問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ? 作:ふわにゃん二世
ご了承ください。
「え?白夜叉様でも鑑定出来ないのですか?今日はギフト鑑定をお願いしようかと思ってきたのですが」
ギフトゲームも終わり、黒ウサギの要求にばつの悪そうに顔を歪める。
「よ、よりによってギフト鑑定か…専門外どころか無関係も良いところなのだがの」
どうやらゲームの褒章として依頼を無償で引き受けるつもりだったらしい。
白夜叉は困ったように顔を挙げ、四人を見る。
「ふむ、さっきの小僧もそうだがおんしら四人とも素養が高いのは分かる。しかし、これではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトをどのぐらいまで把握しておる?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「さあ、どうだろうか」
「うおぉぉぉい‼︎いや、まあ仮にも対戦相手だった相手にギフトを教えるのが怖いのは分かるがそれでは話がすすまんだろうが‼︎それに最後のおんしも言ってるようで言ってないではないか‼︎」
「別に鑑定なんて要らねえよ。人に値札貼られるのは趣味じゃねえ」
ハッキリと否定する十六夜とそれに同意する飛鳥と耀。
「ん?でも白夜叉はさっきやったから大体わかるんじゃないか?」
困ったように頭をかく白夜叉。突如何か名案を思いついたのか、ニヤリと笑った。
「ふむ。何にせよ“主催者”として、星霊のはしくれとして、試練をクリアしたおんしらには“恩恵”を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」
「いや、俺クリアしてな……「よいから黙っとれい‼︎」
蘭丸が突っ込もうとするが、白夜叉の凄い迫力で喋れなくなった。
白夜叉はパンパンと柏手をする。
すると十六夜、飛鳥、耀、蘭丸の目の前に光り輝く四枚のカードが出現した。
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜
ギフトネーム“正体不明(コードアンノウ)
ワインレッドのカードに久遠飛鳥
ギフトネーム“威光”
エメラルドのカードに春日部耀
ギフトネーム“生命の目録”(ゲノムツリー)
“ノーフォーマー”
カードを見るとそれぞれの名前と体に宿るギフトの名前が記されていた。
「ギフトカード‼︎」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「引き換え券?」
「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息が会っているのです!?このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!耀さんの“生命の目録”だって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでOKか?」
「だからなんで適当に聞き流すのですか⁈あーもうもうそれでいいですよ‼︎」
十六夜に適当に言われ黒ウサギも投げやりに返した。
「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、おんしらは”ノーネーム”だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」
「そのギフトカードは、正式名称を“ラプラスの紙片”、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった”恩恵”の名称。鑑定はできずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」
「へえ…じゃあ俺のはレアケースな訳だ?」
十六夜の言葉にん?と彼のカードを覗き込む白夜叉。そこには“正体不明”と書かれていた。
白夜叉は慌てて彼からカードをとる。
「“正体不明”だと?全知である“ラプラスの紙片”がエラーを起こすなど」
「なんにせよ鑑定は出来なかったってことだろう?俺にとってはラッキーさ」
十六夜は白夜叉からカードを奪い返す。だが白夜叉は十六夜を見つめる。
(そういえばこの童…………蛇神を倒したと言っていたな。種の最高位である神格保持者を人間が打倒する事はありえぬ。強大な力を持っていることは間違いないわけか。……………しかし“ラプラスの紙片”ほどのギフトが正常に機能しないとはどういう……………)
ここで白夜叉の中で一つの可能性が浮上した。
(ギフトを無効化した⁈いやまさかな…………)
この箱庭ではギフトを無効化するギフトは珍しくないのだが十六夜のような強大な奇跡を持つ者が奇跡を打ち消すのは矛盾する。
それならまだ“ラプラスの紙片”がエラーを起こしたと考える方が筋が通るのである。
「そういえばミロは前から箱庭にいたんだから自分のギフトカードは持ってるのか?」
「あ、はいこれです」
蘭丸の言葉にミロは自分のギフトカードを見せる。
グレーのカードにミロ=フリーズ
ギフトネーム
“核融合”
“爆弾化”
「…へえなかなかえげつないギフトだな。とても元・救助系のコミュニティとは思えんな」
「ははは、そうですね」
蘭丸の言葉にミロは少し落ち込みながら苦笑いをする。
「そういえば蘭丸のギフトってどんなのだよ?」
「そうね私も気になるわ」
「見せて」
「黒ウサギも気になります」
「ふむ、先の決闘ではまだ出してないギフトもあるのだろう?」
「蘭丸さんも見せてくださいよ?」
ゲリラの様に自分に質問され、顔を歪める蘭丸だが十六夜に自分のギフトカードを投げる。
ショッキングピンクのカードに二宮蘭丸
ギフトネーム
“時空間の支配者”
“写し水晶”
“念動力”
“分身”
それをキャッチして見た十六夜は目を輝かせて笑う。
「おいコラ‼︎これはどういうことだよ?面白そうなギフトばっかじゃねえか‼︎」
「…ほう、これは…」
各メンバーがそれぞれ違う表情をしていた。
「おいおい、そんな顔すんなよ。俺のギフトだって箱庭では珍しくないだろ?」
「ええ…確かに空間支配者系のギフトを持つ方はおりますが」
「時間を操るギフトはなかなか稀なのだ。しかも空間も持ち合わせているなど、私も始めて見たしな」
「マジかよ…」
蘭丸は自分のギフトのあまりの希少さに驚いていた。
「しておんし。この“写し水晶”。これはどう言ったものだ?」
「ああ、これのことだ」
蘭丸はそう言うとおもむろに何処からか直径三十センチ程の水晶球が現れた。
「え?」
「ふむ、これか」
「まあ名前の通り未来を予知したり、占いもできるだけのギフトなだけだけどな。俺も未来予知やサイコメトリーができるからあまり使わないんだがな」
蘭丸はそう言いながら黒ウサギに水晶の水準を合わせ、水晶を通して黒ウサギを見る。
「黒ウサギは今日は全ての運勢が最悪だってよ。それに今日は初めて会った人や普段お世話になっている人には注意しな」
「…だってよ黒ウサギ」
「そうね注意しないと」
「はい。黒ウサギも気をつけます…ってそれは貴方達でしょうがこの問題児様方‼︎」
黒ウサギも何処からか出したのかわからないハリセンで飛鳥と耀の頭を叩いた。
「なんと!なら今日黒ウサギは私が世話を……」
「貴女も充分危険なのですよこの御馬鹿様‼︎」
目が血走った白夜叉をまたもやハリセンで叩く黒ウサギ。
そしてその光景を黙って見ていた十六夜は
「蘭丸の奴…出来る‼︎(黒ウサギ弄りが)」
と蘭丸の(黒ウサギ弄りの)実力に驚いていた。