ココのアインクラッドは円柱です。   作:二郎刀

4 / 10
今回から独自要素が強くなってきます。また、この作品は一話あたり五千~一万字あたりを目指しています。


第三話 負わされた責任

 アイガイオンは街から出るなと目に付いたプレイヤーに声を駆けまわった。そうすれば、少なくとも死は免れる。次にアイガイオンはフィールドへ駆けた。街の周辺でモンスターを狩ると、稼いだ(コル)で買ったパンと水を街のプレイヤーに配った。最後に、アイガイオンはチュートリアルを行い始めた。この世界で生きる為に必須の準備だった。

 

                     ◇

 

 まず、犠牲者を減らす事だ、とアイガイオンは思った。一夜を()いてから、頭の中が驚くほど明瞭になっている。

 

「人が集まりましたよ、アイガイオンさん」

 

「では、そろそろ始めましょうか」

 

 アインクラッドに閉じ込められてから三週間。外を出歩くのにも防寒が必要なくらい寒くなり、あと数日で十二月に入る。前向きにクリアを目指そうという少数のプレイヤー達の大半は街から離れ、別の場所を拠点として攻略に勤しんでいる。強くなるため、円滑なレベリングを行う為にはそうしなくてはならなかった。今のはじまりの街は、とにかく暗い。そういう場所に留まりたくないという気持ちも働いただろう。しかしアイガイオンは、はじまりの街を拠点とした活動を行っていた。最初の数日は、目も当てられない程人が死に過ぎた。その現状を知っても、何とかしようと動く人物が現れなかったのは、アイガイオンにとって驚くべきことだった。

 

「まずは、初動を意識しろ。相手は案山子(かかし)だ。いくらでも待っていてくれる」

 

 槍の穂先がオレンジのエフェクトを纏い、藁で編まれた案山子を貫いた。ソードスキルの発動。それが主なチュートリアルだった。事件初日、茅場晶彦の宣言から、プレイヤーを大いに助けてくれたアドバイス表示が使えなくなった。それだけでも、素人でも何とか繰り出す事が出来たソードスキルの発動は難しくなりすぎた。

 

「腕をもっと上げろ。恥ずかしがるな、死にたくなければな。初めは大袈裟なほどで良い」

 

 実際に武器を持って戦うということなど初めてだというのは当たり前だ。まずは、このゲームのシステムに慣れさせなければならない。ソードスキルさえ発動出来れば、はじまりの街周辺の敵を倒す事は難しくない。チュートリアルを希望する人には、訓練用の案山子にソードスキルを当てさせるのである。それだけの作業でも、慣れないうちは空振る人がほとんどだ。

 

「午前はここまで。午後からはフィールドに出る。希望する人は午後二時に広場に集合」

 

 チュートリアルは、午前と午後に分かれている。午前は武器の扱いや基本情報の伝達で、午後は実戦訓練となる。希望者の数には差があるが、それでも着実と前へ進もうというプレイヤー達は増えてきていた。さらにチュートリアルに協力してくれるという人物も現れるという、喜ばしい兆候も出始めた。

 

「アイガイオンさん。我々に協力してくれるβ(ベータ)テスターがいましたよ」

 

「よし。では、出来る限り情報を聞きましょう、シンカーさん」

 

 その中でも、真っ先に声をかけてくれたのがシンカーという小太りの男性プレイヤーだった。彼は、SAOに巻き込まれる前は攻略サイトの運営を行っていたという。実際にその手腕は見事なもので、彼のおかげで協力者も増え、今では組織の体を成し始めていた。はじまりの街で大きな組織はここだけだろう。今の所、教会を拠点として使っているが、さらに増えるなら別の建物も使わなければならない。

 βテスターなどの情報は積極的に集めていた。情報の価値は高い。有ると無いの差は雲泥だ。もちろん実際に確かめたりする手間もあるが、協力者が増えているので苦にはなっていない。協力者の中では、ソードスキルを発動させることが出来るプレイヤーは、他のプレイヤーに教える事が出来るし、モンスターと戦えるプレイヤーは当てる技術を知っている。発動させる事と当てる事にも違いがあり、後者のプレイヤーは実戦でも使えるので大いに助かっていた。

