後、話の投稿速度を速める為…登場人物の名前を省こうと思います。今話は違います。
ちなみに今回はタイトルを変更しました。今後、話の展開によって次話のタイトルを変更する可能性があります。
では、前回のあらすじをどうぞ。
~前回のあらすじ~
”第二の問題”…。それは南理事長を筆頭に”蝋人形”になるかもしれないのであった。
μ’sや雪穂と亜里沙の”11人”は最初から最後まで体育館に居た事で免れることが出来たが…。
啓曰く残りの参加者は”蝋 家龍”による”永遠の美”の犠牲になる確率が高いということであった。
この事によって思わず泣いてしまった真姫とことりであったが…。
啓は2人を抱きかかえると、2人の乙女の心境を落ち着かせることに成功し、にこの病室に戻っていく。
かくして、様々な事件が起こった三月は終り…四月が始まろうとしていた。
2015.4.1 水 某時刻 ~西木野病院”談話室”~
海未”そうですか…。 ことりや真姫がそんな風に泣いていたのですか…。”
啓”ああ。”
啓は今、談話室で海未と連絡を取っていた。
海未”それで…にこの容態はどうなのですか?”
啓”西木野先生が言うには、にこが倒れたのは精神的なものが大きいだとよ。 だから、目覚めた時がどうなるか分からない。”
啓”だから、目覚めたときに傍で俺がいれば、にこも安心するだろうってな…。”
海未”そうですか‥。”
啓”それによ。 なんでも”避難場所”で大勢の人達が倒れていたらしくてな。 それで、西木野病院は避難の患者と龍感謝祭の参加者でいっぱいなんだとよ。”
海未”そう言えば、ニュースで言ってましたが…。”
啓”ああ、病院でも調べたら全員が全員。全く同じ方法で気絶させられていたらしい。”
海未”気絶!? 一体、どうやって…。”
啓”恐らくは”覇王色の覇気”だと俺は考えている。”
海未”はおうしょく…?”
海未が聞き慣れない言葉に啓の言葉を繰り返した。
それもそうだ。”覇王色の覇気”というのはこの世界に存在すらないのだ。
啓”・・・昨日、俺がにこに対して、使ってたやつだ。”
海未”…!!”
第35話 ”龍感謝祭”にて
啓「‥‥すまん、にこ。」
にこ「えっ…!!」
”キッ!!”
にこ「!!‥‥。」
”ドサッ…”
海未”あれがそうですか…。 一瞬、近くにいた私も意識が遠のきそうでした。”
啓”にこにやったときはあくまで最小でやったからな…。”
海未”あ、あれで最小なんですか‥? 確か、真姫もそう言ってましたが・・・あはは。”
海未は渇いた声で笑う。
啓”ともかくだ…。俺達はこれから様々な事を話さなければならない…今後の為にな。”
啓”それで今日、警視庁に俺とμ’sで向かうが…海未達はどうすんだ? 西木野病院や警視庁に行くのか?”
啓としては今様々な疑問が浮かんでいた。
だが、啓以上に…自分以外のμ’sや警察といった元々この”ラブライブの世界”にいる人間は余りの事に現実で起こっている事に頭がついていっていないのが現状であった。
この平和な国、日本であれば尚更だ。
だから、先ずは啓以外の人間の頭の中を整理する必要があり、最優先で行うべきなのだ。
その為に啓としては他のμ’sメンバーを警視庁に行かせなければならない。
しかし、啓の思惑は崩れてしまう。
海未”そうですね…。 行きたいのは山々なんですが…私のお父さんが外に出るなと言っていまして…。”
啓”なんだとッ…。 来れないのか、海未。”
海未”はい、私以外に…穂乃果、亜里沙、凛、花陽も外出を許さないと親御さんから言われているらしくて…。”
啓”困ったな。 んっ…まさか、μ’sの親達は病院に行っていないのか?”
海未”ええ…困った事に聞き入れてもらえなくて…。 多分、私達が何処かに行こうとするのを防ごうとしてくれてるんですよ。”
海未”TVでも散々…色んなニュースが流れてますから‥。 それで危機感が生まれて頑なに…。”
啓(・・・親からしたら娘が外に出ると危険なのは分かるが、今海未達の両親等は”蝋人形”になる可能性がある…。 病院に行ってもらわないといけないが…。)
啓(かと言って、現状…病院に行ったとしても”治る”わけじゃない…。 却って混乱するか。)
良識ある大人であれば、そんな事は信じはしないだろう…。だが、その良識が自分の首を絞めているのだ…。
とはいえ、蝋人形から”人間”に戻せる治療法など、世界中の医療機関に診せてもそんなもの存在しない。
未知の”蝋”という《災厄》の脅威に余りにもこの”世界”は脆弱なのだ。
啓(そもそも、明日にμ’sを東京港に”絶対”に連れてこないといけないからな…。)
そう、どっちにしろ…金剛山からの命令でμ’sを連れてこなければならない…。
海未”結論を言えば、私達は外に出れそうにないのです…。”
海未 ”…誠に申し訳御座いません。”
啓”いや、海未が謝る事じゃないぞ。”
海未”ですが…。 あの2人 いや、”3人”なら大丈夫かと思いますが…。”
啓”むっ…? 3人ならって誰の事だ?”
