天下無双   作:しるうぃっしゅ

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十一話 反董卓連合

 

 

 

 

 

 

 

 冀州へと帰還した袁紹は、挙兵をするでもなくまるで何かを待つように、その地で時を過ごしていた。そんな彼女の姿は、今すぐにでも洛陽に打って出る己を必死で律しているのでは、と見受けられた。

 逆賊として逃亡することとなった袁紹ではあるが、不思議なことに現状では特に罪を問われてはいない。天下の十常侍に弓を引いたというのに、全くの音沙汰もないのはある意味幸運であったが、それ以上の不気味さを感じさせる。

 やがて冀州へと帰還してから幾ばくかの時が流れた頃、彼女の執務室へと一人の少女が訪れてきた。

 

 茶色の長い髪。袁紹よりも小柄な身体。その身体に似つかわしくない大きな帽子をかぶり、丸眼鏡をかけた穏やかな顔立ちと雰囲気の可愛らしい少女であった。

 

「袁紹様。このような文が届いておりますが」

「―――ようやく、きたか」

 

 少女の言葉と差し出してきた竹簡を見て、袁紹はダンっと机を叩き勢いよく立ち上がる。

 その拍子に椅子が音を立てて転がり床に倒れるが、それには一切目もくれずに少女へと手を差し出した。

 

「袁、紹様?」

「それを渡せ、田豊」

「は、はい」

 

 主の焦りさえ滲ませる態度に、驚いたのは一瞬で―――田豊と呼ばれた少女はすぐに我を取り戻し竹簡を袁紹へと差し出した。

 はやる気持ちを抑えながら竹簡に目を通す袁紹だったが、書かれてある内容を全て呼んでなお、沈黙を保つ。

 執務室の中を静寂が包み上げ、田豊は知らず知らずのうちに緊張故に、背筋に嫌な汗をかいていた。

 

「―――時は満ちた。我らが立つ時が来たぞ」

 

 冀州へと逃亡してから消えていた袁紹の笑みが戻り、彼女の気配が熱く燃え上がる。

 

「そ、それでは袁紹様……遂に、董卓を?」

「ああ。橋瑁殿からの決起の檄文だ、これは。董卓の専横もはや許し難し。我らの手で帝をお救いするべし、とな」

 

 董卓に洛陽を追われた袁紹だったが、何故すぐに挙兵しなかったのか、それには理由がある。

 朝廷からはうやむやにされはしたが、どんな理由があるにせよ袁紹が宮廷で兵を動かしたのは事実であり、言ってしまえば彼女は逆賊でしかない。そんな袁紹が決起文を飛ばしたからと言って、誰が呼応したであろうか。ましてや、冀州に帰還した当時は、董卓は皇女を救い、宦官を排した救国の士としか認識されていなかったというのもある。それ故に、董卓の本性を知りながらも挙兵することは出来ずに、今までの時を過ごしていたのだ。

 

 だが、現状はその時とは随分と変化してきている。それは、世間にも噂されているが董卓の無法が広がっていることだ。洛陽の宦官は皆殺し。優秀な者も無能な者も、愛国心溢れる者も、不貞な者も。皆等しく処刑されているという。そればかりか、多くの官僚が殺され既に政治は立ち行かなくなりつつあるとさえ、情報が伝わってきている。遂には橋瑁が董卓へ対抗するために挙兵を呼びかける決起文を各地の諸侯にばら撒かなければならない程に洛陽は血の海に沈んでいるというのだ。 

 

「田豊。文醜と顔良、それに張郃も呼んでこい」

「は、はい!!」

 

 バタバタと慌てて部屋を立ち去っていく田豊を見送った袁紹は、自分を落ち着かせるように倒れていた椅子を立て、座りなおす。

 両腕を組み目を瞑り、はやる気持ちを抑えながら田豊の帰りを待っていたが、ほどなくして数人の足音が部屋の外から聞こえてきた。入室を求める声に許可を出すと、入り口の扉を潜り田豊を先頭に三人の男女が姿を現した。

 

 二メートルを超える巨漢。その男に匹敵する背丈の大柄な女性。そして、足近くまで伸びる長く美しい蒼い髪の女性。

 前者二人は、執務室に漂う尋常ならざる空気を悟ってか、ピリピリとした緊張感放っている。だが、蒼い髪の女性はそんな緊張感などどこ吹く風。どこか眠そうな雰囲気を漂わせ、欠伸を噛み殺した拍子に被っていた小さな帽子に付けられたお札がゆらゆらと揺れていた。

 

「来たか、顔良。文醜」

「この顔良、御呼びに従い参上仕りました」

「はっ!!」

 

