この作品は私のフロム愛によって書かれておりますので変わった話ばかりになります。
ダークソウル発売から大して間をおかずに書いた短編集ですのでおかしな点もありますが、そこは「作者はフロム脳だから」と流してください。
第一話:誰が予想したか!? 『病み村』のエレベーター動力源の謎!!
あるところに一匹の犬がいた。
彼の名前はサカズキ。最初はただの犬だった。まぁ、「ただの」と言っても、火を吹く真っ赤な色をしていることを除けばなのだが。
一族の中ではそれなりに力のある存在だったが、別段それを振りかざそうともしなかった。
彼には夢があったのだ。それは自身の生まれ育った『病み村』を活性化させて、観光地として人気を集めたいという夢だった。
その夢を、風の噂に聞いたのだろう『病み村』の支配者『混沌の魔女』クラーグがサカズキの元を訪れ、こう言った。
「お前の夢は実にすばらしいものじゃ。
私の妹のためにも、この『病み村』は人間性をたくさん持った人間を集めなければならない。
協力してくれぬか?」
「ははっ! まさかクラーグ様が自分のごとき矮小な存在を目にかけていただけるとは光栄の極み。
貴方様になら私は全てを尽くしましょう」
そうして『混沌の従者』となった一匹の犬は、観光客から常々不便だとの声をもらっていた『飛竜の谷』側にある『病み村』の入口と蜘蛛姫姉妹の住む下層とを繋ぐ道にエレベーターを設置した。
そのエレベーターの動力源となったサカズキは、火を吹くこともなく、ただただ歩き続けて『病み村』の上と下を繋げるだけの仕事をすることになった。
仲間たちは『病み村』の支配者、『混沌の魔女』クラーグから直々に賜った役職に敬意を示し、『混沌の従者』となったサカズキは『病み村』の火吹き犬一族のボスとなったのである。
「自分には忠誠を誓う絶対の主がいる。
すでに火を吹くことも、やってくる人間を襲う必要もない」
火を吹く必要もなくなったサカズキだが、皆の尊敬を一身に集めるその崇高な職務は他の『病み村』のモンスター、大ヒルやデブからも『病み村』勢力の一角を担う存在として扱うのだった。
絶対の忠誠を誓える素晴らしき主に巡り合った一匹の犬、サカズキ。
その身体に『混沌の魔女』クラーグから古き時代の言葉を身体に直接刻み込まれた伝説の火吹き犬。
彼はいつまでも『病み村』のエレベーターを動かし続けるのであった。
……そんな日々が永遠に続くと思っていた。
しかしサカズキはある日感じたのだ。
常に心に感じていた自身が仕える主の気が消えたことを……
「馬鹿な!? 主の気が消えた!?
まさか……いや、死んだなどありえん!
我が主が人間などに負けるはずなどない!
我が主クラーグ様が妹様を残して死ぬわけなどない!!」
より気配を探ろうと毎日のように何年も続けてきた『病み村』の上と下をつなげる滑車を回すという仕事を止めてまで感覚を鋭くして探った。
だが何度探ってもサカズキの敬愛する主、クラーグの気が感じられない。
「妹様が危ない!
主を倒した者に御側付きのエンジー殿だけで対処できるとは思えん!」
サカズキは一声鳴き、一族を召集し、情報を得ることにした。
「サカズキ様、クラーグ様は確かに人間に倒されてしまったようです。
しかしながら妹様はエンジー様の咄嗟の機転により隠し部屋に逃げ込んだようで難を逃れているようです」
「そうか……。
皆の者、我は我が主、クラーグ様を殺した者を許してはおけぬ。
故にこの『病み村』の上と下とを繋ぐ役職をお前たちに任す」
そう言ってサカズキは旅支度を整える。
と言っても特に荷物があるわけでもなし、世話になった『病み村』の他の種族の仲間たちに別れを告げた程度だが。
「では行ってくる。
妹様のことはエンジー殿が見てくれるだろうが、妹様はそのお身体故に人間性を常に必要としている。
お前たちには私の仕事だけでなく、やってくる人間から人間性を奪う仕事も並行して行うように」
「「「はっ! 我ら火吹き犬一族はサカズキ様と妹姫様のために全身全霊をもって職務に当たります!」」」
側近たちに見送られ村を後にするサカズキ。
彼がクラーグを殺した人間に復讐をするのはいつになるのかは分からない……
火吹き犬のサカズキ君の名前の由来は、まぁ、あれですねw
『病み村』のエレベーターをコロコロ回す犬がとても可愛かったものでw
何で第一話にこんなキャラ出すんだよ!? という人がいることを期待しての第一話ですが、一応他のキャラも書く予定です。
蜘蛛姫姉妹は勿論ですが、『病み村』勢だとクラーナさんや大沼のラレンティウスさんなんかも書きたいですね。
「爛れ続ける者」もクラーグさん達の弟みたいですけど、指輪の説明を読むと、なんだかうっかり屋さんみたいで可愛らしいですし。
ではこの作品を読んでくださった人たちに、この言葉を贈ります。「アンバサー!」