――――かつて、デュエルモンスターズというトレーディングカードゲームの王者を決めるための大会が都市部にて行われた。
主催者は、その戦いの場をバトルシティ・トーナメントと命名。童実野町を舞台に世界各地から腕に自信のあるツワモノ達が来訪。
デュエルモンスターズをプレイする者は皆デュエリストと呼ばれ、単純な各個人のデュエルの実力差、デッキの種類こそ十人十色ではあるが、バトルシティに参加したデュエリスト全員に共通する目的は唯一つ。
誰もが己の強さを証明するかのように、より多くの勝利を求めた。
誰よりも辛く苦しい戦いの数々を乗り越え、覇者の称号を得ようとした。
人間とは、強弱の度合こそあれど常に何らかの欲に支配されていなければならない生命体だ。
都市部で大会が行われたのなら、自ずと人が集まる場でもある。
それゆえ、デュエリストに対して悪しき企みを抱く者達が現れるのもまた必然。
デュエルモンスターズ界きっての大舞台ともいえたその大会、バトルシティ・トーナメント。その開催の瞬間を待ち望んでいたかの如く、レアカード強奪集団グールズが無差別に数多くのデュエリストに対して一方的な条件でゲームを挑み、敗者となった者からレアカードを容赦なく奪取していった。
敗者となり、魂の分身さえ抜き取られたデュエリストに慈悲など与えられはしない。事情はどうあれ、グールズにゲーム上の実力で負けてしまい、著しくプライドを傷つけられたのだから、デュエルモンスターズをその後続行できた者の数などたかが知れていたのだから。
グールズこそ、バトルシティ・トーナメントやデュエリストにおいての災厄をもたらす存在。闇の化身ともいえただろう。
されど、闇あるところ光あり。
闇そのもののグールズはバトルシティ・トーナメントの終盤――
それによって組織における指揮性が皆無となり、ほぼ壊滅状態と化す。
そんな事態から間もなくして、古代エジプトより伝わる七つの秘宝によって現代に復活した大邪神ゾーク・ネクロファデスも光の創世神ホルアクティの手によって消滅。当時世界に蔓延っていた闇は完全に振り払われたかのように見えた。
――人間の欲求は留まることを知らない、未来永劫に。
光ある限り、闇もまたこの世の理として在り続ける。
例え巨悪が費えたとしても、手段や大小の違いこそあるものの、悪の心に支配された人間など現代社会にはあまりにもありふれている。
森羅万象。この世の中が成立するためには、光だけでなく闇もまた必要とされているのだろう。
万有にありきしモノ、全ては輪廻を経て転生をし続けている。
バトルシティ・トーナメントが閉幕してからおよそ約六十年弱ものの歳月が流れ、またしても人間の心の奥底に眠る悪しき心が、皮肉にも再び彼ら自身の世界に蔓延していく。
その闇を振り払わんとすべく立ち上がったのは、かつて人間のエゴが生み出したはずのグールズであった。
新たなる若き首領を筆頭に、少数精鋭の実力者を揃えた彼らは昔と相変わらず、特定のデュエリストを襲っているそうだ。
そう、対レアハンター専門の義賊として――――。
初めまして、武蔵野です。初めて、こちらのサイトで小説を投稿させて頂きました。
この小説は、無印遊戯王の未来軸の話となるため、登場人物のほぼ全てがオリキャラのとなっており、オリカも出てきますのでご了承ください。
執筆のブランクがありますが、皆様が満足していけるような作品を作っていけたらなと思っています。
この後書きにまで目を通し頂き、誠にありがとうございます。
今回はこれにて失礼します。