 巨漢―――顔良と、大柄な女性―――文醜が、袁紹に向かって頭を垂れる。

 並々ならぬ力量の武人二人の圧力と、その巨躯も相俟って、文官である田豊は長い付き合いであるにも関わらず不可思議な息苦しさを感じていた。

 

「袁紹様ー、何か御用ですか? 田豊さんが慌てて私達を呼びに来たんですけど」

 

 蒼い髪の女性は、のほほんっと主君である袁紹へと問い掛ける。

 無礼な態度と発言に、顔良と文醜の二人の視線が鋭くなるが、肝心の袁紹は楽しげな笑みを口元に浮かべた。

 

「そなたは相変わらずだな、張郃。まぁ、よい。今は問答の時間すら惜しい。そなたたちは今すぐにでも兵を纏めよ」

「なんとっ……」

「それでは、袁紹様……もしや!?」

 

 袁紹の発言に、袁家の二枚看板は驚きの声をあげた。

 そんな二人に一度大きく頷くと、組んでいた両腕を解いて、再び椅子から立ち上がる。

 

「橋瑁殿から反董卓連合の打診があった。私はそれに乗ろうと思っているが、異論はあるか?」

「いえ!! この顔良、異論などありませぬ」

「同じくありません。この文醜、袁紹様の為に命を賭す所存です」

 

 顔良と文醜の了承を得て、袁紹は満足気な様子だったが、主が重大な発言をしたというのに、のほほんっと全く雰囲気を変えることのない張郃に視線を向ける。その瞳に貫かれた彼女は、はぁっと深い溜息をついて諦めたように肩を落とす。

 

「……わかりました、袁紹様。この張郃も、少しだけ頑張ってみます」

「ふっ。そなたには期待しているぞ、張郃」

 

 普段から自分のペースを崩さずに、最低限のことしかせず如何に楽に生きようかを考えている彼女は、随分と他の家臣にその力量を甘く見られてはいるが本気を出せば袁家の二枚看板すらも凌駕する生粋の化け物だと袁紹は気づいている。顔良や文醜でさえも、以前見た呂布なる化け物と打ち合うことすら出来ない力量の差があるが、張郃が本気で戦えば勝てないまでもそれなりに拮抗した戦いを演じることが出来るはずだ。袁家の最終兵器とでも言うべき中華が生み出した怪物の一人の協力を得た袁紹は、強く両手を握り締める。

 ギラギラとした様々な負の感情が入り混じったそれを、遥か西方へと向け口元をきつく結ぶ。

 

 

「―――董卓。この袁本初を虚仮にした借りを返させてもらうぞ」

 

 

 名門汝南袁氏が後継者、袁紹本初。

 及び、その配下である顔良、文醜、張郃、田豊。

 反董卓連合に参戦を表明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ああ、足りないのね。ちょっと待って。こっちの白馬ちゃんの方が先だから」

 

 凛、とした美声で馬小屋にいる白馬達に餌を与えている可愛らしい少女がいた。

 太陽光を反射する美しくも長い銀の髪に、整った顔立ち。長い髪とは逆に、小柄な身体。しかし、少女が纏っている雰囲気は並の者ではなく、一国の王を思わせる領域の圧力を周囲に感じさせる。

 だが、馬小屋にいる白馬達はその圧力を気にも留めずに、逆に彼女が来てくれた事が嬉しいのか甲高く嘶きながら擦り寄ってきていた。

 

 少女は、そんな白馬達を慈しむように見ながら、順番に餌を与えている。

 どの白馬も暴れたりせずに、少女から藁を与えられるまでじっと待っている姿から、相当に彼女に懐いているのは一目瞭然であった。

 豪勢な衣服が汚れる事も気にせずに、白馬の世話をする少女であったが、この光景を見たものがいれば首を捻ったに違いない。馬を世話する仕事の者がいるのは当然で、どう見ても一介の官吏に見えない少女が、馬の世話をするなど本来ならば有り得ないからだ。

 

 

「公孫瓚殿ー!!」

 

 そんな疑問を切り裂くように、白馬達を驚かせるほどの呼びかけが周囲一帯に響き渡った。

 公孫瓚と呼ばれた銀髪の少女は、馬達に餌を与える手を止めて、声がした方角を振り返る。

 その視線の先には、公孫瓚の銀髪とは対照的な金色の短い髪を風に靡かせて、疾駆してくる一人の佳人の姿があった。女性にしては高い長身ではあるが、男でも持ち上げられなさそうな巨大な槍を軽々と片手に、公孫瓚の下まで疲れる姿一つ見せずに辿り着くと形ばかりの礼を一度取り、ニカっと裏表のない快活な笑顔を見せる。

 

