東方古来伝   作:紫畝 幽扇

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どうもー、テストも終わり気が抜けている紫畝です。
ついに、待ちに待った夏休みです!
こんな時こそ執筆したいのですが、暑くてやる気が出ませんなー。まったく。
…愚痴で始まってすいません。
では、ゆっくりしていってね!


第8話 背後の妖怪

「はあっ!」

 

俺は現在、家の庭で弾幕を撃つ練習をしている。妹紅によると、始めた当初に比べれば大分マシにはなったらしい。あくまで、マシ(・・)である。それでも俺としては、頑張った甲斐があるというものだが。

あの初陣から幾日か経ったが、その間にいろいろあって疲れてしまった。今にも…

ん?いろいろとは何かって?

こほん。それでは、説明しましょうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺が初陣を飾った日、無事に俺と妹紅が家路についていた時のこと。

 

「ああ、本当疲れたなー」

「あんなに無茶するからだ」

「無茶させたのはそっちだろっ!」

 

俺たちがそんな他愛もない話をしていると、林道の横の湿地からガサガサと音がした、らしい。死ぬ間際のことが他愛のないというのが残念だが、そこは触れないでおきましょう。

 

「ねえ、なんか音がしなかった?あっちらへんから。オマケに誰かが付いて来ている感じなんだけど」

 

妹紅がそう言ったので耳を澄ましていると、どうやら音がこちらに近づいているみたいだった。俺は咄嗟に身構えてしまった。先ほどの戦闘が頭の中にあったせいで、また妖怪が出てきたのかと思ったのだ。

 

「………どこ?」

「ふふっ、面白いわね」

 

俺は音の元を探そうと湿地の方を見るのに必死で、背後に立っている妖怪(やつ)に気がつかなかった。

 

「…うわっ!」

「あら、そんなに驚くことかしら?」

「おっ、驚きますよ!」

 

俺が驚くのも無理はないと思う。その妖怪はどこから出てきたのか全身泥だらけで、その泥が付いた手で俺の首筋を撫でたのだ。俺の首には茶色の線が三本走っている。

 

「…はあ、なんで出てくるの?紫?」

 

横にいた妹紅が静かに呟いた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

妹紅の話を聞くと俺の背後に立っていた妖怪の名は、八雲(やくも)(ゆかり)と言うらしい。

 

「こいつが例のスキマ妖怪なんだけど…」

「こいつとはひどくないかしら?」

「へえー、この人ががー。ちょっとがっかりかも」

「え?私そんなに有名?それは嬉しいわね…って、がっかりって何よっ!」

 

まさか、こういうノリの人だとは思わなかった。まあ、勝手に名前だけで想像していた自分()悪いのだけれど。ちなみにどういう人を想像していたかは、俺の身の安全のため割愛させていただきます。

 

「まあまあ、落ち着いて」

「落ち着いてられないよ!というか、何でそんな汚い出で立ちなんですか?」

 

無論、紫さんの顔のことではない。泥の付いた汚らしい服装のことだ。

 

「ははっ、愁也とお揃いだな」

 

妹紅に言われて気づく。俺も妹紅と初めて会った時、泥だらけだったことを思い出し、思わず顔が赤くなる。

赤くなった顔を見られたくなかった俺は視線を紫に戻した。何故か紫さんは服がさっぱり綺麗になっていた。

 

「その、実は…」

 

紫さんが切り出す。

 

「あの戦闘を見ていたら、二人の見事な連携に感動しちゃって、貴方達に興味が湧いたのよ。それでつけてきたの」

 

…マジですか。妹紅ならあんなにカッコ良く決めたからまだ分かるが、なぜ俺に?

 

「それは、あなたが面白い能力を持っているからよ」

 

はい?俺は今考えていることを言われて、驚いた。オマケにその理由が、俺の能力だなんて…。まだ何も能力について話していないのに。やはりこの人はすごい人だなと思った。

…人なのかどうかは知りませんが。

 

「そうですか」

「それでね、ちょっとその…」

 

紫さんが言い淀んでいたので、ひょっとして何かしでかしたのではないかと思い出してみるも、たいして何もしていなかったように思う。

妹紅を見るとこちらも俺と同様、よく分かっていない様子だった。

 

「貴方達があまりにも仲良さげだったから、ちょっといじってみようかなーと、ね?」

 

いや、ね?じゃないだろ。というか、仲良さげって本当に何もしていないと思うが。

 

「湿地からガサガサ音を立てて、貴方達の気を引いているうちにスキマで背後まで移動したのよ」

「「………」」

「どう?素晴らしくて声も出ないかしら?」

「…スキマってなんですか?」

「そこかよっ!」

 

強烈な妹紅のツッコミが入ったが、スキマというものが気になるのである。さっきの紫の話を聞くにどこでもドアみたいな感じに思ったが。

 

「あれ?さっき使ったんだけどね。そうね、じゃあ見せてあげるわ」

 

紫さんはあっさりとそう言い放ち、手を前に出した。するとすぐその手の先から空中に線が入っていき、中が広がっていった。まるで、別空間が作られたかのようだった。

 

「別空間というよりね、この空間にスキマを作ったのよ。私の能力は、『境界を操る程度の能力』なのよ」

 

いいから、心は読まないで欲しい。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

物事には全て境界がある。境界は物事が存在するか存在しないか、明確な有り無しを分けるものである。

よって、境界を操る…それは大変危険なことである。物事を一瞬で覆してしまうのだから。使い方によっては新しい存在を作り、また破壊することもできるらしい。

…本当はまだまだ話してくれたのだが、長ったらしくて話すのもめんどくさいのでここら辺にしよう。

 

これだけならまだ疲れもそこまでではなかったのだが、それからの展開がダメだった。

 

「愁也ぁー?そこのお酒とって頂戴」

「………」

 

そう、なぜかは知らないがその日から紫さんが家にお邪魔してくるのだ。つか、そんなもんスキマ使って取れよ!てゆーか、真っ昼間から酒ばっか飲んでんじゃねーよ!

というか、ツッコミどころ多すぎるだろ!

と言っても、大妖怪である紫さんに逆らえるはずもなく、仕方なく酒を持っていく。ちなみに酒は全て妹紅の蔵にあったやつである。

 

「ありがとー、まあ、スキマ使えばいいんだけどね」

「じゃあ使ってくださいよ!」

 

そんな言い争いをしていると、騒ぎを聞きつけた妹紅がやってきた。

まずい、これはっ…

 

「紫、また来てたの。…って、なんで私の蔵の酒を紫が持ってるの?愁也?」

 

思いっきり作り笑顔で俺を見て…睨みつけているという方がぴったりなのだが、指をポキポキならしている。なんというか、めっちゃくちゃ怖い。

 

「いや、その、あれですよ。…あはは」

 

必死に弁解しようと試みるもうまい言い訳が思いつかず、ただ乾いた笑い声だけが室内に響いた。

俺は仕方なく援軍を出してくれそうな紫さんに助けてくれというように視線を送った。紫さんはそんな俺を見て、手にあった扇子を口に当てて肩を揺らしている。いや、笑ってるんですか?あなたのせいですよね?

と少し怒りに震えた直後、

 

「とぅぇぃぁああ〜!」

 

俺は急速に落下していた。




どうでしたでしょうか?
ついにゆかりん登場です!
そろそろ妹紅以外にも原作キャラ出そうとした結果です。
おかげで、少し長くなってしまいましたが…
それにしても、ゆかりんの口調をうまく書くのが難しいですねー。だいぶ、苦労しましたよ。
御意見&御指摘等あればよろしくお願いします!
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