~前回のあらすじ~
旧第三倉庫から、金剛山をぶっ飛ばした啓…しかしそんな啓の元に現れたのは、”金剛山”であった。
実は啓がぶっ飛ばしたのは、ニセモノの方であり…本物の金剛山は分身体に戦闘を任せて、μ’sを保護する為のシェルタ―を造っていた。
そうして、またも再開する2人の決闘の間、シェルタ―内にて、ことりの疑問から…蛇蝋と金獅子会が協力関係にあるではないかと勘づく。その協力関係を結んだ”最高権力者”は何処にいるというのか‥?
覇気のスパークをほとばしながら、啓はキラキラの実の弱点を問い詰め、、、金剛山から澤井や蝋の様な邪悪さよりも何か別のモノを感じていた。
それに対して、金剛山はμ’s奪取よりも転龍会会長を倒す事に力を入れていると話しをつけ、隆から聞いていた金剛山の拳法、人界切削拳法”闘粒拳”を繰り出される。
その猛烈な”横向きの竜巻”は周りを抉っていた…。
辺りを削り尽くす”闘粒拳”にどう対抗するのか…?そして、”転生した男二匹”の決闘に隠れるある激闘の行方は…。
同日某時刻 …~東京湾”海中”~
啓は全力で回避していた…鎧を脱ぎ捨てて、身軽な猿の如く回避に成功していた…。
そして考える…いや、考えなければなるまいて。
(あんな奥義、どうして最初からしなかった…? あれを直ぐに使えば、一瞬で勝負が終わるだろう…。)
”闘粒拳”…あれはもう拳法というか、
(いや、考えても仕方ねェ。”当たれば死ぬ”…そう考えろ。)
そう、シンプルに考えた…。それに恐らく金剛山は海へ逃げた自分をとっくに把握してる筈だろう…。
(金剛山があれを直ぐに使わなかったのは…
啓はそう考えた…戦闘中で物事を必要以上にネガティブに考えず、前向きに考える…。青年は無意識にそう出来ていた…
(闘粒拳の特徴を考えろ、”切り札”で何発も撃てない?撃つのに時間が掛かる?…いや、もっと基本的な事だ…。)
(・・・”真姫との勉強”を思い出せ。)
啓が想起している時、その海上…金剛山は啓の位置を把握していた。勿論、見聞色の覇気で…。
(海へ跳び込んだか…ならば、更に追い込むッ…!!)
金剛山は今度は左腕を超速回転していく。そして、狙う対象は海中へ姿を消した転生の龍への攻撃だ。
「斜めの切削‥‥”闘粒拳”ッ!!」
ダイヤモンドの粒子は斜め方向への切削を試みていくッ…!!
「
辺りを削っていきながら、先程と全く同じ轟音が周囲へ響いていく。竜巻は今度は斜め方向へ猛烈な回転で海中へ突進していった。
竜巻が海中へ向かう訳だから、まるで”渦潮”の如く、、、海水を回転させる。
読者も経験があると思うが、勢いある水の流れというのに対して人間は全く抗えないのだ。海水浴に行った際、自分へ波が押し寄せた事があるだろう…その時、危険を感じた人も多く居る筈だ。
勿論、そんなものに喜んで飲み込まれるつもりは毛頭ない…。
男もまた、金剛山の攻撃に120%意識を向けているからだ。
(青の武装ッ…!!)
青々とした水中で青き覇気を両脚に纏う啓は、闘粒拳の大回転を泳いで回避していく。
直撃を浴びせる事が出来なかった大回転はそのまま海中を明後日の方向に逸れていった…。
(”闘粒拳”、確かに強力だが…避けれない訳じゃねェッ…!!)
金剛山の攻撃を避けていく啓は心中そう考える。
その間…金剛山は次の攻撃に取り掛かっていた。
「
”ドドドドドッッ!!!!!”