「どうかしたの、趙雲?」

「どうかしたの、じゃないですよ。聞きましたよ、反董卓連合のお誘いがあったと」

「ああ、そのこと。つい先日決起の文が届いたけど、もう貴女の耳にまで届いたのね」

「はい!! それはそうと、どうなさるおつもりで?」

 

 趙雲と呼ばれた美しすぎる佳人は、ワクワクと子供のように瞳を輝かせながら、己の主に問い質す。

 言葉に出さずとも、趙雲の望む答えがわかってしまった公孫瓚は、胸中にて嘆息を一つ。

 本音を言うならば、彼女としては反董卓連合に参加する気はなかった。何故ならば、公孫瓚が治めるこの地は異民族が住まう場所と非常に近しい。昔はそれこそかなりの頻度で彼らの脅威に晒されていたが、現在は数えられるほどに落ち着いている。それも全ては公孫瓚伯珪という怪物がいるからこそ、である。彼女の存在が異民族に対しての抑制そのものになっているのだ。

 その肝心の公孫瓚がこの地を離れるとなると、異民族への牽制が効かなくなる可能性が高い。勿論、離れる期間は反董卓連合が董卓を倒すまで、となればそこまで長くはならないだろうが、それでも一抹の不安が残るのも事実。

 

 だが、漢王朝の一大事に駆けつけなかったともなれば、後々のことを考えると些か宜しくない結果をうむことになるのも予想できる。

 参加、不参加どちらをとっても利益、不利益を被るのが現状だ。だが、不参加を決め込めば間違いなく現在客将として迎えている目の前の一騎当千足る武人―――趙雲は自分のもとから飛び出していくことは間違いないだろう。

 趙雲は、別に公孫瓚に忠誠を誓っている訳ではない。

 武を極めんとする求道者。それが戦場に咲く黄金の華、趙雲子龍。四海に名だたる武人が集まるであろう反董卓連合を黙って見過ごすわけがない。

 

「兵を纏めておくわ。近日中に反董卓連合に合流するから、貴女も準備をしておきなさい」

「はい!! 流石は公孫瓚殿。不肖この趙子龍。我が涯角槍に賭けて、貴殿の敵となる董仲穎を屠って見せましょう!!」

 

 仕方ないか、と公孫瓚は是という決断を下す。

 その答えを聞いた趙雲は、太陽のような眩い笑顔を向けて持っていた巨大な槍を蒼天へと突き上げた。

 

 白馬義従を従えし、幽州が傑物。公孫瓚伯珪。

 及びその客将、趙雲。

 反董卓連合に参戦を表明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「反董卓連合か……どうしたもんかねぇ」

 

 見渡す限りが緑色の草原に仰向けとなって空を見上げていた劉備玄徳は、誰ともなしにそう呟いた。

 黄巾の乱のおりに立てた功が認められ、中山国安熹県の尉に任じられた彼だったが、特に変わり映えのしない日々を送っているうちに退屈を感じるようになっていた。

 元々が、酒と博打を好み、破天荒な性格をしている劉備である。肩肘張った官職など向いていないのだと、自分でも自ずと理解していた。

 

 だが、そんな劉備ではあるが、彼には譲れない矜持がある。

 劉姓を継ぐ者としての自負と尊厳。それ故に、漢王朝に反乱を起こした黄巾賊の討伐に義勇軍として立ち上がった。

 そして、漢を滅茶苦茶にしようとしている董卓。決して彼の行いは許せるものではない。 

 出来れば今すぐにでも反董卓連合に参加したいというのが本心であったが、それを妨げるものがあった。彼の直接の上司が、それに難色を示したのだ。何度か話し合ってはみたものの、日和見である上司の意見を変えることは出来ずに、参加の許可を取ることはできなかった。もしも参加するのならば、官職を辞してから行けとまで言われる始末である。

 

 昔ならば、そんな相手はぶん殴って飛び出していった劉備ではあったが、それを紙一重のところで止まった。

 何故ならば既に彼一人の立場ではない。関羽や張飛、黄巾の乱からついてきてくれた多くの部下がいる。劉備には、自分を信じてくれた多くの者達を養う義務があるのだ。ましてや、義兄妹とはいえ、関羽や張飛などは本来であればもっと地位が高いものに召抱えられてもおかしくはない。いや、現に多くの者から誘われていた。その誰もが今の劉備よりも官職としての地位は遥か上。それらを全て断り、己に忠義を尽くしてくれる二人には感謝してもしきれない。そんな妹達を、自分を頼っている者達を裏切るのかという思いが劉備の足を止めていた。

 

 

「やるせないねぇ……たくっ」

 

 

