この話も私のフロム脳によって書かれた作品ですので「確かにこういう話があるかもな」と思っていただければ幸いです。
本当に原作の設定などは限りなく広い解釈とフロム脳を基盤として書かれた物語ですので妙な雰囲気ですが。
この話が原作の真実の設定である可能性が零ではないというだけの物語です。
そんな感じの古代王国ウーラシールの物語。
……アルトリウス版をプレイしたら全く予想とは違ったので、この話は本当に妄想そのままなんですよね。
古代王国ウーラシール。そこは特に何があると言う訳ではないが争いのない、静かな国であった。
今回のお話はその国にいた、ある姉妹の物語である。
木々が生い茂る緑豊かな場所。そこに一人の少女がいた。
いや、もう一人。女性としての大事な部分を、わずかばかりの布で隠した、ずた袋を被った少女がやってきた。
「姉さん!」
「あら、ミルドレット。もう学校は終わったのですか?」
「今日は半ドンだぜ!
それより姉さんは毎日ここに来るけど飽きねぇのか?」
「ふふふ、私たちの国ウーラシールでは毎日を平和にゆっくり過ごすことが法律で決まっているじゃない♪」
「いや、別に法律ってわけじゃないだろ」
二人は姉妹。姉は名を<宵闇>と言い、妹はミルドレットと言う。
この魔術大国ウーラシールの王女である。
「それよりも聞いてくれよ姉さん!
今日は学校にスペシャルゲストとして、あの!<審判者>様が来てくださったんだよ!!」
「あらあらまぁまぁ♪ あの<審判者>様が来てくださったのですか。
それは素晴らしいことですね♪」
<審判者>とは、このウーラシールの国よりも遠く離れた場所にある『嵐の祭祀場』と呼ばれる邪教崇拝の地で罪人を料理して骨までしゃぶり尽くすよと評判のデーモンである。
その容姿はデーモンだけあって常人の倍以上はある巨体と大きく裂けた口。それに頭に乗せたオウムである。
そんな彼だが、学ぶ意志のある者を拒まないウーラシールにある調理師学校『ミルド神殿』は門戸を広く開いて誰でも受け入れるようにしているために、人外ながら首席で卒業をしたという過去もある。
そんな彼に憧れて『ミルド神殿』に入学する者も少なくない。
また『ミルド神殿』は調理師学校であると同時に、名前の通り神殿としての機能も持っている。
そのためにミルド神殿保有の騎士団は、高い信仰心を持つ『神殿騎士』通称アンバサ戦士、またの名を機動戦士アンバサと呼ばれる人たちで構成されており、その手には聖職者には不釣り合いながらもしっかりと神の加護を受けた巨大な剣や戦斧を持ち、背中には過去最優秀な成績で卒業した<審判者>の描かれた盾を背負う姿こそ基本装備としている。
敵には多大な徒労感を、味方には若干のウザさと安心感を与える選りすぐりのエリートの装備にその姿が描かれていることからして彼の人気の高さは窺い知れよう。
「あなたも『ミルド神殿』の首席ですからね。
<審判者>様からは学ぶことも多かったでしょう」
「はい! 今日は人間を材料とした料理を教わってきました!
いやはやさすがは<審判者>様。その独創的な調理方法は、まさに『超理』と呼ぶべき凄さ!
学校を卒業してからも研鑽を続けていたようで、他の料理の調理方法もどれも斬新かつ理を超えた素晴らしいものでした!!」
クスクスとおかしそうに笑う<宵闇>。
姉である<宵闇>は第一王女ということで、この国の次の女王になるか、婿をとることになっているのが決まっているのだが、妹ミルドレットは姉がしっかりしている分、自身の夢、すなわち料理人を目指しているのだ。
まぁ、姉がしっかりしているかについては疑問が残るが。
「では姉上、今日は私の手料理を披露させてもらいましょう。
暗くなる前に帰りますよ」
「いいじゃないですか、暗くなっても。
私には『照らす光』という照明魔術が使えるのだから暗闇なんて怖くないわよ」
と言うか、この国ウーラシールには光を出したりという日常生活に使う程度の魔術しか存在しない。
根っからの平和的思考の国民性なのだ。
「いえ、ここ最近モンスターの活動が活発になってきていますし、姉上一人ではあっと言う間に殺されてしまうでしょうからね」
「死んだら死んだでその時よミルドレット。
人間ってのは生まれてから死ぬまでの間、終始『生きている』という実感を持てる人生を送れればそれは幸せなことよ。クスッ
だからまぁ……、死ぬべき時に死ぬのならそれでもいいわ」
「まったく姉上は……」
<宵闇>の言うことももっともだが、それは自分のことを大切に想ってくれる周りの人の気持ちを蔑ろにしていると取られかねない発言でもある。
まぁ、姉である<宵闇>のことをよく知るミルドレットは、姉の心理をよく理解しているので、そんな風には考えていないのだが。
すなわち<宵闇>は何も考えていないのだ!