金剛山は自身の身体から、ダイヤの弾丸を精製しそれを啓に向かって撃ち放っていく。その撃ちっぷりは正に
しかし、啓はそれを見事に避けていった…。
(血の一滴も出んかッ…いくら総合格闘家と言っても、”泳ぎ”が上手い訳では無い筈だ。)
金剛山もまた攻撃と攻撃の間、啓へ評価を心中で下していた。
奥義は二つも繰り出したし、乱射も繰り出した。
…しかしどれも決定打になっておらず、全て”空振り三振”として失敗に終わっている。
(俺が全開では無いにしても、”闘粒拳”はそう簡単に避けれる筈が無い…。)
(奴が倒れるイメージが沸かん…これでは。)
金剛山は想起する、それはまだ”天山角”と呼ばれる前、、、あの敗北した瞬間を…。
自らの負けを下した…”転龍会会長”の姿を…。
そして、もう1人の転生者である憎きあの”狂った芸術家”を…。
(イカン、戦闘中に何を思い出すのだ俺はッ…!!)
金剛山はネガティブなイメージを一瞬で払拭した。
♪One Piece Soundtrack - I Will Beat You
”ザバアアアッッ‥!!!”
「ウオオオオッ…!!」
海中へ潜っていた啓がその姿を現した。
「…。」
「…随分長い”海中遊泳”だったな、小僧?」
金剛山は皮肉めいた発言をする。
しかし、皮肉に反応せず喋り出した。
「俺は…恵まれたッッ!!」ドン!!
「
啓の発言に眉を吊り上げる。
「何が恵まれたと、いうのだ。…主語がなければ、伝わるモノも伝わらんぞ…。」
金剛山の指摘に啓は悪びれもせず、大胆に笑った。
「無論、此処まで来れた事だッ…」ドン!!
「此処まで来れたのは、あの人達が戦ってくれたからだッ…俺よりも弱えェ癖によ、必死で頑張りやがるッ‥!!」
「だがよ、その勇気の御かげで此処まで来れた、
「…その物言い、まるで俺を勝てるみたいに聞こえるが?」
「勿論だぜ、俺はテメェに勝つッ!! その為に、進化した”悪魔風脚”を見せてやるッッ!!!」ドン!!
(進化した”悪魔風脚”だとッ…?)
啓の進化した”悪魔風脚”…。それを繰り出すと宣言して来ているのだ。
(ハッタリじゃない…奴は会長の黒行封印から”悪魔風脚”を取り戻して、尚且つ俺の分身体が倒されたのは”悪魔風脚”の所為だ。)
「進化した悪魔風脚か…だが、俺が貴様にそんな時間を与えると思うか?」
金剛山はさも当然の様に言い返す。
「いや、そんなに
啓はそう言うと、その場で回転し始めた。
「”ラジアル・ショット”ッ!!」
再び、金剛山は指からダイヤの弾丸を射出していく。マシンガンの如く、啓に当てるように撃つが、、、啓は片足で本気の青い覇気で回避する。
(あの避け方、奴も本気という訳かッ…!!)
「ならば…これは避けれんぞッ!!」
射撃の最中、金剛山は左手で弾丸を撃ちながら…右腕を急速チャージしていたのだ。
そう、”闘粒拳”を啓へ当てる様にだ。
「…”
素早い闘粒拳が避けていく啓へ襲い掛かったッ!!
大型ドリルに当たれば、普通の人間は即死する。それ程の威力を誇るからだ…。
だが、それよりも何段階もの恐ろしい切削攻撃が”転生の龍”へ高速で向かっていた。
…だがッッ!!
「”エボニーショット”ッッッ…!!!!」
啓の熱き声と共に、繰り出された光るダイヤモンドの粒片は瞬時に焼け落ちていく。それは余りにも鮮やかな蹴り技であった。
ダイヤはまるで、火花の様に散っていた…。
その状況を当然見ていた金剛山は驚いた…。
(馬鹿なッ…あの激しい回転を瞬時に破ったのかッ‥!? 足技のみでッ‥!!)