 何時までも仕事をさぼっている訳にもいかない、と本当に疲れたように、劉備らしからぬ嘆息までして上体を起こした。

 ゆっくりと立ち上がりながら背筋を伸ばす。骨の鳴る小気味のよい音が聞こえ、尻についている汚れを手で叩きながら落とす。

 

「お父様ー!!」

 

 その時、可愛らしくも鈴の鳴るような声が遠方から劉備の耳に届いた。

 その方角へと目を向けてみれば、見かけ十二、三歳くらいの少女が小走りに駆けてくる姿があった。薄紫の長い髪に、大きなリボン。そして、くりりくりとしたどんぐりのような丸々とした目が印象的な少女の姿を見た瞬間、劉備は口元を緩め満面の笑顔を浮かべる。

 

「おおっ、阿斗。こんな場所までどうしたんだ?」

 

 駆け寄ってきた少女―――阿斗を抱き上げると劉備は頬ずりしながら問い掛けた。

 今は無き妻との間に産まれた一人娘。目に入れても痛くないほどに可愛がっている娘の阿斗を抱きしめている劉備の頬は緩みっぱなしだ。そんな父の姿に嫌がるでもなく、若干照れたように笑顔を見せる少女の姿は大層可愛らしい。

 

 

「その……関羽様がお探ししていました」

「うん? 関羽の奴が? 仕事さぼってるのがばれちまったか」

「もう……駄目ですよ、お父様。関羽様にご迷惑をあまりかけては」

 

 頬を膨らませて怒る阿斗だったが、全く恐くないどころか小動物的で逆に微笑ましい。

 そんな娘に謝りながら、地面に下ろすと劉備は、悪い悪いと謝りながら頭を幾度か撫でると、それに誤魔化されたように阿斗の膨らんでいた頬が元に戻っていく。 

 

「―――主上」

「おっと、なんだ。いたのかよ、関羽」

 

 阿斗にかまけている劉備のあまりといえばあまりの言葉に、関羽は特に機嫌を損ねるでもなく小さく頷いた。

 真剣な彼女の姿に、劉備は阿斗を離すと居住まいを正す。真面目な表情で顎の髭をさすりながら、率直な疑問を口に出す。

 

「で、だ。阿斗から聞いたが俺を探してたんだって?」

「はい。反董卓連合について打診があったとお聞きしましたが」

「ああ、あれか。安心しろよぃ。それに関しては参戦しないことにした。それに俺が行かなくても他の諸侯に任せておけば、董卓なんざあっと言う間に倒しちまうさ」

「……それが主上の本当の選択ならば私は構いません。ですが、今の貴方は見ていて痛々しいのです」

 

 関羽はその美貌を微かに歪めて、劉備へと平伏する。

 その姿に、驚きを隠せない劉備が首を捻った。

 

「おいおい、関羽よ。いったいどういうこった?」

「我らのことを考えて己を殺す。それは大変嬉しく思います。ですが、貴方に忠誠を誓った身として不敬を承知で敢えて言わせて頂きます―――馬鹿にするな、と」

 

 ひゅうっと一際強い突風が吹き、平伏していた関羽の美しく長い黒曜石のように照り輝く髪が靡く。

 轟、と膨れ上がるのは一騎当千たる軍神関羽の圧力。

 

「我らが使えているのは劉玄徳。貴方であるのです。貴方以外にはおりません。決して国の官位に仕えているのではないのです。今の官位を捨て去ることに何の躊躇いがありましょうか」

 

 すらすらと述べる関羽の言葉は、強い口調も何もないただ、感情を殺したように淡々と告げていく。

 ただ、隠しきれない怒りだけがそこにはあった。それの向かう先は劉備ではく、そう考えさせてしまった自分達の不甲斐無さ。

 頭を下げていた関羽が、静かに劉備を見上げた。美しい容貌の中、漆黒に輝く黒い瞳がゆらゆらと揺れている。

 そんな義妹の姿に心を打たれる劉備だったが、それに追い討ちをかけるようにして、地面を歩く音が幾つも聞こえた。

 

「……主上。姉上に何をさせているんだ」

 

 若干の怒りを滲ませて、末の義妹である張飛が眉顰めながら姿を現した。

 その手に持つ蛇矛がミシミシと嫌な音をたてているのが彼女の怒り具合を示しているともいえる。

 関羽第一主義である張飛にとんでもない場面を見られ後頬を引き攣らせる劉備であったが―――その表情は更なる予想外の出来事で驚愕に包まれた。

 

 張飛の背後には、数百人の武装した兵がいた。

 その誰もが、黄巾の乱の以前、途中から劉備の軍に加わった者達ばかりである。

 彼らは皆が劉備をじっと見据え、何かを待っている様子にも見受けられた。

 

