転生の龍が如く 〜女神の守護者~   作:kantarosu

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どうも、kantarosuです。今話で、四章の節目を迎えます。…2人の転生者の闘いの行方とは…。

今回の話はかなり長いので前後編に分けました、栞を挟みながらじっくりお読み下さい。

…では、前回のあらすじをどうぞ。

~前回のあらすじ~

音乃木坂学院での金剛山との決闘の約束を取り付け、遂に桐生は、、、最終到達地点かつ決闘の地…”旧第三倉庫”へと辿り着いた。

そこに待ち構えていた転生者こそ…巨漢の転生者”金剛山 強”…。
BOWの死体の山に座し、桐生とにこの到着を待ち望んでいた金剛山は、他のμ’sメンバーを召喚する様に命令する。

その命令に従った啓は、この場にμ’sメンバーを召喚した。そして…突如、海の中から現れたのは…にこ以外のμ’sメンバーとその家族であった…。

μ’sは昨日の内に軍港から潜水艇で東京港まで向かっており、敵の妨害を出来るだけ避けて東京港まで辿り着いていたのだ…。

かくして、転龍会の要求を達した啓達であるが…これからが本番。

啓はこの先の闘いに進む為に、、、”天山角の金剛山”と勝敗を決するべく、決闘に臨むのであった…。


第60話 ”二つの決着”前編

  ~東京港工業地帯”海洋製薬第一工場”~

 

 ?「今、通信してもいいんですか? 副総長。」

 

 青羽「余裕のよっちゃんだよい、副総長っていっても上がいる以上”中間管理職”だからな。話してくれよい、頼瀬。」

 

 頼瀬「はい、以前として、、、馬羅垣組長と麦野組長の行方は把握出来ておりやせんね。」

 

「”見聞”でも探知出来ねェのか…。そうなると、2人はこの”世界”に居ねェのかよい?」

 

「はい、恐らく”金獅子”の連中の能力と見てもいいですね、間違いない…。」

 

「そうか…まぁ、あの2人が負けるとは思えねェな…。」 

 

「まぁ、報告は分かった…じゃあ、オメェも暴れて良いぞ。」

 

「…!! 分かりやしたッ!!」

 

 ”プツッ‥!!”

 

「全く、あの暴れたがりは困ったもんだよい…。」

 

(さて、”炎の総長”殿はどうなってるか…。)

 

 

 冊冊冊冊冊冊

 

 

 同日夕暮れの時刻…~東京港”旧第三倉庫前”~

 

 夕暮れの中…ランスシュートで金剛山を吹き飛ばした啓は、その威力でダイヤモンド体になった倉庫のシャッターをも貫通させた。それにより、外に出る事が成功する。

 

 啓「ハァ…出れたか。」

 啓は息を吐きながら、、、大きな夕陽の陽射しに手を翳す。…見れば、夕陽はまだまだ落ちそうはなく…それ程時間が経っていないのだろうか。

 

(”夕焼け”か…なんだか、寂(・)し(・)く(・)なるな…。)

 そう思うが…直ぐに頭を振りかざす。

 

(それより、奴は何処へ吹き飛んだ?)

 吹き飛ばした位置関係なら…この辺りの筈であるが。

 

 「”俺”を捜しているのか…?」ドン!!

 

 「!?」

 啓は上を振り向くと、金剛山が倉庫の上から声を掛けられたのに気が付いた。

 

「ダハハッ…驚いている様だな、小僧。」 

 

「馬鹿な…顔を抉った筈だッ!?」

 

「顔を抉った…焼き抉ったこ(・)れ(・)の事か?」

 

 そう言うと、金剛山は持っていた顔(・)が(・)抉(・)れ(・)た(・)自(・)身(・)の(・)顔(・)を啓に見せつける。

 

「”偽物”!?‥さっきの槍野郎と同じ能力で造ったのかッ!?」

 

「ダイヤ・クラフト”ハーフ・カット”‥所謂、分身技だ。」

 そう言うと、金剛山は上から飛び降りて啓の前に立った。

 

「上空からの”金剛槍波”を仕掛けたと同時に、この分身を紛れ込ませたのだ…。」

 

「…!!」

 

「幾ら”見聞色の覇気”に長けていても、実際に避けなければ意味は為さんからな。」

 

「クソッ、、それも”テメェの闘い方”って訳かッ…!!」

 啓は声を荒げると、自身の数倍以上ある背丈を持つ金剛山を睨みつけた。

 

 

 だが…常人なら、思わず萎縮する様な迫力がある”転生の龍”の”ヒト睨み”も金剛山は全く動じていなかった。

 

 …むしろ。

 

 

 「ダハハッ…若(・)い(・)な(・)。」ドン!! 

 

 

 むしろ、、、高笑いしながら荒ぶる若き龍に対して、ストレートに言い張った。

 

「なんだとッ!?」

 

「俺との決闘に至るまでの疲労…そして俺のダメージを喰らっても、自分の気に入らない事があれば直ぐに吠える…そういうところが若(・)い(・)という事だ。」

 

「…!!」

 

 自身の気迫にまるで動じない巨漢の転生者…金剛山に啓は苛立ちを募らせた。

 

 

「ダハハッ…そうカッカッするな、”分身技”は中々高度な技だが…”非常に便利な技”なのだ。」

 

「…自分の好きなタイミングで”人手”を増やせる。…貴様が分身と戦っている間、俺は”工事”をしていたのだ。‥あれが見えるだろ?」

 言い終えた金剛山はにこ達が見ていた場所を指し示した。

 

 そこには、ダイヤモンド状のシェルターが建てられていた。煌めくダイヤモンドの光が眩く辺りを照らしている。

 

