魔法人外りりかるオルカ   作:おーり

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安吾日記みたいなノリで


【3】鯱主日記

 

 

 ○月×日 誕生

 

 時期は分からぬが本当にシャチに転生したらしい

 やるじゃん(やるじゃん)

 

 ちなみに日記を書くような設備も環境でもないのだが、人間としての意識を忘れぬように、思考実験みたいな形で脳味噌を働かせる

 確か、イルカ系の哺乳類の脳味噌ならコミュニケーション能力を備えているから、進化系統としては上等とかどうのこうのとか色々図鑑で読んだ気がする

 既に色々漏れている気がしないでもないが、この思考が失われない限りは人としての知識を十全に活用できそう。イケそうな気がスルー

 

 ねぇしってるぅ? 和歌山じゃイルカを捕まえて食べるんだってぇ(豆柴

 狩られる立場に収まるモノか!

 イヌイット共め、ミテロ!(錯乱

 

 

 

 

 

 ○月×日 巣立ち

 

 おい誰だコミュ能力が備わっているって言った奴

 なんか仲間のシャチらが一向に関わろうとしないのだが?

 

 アレか、既に転生者で、人間としての匂いを醸している思考が漏れ出ているから野生の勘が働いているとか、そんな理由か

 こちとら生後3日の幼子だぞ

 面倒見ろよー

 

 と、言っても届かぬテレパシー

 泳げるし、仕方がないので自分の身一つで狩を開始することに

 イワシとかなら結構簡単に獲れたり、偶にクジラの死肉を見つけたりして飢えを凌ぐ

 あれ、意外と楽に生きられるな

 まあ、自然界ならば武器を扱う人間を除けば海中最強の生物だって謂れがあるくらいだし

 なんだっけ? 確か学名が「冥界よりの魔物」とかって名付けられたはず

 意外と覚えている俺すげぇな

 

 ところで、実は日付の感覚が曖昧だったりする

 そういえばイルカって寝るときは脳を半分ずつ休ませているんだ、って聞いた覚えもある。その所為かも知れない

 三日も経っていたっけ? 実は一日じゃね?

 

 

 

 

 

 ○月×日 実は日付が曖昧

 

 身体も大きくなってきたのでもう少しガタイの良い獲物を狙い出すことを目標に海中を進む

 Onlyである

 別に泣いてないしー、lonelyな生き方は前世からだしー

 

 孤独を愛するハードボイルドはまあともかくとして、小魚ばかり狙うのは漁業的にどうかと思うんだ

 海のギャングは大物を狙うべきだ、ってばっちゃも言ってた

 

 お、鮫発見

 

 スクリューアタック!!!

 

 

 やべぇ粉微塵だ

 

 

 

 

 

 ○月×日 進化!

 

 蛸喰ったら触手が生えた

 やったねタエチャン! プレイが捗るよ!

 

 おふざけはこの辺にして

 

 今まで魚型だけに傾注していたから変化が無いので確認できなかったが、しっかりとチート性能は備わっていたらしい

 ……海藻とか喰ったらどうなるんだろう

 

 

 

 

 

 ○月×日 なんというクリーチャー

 

 阿古屋貝を殻ごと喰ったり、越前クラゲを喰ったり、小魚の群れに集まっていた海面のかもめを喰ったり、北極圏に上陸して白熊やアザラシなんかを好き嫌いなく食べていたらキメラの完成です

 なんということでしょう(ビフォーアフター風

 

 身体もデカくなりすぎて、ちょっと食事がおっつかなくなってきた感じがする…

 既にマッコウクジラを一口サイズで食えるレベルだ

 どうしよう。このままじゃ海の生き物喰い尽くすまでこの飢餓感は止まらないぞ…

 

 いや、待てよ?

 確かマッコウさんよりでかいあのナガスさんはプランクトンを喰っていなかったか…?

 

 食事の方法を変えるか

 というか、自前の躰を改造する方が早い気がする

 

 レッツ魔改造★

 

 

 

 

 

 ○月×日 コレが俺の第二形態!

 

 デカくなりすぎた躰が間違って浮上しない程度の10,000mクラスの海底に貼り付けて、マグマの地熱や魚の死骸・プランクトンなんかを自然と吸食するシステムを開発したぜ!

 燃費の問題はこれで解決できたし、いたずらに乱獲せずに済みそう

 ヨカッタヨカッタ

 

 …と思っていたら、ただ海底にへばりついていることが一番の苦痛

 退屈だ…

 でも下手に動いたらまた燃費が悪くなるしなぁ…

 

 

 

 

 

 ○月×日 コレが俺の以下略!

