読んで楽しむダークソウル   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 何やらクラーグがメインで書きたかったのですが、すっかり影が薄くなってしまいましたw

 とりあえず書いてみましたので読んでみてください♪

 というかサブタイ、語呂悪ぅ……w





第11話:こんとんけ

 ここ、『病み村』に居を構えるこの地を統治する混沌家の朝は早い。

 

 姉弟たちの住処があるのは、『病み村』と『デーモン遺跡』を繋ぐ、ちょうど中間地点であるが、その中でも長女である<混沌の苗床>は自分で動くことが出来ないので『混沌の廃都イザリス』にて三女のグラナと一緒に残っている。

 

 それに末っ子の弟、<爛れ続けるもの>は体が溶岩で包まれているため巣には入れない。

 

 彼は姉たちが、その爛れ続ける体を哀れに思ってプレゼントした「溶岩ダメージを軽減する指輪」をどこかに無くしてしまったので仕方がないとも言える。

 

 まぁ、その失くした指輪が元となって生まれた<百足のデーモン>をペットにして仲良くしているそうなので、体が燃えることになれた弟にはペットがいる生活の方が楽しいのだろう。

 巣を通って外に出てみると、遠目に見える<爛れ続けるもの>はとても楽しそうである。

 

 四女クラーナは恥ずかしがり屋なために巣には入ってこず、巣のすぐ近くにて適当に生活している姿を『病み村』門番隊の隊員たちによって何度かその姿を目撃されているが一向にクラーグたちに会いに行こうとしない。

 

 そして末の妹<混沌の娘>なのだが……、

 

 

「お姉ちゃ~ん、お腹減ったよ~~~」

 

 

「はいはい、いまミルドレットがご飯作ってくれてるからもう少し我慢してー」

 

 

「妹様、もうしばしお待ちください。

 このミルドレットが腕によりをかけた最高の料理にて、貴方様に『ンまぁーい』と言わせて見せますので!」

 

 

 こんな感じである。

 

 すっかり『病み村』専属の料理人となったミルドレットとも実に仲良く暮らしている。

 

 ミルドレットはミルドレットで、クラーグが作る最高の野菜を使って料理することに幸せを感じていたので本来の目的である姉探しはすっかり忘れてしまっていたりする。

 

 ちなみにミルドレットだけではないが、この地に住まう者は皆、『混沌の従者+3』という誓約も済ましてある。

 そのため人間性を多く捧げられた混沌家の末の妹<混沌の娘>は割と元気に生活しているのだった。

 

 

「ん~~、これ、本当に美味しいですね。

 ミルドレットさん、味見用の小皿を大皿に取り換えてもいいですか?」

 

 

「妹様が我慢しているのに、あんたがつまみ食いしてどうするのよ。

 もう少し待ちなさい」

 

 

 料理の味見と称してつまみ食いをするのは、門番隊隊長のミスズである。

 

 彼女の持ち場はこの村へのルートの一つ、『飛竜の谷』経由の入り口なのだが、最近ではミルドレットが専属コックとなったことで村の下層に入り浸っている。

 料理目当てに。

 

 

「いや、私の部下が最近は頼れるようになってきましたし、私の持ち場はこの巣の中ってことでいいかと思いましてね。

 『ルルル、オレ、タイチョウ ノ タメニ、ウエ デ ハタラク』とか嬉しいこと言って配置転換してくれた奴がいるんですよ。

 あ、今のモノマネかなり似ているでしょ?」

 

 

「その人随分と変わった口調ね。

 何やら門番というよりは門番破りのような……

 それに私はその彼には会ったこと無いわよ」

 

 

 そんな無駄口を叩きながらも高速で作業をこなしていたミルドレットの料理は完成する。

 

 

「す~べて~は妹様のた~め~に~♪」

 

 

 材料がクラーグ印の最高の野菜ということもあるが、さすがはミルドレット。

 

 誰にも真似できない達人としての技術を駆使し、野菜の細胞を一つも潰さず、かつミクロの単位で全く同じ大きさに切り揃えられた野菜、刹那の時間すら計算に入れた完璧な火加減と加熱時間、そして音速を超えて動ける手際の良さによって料理は完成した。

 

 

「出来ましたよー。

 今日のメニューは『腐れトマト虫』のシチューですよー♪

 思わず『oh! フレ~ッシュ♪』と言うこと間違いなしです!」

 

 