「あれは…!?」

 啓は見聞色の覇気で確認するがどうやらあの中にいる様だ…。

 

「”避難壕”というモノだ。正確に言えば、俺が掘った”大穴”に娘達全員避難させた。あのシェルタ―は中を守る為に覆っている。」

 

「”大穴”…俺がテメェの分身と戦っている間に、アレを造ってたのかッ…!!」

 

「そうだッ…μ’sを手に入れる事は俺達”転龍会の目的”、あ(・)れ(・)ら(・)を死なすわけにはいかんのだ。」

 

「それに加えて言えば…転(・)生(・)し(・)て(・)ま(・)だ(・)間(・)も(・)な(・)い(・)筈(・)の(・)貴(・)様(・)が会長に狙われる程の強さがあるのかどうか、”分身”で厳しく確かめたかったのだ。」

 

「…。」

 

「…本来なら、此処で今(・)日(・)一(・)日(・)は(・)俺(・)と(・)貴(・)様(・)だ(・)け(・)の(・)決(・)闘(・)で(・)済(・)む(・)筈が、蛇蝋は兎も角、、、金獅子の横槍まで入って来たせいで、俺達の当初予定していた事が台無しになるところだった。いくら、強くなったとしても、行動を起こす意志というのは無くせんからな…。」

 

「だが、貴様とその仲間はそれらアクシデントを乗り超えて、ここまで辿り着き…その決して全快とは言えぬ身体で我が分身をも倒してみせた。」

 

「…まったく、大した転生者だ貴様は。」

 金剛山は旧第三倉庫の前に立つと、倉庫に触れた。

 

 

 

「なればこそ、全力で潰したくなる…。」ドン!!

 

「…!!」

 

 ”メキメキッ…!!”

 金剛山は”両手”で倉庫を上に引き抜いた。すると、金剛山の怪力に負けて倉庫の強度が負けて、上に引っ張られていく。

 

 この旧倉庫は全部で”16棟”まで建てられているその”16棟”を構成する倉庫の外壁が、”一人の転生者”に引きちぎられているのだッ…!!

 

「どうせ、取り壊す予定…一先ず海に落とすかッ!! ヌゥンッ!!!」

 

 力強い金剛山の大声…いや、実際に本当の意味で”力強い”男の怪力はそのまま引きちぎった倉庫だったものを海へ投げ捨てたッ!!

 

 ”ドバァンッッ!!!”

 凄まじい重量の倉庫が海へ落下したことで、これまた凄まじい水飛沫が辺りへ飛び出した。もはや、一瞬の瀑布である。

 

「なんて怪力だ…。あんな簡単に投げれんのか…。」

 

「転生者は鍛えれば鍛える程に、パワーが増す。その気になれば、独りで惑星クラスの質量を投げても可笑しくない。」

 

「…!?」

 

「さて、倉庫がなくなり…より殺(・)風(・)景(・)になったかッ。だが、これでより良く闘えるものだ。」

 

 そして、金剛山をその巨体で四股を踏みだした。

 

 ”ドズンッ!!”

 地響きが鳴り響く。それは一昨日の啓が踏みつけた地響きよりも鈍く音が鳴り響く。1人の転生者が四股を踏んだだけで、工業地帯は大きく揺れ出した。

 

「グッ…!?」

 

(この野郎…まだ本気で闘ってなかったのか!?)

 

 先程の分身の技でも充分な殺傷力はあった…。それこそ、直撃であればいくら啓でもあっても即死になるやもしれない。だが…分身よりも本人の方が戦闘力が上であるならば、啓とどれ程の差があるというのか・・・。

 

「さぁ、が(・)っ(・)ぷ(・)り(・)四(・)つ(・)と(・)行(・)こ(・)う(・)か(・)。」

 四股を踏み抜いた金剛山と啓の構図はまるでスリラーバーグで対峙したロロノア・ゾロ対バーソロミュー・くまの様な構図であった。

 

「クソッ…!!」

 啓は素早く大きく後退すると、赤き弾丸を溜め込んだッ。

 

(これで倒せる訳はねェが…少しでも傷をつけて、弱らせればッ!!}

 

 チンタラ溜めている場合ではない。さっさと次の攻撃を叩き込まなければならない。充分な量の覇気を溜め込んだと考えた啓はすぐさま金剛山へ銃口を向ける。

 

 

「削れろッ!!」

 威勢の良い啓は赤き弾丸は、金剛山へ撃ちだした。

 

 

 

  ”ガキィンッ!!”

 

 「!?」

 瞬間である…。啓の放った赤き弾丸はそのまま跳ね返り、啓の頬を少し掠った。瞬間、啓の肌は血が噴き出す。

 

「どうした? 驚いた顔をしているようだが…らしくないぞ。」

 

(馬鹿な…跳ね返るのは兎も角。)

 

 ”転生の龍”は自身が今しがた放った金剛山の鳩尾を凝視した。

 

 

 「傷(・)が(・)一(・)つ(・)もついてねェッ‥!?」ドン!? 

