じゅりえったのよなおしおしごと   作:柊憂

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前回のあらすじ。

長屋の通りで殺人事件!!前編!!





第三話

 

 

すぐに現場へと駆け付けた3人。同心の男はアリアの指示で人払いを手伝いに行った。沢山の好奇の目が集まる中、アリアとジュリエッタは血を流して倒れている侍の所に近寄った。

 

「…これは」

「こいつ、飲んだくれの田原だ」

「知ってるの?ジュリエッタ」

 

アリアの問いかけに無言で頷くジュリエッタ。倒れた田原を見るその瞳は、まるで汚い物でも見るかのようだ。

 

「こいつのせいで何人も斬り捨てられたんだ…」

「あぁ、そう言えば。不法に商売料を取るって噂があった例の」

「……そうですよ」

 

田原は侍でそれなりに地位のある者だが、所謂札付きだ。この男の行為によって潰れてしまった店もあるくらいだ。おまけに酒癖も悪く、麻薬中毒者。良い所の欠片も無い輩だった。

 

「これは…」

阿芙蓉(あふよう)ですよ。やり過ぎてこうなったんでしょう。それか酒の飲み過ぎか」

「…」

 

そう言うジュリエッタだったが、アリアの目は誤魔化せなかった。僅かに、ほんの僅かに口元に付着していた泡をアリアは見逃さなかったのだ。因みに、阿芙蓉とはアヘンの事である。

 

「…毒だわ」

「え?まさか」

「よく見なさい、口元に泡が付いてるわ。それに白眼を剥いてる」

「そーですか?こんな奴、どーなろうと知った事じゃないですよ」

「………ジュリエッタ、仕事人って知ってるかしら」

 

アリアの口から仕事人という単語が飛び出た瞬間、ジュリエッタはアリアに背を向けたまま真面目な顔つきになった。

 

「何でも、金さえ払えばどんな人でも殺す奴らしいわ」

「……『どんな悪党でも』の間違いでは」

「あら、ちゃんと知ってるのね」

「…風の噂ですよ。町を歩ってると色々聞きますからね」

「…………」

 

アリアは脇差しを弄るジュリエッタの背中を見ていた。仕事人の武器は小太刀のような短い刀、それも二刀流。そして必ず死人の袂に金平糖を置いていく。はっきり言えばアリアはジュリエッタを疑っていた。だが金平糖以外の確たる証拠が無いのだ。ジュリエッタはアリアと同じように身長が小さい。故に太刀等を振り回すのが難しい。自身の身の丈にあった武器、つまり脇差しを携帯する。ここまでは容疑者である仕事人に重なる。

だがジュリエッタは二刀流ではない。確かに脇差し『諸行無常(しょぎょうむじょう)』を持ってはいるが、それは一振りのみ。後は十手『勇往邁進(ゆうおうまいしん)』を帯に可愛らしくちょこんと差しているくらいだ。どう見ても二刀流ではない。ジュリエッタの背中を見ながらそんな事をアリアは考えていた。

 

「……んな訳が無い、か…」

「何ですアリアさん?」

 

ジュリエッタが振り向いた。まだ幼さが残るあどけない顔を見て彼女が仕事人だ、等という想像は吹き飛んだ。

 

「いえ、何でもないわ。少し疲れたのかもね」

「それはいけません!こんな事してる場合じゃないですよ!早く帰ってさっさと休みましょう。じゃあ私は金平糖を買いに」

「…待ちなさい」

「ぐえっ!」

 

アリアは、逃げるように背中を見せたジュリエッタの首根っこを掴むと自身の方へと引っ張った。

 

「帰って休むのはこれを片付けてからよ…」

「えぇ~、だって金平糖」

「仮にも与力でしょう!だってとか言うんじゃありません!」

「でも金平糖」

「でもも禁止!」

「じゃあ金平」

「じゃあも駄目!」

「ならこん」

「その舌、引き抜くわよ…」

「ちぇっ」

 

はぁ…とため息を付いて呆れるというかやる気の無いジュリエッタに困るアリアだった。だがアリアは気付けなかった。ジュリエッタがこの小さな背中に武器を隠し持っているという事を。

 

生殺与奪(せいさつよだつ)(諸行無常)、活殺自在(かっさつじざい)。 相手を意のままに殺める事が出来る故にそう呼ばれている脇差し。誰がそう呼び始めたのかは定かではないが、ジュリエッタはその名前を気に入っていた。生殺与奪については先の刀鍛冶が作った物だが、活殺自在についての出所は不明でジュリエッタ本人しか分からない。何れにせよ業物である事に間違いはない…。

 

 

 

 





どうも、柊憂です。

最近、空気のじめじめ度が高くなってきて過ごし難いったらありゃしない状態です。今はエアコンがあるからしのげますが、扇風機すらなかった時代はどうやって暑さをしのいでたんでしょうね。

海に行こうZE!→めんどい
避暑地に行こうZE!→めんどい
山に行こうZE!→つかれる

………。
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