 βテスターの話を聞き終えると、緊急で話がしたいという女性プレイヤー二人に教会で会った。一人は俯いた女性プレイヤーで、もう一人は小柄だが恰幅の良い女性である。見た所、年齢に差があるので、親子だろうか、と席に付きながらアイガイオンは思った。

 

「あんたかい? ここいらの責任者は?」

 

 小柄な方が口を開き、責任者という響きに意表を突かれた様な気がした。そう言うものとは、一切関わりのない事だと思っていた。

 

「責任者というのは何のことでしょうか?」

 

「このでっかい集団の事さ。この子の事を言おうとしたら、あんたに聞けって皆言ってたよ」

 

 はじまりの街で真先に行動を起こした事を思うと、そう思われても不思議はないのかもしれない、とアイガイオンは思った。それについて深く考えることは後にした。

 

「俺は、アイガイオンと言います。この人はシンカー」

 

「あたしはショウコだよ。現実の方では、主婦をやってた。この子はあたしの娘じゃあないんだけど、放っておけなくてね」

 

「それで、何があったんですか?」

 

「男に襲われたんだとさ。そりゃ、システムがどうのってやつで何とかなったそうだけど」

 

 聞くと、長い話ではなかった。急に男に触られた、というだけだが、それでもこの女性プレイヤーから話を聞くのは時間がかかった。あのはじまりの日の騒動で、おかしくなってしまったプレイヤーは居ないわけではない。問題が起きるのはわかっていたが、それが自分に関わるとは考えていなかった。

 

「それで、その男は?」

 

「警告表示が出て、どこかに飛ばされたようです」

 

「たぶん、牢獄エリアでしょう。シンカーさん、確認をお願い出来ますか?」

 

「行ってきましょう。無理にとは言いませんが、確認の為ご本人様も付いてきてくれますか?」

 

 シンカーと女性プレイヤーが席を離れると、ショウコがまた話を切り出した。たぶん、これが本題だろう、とアイガイオンは思った。出された水を一杯飲み干し、ショウコが太い声で言った。

 

「あの子の保護をお願いしに来た。それだけじゃない。女の子たちを、助けてやってほしい。まだ年端もいかない子供たちもいるんだよ」

 

「すぐにやりましょう」

 

 あまり考えずに言ってしまっていた。今の状況だけでも大変なのに、労力は計り知れないが、やらなければならない事もわかっていた。

 

「こんな状況で済まないけど、頼むよ。あたしも、出来る限り協力するからさ」

 

「ありがとうございます。では早速ですが、出来る限り女性を集めていただきたい。同じ女性から声がかかった方が安心するでしょうから、ショウコさん自身にやってもらいます。それと、協力してくれている女性プレイヤーにも手伝わせます。掲示板などに書き込みもさせましょう」

 

「ありがとう。早速行って来るよ。この教会に集まらせればいいんだね?」

 

 ショウコが出ていくと、アイガイオンは協力してくれている女性プレイヤーにメッセージを飛ばした。了承のメッセージを受け取ると、チャーリーの事が頭によぎった。アイガイオンは活動の為、教会に部屋を取ったが、チャーリーの方は事件のあの日から宿を動いていない。一日に一回は会いに行き、その度に嬉しそうな表情を見せるが、暗い顔が晴れることはほとんどない。出来ることなら、この女性の集まりに参加させたい。同性なら、少なからず感じ得ることがあるかもしれない。それで少しでも前向きになってくれたら良い。本当なら、もっと明るい性格のはずなのだ。