 

 

 啓が驚くのも無理は無かった…デザートイーグルの弾丸自体が強力な50口径の弾丸なのだ。それに加えて、赤き弾丸によって弾丸そのものを武装強化させている。事実上、赤き弾丸と言うのは啓が今撃てる弾丸の中でも最強の弾丸と言ってもいい。

 しかも、先程の微量でない完全コーティングにして、密度を高めた弾丸。間違いなく”最強クラスの弾丸”が金(・)剛(・)山(・)の(・)肌(・)を(・)傷(・)つ(・)け(・)れ(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)のだ。

 

 跳ね返るのは仕方が無いかもしれない。し(・)か(・)し(・)、(・)傷(・)の(・)一(・)つ(・)も(・)つ(・)か(・)な(・)い(・)と(・)は(・)一(・)体(・)ど(・)う(・)い(・)う(・)事(・)な(・)の(・)だ(・)…(・)。 

 

「クソッ!!」

 啓は一度デザートイーグルをしまった。恐らくもう使う必要は無いだろう…いくら強力な弾丸を射出出来たとしても、ダメージを与えられなければ意味が無いのだ。

 

「銃(・)撃(・)などするからだ…次は俺から行くぞッ!!」

 今度は金剛山の攻撃に入る。両腕を硬質化させると、拳を引っ込めた。

 

 そうして、力強く拳を突き放つ。

 

「ぜいッ…!!」

 金剛山の拳圧はまるで見えない空気砲の様に、啓の身体へ放たれた。

 

 啓は金剛山の拳の軌道を見ていたから、覇気を纏ってなんとか直撃は免れたが…。

 

「グッ!?」  

 ‥だが、完全に避ける事が出来ずに空気の弾丸をその身に受けてしまう…。

 

(覇気で防御したのに、これはッ!!)

 致命打にならないにしても、巨漢の男の攻撃はいちいち強力であった。

 

「オイオイ、これで痛がるものではないぞッ…!!」

 既に金剛山は凄まじい速さで啓へ接近していた。

 

「チッ‥!!」

 啓は緊急で青い覇気を纏う。

 

 「やり返してみろ、若造ッ!!!」ドン!!

 瞬間、凄まじい覇気の嵐が辺りを抉っていった…。

 

 

 

 冊冊冊冊冊冊

 

 同日某時刻”金剛山のシェルタ―内”

 

 一方…その頃、桐生と激しい金剛山が一進一退を繰り広げている中…金剛山が掘ったというシェルタ―内ではにこ達μ’sとその家族と警察関係者が一同に収められていた。

 一同は身を寄せ合いながら、今の状況を自分達なりに纏めようとしていた。それは自分を冷静に保つため…”クールダウン”も含まれていた。

 

 …”此処”まで来て、パニックを起こすわけにいかないのだ。

 

 そして、話は…にこがそれまであった経緯を言い終わったところであった。

 

 にこ「…という訳です。」

 そう言い、にこは話を終えると息を呑んだ。μ’sの中で唯一蛇蝋や金獅子会の化け物共を眼の前にしたにこは、誰よりも疲れていた。

 

 にこの言葉の反応を示すのは若き警官である柿谷であった。

 

 柿谷「そうか…どうりで、鷲尾警部や木ノ内隊長達、国防部隊と連絡がつかないわけだ…。」

 

 海未「怪物ですか…。にわかに信じがたいですが、にこはそんな恐ろしい光景を見ていたのですね…。」

 柿谷の隣で海未も思った感想を述べる。

 

 希「でも、啓君はその”怪物”に全然苦戦はしてないんと違うの、にこちゃん?」

 そう言い、希は隣のにこへ話しかけた。

 

「今のところはね…。けど、あいつらは今日倒すべき相手じゃない。」

 

 

「啓が勝たないといけないのは、あの”大男”よ。」ドン!!

 にこの言葉に、皆が静まり返った。

 

 先程、啓が旧第三倉庫で分身体と戦っている間…本物の金剛山はμ’sとその家族達を自分達の闘いに巻き込まない様に穴を掘っていた。

 

 つまり、その間(かん)…彼女たちは、あの大男を間近に見た訳だが…その威圧感は半端では無かった。人間誰しも自分より怖そうな人間…それも全く事情を知らないゴツそうな強面大男が街を闊歩していたら、無意識に道を譲ってしまうのではないだろうか?

 

 金剛山はそれをもっと強力な次元に昇華させた存在である。腕力で倉庫を持ち上げ、素肌でもデザートイーグルの弾丸を弾く大男だ。しかもゴツく強面。腕も脚もブットイ大男が眼の前に現れたのだ。憎いとか腹が立つとかは吹き飛ばされた…ただ本能的な恐怖。

 

 μ’sというアイドル活動をしてきて、青春を駆け巡った彼女達とは絶対に会ってはならない。血と暴力…闘争を糧とする男達…。

 

 本来であれば、出逢ってはならない禁忌の存在と遭ってしまった…そんな恐怖の感覚に彼女達は襲われた。

 

 皆、必要以上の話をせず…黙ろうとした時、元μ’s2年生メンバー”南 ことり”がなにかを考えついていた。

 そして、心に決めた。

 

 ことり「ねぇ、話したい事があるけど、今話していいかな…?」

 彼女は同意を求めるように周りを見渡した。

 

 そんなことりの問いに対して、彼女の隣に座っていたリーダーである穂乃果が口を開く。

「私はいいけど…皆は大丈夫?」 

 穂乃果の問いに対して、メンバーはそれぞれが肯定を見せる。

 

「皆ありがとう…じゃあ、話すね。」

 お礼を述べたことりは、真姫の方を見た。

 

 

「真姫ちゃん‥一昨日、真姫ちゃんの家で啓さんが喋った話覚えてるよね…?」ドン!!

 

 

「啓(・)さ(・)ん(・)が(・)喋(・)っ(・)た(・)話(・)…? うん、覚えてるわよ。もしかして、話したい事ってそれの事?」

 

「うん、啓さんは”ロウソク”を使った”ロウ”って相手の事を言ってたの…。」

 

「…私達を”蝋人形”にするって言った”最低の芸術家”ね‥。」

 

 

 

「実はその話、続きがあるの…。」

 

「えっ、続(・)き(・)…?」

 

「…あの時私泣いちゃって…啓さんもそれを汲んでくれて、それ以上の話を出来なかったの。…だから昨日の内に啓さんから話の続きをしてくれて…。」

 

 

 

「それで…啓さんが言うには、”ロウはニセモノだった”って言うの…。」ドン!!

