問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん二世

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問題児シリーズ二部作、『ラストエンブリオ』発売が待ち遠しい………


“ペルセウス”

 

 

 

現在蘭丸達はレティシアと力試しを行うために“ノーネーム”本拠の庭に来ていた。

ルールは互いにランスを投擲し合い受け止められなかった方の負けというルールである。

 

そして今レティシアと十六夜が向かいっている。

 

「私から行かせてもらうぞ」

 

レティシアが翼で飛翔しながらランスを構える。

 

「ああ、いいぜ」

 

十六夜も笑みを浮かべながら戦闘態勢を取った。

 

「はあぁぁぁぁぁぁっ‼︎」

 

怒号と共に放たれたランスは空気摩擦を帯びて流星の如くの勢いで十六夜に迫って行く。

 

「ハッ!しゃらくせぇ‼︎」

 

十六夜はそのランスを殴りつける。砕かれたランスは散弾の如く驚異的なスピードでレティシアへと向かっていく。

 

(まさかこれ程とは…いや、これならコミュニティを任せられる)

 

レティシアは安堵の表情を浮かべながらそこから動かない。

レティシアは諦めるように目をつぶる。

 

「レ、レティシア様‼︎」

 

黒ウサギは慌ててレティシアへと走り出す。だが黒ウサギとレティシアの距離は離れており黒ウサギの走力でもとても間に合わない。

 

(くっ!間に合わない!)

 

黒ウサギも目をつぶる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく…しょうがない」

 

レティシアが目を開けるとそこには一番遠くいたはずの蘭丸がレティシアを抱えていた。

 

「君は…どうやって私を?それに一番遠くにいたはずだが………それと…………///」

 

「それと?」

 

真っ赤っかになっているレティシアとは違い、蘭丸はわからないと言わんばかりに首を傾げていた。

 

「そろそろ下ろしてもらえるかな………流石に………///」

 

「おお、すまないな」

 

そっとレティシアを立たせると蘭丸は頭を掻きながらも、レティシアの質問に答える

 

 

「俺のギフトは空間や時間を支配するギフトだからな。こんくらいの距離の瞬間移動は簡単だ」

 

「時空間のギフトか……なるほど確かに白夜叉が認める男だな。そのギフトを所持するに値する実力を持っているな」

 

レティシアは蘭丸に笑みを向ける。

 

「認めてくれたのは嬉しいけどさ、元魔王ってこれだけしかギフトが無いのか?」

 

蘭丸はいつの間にかレティシアからギフトカードを掠め取ってギフトカードを見る。黒ウサギは慌てて蘭丸からカードを取りギフトカードを見る。

 

「純血の吸血姫(ロードオブヴァンパイア)…神格が無くなってる。あれ程あったギフトがこんなに少なく…」

 

黒ウサギは悲しそうな表情を浮かべる。

 

「つまりレティシアは魔王だった頃の実力はないってことか?」

 

「はい。レティシア様は純血の吸血鬼と神格を合わせ持つ事で魔王を自称していたのです。かつての実力は殆どありません」

 

「なんだよ。どうりで歯ごたえがないと思ったぜ」

 

十六夜が残念そうに肩を竦める。

 

「いったい何があったのですか?レティシア様」

 

「それは……」

 

レティシアが言おうとした時に空から光が落ちた。そして赤褐色の光線が蘭丸の方へと向かってくる。

 

「あれは…ゴーゴンの威光?」

 

ジンがその光線を見て呆気に取られていた。

 

「っ‼︎いけません‼︎あの光を浴びては…‼︎」

 

「何⁈」

 

 

黒ウサギの叫びに蘭丸は手を翳し、光線を消そうと試みるが…

 

「駄目だ‼︎」

 

「⁈」

 

レティシアが蘭丸を押しのけ自分がその光線を受ける。すると見る見るうちにレティシアは石へとなっていた。

 

「吸血鬼を見つけたぞ‼︎」

 

「名無しの連中がいますが?」

 

「構わん。放っておけ」

 

そうして目の前には兜に翼の生えたブーツを履いた騎士がいた。

彼等は“ペルセウス”のメンバーであった。

 

「レティシア様をどうするつもりですか?」

 

黒ウサギは彼等を睨みながら質問する。

 

「お前達に答える筋合いはない。この吸血鬼はわれわれの所有物だ」

 

「それにこの吸血鬼は箱庭の外のコミュニティに売却されるのだ」

 

その言葉に黒ウサギとジンは驚愕の表情を浮かべている。

 

「何故?吸血鬼は箱庭の中でしか太陽の光をうけられないのですよ」

 

「我らの首領が決めたことだ。お前達には関係ない」

 

