめてデレデレになる。

 

そこに駆け付けて来た女性陣だが百合子がコダマを抱きしめてあやしている所を見ると、もはやどうしようもない事を悟ったのだった。

そして横島も。

 

「うふふ、これでもう逃げ場は何処にも無いわよ。ヨ・コ・シ・マ♪」

「ううう~~~、ワ、ワイの青春が~~~」

 

その後、結局逃げる事が出来なかった横島は百合子の手によってタマモと強制的に結婚させられる羽目となった。

 

まあ、それから成長したタマモは傾国の美女の名にふさわしい姿になり彼女との間にも本当の子供が生まれ、結構幸せに暮らしたのであった。

 

めでたしめでたし?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談。

 

 

「こらーーっコダマ!貴女はもう16歳なのよ。いい加減ヨコシマの布団に潜り込むのは止めなさい。それから蛍!貴女もよ」

「大丈夫。パパと私は血の繋がりはないんだから何の問題も無し!それに私もママと同じ九尾の転生体よ。狙った獲物は逃がさないわ」

「私だって前世の記憶が蘇った以上ヨコシマを諦めるつもりはないわ。血の繋がり?そんなモノ愛の前では何の意味もないわ」

「ふふふふふ、そう、そう言う事。いい度胸じゃない、ヨコシマは私の物よ。例え貴女達でも渡すつもりはないわよ」

「「上等!力ずくで奪って見せるわ!」」

 

 

 

 

 

「そう言う事なら拙者も参戦するでござるよ!」

「私も負けません、今度こそ横島さんを!」

「小鳩だって負けません!」

「ドクターカオスに改良してもらって子供を産めるようになりました、マリアも負けない」

「冥子も~、諦めてないの~~」

「私だって!そして横島さんに愛の手料理を」

『武神の名に賭けて今度こそ横島さんを手に入れて見せます!』

『ルシオラちゃんには悪いけどヨコシマはパピの物にしてみます』

「そうはいかないわ、にーには私の物よ。誰にも渡さない!」

「わ、私…私だって!(この機会を逃したら…エミにだけは負けられないわ!)」

『略奪愛。これも青春ね』

「主よ、僕に神の御加護を!」

 

 

第二ラウンド開始……

 

 

 

 

「だから何でピートが其処におるんじゃーーーーっ!」

 

 

終われ

 

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