 教会の部屋に戻ると、午後の実戦に向けての準備をした。すでに何度も下見を済ませた場所で、非敵対のイノシシしか出てこない場所なので実戦には適している。しかし、それでも一度敵対状態になると、取り乱してHPゲージを大きく減らすプレイヤーも少ないわけではない。明確に殺しにかかってくる敵が怖いのだ。睨み付ける双眸、武器を通さぬ毛皮。荒々しく尖った牙、迫りくる明確な質感を見ると、怯む気持ちもわかる。一度攻撃を喰らっただけで、衝撃にへたり込んでしまうプレイヤーもいるくらいだ。それには根気よく付き合わなければならない。

 

「そうだ。保護と言うなら、女性プレイヤーだけじゃ済まないな」

 

 アイガイオンは、自分の部屋に一人だと、独り言を言うようになった。現実でそういう癖があるわけじゃなかったが、独り言で頭の中を整理出来たりする事に気付いた。

 

「障害があるプレイヤーなどはどうだ。VR技術は、そういう治療にも使えると聞いたことがある。居ない訳じゃあ、ないだろうな。それに、ショウコさんは年端もいかぬ子供も居ると言っていた。これも、保護しなければならんだろう。それに、自国での発売を待てなかった外国人も少なからず居るだろう。アドバイス表示は使えなくなったが、翻訳機能はどうなのだ? SAOは日本語と英語しか対応してなかったはずだが。どちらにせよ、日本語を覚えさせなければならないのかな。外国の言葉を話せるプレイヤーも集めなければならない」

 

 初めのうちは、独り言する自分に戸惑い、呟いた自分が鬱陶しかったが、吐き出すと気が楽になる。いつしか独り言は呟きではなく、誰かに話しかけるようになっている。

 

「責任者とは何だ。何に対する責任だ?」

 

 内容は方々に飛び、思いついた内容をメモに残したりすることもしていた。それが役に立つこともあるだろう。

 

「俺はただ、少しでも死ぬ人が少なくなればいいと、少しでも手助けが出来ればいいというだけだ。それが何故」

 

 視線を上げると、姿見に長身の男の姿が映っていた。全身に金属鎧を装着し、頭髪はほとんど白で、数本灰色が混じっている。皺はないが、伸ばした白い髭が口元を覆っていて、スーツでも着れば、若々しさを失っていない紳士だろう。指導を行うにあたり、それらしい人物像を作れたはずだ、とアイガイオンは思った。口調もそれらしく心掛けている。

 プレイヤーに配られた手鏡から、造形や身長などは無理だが、顔のパーツなどや名前を変えたりする事が出来たのである。これは、異性としてプレイするつもりだったプレイヤー等への配慮なのだろう。出来るだけ手鏡は集め、そういったプレイヤーへ渡したりすることも行っていた。それを知って、協力を申し出てくれるプレイヤーもいるのだ。アイガイオン自身も、それを使って今の姿へと変貌したのである。ボイスエフェクタは停止したものの、元より声も低いために中身を疑われることには至っていない。

 

「そろそろ、時間だな」

 

 やらなければならない事は次第に増えていった。今では多忙を極め、余裕と言うものは見当たらない。はじまりの日の事件の混乱は一応は落ち着いたように見えるが、まだ恐々とした雰囲気は街から消えていなかった。恐怖に打ち震える日々はまだ続くだろう。英雄が必要だ、とアイガイオンは思った。層を踏破し、希望を持ち帰る英雄が。光を纏った木製の大盾がイノシシの体を打ち飛ばした。

 

「レベルを上げれば、こんな事も出来る。いいか。敵はさほど強くないのだ。慣れれば、楽に倒せるようになる」

 

 フィールド草原の地を蹴り、猛然と突進してきたイノシシを、アイガイオンは防御せずに受けた。衝撃が体を襲い、HPバーが削れる。見ているプレイヤーが声を上げたが、アイガイオンはすぐに立ち上がった。削れたのはほんの僅かだけで、何の支障もきたしていない事を表している。

 

「相手の攻撃も強くない。今慣れろとは言わん。ソードスキルをあいつに当ててみよう。それが今日の目標だ」

 