「例え主上が官を捨てたとしても着いて行くという馬鹿は私と姉上だけかと思ったが、意外と大勢いたぞ」

 

 ふんっと不機嫌そうに言い捨てた張飛に、劉備は目を大きく見開いた。

 今の安定した生活と職を捨ててまで、自分のような男についてきてくれる者達がいる。その事実に彼の心は感動で熱く震え、燃え上がった。まるで今まで悩んでいたのが馬鹿らしく思え、苦笑でしか彼らに返すことが出来ない。

 

「……全く。馬鹿ばかりだな、お前さんたちは!!」

「はい。そうでなくては主上に仕えようなどとは思いません」

「一番上の主上が大馬鹿だからな。その下がそうなっても仕方ない」

 

 劉備の発言に、関羽と張飛が答え、多くの兵士が大声で笑う。

 そんな彼らに内心で礼を言い、劉備は外套を翻す。

 

「よっしゃ!! お前達、俺について来い。漢王朝を救うために供に戦ってくれ!!」

 

 

 仁徳の士。劉備玄徳 

 及び、その配下。軍神関羽。燕人張飛。

 反董卓連合に参戦を表明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……行くのですか、孫堅様」

「うむ。董卓の専横は、この地にまで届いている。単なる噂話ではないだろう。ならば、この孫文台……漢の忠臣として戦わねばなるまい」

 

 黄巾の乱の功によって長沙の太守として任じられていた孫堅は、自分へと届いた決起の檄文を読んでそう断言した。

 彼は利益不利益など一切考えずに、単純なまでの忠を持って連合に組しようという考えを持っている珍しい忠臣である。

 

 そんな孫堅の前には四人の大柄な男がいた。

 最初に主である孫堅に問い掛けた人物。貫禄の塊のような大男―――程普徳謀は、些か心配したような表情であった。

 

「おいおい、程普。そんな心配しなさんな。噂に伝え聞く董卓だろうが、孫堅様が後れを取ると思うのかい?」

 

 そう程普の肩を叩いてカラカラと笑ったのは既に初老の年齢に差し掛かった大男―――祖茂大栄。

 

「孫堅様に敗北はない」

 

 その彼に返答をしたのは、何故か程普ではなく、両腕を組んだ頑固爺といった風体の大男―――韓当義公。

 彼の言葉に、それはそうだ、と祖茂は笑いながら頷いた。

 

「しかし、黄巾の乱が終わって間もないというのもあります。今は地盤を固めることを優先するのも一理あるかと」

 

 静かな雰囲気を纏うが、放つ圧力は孫堅にも勝るとも劣らず。 

 尋常ではない力量の武人―――黄蓋公覆は、主である孫堅に諌言染みた言葉を贈る。

 

「確かにそれが最善手となるだろう。だが、やはり俺は董卓の人道から外れた行いを許すことは出来ぬ」

 

 黄蓋の言うことは頭では理解できるが、心がそれを否定する。

 都である洛陽は今では血の海に沈んでいるという。宦官を排するまでは良かったが、董卓の行動はそれだけに治まらない

 罪無き者まで極刑に処し、無意味な殺戮を繰り返していると言う。そんな犬畜生にも劣る非道を見過ごしたとあっては、末代までの恥。それ故に、孫堅は何があっても董卓と戦うことを心に決めていた。

 

 

「ならば、私も供に行かせて貰います」

 

 ガンっと激しい音を立てて扉が開かれ、入室してきたのは飢えた虎のような常軌を逸した気配を纏いながらも端麗であり秀麗。絶佳とでも言うべき美貌の若き王。孫呉に於いて、間違いなく群を抜いての最強を誇る、孫策であった。

 

「……良かろう、策。お前も供に来い。黄巾の乱とはまた違った戦となるはず。本当の戦場の空気を肌で感じるとよい」

 

 娘の孫策が言い出したら聞かないのは孫堅も重々承知。

 ここで押し問答をしても全く意味がないことを一瞬で悟ったが為の孫堅の了承に、孫策は喜びを露とする。

 それを見ていた四人の忠臣としては複雑な気持ちであった。出来れば四人としては、孫策はこの地に残って欲しいと考えていたが、それはもはや難しい。幼少の頃より付き合いのある彼らであっても孫策を説得することは不可能に近い。

 頭痛を隠せずに、四人は互いに目配せをして、それは深いため息を吐くのであった。

 

 

 江東の虎。孫堅文台。

 及び、その娘である孫策伯符。程普、韓当、黄蓋、祖茂の四将。

 反董卓連合に参戦を表明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 静謐な空気の中、椅子に腰を下ろした曹操がパラパラと高級な紙で出来た本をめくりながら読書に勤しんでいた。