海未”あっ…。 啓さんは知りませんでしたね。”
海未”希と絵里。 それに亜里沙ですよ。”
啓”・・・どうして大丈夫なんだ? その3人が。”
海未”昨日の龍感謝祭で、希と絵里のご両親は来ていないんですよ。”
啓(き、来てない‥? ”両親”?)
その時、啓に”頭痛”が襲う…。
”ズキッ!!”
啓「ぐッ!?」
海未”啓さん!? どうしたのですか!?”
啓「いや…。 ちょっと頭痛がしただけだ…。 続けてくれないか?」
海未”は、はい…。 それで、絵里のご両親はロシアで離れて暮らしているらしくて。 希のご両親はなんでも仕事が凄い忙しくて、希は一人暮らしなんですよ。”
啓”そうだったのか…。 どうりでその3人の両親が居なかったのか…。”
海未”はい、それで本題ですが。 その3人なら自由に外に出れる筈ですし、病院や警視庁にも行けるのではないかと。”
啓”確かに両親が傍に居ない分、自由に出来そうだ。”
海未”それにですね。絵里や希…。 それに、にこは私達にとって引っ張って支えてくれた三年生の先輩方ですからね。”
海未”私達が行けなくても、大丈夫の筈です。”
海未”私達にとっては掛け替えのない…仲間であり”お姉さん達”ですから…。”
啓”・・・随分あの3人を慕っているんだな、海未。”
海未”はい、私だけでなく他のメンバーもそう言うでしょう。”
啓(成程な、ただ解散したからといって簡単に断ち切れる筈ないからな…。 9人それぞれがお互いを考えているって訳だ。)
啓(だからこそ・・・”不安”なんだ。 全員が…。)
啓”分かった。 俺はその”お姉さん方”と警視庁に向かう。 また連絡する。”
海未”はい、宜しくお願い致します。 ・・・では。”
”p”
電話の通話を終え、受話器を戻す。
啓「よしッ。 にこの所へ戻るか。」
啓はにこの病室に戻るのであった。
・・・そして、第43話の時間軸に戻る。
某時刻 ~西木野病院”にこの病室”~
それから、啓は病室に戻るとにこの傍に居続けた。
昨日の西木野邸で泊まっていたことりは母”南 鳴”の病室で、真姫は”院長室”に居る。
取り敢えず、2人には穂乃果達は来れないが、絵里、希、亜里沙の3人が来ることと亜里沙は置いて…希と絵里で警視庁に行くことを話すとそのまま啓はにこの病室にいて、希達を待つことにした。
その間、啓は”見聞色の覇気”を発動しながら、にこの傍に居た。
これはもし、病院に”転生者達”が現れた際にすぐにでも迎撃出来るように、そしてここに向かって来ている”希達”を把握する為だ。
啓(クソッ…本当なら。)
”ググッ…”
啓は拳を握る。
本来なら…啓はμ’sを”一か所”に集めて護りたかった…。
何故なら、”にこの家族”を転龍会に連れ去られたからに他ならない。
啓は”にこの家族”を攫われたことに負い目を感じていた。
だから…μ’sを片時も目が離せないのだ。
とはいうものの…現在の啓は”転龍会会長”によって技を奪われており、弱体化。そして、これまでのダメージ…特にまだ新しい”澤井 豪也”の破裂攻撃がまだ痛む。
その為、μ’sを護りきれない可能性”大”だ。
仮に警察などに任しても、闘うどころか”覇王色の覇気”で気絶されるのがオチだろう。戦いにすらならない。
つまり…現状、啓1人が護らなければいけない状況だ。
だからこそあの昨日の”金剛山”の言葉に啓は喉が引っ掛かっていた。
”護りきれん貴様の代わりにあの《お二方》が護ってくれるそうだがな…。”
啓(おふたがた…?)
啓はその言葉に疑問を感じたが、一体どういう事なのだろうか。しかし、奴はさらに気になる事を言っていた。
”貴様のよく知る2人の事だ。”
自分のよく知っている2人…?