金剛山が驚くのも無理は無かった。闘粒拳”軽光羅射”は金剛山が習得した闘粒拳の中でも最も速く繰り出せる技であるが、その分威力も落ちるが…それでも、闘粒拳は長年研ぎ続けてきた拳法なのである。それが、、、まだ転生したばかりの”餓鬼”に破れるというのか…。
そして、次の瞬間…金剛山は腹部に強烈な熱痛を受ける事になる…。
「”アイボリーシュート”ッ…!!」
金剛山が硬直していた瞬間を狙ったのだ…。啓の燃え滾る闘志が身に見える形で金剛山の腹を抉っていく。
「グオッ…!!」
余りの激痛と熱痛に金剛山は少し呻く。
「吹き飛べッ…!!」
”ボゴオォォッ‥!!!”
そのまま、金剛山の鳩尾に蹴り入れた啓は押し込んだ。
啓を超す巨体を持つ金剛山。
だが、その体格差をものともせず、吹っ飛ばした。それは正に啓の持つ怪力と進化した”悪魔風脚”の為せる技であった。
「ヌオオッッ…!!」
しかし、金剛山は思いっ切り両脚で踏み込んだ。その余波で更にダメ―ジを負った港地帯はもはやその面影が無いほど、ボロボロになっていた。
「ヌゥッ…。」
「チィッ…落ちねェかッ。」
啓はそう言った途端に、片手を突いてしゃがみこむ。技を放った啓もまた金剛山と同様に”熱さ”で少し参っていた。
互いに片膝をつく2人の転生者…。だが、二匹の男の眼の闘志は一切失われていないッ…!!
「…ダハハッ、そうか…そう言う事かッ桐生よッ!!」ドン!!
突如、笑い出す金剛山…。
そんな突如、笑い出した金剛山に対して、啓は皮肉染みたセリフを吐く。
「…なんだ、鳩尾の蹴りがよっぽど効いてんのかッこの野郎…。」
「ダハハッ、そうでは無い…貴様最初からッ!!」
「この俺を海へ落とそうと考えていたなッッ…!!!」ドン!!
「‥‥。」
金剛山の問うた発言に対して、啓は溜息を吐いた。
「…まぁ、気付くかッ…。」ドン!!
冊冊冊冊冊冊
第49話 (警視庁にて”真の矢澤家救出会議”)の回想。
‥それは一昨日の警視庁”大会議室”での事だ。
警視総監を気絶させた”桐生 啓”はμ’s三年生メンバーの三娘であるにこ、絵里、希を前に…自身の作戦を教えようとした。その中で最も重要なのは…そう”対金剛山戦での作戦”にあったのだ。
その気になる作戦とは…。
にこ「ええっ!!”カナヅチ”いぃっっ!!?? う、ウソでしょ…。」ドン!?
にこは小さな身体から信じられない程の大きな声量で驚きまくっていた…。
希「にこっち、声デカ過ぎやん…ビックリするから止めてよ、ホンマ。」
関西弁で驚く希に対して、素直に謝るにこ…。
そんな2人を尻目に、KKEこと絵里が啓へ質問する。
絵里「ねぇ、啓。ほんとなの…? あの大男達が”カナヅチ”なんて
「…いや、嘘じゃねェ、此処まで来て嘘なんかつかねェよ。」
絵里の指摘に対して、啓は逆に鋭く言い返す。
「でも、何で”カナヅチ”なのよ…。真姫ちゃんみたいに”意味分かんないッ!!”って言いたくなるわよ。」
(…言ってるやん、自分。)
心の底でにこに対して、つっこみを入れる希。声に出さないのは優しさか?