 文字を目で追う彼女の口から時折、ほぅ、やら、おぉといった感嘆の声が小さく漏れているが、相当に集中しているのだろう。一切

他のことには気にも留めずに本だけに視線を向けていた。

 

 彼女がいる場所は、曹家の所有している家の一つ。

 曹操の祖父が手がけた庭園が美しく、彼女がもっとも気に入っている場所でもあった。

 乱世の覇王とも称される銀髪の少女は、読書をしながらこの時間を楽しんでいる。ただ、それだけではない。彼女は一人、己が動くべきときを見極めながら待っていた。

 

「孟姉ー!! また、惇兄がきたよー!!」

 

 そんな曹操を邪魔するように、元気に溢れた声が聞こえてきた。

 幾ら姉とはいえ、覇王の風格を備えたる曹操の邪魔を出来る者などそうはいない。

 そう言った意味では、この声の持ち主―――曹仁は規格外と表現できるかもしれなかった。

 

「惇か。毎日毎日ご苦労なことだ」

 

 何時ものことなのか、曹操は本から視線も動かさずに答えた。

 それを合図にしたのか、夏候惇が庭園の見える部屋の中へと足を踏み入れてくる。

 武人らしく周囲を圧する気配を身体から滲ませて、両目の眼光は大型の肉食獣のように鋭く研ぎ澄まされていた。自分が睨まれたわけでもないのに曹仁は、うわっと反射的に声をあげてしまう。

 

「孟徳!! 今日と言う今日は言わせて貰うぞ!!」

 

 凄まじい迫力に、咆哮染みた恫喝。

 空気がピリピリとして、一瞬で緊張感を生む。

 だが、それを真っ向から浴びた曹操は、顔色一つ変えることなく涼しい顔をしていた。   

 

「昨日とは違うことだろうな、惇?」

 

 パタンっと本を閉じると、曹操は呆れたように肩をすくめる。

 

「お前は朝廷より任命された役職を、数日で投げ出して帰ってきたな!!」

「ああ。それがどうかしたか? 私は私に与えられた仕事を終わらせてきたが? それに信頼できる者を後任につけてきたぞ?」

 

 曹操の物言いに、夏候惇は言葉を詰まらせた。

 彼女の発言が正しいということを知ってたからだ。曹操は、任官された地に到着してから僅か数日で滞っていた政務全てに的確な差配をし、訴訟を片付け、さらには後の問題となるであろう全てに指示をだして戻ってきたのだ。

 その時の曹操は、ただ一言―――飽きた、とだけ夏候惇に告げた。

 

「仕事を辞めて帰ってきたと思えば、家に篭って遊興三昧!! 嘆かわしい……曹騰様がこれを知れば嘆かれるぞ!!」

「そうかな、惇? 御祖父様ならば、笑って流してくれそうな気もするが」

「―――ぐっ。うぬぬぬ」

 

 確かに、と思わず納得しそうになった夏候惇。

 曹操の祖父である曹騰が、自分で言っておいてなんだが今の現状を見たとしても、絶対に嘆きはしないだろう。

 

「だがな、孟徳!! お前は今の自身を客観視して見るといい!! 一日中部屋に篭りっぱなしで、食べて寝る事しかしてないではないか!!」

 

 烈火の如く怒りを示す夏候惇に、曹操はクスリっと魔性の笑みを返す。

 

「なんだ、惇。その物言い、お前は私のお父さんみたいだな」

 

 暖簾に腕押しの曹操の態度に、ぶちりっと堪忍袋の尾が切れそうになる夏候惇だったが、激高する寸前に深呼吸を繰り返し、なんとか平静を取り戻すことに成功する。

 落ち着きなら、引き攣りそうになる頬をなんとか精神力で抑え、真剣な面持ちで曹操をじっと見つめた。

 

 

「お前が知らぬ筈がないとは思うが、敢えて言わせて貰う、今の洛陽は董卓によって阿鼻叫喚の地獄絵図に陥っているという。弁皇子と皇后殿下は病に倒れ、漢という国の根幹を揺るがす事態となている」

 

 血を吐くような夏候惇の訴えを流石の曹操も茶化すことなく黙って聞いていた。

 それを確認した彼は、言葉を次へと繋げていく。

 

「孟徳よ……黄巾どもが暴れた時の比ではないぞ。この天下の大事に、お前の才覚が必要なのだ」

 

 ドンっとその場に胡坐をかいた夏候惇は、今日こそは煙に撒かれずに曹操の答えを聞こうとこの場から一歩も動かない覚悟を態度で示した。

 

