色々事情があったのですが、投稿していなかったのは事実なので謝らせて下さい。
それと、6月1日に投稿した話を削除して、新しく投稿することにしました。重ねてお詫びします。これからもこの作品を見続けて頂けると幸いです。
あの後俺は、姫さんと共に家族に事情を一通り話し、最初こそ信じられないという表情をしていたものの、何とか理解してもらえた。因みにその後、姫さんは帰る場所がなくなってしまったということで、家に住むことになった。形式的には居候なのだが、父さん達は何故かしきりに姓を自分達の姓である『降神(おりがみ)』に変えようとしてくる。
あと、姫さんはその時に呼び方も『依姫』にしてくれと頼まれたので、これからはそう呼ぶことにする。後日帰る場所がない理由を聞いたところ、『アギトの力を失ったときは天界に帰ってはいけないと言われていたから』らしい。それを聞いたとき、原因が分からないとはいえ彼女から力を奪った(?)ことに申し訳なさを感じると共に、何故帰ってはいけないのかという疑問も浮かんできた。だが、その事を話す依姫の表情がすごく悲しげで、会ってからそこまで時間も経っていない俺には、それを追及することが出来なかった。いつか聞ける日が来るだろうか?
とにかく、これで俺たちに家族が増え、父さんの、母さん、姉さん、依姫、俺、の5人家族になった。3人の名前は、父さんが天道(たかみち)、母さんが凛音(りおん)、姉さんが初音(はつね)である。俺たちの名前に『音』が入っているのは、見たらわかる通り、母さんの名前からとったものである。父さんがゾッコン過ぎて、そうしようと言ったらしい。
まぁ、俺たちの話はここまでで良いだろう。
次に問題になったのは、依姫の部屋である。父さんが「詩音と同じ部屋で良いんじゃねえか?がっはっは!」とか言ってきてウザかったので、後で母さんにシバいて貰うことにした。
彼女はソファでも良いと言ったのだが、それでは俺たちの気が済まなかった。
新しく部屋を造るまで姉さんの部屋で寝るのはどうかという案が出た。依姫はそこまで迷惑をかける訳にはいかないという主旨の事を言ったのだが、世話焼きすぎてお節介に入るレベルの母さんによるゴリ押しの前には成す術が無かったようだ。
結局、姉さんの部屋で寝ることに納得してくれた。母さんは新しい娘が、姉さんは妹が出来たようだと喜んで、直ぐに姉さんと共に母さんの部屋へ強制連行されてしまった。早速着せ替え人形にされてしまうことに俺は密かに同情した。
時間がかかると踏んだ俺は、絡みのウザかった父さんを制裁してから風呂に入り、一足先に寝た。疲れから思ったよりも早く眠りにつけた。
翌日。平日なのでいつも通り学校に通う。もう一日くらい休んでも良いのでは?とも言われたのだが、如何せん学生の本分は勉強。学ぶことにあるのだ。一時の甘い考えで休むわけにはいかない。という風な旨を伝えた時、父さんは頷きながら「流石俺の息子だ!」と満足そうに高笑いしていた。何か腹立ったので軽くシバいといたが。姉さんは今日は仕事がないらしく、まだ起きてこない。朝食を摂り(因みに鯖味噌和膳)、「行ってらっしゃい」という言葉に見送られて出てきた。その時の依姫の顔が疲れきっていたのは気のせいではないだろう。
家を出て駒王学園へと向かう。"くおう"だぞ?"こまおう"じゃないからな?ま、そんな間違いをするのは家のバカ(姉さん)だけだろうけど。
「っくしゅん!」
・・・何処かでくしゃみが聞こえた気がした。
程なくして学園に到着。因みに、徒歩での通学である。家にバイクもあるのだが、父さんの仕事場まで手伝いに行くときに使うくらいで、学園はそこまでの距離ではなく、使う必要が無いので歩くことにしている。
他にも登校してくる友達に軽い挨拶を交わし、3年の教室に入る。早めの登校なのだが、それでも先に着いている者もちらほらいるようで、俺に気付いた人達は俺が入ると同時に挨拶をする。
「おはよう」
「おはよー詩音君!」
「おはよーっす!詩音!」
俺も挨拶を返して自分の席に着くと、机の中に道具を入れる。俺の席は端ではないが窓に近いので、朝の日が当たりとても気持ち良い。
(・・・・寝るか)
俺は特にやることも無いので机に突っ伏して寝ることにした。連日の出来事の疲れがまだ取れていなかったのか、昨日あんなに寝たというのに眠気はとれていなかった。
だが、俺はこの時、大切なことを忘れていた。この季節、いくら日が当たって気持ちいいとはいえ、当たり続けていれば....