 

 クラゲは自身の子を産むのではなく、自らの分裂体をそのまま次の世代として海中に放出するという

 それを応用すれば、俺も可能じゃね?

 

 燃費を維持した本体を休眠させて、元のオルカな形態に意識を載せて分裂する

 ついでに他のシャチよりもやや小型を設定しておけば、燃費の悪さも若干控えめになると思われ

 第一に“巨体である”っていうのが燃費の悪さを誘発させていたんだよなー

 半分程度の大きさなら問題点を解決できるし、何より食事の楽しみも味わえる!

 これが生きる喜びって奴か…!

 

 

 

 

 

 ○月×日 なるほど、そうきたか…

 

 ドルフィンキックでクラッカーとチーズとワインをゲットしていると、投げ出された余りモノをより海中へと引きずり込む『種族』と目が合った

 半魚である

 奴らは大人数で『戦利品』を確保し、堂々と俺の目の前を通り過ぎて行った

 

 なるほど、喧嘩を売っているわけだな?

 

 ひとりも残さず喰い尽くす…!

 

 しかし、お蔭でこの世界がどういうモノなのかをようやく理解した

 あのインスマス面から察するに、恐らくはクトゥルフ神話形式の二次創作なのだろう

 もしくは原作がそういう方向性を兼ね備えた、とか…?

 

 直葬されるSAN値は備えちゃいないが警戒はしておいた方が良いのかもしれない

 とりあえず、此れで通算何体目かになる分裂体(卍解Ver)を受信機替わりに預けておく

 分裂体は死なない限り意識を遠距離でも送受信できる仕組みなので、実は今では世界中の海に自分の巣があるような状態だ

 

 あまりの巨体に半魚共は豪く崇め奉っておったがこれでもしも彼奴等が反旗を翻せば、実は金色疋殺地蔵みたいに毒を噴霧して一網打尽にするのもベイビィハンドをイージークイックな罠

 精々僅かな安寧に浸るがいい…くくく、はっはっは…アーッハッハッハッハ!(魔王調

 

 

 





~転生オリ主のスペック分析(テンプレ
 とりあえず通例だよな
 ちなみに主人公はイルカとシャチがごっちゃになっている模様
 実はけっこう違う
 猫とライオンくらいには違う


~スクリューアタック!
 最大時速60から70キロを出せるそうな
 何気に2トントラックで轢き逃げされるのと同レベルの膂力
 そして神転した転生者なら身体能力が向上しているのは既に周知の事実
 あいてはしぬしかない


~マッコウさん&ナガスさん
 マッコウさんは16~18メートル、ナガスさんは20~34メートル
 マッコウさんはダイオウイカなんかと戦うのが有名
 ダイオウイカは現在最大18メートル。身はアンモニアが酷くて喰えたものでは無かったとか。それを喰うのかマッコウさんぱねぇな
 伝説上のクラーケンはそれがモデルになっていると聞くけど、絵を見るとどうしても蛸
 あれも最大ならば9メートル行くらしいけれど、ダイオウイカと比べるとどうしたって見劣りする
 ノルウェー博物誌によればクラーケンの大きさは横幅1マイル半(2.5キロ)らしいが、其処まで行くと完全に生物としての相は喪失していると見た方が近いのやもしれず、98年の映画『ザ・グリード』にもそれをモチーフにした怪物が登場したけど大きさは豪華客船に侵入する程度だったから『博物誌』の記述は参考にするなってことなのだろーなー
 …ところでマッコウさんとダイオウイカは互いに天敵の認識らしいから、より大きなものが出てきたらそれを凌駕する大きさに相手がなってくる、っていう説があるけどマイナーな異説かなぁ…


~ドルフィンキックでry
 ジュディマリ。クラッカーとチーズとワイン(意味深
 ウエハース感覚でサクサク食べれる手ごろなモノが海上を通過する時代背景
 その昔、アナザヘブンという漫画があってだな、作中で主人公が「人の脳味噌はチーズに似た味がするらしい」って言ってたんだ…
 あとは、わかるよね?
 ちなみに作者が一番最初にホモに目覚めたのが件の作
 若しくはグラビテ


~卍解
 分裂体が食べ過ぎると巨体になるっていう法則
 寿命は何処へ消えたのか…
 ちなみにその状態はどっちかというと金色疋殺地蔵というよりはグロトネリア
 レスレクシオンじゃねーかよ


~ベイビィハンドをイージークイック
 赤子の手をひねる、という慣用句
 嗤い方が3段階に跳ね上がるのも仕方がない



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