サーヴァント・ヒーロー   作:かたなあさはまな

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間桐の家の蟲が蠢き薄暗く広い地下室。そこには繋がれた一人の少女が居た。


いつもは静寂な・・・いや、蟲が蠢く音しか聞こえないはずの地下室に、誰かの声が聞こえていた。


「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。」

無意識にその声に追従するように、口が動いていた。

本来ならば意味のない事のはずだった。

魔法陣を描き、選ばれた者が呪文を詠唱し、聖遺物を触媒にしてサーバントを呼び出す。

その、必要なはずのほぼ全ての手順を無視しては意味がない。

だが、ポケットに仕舞った何の変哲のない、それこそスナック菓子のおまけのカードが少女の鼓動に応えた。



第2話

間桐の家の蟲が蠢き薄暗く広い地下室の一室。

そこに囚われた間桐桜。

 

間桐桜の前には、黒い異形の者が存在していた。

 

「なんと、まさか桜がサーヴァントを呼び出すとはのぅ」

 

ふひひと老人が醜悪な笑顔を見せながら、黒い異形の者に近づいていく。

「貴様は何のクラスのサーヴァントじゃ?」

黒い異形は振り向かず、間桐桜を見ながら答える。

「サーヴァ ント、サーバント」

「うん?」

「サーヴァント ヒーロー」

「ふむ、なるほどなるほど」

老人は顎をさすりながら、何かを納得する。

「儀式もなく聖杯のバックアップがあったとは言え、未熟な魔術師に無理やり呼び出されたのじゃからのぅ、不安定なのも当然か」

その言葉に、何も興味も持たないそのサーヴァントは間桐桜をただ見続ける。

「ふむ、サーヴァント・ヒーローよ真名は何というのじゃ?」

間桐桜を見続けるサーヴァントは、何かを思い出すように声を出す。

「仮面   ライダー BLACK、RX」

「かめんらいだぁ、ぶらっくあーるえっくすぅ?聞いた事がないのぅ」

そして、何かを思い出したサーヴァントは間桐桜に手を伸ばす。

「まあ、よい。ほぼ諦めていた此度の聖杯戦争。勝ちが見えてきたのぅ」

ふひひと、欲望を顔に浮かべ笑う老人。

そして、眼前のサーヴァントが何かをしているのに気が付いた。

「何をしておるのじゃ?」

「助ける。彼女を」

ふむと頷き、顎を撫でながら今後の事を考えながら邪悪な笑みを浮かべる。

「助けたいのなら、ワシに従え」

間桐桜に付いていた蟲を払い続けたRXは、初めて老人に対し顔を向け見据える。

「その者にはワシの蟲が巣食っておる。ワシの言う事を聞かねばその者を救うことは出来んぞ?雁夜のようにな」

自慢げに言う老人は、RXの複眼の様な目に自身に向かって放たれる憎しみを感じながら笑っていたが、祖の笑みが凍り付く。

RXは突如として光りだし、光が収まると青くなっていた。

「な、何じゃそれは」

「RX、バイオライダー」

「ばいおらいだぁ?」

老人が聞き返した瞬間、バイオライダーは液状になり少女の体内に入り込んでいく。

「何じゃ、何をしておる!?」

少女の体内から出てきて、液状から戻ったバイオライダーの手には、蟲が握られていた。

「それは、桜に植え付けたワシの蟲!」

ボトボトと落とした蟲を踏みつけながら、元の黒い姿になったRXがベルトのバックルに手を伸ばす。

「ゆるさん、リボルケイン」

そう言うとベルトから剣を引き出す。

「ほう、それでどうするというのじゃ?」

無言のままRXはリボルケインを老人に突き刺すが、老人は血が流れるどころか痛みを感じる様子すら見せない。

「ふひひ、無駄じゃと分かったじゃろう?だから大人しく」

そう言った瞬間RXが「リボルクラッシュ」とつぶやいた。

リボルケインから膨大なエネルギーがあふれだし老人は「ぎゃあああああああ!」と悲鳴を残しながら蒸発していった。

 

 




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