 ちなみにこの『腐れトマト虫』というのはその名の通り虫、それもダニだが、クラーグが「トマト」と名が付くのならこれも野菜だ、と無茶苦茶なことを言うので、家の裏手で虫小屋を建ててまで繁殖させていたりする。

 

 リビングにみんなが集まり、「いただきます」と口をそろえてから食事は始まった。

 

 

「ん~~~♪

 ミルドレットー、美味しいよー♪」

 

 

 ぺかー、と効果音が響きそうな笑顔の<混沌の娘>。

 

 彼女はミルドレットが来る少し前までは、自身の従者でもあるエンジーという不死の病に侵された男を哀れに思い、「病気の膿」を飲んでしまってからは目も見えなくなり、絶え間なく全身を襲う激痛に苦しんでいた。

 

 ……のだが、それを可哀想に思った姉のクラーグが『病み村』を観光地化し、それによって訪れる人間も増え、『大樹のうつろ』という巨大な木の中を降りて行った奥で手に入る「アイテム無限使用」が可能となる被りものを被った勇者たちの献身的な人間性の寄付のおかげで以前と変わらぬ明るい少女へと戻っていた。

 

 

「それと今日はおまけにポテトサラダも付けちゃいますよ妹様。

 いつも妹様が生んでくださるおかげで卵料理にも事欠かないだなんてここはいい村ですね」

 

 

「やったー♪」

 

 

 人間性を捧げられたことで痛みとは縁遠い存在となった<混沌の娘>だが、それでも蜘蛛としての習性だろうか、毎日のようにぽんぽん卵を産み続けている。

 

 姉であるクラーグでさえ月に一度の周期だというのに<混沌の娘>は毎日である。

 

 デブ門番隊や赤犬一族、大ヒル部隊など、この地の警備をする混沌の信者である者たちの食事にも提供されている。

 

 一部の人間の『混沌の従者』からは「俺が生ませた卵だ! ヒャッハー!」などと叫んで喜びながらマヨラーになっていったそうな。

 

 そうした一部の者たちは、天の裁きによって『アイテム無限使用』が使えなくなってからも、毎日のように『巨人墓場』に出かけて小さい骸骨を狩りまくって人間性を稼いできて寄付をするという生活を続けている。

 

 毎日毎日大変そうだが、本人が幸せならば害はないし放置しておいても問題はないだろう。

 

 今日も<混沌の娘>宛てに1万個以上の人間性の寄付が寄せられている。

 

 

「おかわりー♪」

 

「あぁもう、妹様食べ過ぎですって~」

 

 

 混沌家専属料理長ミルドレットは食べ過ぎの『混沌の娘』の世話を甲斐甲斐しくこなすことで行方不明の姉のことは記憶の彼方へと忘れ去ってしまっていたのだった。

 

 今日も『病み村』は平和であった。




 混沌 クラーグ:混沌家二女。とても働き者で村の観光地化に伴う観光客の増大に嬉しい悲鳴の毎日。経理もこなす。

 混沌 <混沌の娘>:混沌家の末の妹。姉弟の中では一番精神的に幼いが年齢で言うなら<爛れ続けるもの>の姉である。だが幼い。デーモン遺跡に住む弟にお姉さんぶりたいお年頃。

 混沌家料理長ミルドレット:行方不明の姉を忘れ、新たな生きがいを得て幸せに暮らしている料理人。<混沌の娘>が毎日ニワトリのように卵を産むものだから卵料理のバリエーションがべらぼうに増えた。


 ……いや、思うんですよ。蜘蛛の卵もモンハンの飛竜の卵くらいの大きさがありそうだから美味しそうだな、と。

 あれだけ沢山の『混沌の従者』(プレイヤー)が毎日毎日人間性を捧げていれば、いずれは<混沌の娘>が飲んだ「病気の膿」とやらも薄まって健康的になるのではないか? と。

 そしてその結果、病気が治ったあとでも、下半身が蜘蛛とはいえ、産卵ってけっこうエロとしても人気のあるジャンルじゃないですか。
 だから<混沌の娘>の産卵シーン見たさに人間性を捧げている人も中にはいるのではないか? と。

 いや、私は違いますよ。
 私は純粋に盲目でちっぱい、色白の彼女が苦しんでいる姿を見ていられなくて、ついつい人間性を捧げまくっただけですので。

 そんな感じの話でした。<混沌の娘>の部屋は、『白くべたつくなにか』のコメントがあれば床一面に書かれているでしょうね♪
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