啓は聞き間違いはしていない筈だ、啓は常人より耳が良いからである。
問題は自分のよく知る2人の事で、啓が強さが万全でない間…少しの間、他の転生者からμ’sを護ってくれるという事だ。
少なくとも、転生者からμ’sを護れるのは、強さで考えれば…まずこの世界の警察では全く歯が立たないだろう…。
つまり、警察関係者ではない。
となると、その2人というのは他の転生者と同じ”転生者”である可能性が高い。
この世界で転生者と互角に闘えるあるいはそれ以上に闘える可能性があるのはソイツと同じ転生者の筈だ。
啓(2人…俺のよく知る2人。)
啓(金剛山が転龍会の一員だとすれば…まさか、転龍会の”2人の転生者”なのか…。)
啓がまだ疑問を考えていると…。
”コンッコンッ…。”
ドアをノックをする音が聞こえてきた。
啓(…!! この気配は…。)
大らかで母性的である。
しかし、今は不安定であるようだ…。 見聞色の覇気で分かる。
啓はこの”気”が誰なのかが分かった。
どうやら一人のようだ…。
啓「希か…。」ドン!!
啓がノックをした少女に問いかける。
すると…。
”ギィ…。”
希「流石やね…啓君。 よう、ウチやと分かったね。」
ドアを開けたのは、元μ’s”東條 希”であった…。
~西木野病院”にこの病室”~
啓「希は座ってくれ。 俺はこっちに腰かける。」
希「おおきにな、啓君。」
啓は希を椅子に座って貰うと、窓に腰掛けた。
希は、にこの傍にいる椅子に腰かける。
2人が腰かけると、さっそく啓は希に話しかけた。
啓「亜里沙は理事長とことりが居る病室、絵里は真姫と西木野先生が居る院長室に行ったんだろ…?」ドン!!
啓は希にそう話しかけた。
希「えっ!? ・・・今から、ウチが教えようと思ったのになぁ。正解言うなんて…。」
希は啓が答えを先に言われた為に口を尖らせた。
希「どうして、分かったん? 啓君。」
啓「ああ、”見聞色の覇気”っていってな。 まあ、簡単に言えば相手が何処にいるかとかが分かるんだよ。」
希「けんぶんしょく…? へぇ~、凄いな…啓君は。」
希「ホントにこの《世界》におらんかったみたいやね…。」
啓「・・・希。」
希「なぁに~?」
希は砕けた口調で啓に訊き返した。
啓「…俺に何かを伝えに来たんだろう。」
希「…!! ・・・なんで、そこまで分かるん?」
希は啓の顔をみて、疑問を投げた。
啓「さっきも言ったよな。 俺には見聞色の覇気があるんだ。」
啓「相手の気配を察知するだけじゃない…。 相手が自分に対して何が出来るか察知出来るんだ。」
希「…それで、何をウチが伝えるんか分かるって言うん‥?」
啓「ああ、良く分かる。」
啓は希のポケットを指さした。
啓「左ポケットの中に突っ込んでる”カード”を俺に出そうとしているんだろ?」ドン!!
希「・・・えっ?」
希は彼女らしくない間の抜けた声を出した。
希「なっ、なんで…? そこまでわ、分かるん・・・。」
これには希は一番驚いてしまった。
啓「俺に会ってから、しきりに左ポケットを触っていたからな。 その行動を俺に隠そうとしていなかった。」
啓「だから、見聞色の覇気で分かったんだ。 希がこの場所で最も俺に対してしようとする行動だってな…。」
啓「大方、俺に対して何かを伝えようとしているんだとな…。」
希「けど、なんでカードって分かったん…。」
啓「これも見聞色の覇気のおかげでな。」
啓「その人物が特に気に入っている物とかには…その人の特有の意思が宿るんだ。」
希「人の意思…。」
啓「まあ、要はだな…。 その人間が気に入っている物には、その人間の意思というのが込められているんだよ。」
啓「特に俺に”隠そうとしない”行動にはな…。 分かるんだ。」
啓「”板状の物”の気配がな。」
希「…。」
啓「まぁ、絵里達がここに来てないのは…希が俺に話がある為に気を利かしていないんだろう…。」
啓「希、いい加減に言ったらどうなんだ?」
希「ふふふっ…。」
希「アハハハっ…!!! 凄いな、ホンマに啓君は…。」
希はお腹を抱えて笑った。
希のその笑い声は、嬉しいと言うよりは渇いた笑い声であった…。
希「啓君には隠し事は出来へんな…。」
希「そう、啓君の言う通りなんよ。 エリチや亜里沙ちゃんには外して貰ったんよ。」
希「もう、ウチが話したから聞く必要もないし…。」
啓「・・・希、俺に聞かせてくれないか?」
希「うん、ええよ…。」
そう言うと、希は左ポケットからあるカードを取り出した。
それは希が最も気に入っている物…。
啓「それって…トランプか?」
希「ううん…。 これはな。」
”ピラッ”
希「”タロットカード”や。」
啓「タロットカード…?」
希「これはいうならば、占いとかに使われるんや。」
啓「占い?」
希「そう、占いによって描かれたカードには意味があるんよ。」
希「”正義”とか”教皇”とか”戦車”とかがあるんやけど…。」
希「うちが啓君に対して一番に伝えたいんは・・・。」
そう言って、希は啓にあるカードを見せた。
啓「これは…。 金髪の女にライオンとか牛がいるが…。」
希「これはな、啓君。」
希「大アルカナ最後のカード・・・《世界》や。」ドン!!