 

「「「「に、ニセモノ…?」」」」

 皆が一同にその言葉を発した。 

 

 

 凛「ニセモノ…そう言えば、復活ライブの時…啓さんのニセモノが現れたにゃ…。」

 

「それを言うなら、確か…あの公園で、会長のニセモノと啓が闘ってたわ。」

 

「‥…それに加えて、ロウもニセモノ…なんか、ニセモノだらけやん…。」

 希がそんな纏めた発言をする。

 

 確かに、希の言う通り。マネマネの実、”ダーク・アバター”、”蝋人形”…。

 ニセモノの所為で、直ぐには本体と闘ってはいないのだ‥。

 

 希がそんな発言をする隣で絵里がことりに物申す。

 

 絵里「ニセモノの話は分かったけど、、、こ(・)と(・)り(・)が(・)本(・)当(・)に(・)話(・)し(・)た(・)い(・)のはそれだけじゃないのよね?」

 

「「「「えっ…?」」」」

 

「絵里ちゃん、鋭いね…。」 

 

「やっぱり…じゃあことりが話したいのは?」

 

 

「うん…私が話したいのはむしろ”本物”の方。」ドン!?

 

「啓さんの話どおりなら、”ニセモノ”にまだ逢ってない事になる。 …じゃあ、そ(・)の(・)”(・)本(・)物(・)”(・)は(・)今(・)何(・)処(・)に(・)居(・)る(・)っ(・)て(・)話になると思うの。」

 

「”本物”の居場所…。確かにそれは気になりますね。」

 海未が納得していた時…傍に居た柿谷が一早く気付いた顔になった。

 

「でも、ことり…どうして”本物の居場所”が気になったの?」

 

「うん、今日の決闘がもし啓(・)さ(・)ん(・)の(・)思(・)惑(・)通(・)り(・)に動けば…次はお母さん達をなんとか戻さないといけないから‥。」

 ことりが真姫に説明している中…柿谷はある事に気が付いた。

 

 

「”本物”…そうか、これは不(・)味(・)い(・)な…。」ドン!!

 

「えっ、柿谷さん。何か気が付いたんですか‥?」

 穂乃果が柿谷へ声を掛けると、彼は問いに応じた。

 

「ああ…考えてみれば、矢澤さんの話に寄れば、桐生君達は都内で”蛇蝋”とぶつかり、ここ東京港で”金獅子会の怪物達”ともぶつかった。」

 

「しかし…蛇蝋も金獅子会という組織は少なくとも同じ組織では無い筈だ。現に昨日、高坂さんの家の前で、金獅子会を名乗る大男と転龍会が闘っていた。」

 

「ところが…蛇(・)蝋(・)と(・)金(・)獅(・)子(・)会(・)同(・)士(・)で(・)は(・)闘(・)っ(・)て(・)い(・)な(・)い(・)。違う組織であれば、君達μ’sを奪い合う筈だ…なのに、闘ってはいない。 …ということは。」

 

 

「そうかっ…!! 二つとも”味方”なんだよっ!!」ドン!!

 穂乃果は両手を合わして、納得の声を出した。

 

 

「そうだね…高坂さんの答えの通り、奴らは恐らく繋(・)が(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)。」

 

「これだけの騒動だ、二つの組織を結び付けたのは、互いの組織のトップに立つ”最高権力者”の筈…。」

 

 

「つまり、一昨日の音乃木坂の事件を起こした”ロウ”が今回の件も絶対に関わってくるはずなんだ。」ドン!!

 

「「「…!!!」」」

 

 

「でも、関わってくるなら…その”本人”はいつ現れるんや…。」

 希はそう言うと、一瞬ハッとなる。

 

 そうして、ある答えに辿り着いた…。

 

「ま(・)さ(・)か(・)…!!」

 

「ああ…不味いよ、そのまさかだ。」

 

 

 「”一番美味しいところ”を狙ってくる筈だッッ…!!」ドン!!

 

 

 

 冊冊冊冊冊冊

 

 ~東京港旧第三倉庫”決闘の地”~

 

  大きな夕陽が港を紅く照らし出す…。照らされたものは全て赤く染めていく…そんな情景が映し出されていた。だが、そんな夕陽を意に介さず、只眼の前の相手へ注力する桐(・)生(・)対(・)金(・)剛(・)山(・)…2人の転生者。金剛山には特に目立ったダメージは無いが…啓の方は先程の”ハーフ・パンク”を筆頭に、ダメージを負っていた。

 

 啓と戦い、思う事が出来たのか…金剛山は構えを崩すことなく、喋り出した。

 

「大したタフな転生者だな…桐生。」

 

「…。」

 

「俺への攻撃を一切止めて、避ける事に100%。いや、”120%”に避ける事に気を使う。…”見聞色の覇気”を要いてな。」

 そう言うと、金剛山は啓に対して指を指した。

 

 

「”三原色の覇気”は何も武装色だけでなく…”見聞色の覇気”にも使えるのだろう?」ドン!!

 

「使っているのは…”青い見聞色の覇気”、違うか?」

 金剛山が独自の答えを導き出すと…啓は一笑いする。

 

「はッ…そうだ、テメェの言う通りだ。」

 

 

「やはりな…貴様は知っていると思うが、本来”見聞色の覇気”と言うのは冷静に対処出来なければ上(・)手(・)く(・)御(・)せ(・)れ(・)な(・)い(・)代(・)物(・)だ。」

 

「これまでの疲れやダメージで”見聞色の覇気の感応速度”が落ちるが、それを無理矢理”速くする事”で回避性能を上げる…そんなところだろう。」

 

「へッ!!…戦闘中でも余裕なオッサンだぜ。」

 啓は口に含んだ血を地面に吐き捨てると、金剛山の方を向き直る。

 

 

 「だったら、言い返すぜ…テ(・)メ(・)ェ(・)の(・)キ(・)ラ(・)キ(・)ラ(・)の(・)実(・)の(・)弱(・)点(・)も。」ドン!! 