 牙で攻撃しようとして来るイノシシを大盾で受け止め、突き飛ばすと横っ面に大盾の面を打ち付けた。鳴き声を上げ、倒れ伏したイノシシのHPバーは、枠が黄色に点滅している。気絶。一定時間の行動不能。打撃系武器、攻撃を頭部などに受けると一定の確率で起こるバッドステータス。

 

「気絶したぞ。行動不能時間はさほど長くはないが、逃げるには十分だ。それに、剣技発動後の硬直時間もこいつ相手には気にしなくていい。一人目」

 

 行け、という合図と共に順番で決められたプレイヤーが飛び出した。焦点を合わせ、剣を担ぐようにしていると、刀身に光が集まり始めた。弾け、加速したプレイヤーがイノシシの横を通過すると、「ぴぎい!」という断末魔と共にイノシシがポリゴンとなり爆散した。

 

「グッドジョブ。よくやった」

 

 激励の言葉をかけ肩を叩くと、そのプレイヤーは強張った笑みを浮かべた。敵を倒せるというのがわかれば、恐慌に陥る事も少なくなる。次の目標のイノシシを攻撃し、HPを赤まで持っていくと次のプレイヤーに交代する。ソードスキルに慣れてくると、アイガイオンの手助けなしで相手をさせ、様々な技法の伝達も行うのだ。

 

「レベル1の敵なら、今のままでも一撃で倒せる方法がある。ソードスキルは発動すれば勝手に体が動いてくれるが、その動きを後押しするように、自分で動かしてみろ。そうすると勢いが乗り、威力が上がる。それで上手く弱点を突けば、一発で倒せる」

 

 他にも、ソードスキルの発動方法も様々だった。単発系の剣技にはあまり違いはないが、連続技などはモーションに違いが出て来る。例えば水平二連斬りの剣技では、右から左というのが通常のモーション設定だが、設定によって左から右へという動きにすることも出来る。右利き、左利きへの対応のみならず、逆手持ちすらある始末。個人で扱いやすさがあるから、自分で設定しろという事だ。

 日が傾いてくると、午後の訓練は終了し街で解散となる。アイガイオンにはその後、拠点の教会で協力者との打ち合わせが待っていた。教会の中は、いかにもという容貌で整っている。広間の磨き上げられた大理石の床には木製の長椅子が等間隔に列をなして並べられ、奥には一際高い教壇がある。石造りの壁には火が灯った松明が要所にあり、天井には光源となるシャンデリア。さらに、落ち着いた色の赤茶色の幕が等列に垂れている。こんな状況でなければ感心くらいはしていただろう。広間を通り教壇の奥にある大きめの、会議室と呼んでいる部屋に入ると、円卓を挟んで議論を重ねていた、協力者の中でも筆頭となるプレイヤー達が一斉に振り向いた。

 

「すまない、遅れたかな?」

 

 一言挨拶を言って、扉から正面奥の席に座る。席の順番はないつもりだが、何故かそこが定位置になっていた。他のプレイヤー達もいつもと同じ席に座っている。シンカーはアイガイオンとちょうど向かいとなる位置だ。

 

「チュートリアルの方は死亡者ゼロ。志願する人も増えてきてますし、協力者も増えてきてます。そちらの方は順調ですね」

 

「街の中の方は?」

 

「いつも通り、一人でフィールドに出ないように呼び掛けてはいます。宿を取っている場所から動かないプレイヤーも多いですが、現状を受け入れ始めたプレイヤーも増えてきていると思いますよ」

 

「コルがなくなってきたプレイヤーが、そろそろ動き始める頃合いだと思います、アイガイオンさん。僕の友達が、金が尽きたからってチュートリアルに参加しましたし。それでも全体に比べればごく僅かでしょうが」

 

「配膳の方はシンカーが中心にやってくれているので助かってますが、物資の量が圧倒的に足りてません。今日の配膳が終わった後に、自分は配られていないと文句を言うプレイヤーがいました」

 

「それにこいつ、貴様は何もしていないくせに文句を言うなって怒っちゃって」

 

「だってそいつ、何度も並んで配分を受け取ろうとするんですよ」

 