「董卓。董卓か……。惇、その名を知っているのか?」

「ああ。涼州の牧と言うが、宦官と外戚の跡目争いにつけこみ、権力を奪取した男だ」

 

 信じられないことに、それを一晩でやってのけた。

 神速とでもいうべき速攻。そんなことをやってのける化け物が、曹操以外にいるとは夏候惇は考えてもいなかった。

 

「なるほど、惇よ。お前は私にその男を討つべし、と言うのか?」

「……俺はそれを望んでいる。曹孟徳は、それくらいの気概を持っていると信じている」

 

 睨みつけるような夏候惇の視線を一顧だにせず、曹操は口角をゆっくりと吊り上げていく。

 より深くなった魔性の笑みは、見るだけで多くの者を魅了する。もっとも、幼少の頃よりともにいる彼には全く通用しないのだが。

 そして、曹操はこれみよがしに溜息をついた。

 

「致し方ない。ここは、夏候将軍の努めに従ってみるとしようか」

「孟徳!! またお前は俺の話を―――はっ?」

 

 これまで幾度となく繰り返された会話が、今回は異なった。

 思わず口をポカンとあけてしまった夏候惇とは正反対に、曹操はその場からゆっくりと立ち上がる。

 

「機は訪れたり。今ここに、曹孟徳の舞台は整ったということだ、惇」

 

 そして曹操は、懐に手を入れると夏候惇へ向かって放り投げる。

 放物線を描いて手に納まったそれは、よく見れば書状であった。黙ってそれを広げ、内容を理解した夏候惇は両目を剥くほどの驚きに襲われる。

 

「逆賊董卓を誅すために、今こそ兵をあげるべし……。決起の檄文だと!?」

「既に同様の書状が四海を駆け巡っていよう。黄巾の乱で名を上げた者、あげなかった者。多くの者が参加するであろうな」

「―――孟徳。まさか、お前が待っていたのは、これだというのか!?」

 

 曹操は、夏候惇の震える台詞に、静かな笑みを持って答えとした。

 まるで全てはこの少女の掌の上で仕組まれたかのような違和感。

 いや、仕組んではいないのだろうが、ここまでのことを全てを予想していたのだろう。

 その事実に夏候惇は、背筋が粟立った。唯一の主として忠誠を誓う身ではあるが、この少女の持つ底知れない才覚には恐怖すら感じる。心の臓の鼓動が早くなり、身体中に鳥肌が立った。

 

 

「今度は董卓ってやつをやっつけるんだねー!!」

 

 そんな緊張感をぶち壊す能天気な声が上がった。

 曹操と夏候惇のやり取りを聞いていた曹仁が、うきうきと楽しそうに体を動かす。

 今すぐにでも戦場へと向かおうとしている姿に、何時の間にか部屋を訪れていた曹洪が呆れ顔となっていた。

 

「子孝は戦の怖さを知らない。黄巾との戦で何も学んでいないの?」

「えー? そんなことはないよ。だって相手は董卓って奴なんでしょ? 孟姉じゃなかったら全然怖くないよ」

「……確かに曹操様のお相手することを思えば何ともないか」

 

 単純明快な曹仁の答えに、曹洪もまた頷いた。

 二人の会話に、くくっと笑みを零した曹操だったが、それを一瞬で消し去ると持っていた本を机に置く。

 

「残念ながら、此度の戦は黄巾の時ほど簡単にはいかなさそうではある」

「……そこまで手強いのか、董卓は?」

「いや? 董卓陣営だけならば、反董卓連合によって瞬く間に蹂躙されて終わるだろうよ」

 

 夏候惇は自身の疑問をあっさりと一蹴され訝しげに眉を顰めるが、肝心の曹操は自分の最強の配下の表情に、薄っすらと笑みを浮かべた。それに彼の警戒心が嫌と言うほどに高まっていく。

 

「董卓なる者の配下に先日一人の将が加わったそうだ」

「……将、だと?」

「ああ。その名を呂奉先。かの天下無双だ」

 

 曹操の発言に部屋の温度が一気に数度引き下げられる。

 この場にいる三人は、黄巾の乱のおりにその武をまじまじと見せ付けられた記憶が新しい。

 曹操の牙として戦う覚悟はあれど、天下無双の怪物と戦える力量は持ち合わせていない。

 

「……馬鹿な。何故奴が、董卓に」

「さて? 理由は流石の私もわからんな。今度会った時に聞いてみるとしようか」

 

 あっけらかんと言い放つ曹操に、三人は言葉もない。

 あの呂布と戦場で相対しするかもしれないというのに、今の曹操の姿は理解の範疇を超えていた。

 