「でもここは俺らの土地なんだ不法侵入は詫びることじゃ無いのか?」

 

蘭丸は今だ穏やかな声でペルセウスに謝罪を求める。騎士達は鼻で笑い。

 

「名無し風情にいちいち謝罪をしていては我ら“ペルセウス”の名誉に関わるわ!」

 

騎士の一言に黒ウサギは完全に切れたようだ。

 

「…あり得ません。献身の象徴であるこの黒ウサギをここまで怒らせるとは…」

 

黒ウサギは髪を緋色に変え、槍を取り出しそれを騎士達に投擲しようとした。

 

「えい」

 

「フギャ⁈」

 

その攻撃は十六夜が耳を引っ張る事で失敗に終わり槍はあらぬ方向へと飛んで行った。

そして“ペルセウス”の騎士達は不可視のギフトを使ってその場から立ち去った。

 

「な、何をするのですか十六夜さん!」

 

「まあ落ち着けよ黒ウサギ。この場で奴らと揉めるって事は“サウザンドアイズ”を敵に回すことになるんだぞ」

 

「そうだな。とりあえず“サウザンドアイズ”に行くとするか」

 

 

こうして蘭丸、黒ウサギ、飛鳥、十六夜の四人は““サウザンドアイズ”に事の事情を聞くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**

 

“サウザンドアイズ”白夜叉の私室に入ると、白夜叉と金髪で軽薄そうな笑みを浮かべる男、“ペルセウス”のリーダーである“ルイオス=ペルセウス”である。

 

「うわぉウサギじゃん!実物始めて見たよ。本当に東の端っこに本ウサギがいるなんて思わなかった!つーかミニスカにガーターソックスなんてどんだけエロいんだよ!君うちのコミュニティに来いよ。三食首輪付きで毎晩可愛がってやるからよ」

 

ルイオスに嫌悪感を覚えた黒ウサギは足を両手で隠すと、飛鳥が黒ウサギをかばう様に前に出る。

 

「先に断っておくけど、この美脚は私達の物よ」

 

「そうです!黒ウサギの脚は…って違いますよ飛鳥さん‼︎」

 

飛鳥の突然の所有宣言に慌ててツッコミを入れる黒ウサギ。

 

「そうだぜお嬢様。黒ウサギの脚は…ってか黒ウサギは蘭丸のものだろ?」

 

「そうですそうです。黒ウサギは蘭丸さんの…ってええ?い、十六夜さん!何を言ってるのですか⁈」

 

黒ウサギはかあっと顔を赤らめ、耳と髪もいつもよりも赤く染まっていた。

しかもその顔は心無しか嬉しそうにも見える。

 

「おい、なんで俺なんだよ」

 

蘭丸は不思議そうに顔をしかめている。

 

「ふむ、ならいい値で買おう」

 

「う・り・ま・せ・ん!もう…黒ウサギをこれ以上怒らせないでください」

 

「バカだなぁ怒らせてんだよ」

 

「このお馬鹿様‼︎」

 

スパーン

 

黒ウサギのツッコミが炸裂した。相変わらずである。

 

「あははは!“ノーネーム”って芸人のコミュニティ?だったらマジでウチに来いよ。最もその美脚は僕のベッドで好きなだけ開かせてもらうけどね」

 

「お断りします。黒ウサギは礼節も知らぬ殿方に肌を見せるつもりはございません」

 

黒ウサギはルイオスに嫌悪感を吐きつけるかの様に断る。

 

「黒ウサギ、その格好じゃあ説得力ないわよ」

 

「俺はてっきり見せつけるために来てたのかと思ったぜ」

 

「俺も、趣味かと」

 

飛鳥、十六夜、蘭丸の三人はそれぞれの感想を黒ウサギにぶつけた。

 

「ち、違いますよ。これは白夜叉様がこの格好で審判をすれば賃金を三割増しにするとおっしゃるので」

 

黒ウサギは嫌々着ているらしい。

 

「そんな嫌々着てるのか…おい白夜叉。ナイスだ」

 

「うむ」

 

十六夜と白夜叉はビシッと親指を立てる。

 

「この……お馬鹿様方‼︎」

 

スパーン!と音を響かせ二人をハリセンで叩く。黒ウサギは慌てて蘭丸の方を見る。

 

「さて、あそこはほっといて取り敢えず交渉はさせてもらうぞ“ペルセウス”のリーダー」

 

「話だけならな。それと僕の名前はルイオス=ペルセウスだ」

 

蘭丸はもう会話にすら入っていなかった。

 

「ら、蘭丸さん…」

 

黒ウサギは涙を流して彼を見ていた。

 

 

 

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