「まぁ、確かに気になるかッ。‥‥お前らにとっちゃアイツらは怖い存在だからな…。」
「そうよっ!! あれだけ地球を破壊出来るなんて、言える連中がどうして”カナヅチ”なのよっ!!」
この世界で生きるにこ達にとって、転龍会や金獅子会といった恐ろしい転生者達がまさか…全員が洩れなく”カナヅチ”と言うのだから、、、納得出来る筈が無い。
そんな三人と静かに驚いていた大人三人へ、とりま啓は説明した…。
奴等が自分の前世で最も好きな漫画である”ONE PIECE”に出てくる悪魔の実の能力者と同じ能力を有し、例外でなければ…悪魔の実の能力者は海に嫌われてしまい、例えオリンピッククラスの泳ぎの達人と言えど、一度悪魔の実を食べて、、、水に入れば、全く身体が動かない…まさに”カナヅチ”である事を説明した。
「…という訳なんだ。おい、にこ…理解できたか?」
「…あんたの前世って、”マンガ”があったのね…。」
にこのボケに、啓は顔をしかめた。
「お前、俺の事を”野蛮人”とでも思ってんのか…?」
「だって、あんた”ワイルド”過ぎんのよ…なんか離れ小島で修行してそうなイメージ…。」
にこの正直な感想に、溜息を吐く啓。それを宥める2人の女子。
鷲尾「ンンッ…!! まぁ、そのなんだ…つまり、お前さんの考えている作戦は奴等の弱点を突いた”作戦”という訳なのか…?」
咳払いをしながら、鷲尾は啓へ質問を投げかける…その問いに対して、首を縦に振って”肯定の意”を示した。
「その通りだぜ、鷲尾さん。…俺の作戦はものすげェ単純、あの”堅物野郎を海へ落とす事”なんだッ。」ドン!!
そう言い切った啓はそのままの勢いで、話を続ける。
「奴等が指定して来た決闘場所が”東京港”…つまり、
「金剛山は”ダイヤモンド体”へ変化出来る超人系の能力者だ…。奴を倒せたとしても、なにせ、”ダイヤ”だ…攻撃する俺の方にもダメージが大きく残っちまう。」
「俺がダメージで倒れれば、それこそ…並みの人間じゃ”転龍会”に太刀打ち出来ねェ。」
そう、現状、、、転龍会や蛇蝋や金獅子会と言った強力な転生者達に対抗出来る人間は、”桐生 啓”以外他に居ない…。(ただし、この49話の時点で”上野 隆”とまだ出会っていないので、啓一人で闘う作戦としての側面が大きかった…。)
「…だからこそだ、”堅物野郎”相手にダメージや負担が掛からない様にするには…
「少なくとも、俺が闘った”馬羅垣”は、海水に浸かった時、特に抵抗はしてこなかった…。だから、金剛山もその例に漏れず、泳げねェと俺は考えてんだッ。」
そう語る啓の話に皆の納得の表情を示した。
「けどな…一番大切なのは”金剛山の奴”を”人質”として拘束する事だッ…。」ドン!!
「…ひ、人質っ!? そんな事出来るのっ、啓っ!?」
「ああ…というか、それが一番の目的だ。」
「さっき言った馬羅垣の件に戻るが、俺が奴を拘束していた時…直ぐに仲間が駆けつけていた。それに、、、復活ライブ会場の件でも、俺に敗れた麦野が仲間の炎山に助けられていた。」
「俺の個人的な考えかもしれねェが…転龍会は仲間意識がかなり強いかもしれねェ、だからもし金剛山を人質にすれば…逆に喰いつくかもしれねェんだ。」
「俺達との交渉によッ…!!」ドン!!
「!!!」
「兎も角、俺が東京港で金剛山を倒すんじゃなくて、奴を吹き飛ばす訓練をしようと思う。」
「柿谷さん、なんか
「投げ飛ばすか…よし、俺の方でなにか考えてみよう。」
そう言うと、柿谷は一度調べ物をする為に離れた。
後に第51話で、啓がクレーンが放り投げた貨物を蹴り飛ばしていたのがここから通ずるのである…。
かくして、啓達は金剛山を捕縛し、人質として捕まえる作戦に出たのであった。
冊冊冊冊冊冊
…現在の時間軸~東京港”崩壊せし決闘地”~
「…何時気が付いた。」
啓は片膝から立位へ復帰して、金剛山へ質問を投げかける。
「後ろの海面を見てからだ…どうも貴様の足技には最初から引っ掛かりがあった。最初から、俺の身体をまるで削る様に蹴る黒足の技。」
「俺の身体を徐々に削っていき、弱らせたところで、渾身の蹴りで俺を海へ叩きつける…。」
「成程な…ダイヤモンド自体を壊せなくても…”吹き飛ばす”事は可能と言えば可能。」
そう、たとえダイヤモンドを金槌で叩き壊せないにしても、ダイヤモンドは
だからこそ、直接金剛山の身体を傷つける事が現時点で出来なくても、海へ落としさえすれば、傷つくことが出来ない”ダイヤモンド人間”でも勝つことが可能なのだ。
「悪魔の実の能力者…いや、”悪魔の実の転生者”にとっては海は最大の弱点…今更過ぎて、風化していたところだ…。」
「…だがそれでも、素早く動く事が出来るこの俺に当てれるのかッ…!!」
刹那、巨漢は動き出す。…金剛山は見かけによらずに、素早く動く事が出来る巨漢なのだ…。
しかし、その一方で啓はまたもその場で回転し始めた。それも猛烈な勢いであり、辺りから火花や煙が立ち込めていく…。
「…同じ脚は通用せんぞッ!!」
このまま見過ごすわけにはいかない…。
金剛山は次の攻撃に単純な体当たりをかまして来た。十八番である”ブリリアント・パンク”の態勢だ。綺麗に啓本人を目標に捉えた金剛山は素早い動きで、繰り出そうとする…。
”超然とした転生者達の闘い”…それは常人には感知出来ない程の速度で技の応酬が繰り広げられる。如何に短い時間でより速き判断が求められる。
その一瞬の中で、啓は…先程進化した”悪魔風脚”を繰り出そうとしていたッ…!!
…啓は昨日”黒の化身”から”悪魔風脚”を取り戻し、今日の昼飯”牛丼”を大量に食べた後…ある考えに辿り着いていた。
それは…”悪魔風脚”自体を発生させるのに、”2つの型”があるという事だ…。その”2つのタイプ”こそが”即発型と遅発型”であった。
…そう、2つの型の違いとは…”悪魔風脚”を発生させる為の時間差にある。
”即発型”は瞬時に脚へ炎を灯す事が出来る型だ。…しかし、素早く発動出来る分、火力が弱いのである。そして、逆に”遅発型”は脚を地面等に擦り付けて回転するため…火力は申し分無いが、発動に時間が掛かってしまう。
つまり、強敵と闘う事になれば‥即発型ではダメージが通らないかもしれないし、遅発型では着火させる時間すら与えてくれない場合がある…。なれば、隆が暗術”黒行封印”を解印してくれて、手引きが無駄に終わってしまう。
ましてや、金剛山はダイヤモンド人間…炎属性の攻撃はこれ以上無いほど効果は抜群なのだ。なればこそ、”悪魔風脚”を使わない手は無い…むしろ切り札にして対金剛山戦の”最強の奥義”になるのだ。
そして、、、啓は辿り着いた。”悪魔風脚”を更に強化するには”三原色の覇気”を使うべきである事に。
”三原色の覇気”は非能力者である啓にとっては、
だが‥啓はそれを戦闘だけでなく、昼飯の牛丼を”青い武装色の覇気”で常人よりも早く食事を済ませた。…第54話で使っていたのがそれなのだ。
…毎日行う日常生活動作にでも”三原色の覇気”を導入し、それらを早く・上手く使える様に啓が意識した強くなる為の秘訣であった。
だからこそ、啓はこの土壇場で”三原色の覇気”と”悪魔風脚”を合体させた…その合体した技の名は。
「…”
”悪魔”から”太陽”へ…。啓の炎の脚は宇宙に大きな影響力を与える”炎の天体”の名を冠する様になった…。
”太陽風脚”…そのメカニズムは、”三原色の武装色”の効果が進化を与えていたのだ。先ず、地面に接地する足底面に対して、”緑の武装硬化”で防御コーティングを施す。それは、”悪魔風脚”の温度を上昇させても、発動した啓へ負担が掛からない様にする為だ。それと同時に、”青の武装硬化”で回転数を上げる事で、より速く発動を終える事が出来る。
つまり、
極めつけは、”赤の武装硬化”…”悪魔風脚”はあくまで”発光した箇所”つまり、、、”両脚”にしか炎が宿わなかった。
だが…”赤の覇気”が加わる事により”両脚”だけでなく、空気中の酸素や地面にまで炎が延焼する事になる…。
す る と ど う な る か …!!
