『ダークソウル』どころか『キングスフィールド』の世界観までいじっちゃってますが、まぁ、意図的にやったことなんで♪
むかーしむかし、ある所にとても仲の良い竜の兄弟(?)がおりました。
「ねぇ、ギーラ兄さん」
「なんだ弟よ」
「僕、グウィン王と手を組むことにしたよ」
「そうか」
はるか昔、世界を支えていた三神の内の一柱、『大地の神』ヴァラドが自身を分裂させることで誕生した二匹の竜、『光の黒竜』ギーラと『闇の白竜』シース。
二人揃ってまぁ、なんやかやあってヴァーダイト王国という国を滅ぼしかけたが、アレフ・ガルーシャ・レグナス、それにライル・ウォリシス・フォレスターという王家の人間にやられた。
……かに思われていたが、実は地底深くに潜って体力の回復に努めていたのである。
「僕らが寝ている間に地上の人間の世界はずいぶんと様変わりして<古竜>? とか言うのが世界を支配しているじゃん。
復讐相手のライルもアレフも死んじゃったからやることなくて、同じ竜だからって理由で<古竜>側についていたけどさ。
別にアレフとライル以外の人間なんてどうでもいいじゃん」
「確かにな。
俺達兄弟が<古竜>に与するのは同じ竜だから、という理由だけでしかない。
だが、それでもグウィンに協力する理由はなんなんだ?」
「いやぁ、僕の力を評価してくれたグウィンって人がさ、この戦が終わったら『公爵』の地位をくれるって言うからさ」
「確か人間の貴族と呼ばれる人種が用いる役職だな。
だが『公爵』というのは王家の分家などの血筋が近い者が選ばれるのではないか?」
「それなんだけどさ、どうもグウィンって人は人間というよりは神様って感じだし、神に人間の常識を当て嵌めるのもどうかな? って考えらしいよ。
それ以前に貴族階級を名乗る人が他にいないんだから実際には称号みたいなものだね」
「ならば、シースはその称号が欲しいのか?」
「ははは、違うよ兄さん。
僕は今は亡き、ヴァーダイト王国の王子ライルに負けて鱗を失っちゃったからさ。
新しく鱗を生やす魔術の研究がしたいんだ。
そのためにグウィン王の人脈っていうのかな? そういうのが欲しいんだ」
なるほど、と呟くギーラ。
確かにシースはかつての戦いによりその力はともかく、体が当時のような美しさを持っていない。
当時は人間のように四肢を持つ姿だったというのに、今ではいかにもな竜の姿と、下半身を構成するのは尻尾を含んだ三本の触手だけ。
ギーラはダメージが少なかったために、力も姿もすでに元通りになっているが、シースはその時のダメージが大きすぎた。
ギーラの今一番の目的は弟の完全復活だ。
それは力と姿、両方を指す。
だが兄としてギーラも、弟を元の姿に戻してやりたいという気持ちはあるが、その思いとは裏腹に自分たちの魔力と時間経過による再生だけでは完全には治せないのだ。
まさにグウィン王の誘いはシースにとっては渡りに船だったのだろう。
「ならば俺もお前と一緒にグウィン王の側について戦おう。
俺達兄弟が手を組んだら<古竜>すら敵ではないのだからな」
こうして二匹の竜は共にグウィン王の軍門へと下り、そこからの戦は<古竜>側の圧倒的な不利な状況へと移行していった。
しかし、この世界の後の歴史に『光の黒竜』ギーラの名は記されていない。
誰も彼の名を語らない。
それは『闇の白竜』シースを、後に狂気の闇に堕とす出来事でもあったからだ……。
「うぉぉおぉぉおぉぉぉぉぉおぉおおぉー!!!」
ギーラの発生させた光球から放たれる雷が<古竜>の鱗を貫き、シースも負けじと敵を討つ。
元々劣勢を強いられていたグウィン王の勢力は士気も高まり、そして……<古竜>は破れた。
「やったね兄さん。
これで戦は終わりだよ」
「そうだな。
とりあえず『アノール・ロンド』の端に俺達の研究用の書庫を用意してもらった。
世界中の魔術関連の資料も集められていると聞くし、これでお前の体も元に戻せるぞ」
兄弟は戦が終わったことにより浮ついていたのだろう。
自分たちに敵はいない。これからは兄弟仲良く平穏な日常を送れればそれでいいと考えていた。
……そう考えていたのは二人だけだった。
ヒュン
「ぐぉっ!」
「兄さん!?」
突如として二人の前に現れたのはグウィン王。
そのグウィン王が『雷の槍』を放ったのだ。『光の黒竜』ギーラの協力の元に会得した雷の奇跡を……。
「シース、ギーラ、お前たちのおかげで<古竜>は倒せた。
だがまだお前たちが残っていては真の平和は訪れない」
「グ……グウィン! 貴様俺達を裏切るつもりか!?」
胸を大きく貫かれながらも怒りに染まった瞳で睨みつけるギーラ。
グウィン王はギーラの視線など何とも思っていないように話を続ける。
「約束通り半端者のシースには『公爵』の地位とその体の研究のための書庫をやろう。
だが私がお前から学んで会得するにに至った雷の奇跡を使えるギーラ、お前は生かしてはおけん。
ここで死んでもらう」
再び『雷の槍』がギーラを貫く。
グウィンはすでに雷に関しては技を教えたギーラすら越えていた。
それでも自分を越える可能性のある者が存在することが許せなかったのだろう。
もしくは自分を越える可能性のある者が恐ろしくて堪らなかったのかもしれない。
それだけ竜というのはこの世界では脅威なのだ。
「シース、お前は書庫の中で永久に囚われつづけているがいい。
お前は兄と違い、魔術の開発には秀でている。
それにギーラと違って強さと言う点では我らの中で一番弱い半端者だ。
お別れだ、二人とも。
この世界の真の平穏のために礎となってくれ」
そうしてギーラはその場で殺され、シースは後に『公爵の書庫』と呼ばれる場所に閉じ込められた。
一人だけ生き残ったシースは、水晶により不死の力を植え付けられ死ねない身体のまま人道に背く研究を続けた。
全てはグウィン王への復讐のために……。
それさえもグウィン王の力を強めていく行為であるとも知らずに……。
こうしてギーラの活躍は闇に葬られたのだった。
かーなーしーみのー……と、冗談はさておき、シースが出といてギーラが出てこないはずがない!
仲が悪いように見えて実は仲の良かった二匹の竜は、『キングスフィールド』の二作目、三作目でそれぞれの主人公に倒されたあと、地底で体力回復に努めている内に仲良くなった、と。
シースとギーラは互いに争いあっていた仲の悪さに定評のある竜ですが、それは嘘。
実は仲が良かったのだ! という妄想の末に生まれた話でした♪(ってか、これはもうキングスの二次創作では?)
好きな相手ほどいじめたくなるという小学生の心理ですね。
まぁ、かなり長生きしているような二人ですけど。
昨日の話の後書きに書いたように、似た者同士のシースとローガンは同じ「大切な人を失った悲しみ」から狂ったのだと思います。
それとグウィン王は良い人って感じがしないので悪役向きですね。
そろそろプリシラの話でも書こうかな~。
この作品はストックも何もなしで、その日その時の思いつきで書いているので思いつくまでは書かない気もしますが、いつかは書くと思いますので。
この話とは関係なく、実はシースがプリシラの父親で「パパ~♪」「私の可愛いプリシラよー!」ってなノリの話でも書こうかなと思いましたが結局書かずじまい。
それにプリシラの親は古竜だかグウィンだかって作中の指輪か何かにそれらしい設定が書かれていたような……。