啓「まさか、希。 お前は…。」
希「そう、ウチが占ったのは・・・今、ウチらが立っているこの…。」
希「《世界》なんや。」ドン!!
希はそう啓に言い放ったのであった…。
啓「世界を占っただって…。」
啓はいきなりの希の発言に今度は啓が驚いた。
啓「どうして世界を占ったんだ? 希。」
啓は何故に世界を占った希に答えを求めた。
しかし、それに対して希はこう答えたのであった…。
希「ウチはな…啓君。」
希「すんごく…今、怖いんよ。」
希はそう啓に告げるその身体は・・・震えていた。
啓「…希。」
そういえば、先ほど見聞色の覇気で希は最初から不安定であった事が分かっていた。
希は今、情緒が安定していないのかもしれない。
希「・・・そもそもな、占うという行動自体はな。」
希「この先の未来が怖いから…”占う”んよ。」
そう言うと、希はカードを見つめた。
啓「先の未来が怖い…。」
希「そうよ。 占いを信じる人は先にどんな困難が起こるか分からないから…。」
啓「希は不安だったから…占ったのか?」
希「そう。 ウチは不安やった…。」
希「元々、ウチがタロットカードを占うのを始めたのも…。」
希「ウチの両親が転勤族だったからね。」
希はそう啓に告げた。
啓「親の仕事が忙しかったのか…?」
希「うん、ウチの両親は2人ともバリバリの”商社マンと商社ウーマン”でな。 2人とも社内恋愛から結婚したんよ。」
希「それで程なくして。 ウチが生まれたんやけど…。」
希「けど…パパもママも忙しくてな、殆ど家にいなくて。」
希「それでいて、転勤が多くて、当然ウチも学校を転校せなあかんかったんよ…。」
啓「…!! もしかして、タロットカードを始めたのは。」
啓「転校先で”友達”が出来るのかとか先の生活が不安だったから始めたのか‥!」
希「その通り、流石やね。 啓君は話がすぐに分かって助かるわ…。」
希「ウチは転校が決まったら、まず占ってな。 自分がどうすればいいのかを占ったんや。」
希「それで、占いの結果次第でどう生活すればいいのかを決めたんよ。」
啓「…それでどうだったんだ?」
希「少なくとも、イジメられたりは無かったんやけど…。」
希「けど…友達は作れなかったんよ…。 いや、作ろうとしなかったんが正しかったんかな?」
希「出来ても出来なくても…スグに転校したから。」
啓「…。」
すると、希は急に思い出したかのように声を上げた。
希「あれ・・・あっ、ごめんな。 さっきの質問の答えがまだだったわ。」
希「なんやろな…。 なんか”啓君”にはついつい話してまうな…。」
希は普段の自分と調子が可笑しいと思った。
啓「いや、大丈夫だ…。 俺は希の言わんとする事が大体分かったからな…。」
希「えっ…分かったって?」
希は啓の言葉に驚く。
啓は真っ直ぐに不安そうな希の瞳を見るとこう答えるのであった…。
啓「要はだ‥希。」
啓「問題が大きすぎて…自分の手に負えないんから”不安”なんだろ?」ドン!!
希「…!!」
”ポロッ…”
すると、希の手からタロットカードが零れ落ち、床に向けて落下する。
しかし…。
”パシッ…”
床に落ちる前に啓は希のタロットカードを素早くキャッチしたのであった。
啓「…希は”占い”に人一倍思い入れがあるみたいだな。」
啓は世界のタロットカードを見つめ、言葉を発する。
啓「聞かせてくれ、希。」
啓「希が占った事を詳しくな…。」
希「うん、分かった…啓君。」
希「・・・ウチが”占い”で分かったんは。」
希「《この世界の崩壊》や。」ドン!!
後編に続く…。
希が言った《世界の崩壊》とは…。
後編に続く。