これはいわゆる大江戸捜査網とか必殺仕事人とか遠山の金さんとかのぱろでぃ的な感じのあれである。
登場人物はおりじなるなのでその辺は注意してほしいっす。
あんまり面白くないかもしれないから、とりあえず暇で暇でしょうがないときに『ばななぱふぇ』でも食べながら読むといいあるよ。
夜道。息を切らせた男が月明かりにぎらりと反射する抜き身の刀を握り締めて走っていた。汗まみれの顔に浮かんでいるのは、恐怖ただ一つ。だらしなく口を開け、端からは涎を垂らし一心不乱に逃げている。
否、逃げてはいない。何故なら男はただ同じ所をぐるぐる回っているだけだ。それは何故か?
「………」
屋根から男を見下ろす小さな瞳。なんの同情の欠片も感じさせないほど残酷な瞳。
刹那、足を
「…あ……あぁ……」
まるで道端に捨てられた
「…あんたには…血も涙も……流れて無いのか!?」
男の口からは泡が出ていた。どう見ても助からない。神経かそれに近い場所に効く毒。
「…流れてるよ。ただ、人より少ないだけ」
少女の言葉を聞き終えるか終えないかの狭間で、男は白目を向き血を吐いて動かなくなった。少女は懐から紙に包まれた金平糖を一粒取り出し物言わぬ男に放り投げた。
「あんたも金平糖みたいに甘く生きてりゃよかったんだ。こんな所で死ぬより、その甘さで子供を笑顔に出来ただろうに…」
少女の静かな言葉が闇に響く。黄色い金平糖を一つ口に入れ、目を閉じ噛み締めた後に少女は姿を消した。
【翌日、北町奉行所】
「お奉行様、本当なんです!遊び人のモグって人が」
「そんな奴は知らねぇなぁ。お奉行様、そいつぁ嘘ついてますぜ」
まだ午前中だというのに北町の奉行所ではお
「お前達こそ嘘ついてるじゃないか!モグって人がちゃんと」
「何の話だね?だいたいお主こそ借金を返していないだろう。遊び人のモグだかなんだか知らんがそんなのが居るなら連れて来てみろ!」
「そうだそうだ!」
みすぼらしい初老の男性に食って掛かっているのは、それは身なりが良くいかにも武士風の男と丸々と肥えた商人だった。その後ろには武士風の男の手下なのか顔や手足に痣をつけた男達が居る。誰に殴られたのか、その痣はまだ新しい。
「おうおうおう!黙って聞いてりゃ訳の分からねえ事ばかり抜かしやがってシカシ!…おめぇらが言ってる遊び人のモグってのはなぁシカシ、もうここに来てんだよシカシ」
若干前のめりになり下手人たちに話す奉行。どうやら語尾にシカシと付けるのは癖のようだ…。
「お、お奉行様、嘘はいけませんなぁ。そんな人などどこにも」
すると座っていた奉行が突然立ち上がり武士風の男に怒鳴るように言い放った。
「てめぇら!よく見やがれシカシ!」
四股を踏むように股を開き、右足を前に出す。そして下手人達を睨みつけながら、奉行は右手を袖から抜きその肩に彫られた『乱れ桜』をおもむろに見せつけた。
「この乱れ桜ぁ、見忘れたとは言わせねぇぜシカシ!」
「なっ!」
「まさか!!」
「も、モグさんが…お奉行、様…」
何度目になるか、この遊び人…いや、北町奉行・
と、そんなこんな説明しているうちにどうやらお白洲が終わった様子。
「これにて一件落着、だぜシカシ」
そう言うや否や欠伸をする松戸。これから仕事、という訳でもなさそうだ。その足は真っ直ぐに役宅へ向いている。無論、止めに入る同心やら与力らは居ない。それが無駄だと分かっているからこそ、誰も止めないのだ。そこかしこからため息が聞こえてくるのはきっと空耳ではない…。
「後は頼むぜシカシ。俺様はちょっくら瞑想してくるぜシカシ」
まぁ、早い話が二度寝である。こんな奉行なのに、何で皆が就いていくのかというと、それは松戸の人情の厚さにあった。部下を助けたとこは一度や二度ではない。それに松戸は部下達の事を仲間と呼ぶ。困ってる事があれば親身になって話を聞く事もある。つまり(サボり癖さえなければ)素晴らしい上司なのだ…。
(……最近、
役宅に向かいながらそんなことを考える松戸。その顔には眠気など全くと言っていい程存在してなかった。遊び人の出番である。殆どの部下は役宅で昼寝していると思っているだろう。松戸もその様に振る舞い部下の目を欺いている。そして遊び人となり市井に蔓延る悪を成敗しに行くのだ。
ただし、時々サボる…。
どうも、初めまして。柊憂と申します。
初投稿なので使い方がいまいちな所があり至らぬ点があると思いますが、その辺は35度くらいの生温かい目で見守ってくださると幸いです。
そのうちオリキャラの詳しい説明とかしようと思ってますが、そんなの要らんって感じでしたらやらない方向でファイナルアンサーです。
次回は多分南町奉行所あたりから始まると思います。
亀更新になる危険もありますが、その辺も含めてよろしくだぜシカシ!