 

 

「…そこまで言うなら、言ってみろ。」

 金剛山は仁王立ちで啓の返答に応じた。

 

 

「簡(・)単(・)だ(・)、(・)硬(・)す(・)ぎ(・)る(・)ん(・)だ(・)よ(・)…(・)テ(・)メ(・)ェ(・)は(・)技(・)も(・)肉(・)体(・)も(・)…(・)関(・)節(・)の(・)動(・)き(・)、(・)何(・)も(・)か(・)も(・)な(・)がな。」ドン!!

 

「…ほぅ。」

 

「例えば、ジョズの技、”ブリリアント・パンク”。”左半身”をダイヤ状にして、クロコダイルに突進を掛けた…所謂”ショルダータックル”だな。」 

 

「…だが、敵の懐まで接近するって事は、反撃の可能性だってあり得る。それこそ、ジョズは”左半身”だけはダイヤ状に変わっていたが…。」

 啓は一呼吸を置くと、続ける。

 

 

「それ以外は生(・)身(・)の(・)ま(・)ま(・)…つまり、賢い敵ならその突進を交わし、逆に生身の部分へカウンターを与えれる。…”大男の突進”だ、避けるのはそこまで俺にとっちゃ困難じゃない…。」ドン!!

 

「それにしても、可笑しい話だよな…ミホークの跳ぶ斬撃は、確か”ほぼ全身”をダイヤ状に変えてた防(・)御(・)してた癖に、どうして…攻(・)撃(・)を(・)す(・)る(・)時(・)は(・)そ(・)の(・)部(・)分(・)だ(・)け(・)し(・)か(・)変(・)え(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)か(・)…(・)?(・)」

 

 

「全身を覆わないその理由は…ダイヤモンドの性質の所為で、人体の関節まで固めちまうからだ。」ドン!!

 

「…。」

 

 

「恐らく、”キラキラの実”のデメリットは、”身体の中の筋肉や関節”…”人間の動き”に関わる”身体部位”まで固(・)め(・)ち(・)ま(・)う(・)事(・)にある。」

 

「いくら、悪魔の実の能力を得て‥ダイヤモンドになれたとしても、、、身体は”人間”のままだ…。動かす時は当然、関節や筋肉で動作を得ないといけねェ…。」

 

「…だが、能力を使うと筋肉や関節が固まるせいで人(・)体(・)の(・)滑(・)ら(・)か(・)な(・)動(・)き(・)が出来ねェ、まるで錆びた歯車の様に殆ど動きがぎこちなくなる。」

 

 

「此処からは俺の推測だが、原作のジョズと同様に”キラキラの実”の能力を得たテメェは同じ問題にぶつかった筈だ…。」

 

「どうやったら…”防御は兎も角、どうすれば敵に攻撃を与えれるかッ?”ってな。」

 

 「…!!」

 

 

「キラキラの実は防御面に関しては”弱点”を突かない限り、俺は”最高クラスの能力”だと考える。」

 

「なにせ、”防御行動”って言うのは”受け身の動作”だ。敵からの攻撃がどうしても避けきれない時に瞬時にしなければならない動作。」

 

 

「つまり…動きを必要としない”不動の動作”になる。身体の筋に力を入れて、全身を固める…そうして敵の攻撃を軽減出来る。」

 

「それなら、キラキラの実は、、、正に防御にう(・)っ(・)て(・)つ(・)け(・)の(・)能(・)力(・)だ…直ぐにダイヤで硬めれば、敵の攻撃を逆に取って、ダメージを与える事が可能だ…。」

 

 

「だが、逆に”攻撃”の場合はそうはいかない…”攻撃”は逆に”動の動作”…動(・)き(・)回(・)る(・)敵(・)に(・)対(・)し(・)て(・)、(・)ど(・)う(・)攻(・)撃(・)を(・)与(・)え(・)る(・)か(・)が(・)課(・)題(・)と(・)な(・)る(・)。」

 

「…つまり、貴(・)様(・)は(・)俺(・)や(・)ジ(・)ョ(・)ズ(・)が(・)攻(・)撃(・)に(・)対(・)し(・)て(・)ど(・)う(・)悩(・)ん(・)で(・)い(・)た(・)の(・)か(・)と(・)説(・)明(・)出(・)来(・)る(・)と(・)言(・)う(・)の(・)か(・)…?」

 

「そうだ、ジョズの場合は”攻撃”に対して、速さと部分的に変化する事でカバーした筈だ…。」

 

 啓曰く、、、ジョズの場合は敵の攻撃を受ける際は、全身硬化すれば良いが、逆に敵へ攻撃を仕掛ける時は…どうしても動いてダメージを与えなければならない。本(・)来(・)な(・)ら(・)、(・)キ(・)ラ(・)キ(・)ラ(・)の(・)実(・)で(・)は(・)遠(・)距(・)離(・)技(・)を(・)撃(・)つ(・)こ(・)と(・)が(・)出(・)来(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)の(・)だ(・)ろ(・)う(・)…(・)。(・)

 

 だが、ダイヤモンド状に硬められる身体は”武器”、”凶器”、”兵器”そのもの…。この硬化能力を攻撃に利用しない手は無い。

 

 そこで恐らくジョズは、巨体に似合わぬスピードを発揮できる程の力を蓄えた…つまり”瞬発力”、所謂”速筋”を鍛えた。

 

 ”速筋”というのは、重量挙げや100m走などに最も使われる筋肉群の事で…短時間で強力なパワーを生み出す事が出来る。そうなると、ジョズの超スピードやあの”氷塊投げ”とは・・・常人には絶対に付かない程の”超速筋”があるからこそ為せる業なのだろう…。

 

 更にもう一つ…”部分的に硬化させる事”で、人体の滑らかな動きも生み出せ、クロコダイルに攻撃を与える事が出来たのだ。

 

 

 「そして、テメェもだ…金剛山。」ドン!!