「(何も考えていないのに、それっぽい事を言って話を煙に巻くのが上手い人だ)」
だがミルドレットは、そんな姉が大好きなので何も言わなかった。
そのまま、いつものやり取りを済ませたを終え、では城に帰ろうとしたところで異変に気づいた。
「!? 姉上! 町の方から火の手が上がっています!」
「あらあらまぁまぁ……
どうしましょうか?」
王城へと帰ろうとしていた矢先に街から上がる煙。
「姉上はこのまま城に戻ってください!
私は『ミルド神殿』の神殿調理騎士の一人として敵を完膚なきまでに叩きのめして見せます!!!」
このウーラシールに存在する調理師学校『ミルド神殿』の生徒と卒業生によって構成されるミルド騎士団は基本的に専守防衛だ。
そもそも大半の騎士が用いる『ミルドハンマー』は対人戦を意識しているために人間以上の巨大なモンスターやデーモン相手には使い勝手が悪い。
それに『ミルドハンマー』を使う人間は素人が多く、相手に避けられたり、パリィされると極端に何も出来なくなるのだ。(上手い人もいるが)
そのため騎士団の中でも斬り込み役を担当するミルドレットは何を置いても急いで駆け付けなければいけないのだ。
頭に「ずた袋」を被る以外は胸と腰を申し訳程度の布で隠しているだけなのだが、これでもミルドレットは騎士なのである。
「『人喰い』ミルドレット参る!」
手には彼女が尊敬する<審判者>の武器を模して造られた『肉断ち包丁』を持ち、町を目指して突っ走って行った。
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「行っちゃったか……。
じゃあ私も戦のことは可愛い妹に任せるとして、帰って寝ようかな」
妹が必ず勝つと信じ切っている姉<宵闇>はのんびりとした足取りで城へと帰って行った。
……のだが。
「……あれ? 何でだろう?
私は確か、城に帰ってベッドに横になって、そのあと……」
気がついたら<宵闇>はクリスタルゴーレムに取り込まれていた。
「ここからは出れないし、別に命の危険ってわけじゃないけど、このクリスタルゴレム何を考えているのでしょう?」
寝て起きたらモンスター『クリスタルゴーレム』に取り込まれている。
この状況で理解できる人間など、そうそういないだろう。
「場所は……滝ですね。
あ、向こうに首が沢山ある蛇がいる。やっほー♪」
遠くに見える首のたくさんある蛇(竜?)の『ヒュドラ』にクリスタルゴーレムの中から手を振ってみると向こうもこちらに気づいて嬉しそうに頭を振ってくる。
どうやら好意的な存在らしい。
「国や妹がどうなったのか気になるけど……まぁ、妹なら誰が相手でも勝てるでしょう。
私は誰かが助けてくれるまで、ここでのんびりしてようかな」
そうして<宵闇>がこのクリスタルゴーレムの中から出れるのは、今から200年後となるのだが、その事を<宵闇>は知らない……。
とりあえずまぁ、ミルドレットは料理人。姉は自宅警備員(次期王女)そんな妄想で書かれた話です。
個人的には<審判者>の出番を増やしても良かったのですが、それだとデモンズソウルの小説になってしまうので名前だけの登場となりました。
この設定も、アルトリウス版が出るまでは本当にそうかもしれない、とか思っていたんですが、丸っきり違いますよね。
あと原作で<宵闇>さんに会った人は分かると思いますが、他のキャラが「クリスタルゴーレム」と呼ぶモンスターを彼女だけ「クリスタルゴレム」と呼んでいたので作中の表記はわざとです。