変革する世界の渡り鴉   作:洗剤@ハーメルン

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 依頼主:アザディスタン保安部
 作戦領域:アザディスタン王国―山間部
 作戦目標:KPSA残党を名乗る武装組織の殲滅作戦への参加
 報酬:歩合制



プロローグ

 早朝。砂漠気候に属する国家の、茶色の目立つ乾いた山岳地帯。その中腹にある小規模な基地。病院のような大きな建物を中心として付近の地面と近い色をした十数のテントが張られ、その周囲に駐車されたトラックは銃座がマウントされているものや、荷台をむき出しにしたものまで多数ある。

 そしてひときわ目立つのが、中央の建物の真横に膝を着いている砂色をした巨大な人型兵器だ。それも一機ではなく、三機。その正体はというと、ヘリオンと呼ばれるAEUの旧型MSであり、生産数と輸出数の多さからしばしば規模の大きいゲリラによって使用される。

 それのサポート用か、数機ほどのジャーチョーが停車していた。歩兵とMSの中間に位置する、市街地での戦闘に適した小型MAだ。

 

 それを離れた山から双眼鏡で観察していた一人の人間は、同じく膝を着く体勢で岩陰に隠されていた十メートルほどの機体に乗り込んだ。

 

 

<<ミッションの開始を了解。アザディスタン軍の行動開始まで時間がありません、速やかに敵勢力を撃破してください>>

 

 

 そして聞こえてきた通信に二言三言で答えると、ヘルメットを装着して機体を隠蔽モードから戦闘モードに切り替える。そして、機体を立たせると、目の前の基地に気づかれる前に背部に存在する特殊機構のスイッチを入れる。そして、その機構が完全に稼働する直前、その機体は岩場から大きく飛び出した。

 人型駆動兵器、ACに搭載された特殊機構OB。その圧倒的な加速力をもって、彼の駆るACは敵の真っただ中へと突撃する。

 

 

<<アザディスタン軍の行動開始まで約四分>>

 

 

 急かす様に言うオペレーターの言葉を聞き流しながら、OBを止めたACは宿舎と思しきテントへと"着地"する。そして、機体姿勢を操ってブレーキをかけるも、数メートルほど地面や足元のモノを抉る事となった。地を揺らす振動は周囲の人間を眠りから覚まさせ、見回りをしていた敵の背筋を凍らせた。

 ACはブースターを点火して銃座のあるトラックの群れに向かって加速すると同時に、左背の六連ミサイルで起動前のヘリオンを二発ずつロック。射角の限界位置に到達する前に発射し、それらを行動不能に追い込んだ。

 

 

「レイヴンだ! レイヴンが来たぞ!!」

 

 

 周囲に状況を知らせる、ジャーチョーという高機動戦車へと辿り着いた見張りの男。

 その声をセンサーが拾い、グリンという効果音が付きそうな動きでACはそちらへと右手のハンドロケットを向ける。男が目を見開くのをカメラでしっかりと捉えながら、ACは男へと惜しげもなくロケットを発射した。

 男と小型MAは爆炎に呑み込まれ、その燃料タンクに化石燃料を満たしたMAは大きな爆発を起こした。その爆発は誘爆を起こさなかったものの、続けてざまにACはロケットを用いて他のMAをもスクラップへと変える。

 

 

<<敵戦力、残り僅かです>>

 

 起動前に厄介な敵を倒すという戦術から圧倒的優位に立ったACは、残った歩兵や建物へと左のマシンガンと右のロケット。それと、機体自体をも用いて最後の仕上げを始めた。

 歩合制のため逃げる者も追い、降伏する者も殺害する虐殺を。

 

 

 

 

 

<<レイヴン、アザディスタン軍が敵本拠地へ攻撃を開始しました。目標である拠点の破壊を確認、ミッション終了です。本拠地への侵攻許可は出ていないので、撤退を開始してください>>

 

 

 さほど間もなく雇い主からの撤退許可を得たレイヴンはACを巡航モードに切り替え、撤退を開始する。

 レイヴンが去った戦場には、骨の髄まですすられた敵が哀れな骸を曝していた。




どうしても上げたくて上げてしまった
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