金剛山は啓へ”ブリリアント・パンク”を繰り出そうとした瞬間ッッ!!
”ゴオオオッ!!”
啓の身体から、凄まじい”熱風”がまるで台風の暴風の如く、金剛山の巨体へ思いっ切り当たっているではないかッ!?
「こ、この熱風はッ!! グウオッッ!!」
金剛山はみるみる内に、自らの身体に炎が燃え移った事を理解したッッ…!!
勝機ッ…!!
啓は”三原色の覇気と太陽風脚”を一気に爆発させながら…思いっ切り叫び轟いたッッ‥!!
「ウオオオオオッッ…!!!」
両脚の筋肉群の力を一気に解放し、金剛山の懐へ跳び込んだッ…!!
「…!!」
金剛山は闘粒拳を使おうとするが、啓はその腕に太陽の蹴りを喰らわせたッ‥!!
「ガッ…!!」
「喰らえッ!!”太陽風脚”…”レイン・ストームウゥ”ッッ…!!!!」
先ほど、出した”エボニー&アイボリー”の合わせ技の連続蹴りをまるでルフィの”ゴムゴムの暴風雨”の様に喰らわせていくッッ!!
”ガガガッッ‥!!”
この決闘地を削りまくった巨漢を、今度は啓が燃え滾る脚で”高熱切削”で削っていく。
啓はこの一撃に懸ける腹積もりで、一気に勝負をかけたッ…!!
「…ヌウウッ!! 鉄塊”金空木”ッ!!!」
金剛山は啓の燃え滾る太陽の蹴りを喰らいながらも、鉄塊”金空木”によるカウンター防御を発動させたッ…!!
「チイィッッ…!!」
啓はカウンターによる衝撃波が来る前に脚を引っ込めるが、喰らってしまったッ!!
「ガハッ…!!」
一度攻撃を喰らった事により、”レイン・ストーム”は中断され、金剛山はまたも”海”へ落とされる事なく…ギリギリ保つのであった。
冊冊冊冊冊冊
一報、その頃…~東京港工業地帯”ダイヤモンドシェルタ―内”~
穂乃果「凛ちゃん…外の様子分かる?」
凛「ちょっと待って…確認してみるにゃ。」
金剛山によってシェルタ―へ入れられたμ’sとその家族の面々は、シェルタ―の上部に空気を換気する為の”通気口”の存在に気付いた。そこから、外の様子が見れるのではないかと考えた面々…。
そこでμ’sの父兄と柿谷が自らの身体で台をつくった後、μ’sの中でも最も運動神経が高い”星空 凛”は柿谷から渡された双眼鏡で観察を頼まれた。
大輝「どうだッ…凛!! 桐生さんは確認出来たかッ!?」
そう声を掛けるのは、凛の父親である”星空 大輝”。高校で体育教師を務める体育系の男性だ。
「えっと…ケホッ!!」
父親の問いに答えようとした凛がいきなり咳き込んだ。
「…!! どうした、大丈夫か凛ッ!!」
「だ、大丈夫‥ちょっと咳き込んだだけにゃっ。」
父親の心配に平気である事を伝えた凛は、手で口を押さえながら通気口から外の様子を伺った。
「あっ、啓君にゃっ‥!!」ドン!!