 不敵に右人差し指で指し示しながら…巨漢の転生者に向かって言い放っていく。

 

「何時、キラキラの実の能力を得たのかは知らねェが…その力を得て、か(・)な(・)り(・)経(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)筈(・)だ(・)。」

 

「OP世界のジョズと違って、転生者であるテメェら”転龍会”は色んな世界に行き、情報や経験を多く得た筈だ‥。あくまで設定で決められたキャラと違って自由に動けるからな…。」

 

 

 「それこそ、自分の闘い方を考える為になッ…!!」

 

 

「嵐脚にダイヤモンドを含めた遠距離攻撃…建物をダイヤで覆ったり、分身を作り出す。どれも原作に無い技ばかりだ…。」

 そうして、啓は一呼吸を終えると、言い放った。

 

 

「そして、キラキラの実をより硬める為に…テメェは”武装色の覇気と鉄塊拳法”を使っていた。」ドン!!

 

 

「…やはり、そこまで気が付くか…。」

 

「ああ…頭に”デザートイーグルの弾丸”を撃った時に、いくらなんでも硬すぎると思ったからな…。」

 そう、啓が金剛山へデザートイーグルを撃ったあの場面である。

 

「あの時から、テメェは”鉄塊拳法”を使っていたんだ…。鉄塊を掛けたまま自由に動ける技をな。」

 

 知らない読者に説明しておくが、六式”鉄塊”とは実は…身体が鉄の様に固めれるのだが、その間全く身動きが取れなくなるのだ…。

 原作で唯一鉄塊を掛けたまま…自由に動けたのは、CP9のメンバーにして、三番目に道力が高くその数値2180の”ジャブラ”だけで、、、CP9のリーダーにして道力4000もある”ロブ・ルッチ”でも会得出来なかったのだ。

 

「更に加えて、テメェは当然、”武装色の覇気”も使える…キ(・)ラ(・)キ(・)ラ(・)の(・)実(・)、(・)鉄(・)塊(・)拳(・)法(・)、(・)武(・)装(・)色(・)の(・)覇(・)気(・)、(・)テ(・)メ(・)ェ(・)の(・)元(・)々(・)の(・)硬(・)さ(・)。(・)」 

 

「だからこそ…俺の”赤い覇気弾”すら通さなかった。傷も一つも付かない…異常過ぎる硬さ、それがテメェの絶対的な強さと自信…。」

 

 

「単に身体を硬めただけでは至らない…闘いに対する考え方と気持ち…それが、テメェの”特攻隊長”という肩書とその余裕な態度に出てくるって訳だッ…!!」ドン!!

 

「…。」

 啓の話をジッと仁王立ちで訊いていた金剛山はその構えを解いた…。

 

 

「ダハハッ…戦闘中でも”余裕なオッサン”か…その言葉、そっくりそのまま返すぞ”転生の龍”。」

 

「へッ…。」

 啓は不敵に笑う。

 

 

「さっきの解説…今(・)直(・)ぐ(・)に(・)考(・)え(・)た(・)訳(・)で(・)は(・)無(・)い(・)な(・)、そうだろう?」

 

「そうだ…なにせ、テメェとの闘いは馬羅垣や麦野と違って、、、事(・)前(・)に(・)分(・)か(・)っ(・)て(・)た(・)闘(・)い(・)だからな…。」

 

 そう、これまでの闘いは、啓からしてみれば、誰と闘うのか分からない闘いであった…。しかし、金剛山との決闘は闘う前から闘う敵の情報を知る事が出来、調べる機会が出来たのだ‥。

 

 

「だからこそ、対策を立てれた…”ダイヤモンド”の事を調べる為のな…。」ドン!!

 

「例えば、ダイヤモンドは地球上でも硬度10の物質で、実は壊れやすい事とかな。」

 

「ほぅ…”勉強”して来た訳か、利口だな…誰かに教わったのか?」

 

「…教えてくれたのは”西木野 真姫”だ。」

 

「…あの”赤毛の娘”か。」

 

 

「ダハハッ、イカンな…どうも貴様とは話すのは悪くないと思ってくる。」

 そう言うと、金剛山は構えるを一旦止めた。

 

 「そこなんだッ‥‥。」

 啓は金剛山へ遠慮なく言い放った。

 

「むッ…?」

 

「テメェには、μ(・)’(・)s(・)を(・)奪(・)う(・)事(・)よ(・)り(・)も(・)…(・)俺(・)と(・)闘(・)う(・)事(・)の(・)方(・)を(・)愉(・)し(・)ん(・)で(・)見(・)え(・)る(・)。(・)」

 

「…。」

 

「正直、テメェからは”澤井や蝋”に感じた”邪悪さ”よりも”別のモン”…を感じる。」

 

「・・・・・。」

 

「勿論、テ(・)メ(・)ェ(・)が(・)μ(・)’(・)s(・)を(・)狙(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)事(・)に(・)は(・)変(・)わ(・)り(・)は(・)ね(・)ェ(・)が(・)な(・)‥。」

 

「…”別のモン”か。確かに俺は正直…。」

 

 

 「μ’sよりも”太った女”の方が好きだからな…。」ドン!?