「ふふふ。いやはや、まさかこうまで早く再会することになるとは。敵としてというのが不満ではあるが、それもまたよし。それが私と呂布殿との天命というモノであったのだろう」

 

 

 かつてないほどの上機嫌な曹操は、蒼天を見上げるのは刹那。

 外套を翻すと、笑みを消失させ緩やかな一歩を踏み出した。

 

「馬を引け、子孝。子廉、兵を纏めよ。曹孟徳の覇道はここより始まる!!」

 

 曹操の命令に、一礼した曹洪は曹仁と同時に部屋から飛び出していった。

 残された夏候惇は、ようやく動き出した曹操に感動を覚えながら―――ふとした拍子に目に入った本に僅かな興味を擽られる。

 

「……ところで、孟徳。昨日読んでいた本とは違うが、今日はどんな兵法書を読んでいるのだ?」

「ああ、違うぞ、惇。これは恋愛についての本だ。なかなかに勉強になったぞ」

「……恋、愛だと!?」

 

 思わず声を荒らげた夏候惇だったが、曹操はしてやったりと楽しそうに笑った。

 

「そうだ。気になる異性についてどう対応したらいいかわからなくてな。それについて知識を仕入れていたんだ」

「孟、孟徳よ。その、なんだ……お前に好きな男が出来た、というのか?」

 

 声が震えるのが抑えられないのは仕方がない話だ。

 はっきり言って夏候惇元譲は、曹操に恋愛感情等微塵も抱いていないが、幼い頃より兄として世話をしてきた間柄。彼女が異性を好きになるなど考えてもいなかった。無論、その相手を簡単に認めるわけにはいかない。生半可な相手では決して認めないだろう、と兄馬鹿の覚悟を持って曹操に問い掛ける。

 

「うん? 惇も会ったことがある相手だぞ?」

「な、なんだと!? 俺が会ったことがある……」

 

 曹操に言われて、必死に記憶を探るが思い当たる節はない。

 殆どの時間を一緒に過ごした身ではあるが、年頃の異性の知り合いなど数えるほどしかいないはず。それでも、それらは曹操が心惹かれる相手ではなかった。

 

 

「呂布殿だよ、惇。私は彼に懸想しているんだ」

 

 悩んでいる夏候惇へと苦笑しながら曹操は、躊躇うことなく爆弾を投下した。

 その意味を理解できずに思考が凍結すること十数秒。

 パクパクと地上にうちあげられた魚のように口を開閉させる夏候惇だったが、反論をするまでもなく曹操の笑っている顔に本気の色を見つけ口を閉ざす。

 

 

 ―――呂布討つべし。

 

 

 ギリギリと歯を噛み締めながら、夏候惇は既に本来の目的を取り違えるのであった。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

  

 乱世の覇王。曹操孟徳。

 及びその配下。夏候惇、曹仁、曹洪。

 反董卓連合に参戦を表明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呂布殿、これもどうぞ」

「おお、有難うな」

 

 洛陽が宮中にて、血の粛清が続く中、ようやく訪れた平穏な一時。

 宮中の中にある巨大な庭園が一望出来る部屋にて、呂布と劉協はいた。

 目の前に広がるのは呂布が見たことのない程の贅を尽くされたご馳走。

 それを箸で掴み、満面の笑顔で呂布の口に運ぶのは、あろうことか皇女である劉協である。

 

 口に運ばれた食事を咀嚼し、嚥下するのは呂布。

 確かに美味しいのだが、わざわざ全てを劉協自ら箸で口に運ぶのはどうかと、常識の欠けている呂布とて疑問に思うものの―――嬉しそうな彼女の姿に言い出せずに為すがままとなっていた。美味い、と言えば、皇族らしからぬ喜びを全身で表すのは大層可愛らしい。

 

 問題があるとすれば、その近くに侍っている陳宮だろうか。

 その光景を見ていた彼女は、傍にあった柱を無意識のうちに掴んでおり、なにやらビキビキとその手が不協和音を作り出している。掴んでいる場所を中心として広がっていく罅割れが、何気なく怖ろしい。

 

 面倒臭いことになるなー、と思いつつ呂布こと銀はこの後、どうやって陳宮の機嫌を直そうか考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




董卓
張遼。華雄。李儒。呂布。陳宮。
   
   VS

袁紹
顔良、文醜、張郃、田豊。

公孫瓚
趙雲。

劉備玄徳 
関羽、張飛。

孫堅文台。
孫策伯符。程普、韓当、黄蓋、祖茂。

曹操孟徳。
夏候惇、曹仁、曹洪。

その他いっぱい。

後5,6話位で完結予定です。それまでお付き合い下さい。よろしくお願いします。
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