「えっ!!…どこにいるのよっ!!」
凛の言葉にすぐさま反応示すにこ。その顔は心配しきった顔だ。
「さっきの倉庫の前っ!!…けど、辺りが燃えてるみたいにゃっ!!」
海未「辺りが燃えてるのですかっ…どうりで焼けた空気がこの中にも入ってくるわけですね。」
「相手のデカ男もまだ倒れてないにゃ…お互い、膝ついてるよ。」
「じゃあ…まだ勝負はついてないのね…。」
絵里がそう言った時、ことりも思う事を発言する。
「あの”蝋”って人は見当たらないっ?」
「…ううん、見当たらないにゃ。」
凛は双眼鏡で観察するが、確認出来ない事を伝えた。
「良かった…。」
胸をなで下ろすにこ。
もし、この場に”蝋 家龍”が現れると、蝋を倒すために啓が闘わなければならなくなるからだ。今、凛が言った通り”片膝”を付いているなら、啓は消耗した状態だと判断出来る。
その上、蛇蝋のトップに立つ”蝋 家龍”の実力は未知数…。場合によれば、今の消耗した啓では、現在進行形で闘っている金剛山よりも、、、更に倒すのは困難となるだろう。
(お願いよっ!! このままあんなやつ、、、現れないでよっ!!)
にこは不安の中…祈るしかない。
彼女にとって、”桐生 啓”は恩人であり、、、
少女が祈る中…二匹の男は立ち上がっていく。そう、決着をつけるべくッ…!!
~東京港旧第三倉庫”燃え盛る決闘地”~
金剛山の”闘粒拳”によって削りに削られ、更に啓の”太陽風脚”で延焼した決闘地はもはや、戦場を通り越して、、、”終戦場”に辿り着いた。つまり、戦いが終わった場所という過去形の場所になりつつあるのだが…。
戦場が終末の様相へ変貌しようとしている中、”転生した男二匹の決闘”もまたその決着をつけるべく立ち上がる。
「ハァ…ハァッッ!!‥クソッタレめ。」
男二匹の内の一匹、”桐生 啓”は息を吐きながらも、悪態をついていた。だが悪態をついたとはいえ…その意識は朦朧としている。
(
まるで、高熱を引いたかの様に頭痛や吐き気や喉の痛み等々の身体症状が現在進行形で、啓へ襲っていたのだ。
…悪魔風脚の火力を超える”太陽風脚”にも誰でも分かりやすい弱点があった。
それは余りにも熱すぎるという弱点だ。
本来、悪魔風脚は下腿部分しか燃えないものであった。しかし、”太陽風脚”は三原色の覇気によって比べものにならない程の熱量と範囲を実現したことによって、大幅に威力があがる事に成功したが、その温度が相対的に高くなり、更に範囲を広めたことによって、、、使用者の啓自身に大きな熱を与える事になった。
しかも、放熱が上手く出来ないそのせいで意識朦朧、高熱、吐き気、頭痛等の身体症状が発症し、常人とは比べものにならない程頑強な啓であっても苦しむ程のダメージになってしまっており、却って使う事は避けるべき技なのだ。
「‥ウオオオオオッ!!!!」
それでも…啓は立ち上がった。そしてどんな奴にも負けない程の大音声で、港中で叫んでいく。
「‥‥”
漢はまたしても、太陽風脚の構えを取った。自らの身体を燃やす。
またも己の身体を燃やし、自らの生命を追い詰めている桐生であるが、何も追い詰められているの啓だけではない。
現在、桐生対金剛山が闘っている”旧第三倉庫前”だった場所は、今や燃え盛った火事場へと変貌を遂げているのだ。
‥‥つまり、キラキラの実の転生者である金剛山にとっては”最悪の環境”でしかない。炎が燃え盛る高温高熱地帯では、キラキラの実の能力は上手く発揮できないのだ。
更に、周りは海に囲まれた港地帯…もう、お分かりだろう。金剛山にとって今いる陸上と海は二重苦でしかないのだ。
炎から逃げようにも、外は海。海から逃げようにも炎。
だが、金剛山は六式”月歩”を体得しているのだ。普通に考えれば、それを使わない手は無いのだが…。
(…この漢と勝負を決めるッッ!!)ドン!?