 

「…はッ?」

 

「なに、俺(・)は(・)相(・)手(・)を(・)す(・)る(・)な(・)ら(・)、(・)そ(・)っ(・)ち(・)の(・)方(・)が(・)好(・)き(・)と(・)言(・)う(・)話(・)だ(・)。」

 

 

「…なら、テメェはどうして”μ’sを奪う事をするんだ…。”」

 

「無論、会長の為だ。」ドン!!

 

「…!! テメェがそこまで言い切る程、あの”黒コートヤロウ”に忠誠を誓ってるッて事なのか?」

 啓はにこを攫ったあの会長の事を憎んでいた…。野郎は絶対に許さないと決めていた。

 

 啓が転龍会会長を許さない理由、、、以前、μ’sを奪う事にさほど興味が持てない麦野とそして今μ’sよりも太った女性の方が好みだと言った金剛山が、μ’sを奪う事に力を注いでいるのは、最も上からの命令を聞いているからなのだ…。

 

 その最も上からの命令と言うのが”転龍会会長”…つまり、この男がそもそもμ’sを奪うと命令しなければ…啓が闘う事も、μ’sが狙われる事も、国防部隊の隊員が命を落とす理由も生まれないのだ‥。

 

「忠誠か…それもあるが、俺はいつか…。」

 

 

 

 

 「あの人を倒したいとも思っているッ!!」ドン!!

 

 「!!??」

 啓は思わず、目を見開いた…。

 

 

 

 冊冊冊冊冊冊 

 

 

 

「倒(・)し(・)た(・)い(・)だ(・)ァ(・)ッ(・)!(・)?(・) ふざけんじゃねェッ!!テメェのボスに忠誠を誓っておきながら、そのボスをブッ倒すだとッ!?」

 啓は思わず、金剛山に飛びついた。

 

「ふざけるなだとッ? 此処まで闘い、腹を割って”好みの女”まで話したのだ…冗談は言わんッ!!」

 そう言うと、金剛山は啓を払除けた…。そのまま払いのけられた啓は後ろへ下がった。

 

「…ッ!!」

 

「払い除けついでに教えるだけ教えてやろう…かつて、俺はただダイヤ状に硬める事しか出来なかった…。」

 

 

「しかし、そんな俺を叩き潰したのが”会長”と両翼である”医龍院殿と天野殿”だ…。」

 

「”医龍院と天野”だとッ……!?」

 

「…完膚なきまでに叩きのめされた。その時、会長は一(・)切(・)の(・)能(・)力(・)を使わずにな…。」

 

「な、なんだとッ…!?」

(こ(・)い(・)つ(・)を(・)能(・)力(・)無(・)し(・)で(・)倒(・)し(・)た(・)の(・)か(・)ッ(・)!(・)?(・))

 

 

「そんな武闘派である会長の二つ名は”トセイニン”と呼ばれているのだッッ…!!!。」

 

(トセイニンッ…!?)

 

「誰よりも武人である事に誇りを持つ会長から…受けた”人界切削拳法”を魅せてやろうッ…!!」

 そう言うと、金剛山の腕はダイヤ状に硬質化していくッ…!!

 

 ”ガキュンッ…!!”

 すると、金剛山の腕に纏われたダイヤモンドが破片として、分裂ッ‥!!

 

 粉(・)雪(・)が(・)回(・)転(・)す(・)る(・)が(・)の(・)如(・)く(・)、(・)、(・)、(・)大(・)き(・)く(・)右(・)腕(・)を(・)回(・)転(・)し(・)て(・)い(・)く(・)で(・)は(・)な(・)い(・)か(・)ッ(・)!(・)!(・)

 

(なんだッ、まさか…隆が言っていたあの”拳法”かッ!!)

 

 ”…金剛山は”闘粒拳”という拳法を使います。”

 

「やべェッ!!」

 啓は青い覇気を纏った。

 

 「闘粒拳”棲専羅射(スプロライン)”ッッ!!!」ドン!!

 

  ♪Ryu Ga Gotoku Kiwami 2 OST - Break Off

 

 「ウオオオオッッ…!!!!!」

 瞬間…強力な横向きの竜巻が啓を襲うのであったッ…!!

 

 金剛山の秘められた奥義は、それぞれの場所で戦っていた…男達に戦いを一瞬忘れさせたッ…!!

 

 国防部隊隊員「な、なんだありゃあ…!?」

 

「"横向きの竜巻"ィッ…!? あんなの見たことないぞッ!!!」

 

「あの方向は桐生君の方だぞッ…!?」

 

 

 それは他の転生者達にも、、、。 

 

 団員「副総長…この覇気の高まりはッ…!!」

 

「つ(・)よ(・)さ(・)ん(・)の(・)本(・)気(・)だなッ…オメェらクライマックスに入ったよいッ!!」

 

「押忍ッッッ‥!!!」

 

 

 にこ達にも…。

 

「うわぁ…!? なに、このおっきい音!? 竜巻っ!?」

 穂乃果は耳を押さえながら、大声で叫んだッ…!!

 

「そ、外からですよっ!! 啓さんが闘ってるんですっ!!」

 

「それは分かってるにゃっ!! この騒音いつまで続くんだにゃああああっっ!!!!」

 凛は力一杯叫んだ。

 

 その傍ら、にこは啓の身を案じた。

 

(け、啓…ホントに大丈夫なのよね、作(・)戦(・)通(・)り(・)にいくのよねっ!?)

 

 

 …一方、???。

 

 ?(この覇気の高まりは、”天山角”かッ!!)

 長身の男は対峙する男を尻目に、外の状況を思った。

 

 ?「余所見すんなよッ、オッサンッ!!!」

 

「ちッ…クソガキめがッ!!」

 両者は激しくぶつかった…。

 

 

 …~東京港工業地帯”削られた決闘地”~

 

 東京港工業地帯”旧第三倉庫”…先程は古ぼけていながらも、そこにはかつて港湾労働者が働く際に使用した倉庫群が確かに存在していた。全盛期は活気と情熱に溢れており、時代の移り変わりによってアウトロー達の溜まり場となったこの場所は…。

 

 今やど う だ ろ う か?

 

 固いコンクリートで覆われていた港湾は今や殺風景…いや、辺りが大きく抉られた”戦場地”と化していた。抉られた地面はまるでドリルで切削した様に、”削りカス”が雑雑に散らばる…。

 

(いよいよ奥義を出す状況になったな…この”俺”も。)

 そう、自らの行動を思い返すのは、、、この一帯を削りカスに変えた張本人…”天山角の金剛山”と呼ばれるこの巨漢の男。

 

 この巨漢の転生者の異名である”天山角”の”天山”は”アメヤマ”とも呼び、天や山の様な高いという意で表す。そして、後に続く”角”と言う字であるが…これはまんま”つの”そのもの、尖った意味で使われる。

 

 これを男の異名に合わせれば、「天の様に高く尖った山」と表す。

 

 さて、どうして男が…「天の様に高く尖った山」略して”天山角”と呼ばれる様になったのは…。

 

 

 鋭い読者なら、お分かりになっただろう…。そう、そ(・)の(・)山(・)自(・)体(・)を(・)創(・)り(・)出(・)し(・)た(・)の(・)が(・)”金剛山 強”だからだ…。

 

 

 あ(・)る(・)何(・)処(・)か(・)の(・)空(・)間(・)には、標高何十万mものの山を筆頭に、、、沢山の山脈群が存在し、それはもう筆舌にし難い巨大な高さなのだ…。

 その山は元々その空間にあったものではなく…ある巨漢が1人で修(・)行(・)と(・)趣(・)味(・)と(・)い(・)う(・)実(・)益(・)を兼ねて、せっせっと作っていたという。

 

 …巨漢の趣味は、自身の能力を使った”実に様々な工芸品を製作する事”にあった…。しかし元々、そんなクラフト趣味を持っておらず、、、女遊びや喧嘩や賭け事や酒やら喫煙等が大好きな転生者のオヤジであった。

 

 …だがある日、、、自らより若い”黒ずくめの転生者”と闘う事になった…。巨漢はその男とは何処の世界にも会っておらず、何の因縁も恨みも無い全くの赤の他人ならぬ”転生者”であった。

 

 しかし、自分ではなく、その黒ずくめから突然”決闘”を申し込まれたのだ。

 

 ”調子に乗るんじゃねェッッ!! 糞餓鬼がッッ!!”

 自身の強さに全振りの自信を持っていた巨漢は決闘を申し込まれた瞬間、”覇王色の覇気”を発動し金剛の拳を黒ずくめへ振り下ろし、決闘の幕は直ぐに開かれた…。

 

 

 さて、結果は自身の転生人生史上”最悪の惨敗”…能力すら使われずボロクソに叩きのめされた。

 

 そうして、倒れたボロボロの自分を簡単に持ち上げられた…”小指1つ”で。 

 

 その時、一寸の曇りもない真っ直ぐな眼差しでこう言われた…。

 

 ”今までの自分を赦し、自分を受け入れろ…そして、、、動き出せ。”

 そんな一言を添えて、両翼の2人と共にある空間へ連れて来られる。

 

 辿り着いた場所にあったのは、石やら彫刻物…。黒ずくめは”能力で削ってみろ”と命令した。その時、両翼2人の男も同調する。

 

 かくして、巨漢は巨大な空間に閉じ込められて3人に言われるがまま、、、修行と一日の反省に明け暮れる。

 

 黒ずくめへの恨みと恐れ、そして自分の弱さと情けなさ…死んだ事があるにも関わらず、全く変わっていない。

 

 そんな自分を赦す事が出来たその時、巨漢は”自身の殻”を破り捨てた…。

 

 

 殻を破り捨てた時、巨漢は黒ずくめから自身の野望を聞かされる…。そして、組を率いないかと提案。

 

 ”あんたの野望…今の俺もそこへ辿り着いてやるッ…!!”

 

 巨漢は後に”四大勢力”と呼ばれる”転龍会”の古参チーム”イーデビル”を率いる事となる。

 

 そして、総長でありながら…敵である転生者達を自身が研鑽した奥義で削っていき殺していった…。

 

 

 使われた奥義こそ…人界切削拳法”闘粒拳”。能力で空中浮遊させたダイヤの粒子を超速回転させ、”必殺の切削工具”の如く、対象物を削って削りまくっていた。山や建築物、城、要塞、火山、自然モノ、転生者やら巨大怪物、妖怪、魑魅魍魎、ロボットやら”神”に至るまで削っていく…。

 

 その削った相手の削りカスを元に、”闘粒拳”で研削、切削していき丁寧に積み上げていく…。いつしか、それらは山の様に高くそびえたつようになった…。

 

 まるで天の如く…雄大に聳え立つ山は裏の意味では”葬った敵の墓標”と知られ、無量大数程いる転生者達へ知られていくことになる…。

 

 

(やべェな…まともに当たれば一瞬でまた死んじまうな…。)

 

 その巨漢こそが…”転生の龍”こと”桐生 啓”の”決闘相手”なのだ…。

 

 …後編に続く。




東京港工業地帯から削られた決闘地へ…。恐るべき闘粒拳の威力。
それに対抗して、”転生の龍”は何を繰り出すのか、そして彼等と同じ時に闘っているある2人とは…。

次回、第61話”二つの決着”後編

次回も乞うご期待b
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