僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた。   作:楠富 つかさ

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#48 大錠祭(1)

 それから結構な時間が経ち、とうとうこの日がやってきたのです。

 

『第十七回 星鍵高校 大錠祭』

 

 だいじょうさい、と読むこの高校の学校祭の始まりです!!

 

『今年の大錠祭初日のメインステージ、鍵姫選出のミスコンです! さぁ、司会は放送委員会長の佐藤美鈴です!! ただいまの時刻は午前九時半、開幕式でのコンテスト参加者披露の熱狂も止まないまま、始まりました! では、自己PRからですよ。まずは11ホームルーム、高橋真紀さん!!

「どうも! 高橋真紀です。自分は可愛いというより格好いい系だと思ってはいるが、投票してくれたら嬉しいな、仔猫ちゃんたち」

『フゥ~~~。一発目から王子様系ですの! これは大興奮ですの。さて、この佐藤のキャラが壊れないうちに、登場してもらいましょう、12ホームルーム、双美希名子さん!!』

 

 この企画、何が凄いって視聴覚室の大モニターに生放送していることだ。ちなみに、控え室にも小さなモニターがおいてあり、希名子ちゃんの様子が見える。

 

「双美希名子です。家庭科部に所属していて、特技は和菓子作りです。家庭科部ではメイド喫茶をやっているので、是非、遊びに来てくださいね。お待ちしております」

『わーぉ。自己PRなのに部活の宣伝をする! まさに奥ゆかしい大和撫子!! じゃんじゃん紹介していきますよ、13ホームルームからは未来のアイドル、岸辺さあやさんです!』

「アイドル目指して早10年。岸辺さあや、歌って踊ります!」

 

 明るくポップな歌を歌いきった岸辺さんが戻ってきた。いよいよ、ボクの出番だ。

 

『なぜこれでデビュー出来ないのか!! 会場が一気に熱くなりました!! そして、この熱気をさらにヒートアップさせる今回の注目人物、14ホームルームの姫宮悠希さんだ!!』

 

 幕から出てステージへ。歓声が上がる。ステージはやや高いしスカートは短いし、パンツ見えていなければいいのだが。なんてね、中は水着さ……。

 

「どうも、姫宮悠希です。ボクも家庭科部に所属していて、今もメイド服です。その、とても緊張してます……」

 

 ボクの着ているメイド服は、コルセットっぽい部分のせいで非常に胸元を強調される造りで、ノータイの上に第一ボタンがないので、かなりいかがわしい感じが否めない。こんな改造を施したあまほ先輩に流石にちょっと文句を言った。ただまぁ、直してもらえずこんな格好でボクはステージに立っている。あぁ、どうしてこうなった……。

 

「えっと、二次審査もよろしくお願いします!!」

 

 取り敢えず逃げるようにステージを去った。それから何人か紹介し、31ホームルームの代表者が出る時、

 

『おっと! まさかの生徒会前会長直々にその玉体をお運びになり、ミスコンに登場だ!!』

「ふっ、私は女帝か何かかい?」

 

 そう言って微笑む会長は袴姿で、手には弓を持っている。弓道部なのは知っていたけど、何をするつもりなんだろう?

 

「今からカメラの上に置かれたリンゴを射抜く」

 

 そう言って矢を番える会長、とても絵になるのですが、モニターで見るとこちらに矢を向けられているように見えるので怖いのです。そして放たれる矢。

 

『うぉ!! 確かに命中しました! 流石、我等の実村碧海!! カッコいい!』

 

 凛然とした姿のまま先輩は舞台袖に戻ってきた。それから何人かの三年生がステージに立ち、自己紹介やアピールをし、第二審査へと移った。

 

『現在、海上のボルテージはうなぎ登りだ!! そして括目せよ! これが美少女達の水着だ!!』

 

 控え室にも聞える放送委員長のアナウンスを聞きながら、メイド服を脱いでいく。隣では希名子ちゃんが真っ白なフリフリのついた水着姿でステージへ向かっている。ちなみに、ボクの水着は水色をベースに濃紺とのチェック柄になっている。さっきのいかがわしいメイド服と比べてしまうと、確かに露出は多いが逆に健全な気がする。だから、きっと大丈夫だ! 見た感じ三年生にボクより胸の大きそうな人もいたし。そんなことを考えている内にもうボクの出番になっていた。

 

「さ、ユウちゃん。頑張って!」

 

 希名子ちゃんにエールを貰い、ステージへと進むと、

 

「キャー!!!!!」

 

 やけに黄色い声援を受けながら、ファッションショーのようにステージを往復し、控え室に戻る。次はいよいよ第三次審査、件のラブレターコンテストである。というか、ここに大量の人がいてメイド喫茶に人はいるのだろうか? 売れ行きが不安だなぁ……。というか、やっぱり第三次審査が恥ずかしい。ちなみに、なぜか実村先輩の水着はスクール水着(旧式)でした……。

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