冊冊冊冊冊冊
(成程、地上は炎、周りは海。俺にとっては厄介極まりない二重苦。…奴はそれを理解したうえで、また燃やそうとしている。)
分かっていた。金剛山は分かっていた。啓が今使っている”太陽風脚”が己を燃やし傷つけている事を。
だが、それは敵の事情…そんな事をお構いなく逃げれば勝手に自滅する。
しかし、金剛山はそれでも逃げようという行動を取らなかった…。
(やはり、、、この気持ちの昂り…あの言葉を想い出す。)
目を瞑った金剛山は、己が忠誠を誓いかつ倒すべき目標としている”会長の言葉”を想い出していた。
”俺やお前達の様に闘い続ける転生者にとって、いつか必ず避けられん闘いが現れる筈だ。”
”もし、それらが己の前に現れた時…余計な事はもう考えるなッ!!”
”その闘いに身を投じ、集中するのだッ!!”ドン!!
”カッ…!!”
金剛山は眼を見開くと、眼の前で構えを取る啓へ睨め付けたッ…!!
(会長…転生者なら”必ず避けられん闘い”が現れると仰りましたね‥ならば。)
「ヌウオオオオオッッ…!!!」
金剛山も啓に負けじと、その巨漢に充分に見合う程の野太い大声で、騒々しく荒立てた。
(総長、副総長、頼瀬、すんません…俺は眼の前にいるこの”小僧”…いやッ!!)
心の中で、自身の仲間で上司…そして、”後輩”である男達の顔を想い、謝罪する。
金剛山は心の底から理解したッ!! 会長が言った”必ず避けられん闘い”が現れるという事を‥‥。巨漢は今理解したのだッ…!!
両腕、両脚、身体の各部分に至るダイヤ粒子を利き腕の右腕に集結させていく。それは正に”チャージ”そのもので、特大の竜巻を放とうとしていた。
(分かってるぜ、金剛山…闘粒拳の弱点は、放てば放つ程に”威力”…いや、”切れ味”そのものが落ちる事だッ…!!)
そう、金剛山の”闘粒拳の弱点”は放つ程にその”切れ味”が落ちてしまうことであった。啓は真姫とダイヤについての勉強をしている時に、ダイヤモンドで造られた道具が存在する事を知った。
”おい、真姫…ダイヤモンドって、何も宝石とかだけじゃねェんだな。”
”そうですね…けど、それがどうして気になったんですか?”
”簡単だ、金剛山はダイヤモンドの能力を得た時に、何か参考になるものを得ようとした筈だ…それこそ、こんな
”なるほど…確かにあり得るかも。”
”ダイヤの弱点は炎と壊れやすさ…よし覚えておくぜ。”
”啓さんって、意外と勉強熱心ですね…。”
”おい、にこも同じ様な事言ってたぞ。”
(金剛山…敢えて、俺はテメェの弱点を言わねぇ…
「なんだ…桐生。なにか言いたそうな顔をしていたが…。」
金剛山が啓の顔を見て、質問を投げかける。
「ああ‥長話はもう終いにしようぜ…team”iflit”特攻隊長”金剛山 強”」ドン!!
「…そのようだ、これ以上は無粋だなッ‥”転生の龍”ッ…!!」ドン!!
「行くぞッ…太陽風脚、奥義ッ!!」
啓は三原色の覇気と陽炎を解放させ、右脚へ纏わせていくッ…!!
「世界を断つ赤い大陸…”レッドライン”ッッ…!! それを削り切る威力を食らえイッ!!」
金剛山もまた、右腕のダイヤ粒子を回転させる。
そして、刹那…東京港は覇気の雷鳴を轟かせたッ…!!
転生の龍「
”切削の竜巻”か”赤き陽炎の足技”か…勝つのは果たしてッ…!!
?「決闘に集中するオス二匹…周りが見えてないがねなッ…!!」ドン!!
四章後半”???P編”に続く…。
次話、四章後半へ突入…。第62話 ”赤落ちの連戦”VS”? ??”