「........あぢぃ....」
こうなるのは必然なわけで。
カーテンを閉め(勿論他の人に許可をとった)再び寝ようとするが、今度は寝付けなくなってしまった。
やり場の無い怒りを抱えながら起きていることを決意。
暫くすると学園内が騒がしくなる。何時ものことなので気にはならない。あの2人が来たのだろう。
程なくして教室の扉が開き、予想通りの人物が入ってくる。
リアス・グレモリーと姫島 朱乃(ひめしま あけの)。この学園で立ち振舞い等の点から"二大お姉様"と呼ばれ、知らない人はいないほどの存在だ。
2人とも其々の席に着く。因みにグレモリーの席は俺の後ろにある。
「おはよう、シオン。」
「おはよう。相変わらずすげー人気だな。お陰で誰が来たのか直ぐに分かるわ」
挨拶ついでにからかうつもりで言ってやると、苦笑混じりの返答が返ってくる。成る程、人気がありすぎるのも大変だな。
「あら、それはあなたも同じでしょう?」
「....は?」
意味が分からず声に出てしまった。いや、どこがなの?告白すらされたこと無いんだけど。
「........本当に気付いてないの?」
と聞いてくるグレモリー。
気付くも何も、言ったとおり告白すらされたこと無いんだから答えようが無いんだけど。.....物凄く呆れた顔をされたんだが。見ると、周りも同じ顔。何故だ?
朝から疑問にぶち当たっていると、担任が入ってきて朝のHRが始まった。といっても、月の始めと特別なことがある日以外は1日の日程の確認だけで終わるから聞き流しても問題は無いのだが。
HRも終わり、皆は授業の準備を始める。そのまま授業は進み、昼休みに入る。ごく当たり前の1日の光景だ。こうしていると、自分が非現実的な現実に置かれているということを忘れそうになる。
(まあ、普通は予想できるわけないんだけど....)
そんなことを考えていると、斜め前の席から会話が聞こえてくる。
「お前、あのコとどーなったよ?」
「あー?まあ、普通だよ。普通」
ちらりと見やると、この学園に入ってから何かと付き合いの長い佐野と沢田だった。
「なんだそりゃ?つまんねー。何か進展とかねぇワケ?」
「ねぇよ。いつも通りだっつってんだろ?てか、何で俺は事ある毎に報告しなきゃいけねーんだよ」
「だって気になるじゃんか!なぁ、詩音!」
....いきなり俺に振るな。返答に困る。何とか絞り出して
「そうか?寧ろ普通が一番良いんじゃねぇの?それと、人のそういう話にはあんまり首突っ込まない方が良いと思うぞ?」
と答える。
「ほれ見ろ。2-1で俺の勝ちな」
「裏切り者ー!」
「知るかっ!俺は寝る」
朝と同じく、机に突っ伏して寝る体勢に入る。しかし、今度は素振りをするだけで、頭の中では別の事を考えていた。
"普通"。その言葉が今は何よりも羨ましく感じた。
『ロード達の出現は不規則です。その為、詩音は今まで通りの日常を過ごすことがとても難しくなってしまいます....』
朝、俺の部屋に来て申し訳なさそうに俺の今後について話していた依姫と、その言葉を思い出す。
別に恨みなどは微塵も無いのだが、今までの他愛もない日常を思い出すと、少し悲しくなってくる。
それと同時に、みんなにこの事が知られてしまった時、どんな反応をされるのか、どうしても考えてしまう。
バレなければ問題は無いのだが、いつまでも隠し通す事は出来ない。少なくとも、何人かには知られてしまうかもしれない。その事を考えると少し憂鬱だ。
午後の授業も殆ど上の空だったらしい。グレモリーや近くの席の人によると、授業中指名された事にも気付いていなかったようで、教科担当の先生も心配していたという。
悩みがあるなら相談に乗ろうかと他の人も言ってくれて嬉しかったのだが、言えるようなことじゃないし、第一相談したところで頭がおかしいんじゃないかと思われる可能性が高い。というか、確実にそう思われる。何も知らなかったら、俺だってきっとそう思う。
とにかく、これからは余計な事は考えずに過ごそう!うん、そうしよう!これ以上心配かける訳にはいかないし。
皆にお礼ともう大丈夫だということを伝えると、心配しながらも俺の席から散っていった。俺も帰ろうと、席を立とうとしたときだった。
「──ッ!!」
ガタンと音を立てて椅子が勢い良く倒れた。
周りにいた人達も不思議そうな顔や、驚いた顔をしている。再び教室が静まる。やっぱり体調が優れないのかと聞いてくれる者も居た。だが、答えることは出来ない。
気付いたときには俺は走り出していた。
「ちょ、ちょっと!どうしたの!?」
「お、おい詩音!?」
後ろから様々な声が聞こえるが、俺はそれどころではない。
間違いない。初めてだけど、これはきっとそうだ。
この感覚は........"ロード"だ....!
放課後、つい先日まではあり得なかった俺の"非日常"が始まった。
くどいですが、本当に申し訳ありませんでした。
これから時間を見つけて少しずつでも投稿していきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします!