理由は「リカールの刺剣」のモーションがカッコよすぎたのでw
一人の青年がいた。その青年、自らの血統にも強さにも驕ることなく、ただ一人の騎士として生きようとしていた。
そう、これは『不死の王子』リカールの物語である。
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「王子、この度は我々の村を御救い頂きありがとうございました」
「我ら一時は死をも覚悟しておりましたが王子の姿に勇気をもらいました」
「是非ともまたこの村にお立ち寄りください」
時刻は夜明け前のまだ薄暗い中、小さな村とはいえ、その村では村人全員が早くから起きて集まっていた。
一人の青年の旅路を見送るためだ。
「僕の方こそこの村の皆さんには、とてもよくしていただきました。
弱きを助け、強気を挫く。
それこそ騎士のあるべき姿であり、僕の理想とする生き方です。
また何かあれば何を置いてでも助けにきます」
村を離れる青年、王子リカールは村人たちの声援を受け、自分の力を必要としている辺境の村々を目指す。
「……僕は王子なんだ。
王族は人の上に立つ存在であることを、その全生涯を以て証明し続けなければならないんだ。
王族としての存在を認められることにこそ価値があるんだ」
誰に言うでもなく、一人そう呟くリカール。
旅の前の父との会話を思い出しながら歩き続けた。
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「リカールよ、貴様は間違っておる。
命を数、質、そういったもので考えてこそ真の王なのだ」
「父上、国とは民があってこその国。
質の優劣などなく誰もが同じ、そして数で命を割り切るようでは真の王とは言えないはずです」
リカールの祖国、特に変わったところがあるわけではないが、それなりの大きさを誇っている平和な国だった。
他国との関係も悪くなく、戦とも無縁の平和な国。理想的な国と言えよう。
だがそんな国でも災いは容赦なく人々を襲う。
どこからか現れた疫病ネズミの群れにより、この国は危機に瀕していた。
それもそうだろう。
騎士たちは戦のない世が続いたことによって鍛練を怠り、王や貴族には、自分の領地、領民を守るという仕事すらも存在しなくなっていたのだ。
そしてそこを狙ったかのように湧いて出た疫病ネズミの群れ。
群れを率いるのは人間を大きく超える巨体を誇る毒ネズミ。まさにネズミのデーモンと言っても過言ではないだろう。
そんなネズミに襲われた国は、騎士団が役に立たない以上最終手段に出た。
それは村ごと閉鎖し、疫病にかかった人間も、生き残って尚、戦うことを諦めていない現地の兵も全てを見殺しにして村ごと焼き払うというものだった。
そしてそれを王家が率先して行うということに、この国の王子リカールは反発しているのだ。
「疫病に罹った者の薬なら『腐れ谷』という場所に大量に売ってくれる商人がいるでしょう!
人を越えた巨大なネズミとは言っても所詮はネズミ。戦って殺せばいいでしょう!
なぜ戦おうとしないのですか!?
なぜ民を守るべき僕達王族が犠牲を前提にしてネズミ共に屈するのですか!?」
「黙れリカール。
我が息子ともあろう者が感情的になるでない!
助けられるのならそれもいいだろう。
だがそれは不可能だ。我が国の騎士団ではネズミの殲滅は出来ない。
疫病に罹患した者全てに薬を与えることも金銭的に不可能だ。
出来ることと出来ないことを見極め、あくまで理性による判断が出来ないようでは王とは言えんぞ」
「父上、僕は犠牲を前提に考えられる王になりたいのではありません。
確かに一人の人間は自身の手の届く範囲しか守れない。
ですが、僕が王子として父上の後を継いで次期王を目指しているのは国の全てをその手中に収める王になることが国全てを自らの手の届く範囲に出来ると思ったからです。
父上がそのような考えをなさるのなら私は王になどならなくてもいい。
今日より僕は一人の騎士として国中の民を、兵を、この手の届く範囲全てを救って見せます!」
そう言って王の言葉を待たずに立ち去る。
頑固な息子に一人取り残された王は、
「まったく、あ奴は分かっておらん。
王とはどういうことか分かっておらん。
だが……あんな考えが出来る息子を持てたことは父としては誇ってよいのかもしれん」
王は亡き妻を思い出していた。
息子リカールの言葉、力強さは、かつて王が惚れた一人の女性に瓜二つだったからだ。
「リカール……ワシは王として行動せねばならん。
だがせめて……お前が志を貫き通せるよう祈っておるぞ」
こうしてリカールは城を離れ、各地辺境を転々とし始めた。
すぐに王の耳にも情報は届くようになる。
『王子、民を救うため自ら戦場に現る!』
その後の活躍は、たった一人の王子がやったには大きすぎる成果を挙げ、国内の生き残った民や兵、すべてに希望を与えるものだった。
王子リカールは一人の騎士であった。
ちなみにすでに疫病に罹った人への薬は、王子が『腐れ谷』へ行って婆さんを情でほだした……ってのは、あの婆さん相手には無理でしょうから、せっせとドロップアイテム目当てで雑魚狩りしたということで。
それでまぁ、不死になってからは王子も例外ではなく、これまでの功績全てを無視した扱いの末に「北の不死院」に投獄。その後脱出し、「センの古城」にてアイアンゴーレム撃破に向けて腕を磨いている内に亡者になってしまったのでは? と考えております。
最初は『史上最強の弟子ケンイチ』の赤羽刀の話で秋雨先生とレイピア使いの小物との戦いをリカールとアイアンゴーレムで再現するのも面白いかと思ったんですが、それやるとアイアンゴーレムがカッコよすぎるのでやめましたw
そんな感じで書いてみますと、
「アイアンゴーレムか……知っているぞ。
素手で人間の雑兵を虐殺するためにデザインされた兵器だそうじゃないか。
突き刺しを主とする刺剣は君の弱点とみた!」
「ゴー(面白い仮説だね。では証明してくれないか?)」
ヒュヒュ(三回以上の連続突きは『リカールの刺剣』には無理)
「何!? 前進したと見せかけて全力で下がっている!?」
「ゴゴー(この程度私にとっては低い問題だよ。というか君弱すぎ)」
「うわー」
こうして『不死の王子』リカールは掴まれて投げられて転落死し、なんとか生き延びたものの、人間性を失って亡者となりました、とさ。
人間とアイアンゴーレムの体格差じゃ、投げ技とか刺剣とか、そんなの抜きにしても普通の人間には勝てないでしょww
などと考えたりしております♪
まぁ、これもフロム脳のなせる技ですね。