「間違った対応じゃないと思う。慈善事業というつもりでやっている訳じゃあないんだし。足りない物は配れないし、その分は我慢してもらうしかない。それで納得できないのなら、自分で稼げってんだ」

 

「こんな状況でもそういう奴が出て来るんだなあ」

 

「ギルドが必要だ。βテスターによると数層上に行けば作れるようになるらしい。そうすれば徴収出来るし、配分はずっと楽になる」

 

 議論の内容は各々が持ち寄ってくる。新たに問題が発生することは当たり前だし、解決策も一つと言う訳ではない。皆が皆、精一杯やっているが、それでも足りない所もある。それに目を瞑らなければならない事もあった。

 

「俺からいいか?」

 

 アイガイオンは手を上げた。視線が一気に集まり、皆に僅かな緊張が走った気がした。明確に意識をしようとは思っていないが、発言力みたいなものがあるのだ。

 

「どうぞ」

 

「昼間に女性から、男性に襲われたので保護してほしいという話を受けた。システムで守られたが、精神的ショックを受けたようでな。そういう事件を減らす為に、女性の保護を行おうと思う」

 

「また仕事が増えますね」

 

「苦労を掛けることになる。謝りもしない。だが、やらなければならない事だと思っている」

 

 アイガイオンは一度、円卓の全員を見回した。ここに集まっているプレイヤー達は、基本的に前向きに協力的なので、否定的な意見は強く出てこない。年齢もバラバラだが、若い方が多い。この状況で動こうとする者こそ今必要だった。皆に感謝の念を抱きつつ、反対意見も求めた。その事で想定できる事態も想像できるし、対策も出来る範囲で講じる。

 

「女性たちはこの教会に集まる事になっている」

 

「見てきましたよ。他にも人がいるので、場所がもう無くて外にも溢れてます。集まれる場所が必要ですね」

 

「もう夜だぞ。外は寒いし、どこか良い場所はあるのか?」

 

「次の拠点として押さえていた場所がありますのでそこに一先ず移しましょう。当面の集合場所はそこで、大勢が一ヶ所に寝泊まりできる施設を探しておきます」

 

「頼む、シンカーさん。あと、それだけじゃなく、子供、老人の保護、日本語を話せない外人のサポートも行いたい」

 

「うわっ、まだあるんですか」

 

「改めて多大な苦労を掛ける、皆」

 

 頭を下げた。各々がうんざりした顔で、反対意見も出たが、強硬な意見は出なかった。会議が終わった後、もう一度皆に頭を下げて頼んだ。

 

「我らははじまりの街で、おそらく最初に行動を起こしたプレイヤーだ。前代未聞の事件の最中で、例となるものが無い中で、我らは初めての前例となるだろう。俺は、解決に導く(すべ)を持っている訳ではない。すべてが、手探りから始まった。間違いだと言われ、後ろ指を指される事もあるだろう。それはすべて、後の事だ。いまはどれが間違いなのかはわからんし、我らはいまやらなければならん。だから、頼む、皆。いま、やってくれ。いま、助けてくれ」

 

 磨き上げられた円卓には、自分の姿の輪郭が影となり映った。自分の元の顔はすでになく、足した髭は老けて見せているだろう。今の俺は俺だろうか、と戸惑う事がある。やらなければならない、と強い念を抑え込めず、待つことが出来ずに動いてしまった男だ。愚かな事だっただろうか。そうだとしても、やめる事は出来ないし、考えたことはない。ぱん、と手を打った音がした。それはすぐに伝播し、部屋は十数人の拍手に包まれた。それが自分に向かっているというのは、ありがたいが申し訳ない気分になる。これを、きっと感謝と言うのだ。顔を上げると、拍手が止んだ。円卓の面々を見渡すと、アイガイオンは教壇に立つ為の扉を開けようとした。これから、集まった人々への通達が色々とある。ちょうどその時、部屋の扉が勢いよく開いた。第一層のボス部屋が見つかった、との報告が入った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。