問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん二世

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『FAIRYTALE in PERSEUS』②

 

不可視を手に入れた三人はルイオスのいる最奥にと到着した。

 

「十六夜さん!ジン坊ちゃん!蘭丸さん!」

 

三人の姿が見えて黒ウサギが安堵の表情を浮かべた。

 

「ふん、本当に使えない奴らだな。今回の一件で全員まとめて粛清しないと」

 

十六夜達が見上げると翼のついたブーツを履いたルイオスの姿がそこにあった。

 

 

「とはいえ……ようこそ白亜の宮殿、最上階へ。ゲームマスターとしてお相手しましょう。……あれ?そういえばこれ言うの初めてかも」

 

そう言うとルイオスはギフトカードから燃え盛る炎の弓を取り出した。

 

「炎の弓?てっきり星霊殺しの鎌、“ハルパー”を使うかと」

 

ルイオスが予想していた武器を使わないことに疑問を抱いた。

 

「当然でしょ。空を飛べるのに同じ土俵で戦うわけがない」

 

確かに空を飛べるのならば遠距離攻撃のできる弓で戦う方が有利。理にはかなっている。

 

「それにメインで戦うのは僕じゃない。僕の敗北がそのまま“ペルセウス”の敗北に繋がる。これはそんなリスクを追う様な闘いじゃない」

 

戦う意思の無いルイオスは首にかけているチョーカーを外し、付属している装飾を掲げた。

 

「目覚めろ‼︎“アルゴールの魔王”‼︎」

 

ルイオスが装飾を外すと地面に接するのと同時に装飾は黒く光り輝き、それに封印されていた“アルゴールの魔王”が現れた。

 

「re………ra…GEEEEEEYAAAAAAAAA‼︎」

 

アルゴールは人が到底理解出来ない絶叫をあげている。言えば不協和音。それを聞いた十六夜達は不快を表した。

 

「re.GEEEEEEEE‼︎」

 

アルゴールは両腕を拘束するベルトを引きちぎりながら更なる絶叫を上げた。それと同時にアルゴールから褐色の光が放たれる。

 

十六夜はジンを抱えて柱の影に隠れ、黒ウサギも慌ててそれに続く。蘭丸はギフトでそれを躱す。

 

「なんですか今の……耳が痛いです」

 

「全くだ。女ならもっと慎ましく………」

 

ドン‼︎

 

突如として空から幾つもの巨大な岩塊が降ってきた。十六夜、黒ウサギ、蘭丸はそれに気づきそれをよける。

 

岩を躱す十六夜達を見てルイオスは高笑いを上げる。

 

「いやあ飛べない人間って不便だねえ。落下してくる雲もよけられないなんて」

 

「く、雲?」

 

黒ウサギが外に目をやるとそこにはアルゴールによって石に変えられた雲が降る光景であった。

 

「なるほど…さっきの光は恐らくこのゲームの世界全体に放たれた光だな」

 

蘭丸は落ちてくる雲を破壊したり消滅させながら考察する。

 

「そうだよ。今頃君らのお仲間も僕の部下もろとも石になってるだろうね。ま、無能共にはいい罰さ」

 

「十六夜さん、蘭丸さん、レテシィアさんはかっての魔王としての力を失っています。とても魔王に太刀打ちできません」

 

ジンは俯きながら話す。

 

「だったら諦めるか?この作戦」

 

「…いえ!でも僕らには貴方達がいます。貴方達の力、この舞台で証明してください!」

 

「OK。よく見ておけ」

 

「任せな」

 

十六夜と蘭丸は笑みを浮かべて一歩まえに出る。

 

「十六夜。アルゴールはお前に任せる。ルイオスは俺に任せな」

 

「OKだ。行くぜ」

 

そして十六夜はアルゴールへと、蘭丸はルイオスへと向かっていく。

 

 

「ふん、名無しの分際で‼︎」

 

ルイオスは上空から弓を放つ。それを蘭丸は槍を取り出すとそれを叩き落す。そして空間を踏む様に跳躍し、ルイオスの目の前にまで行く。

 

「っ‼︎くそ!」

 

ルイオスは弓からハルパーに持ち替え、蘭丸に振り下ろすが蘭丸はそれをいとも簡単に受け止める。

 

「どうした?そんなもんか?俺はまだ一割も出してないぞ?」

 

蘭丸はハルパーを弾き、ルイオスが体制を崩した隙を狙い、槍で叩き落とした。

 

「ぐお!」

 

ルイオスは地面に叩けつけられた。受け身をとれていたが蘭丸の攻撃の威力が強烈で相当なダメージを追っていた。

 

 

「くそ!アルゴール‼︎……何⁈」

 

ルイオスはアルゴールに救いを求めようとしたがアルゴールは十六夜にちょうど殴られ壁に打ち付けられていた。

 

「はははは!どうしたアルゴール!まさか今のが本気じゃないよな⁈」

 

どうやらアルゴールでは十六夜の相手にはならなかったらしい。

 

「さて、どうするルイオス?」

 

蘭丸は既に槍をしまっていた。もうルイオスに逃げ場は無いはずだった。

 

「アルゴール!宮殿の悪魔化を許可する!奴らを皆殺しにしろ‼︎」

 

「re………GEEEEEEEEYAAAAAAAAA‼︎」

 

アルゴールはふらふらと立ち上がると絶叫を上げる。それに共鳴するかの様に白亜の宮殿が黒く染まり、様々な魔獣が現れる。

 

「あーアルゴールってそんな能力もあったのか」

 

「お前らはもう逃がさない。お前らの相手はアルゴールとこの宮殿そのものだ!」

 

魔獣は蘭丸に襲いかかる。だが蘭丸は笑みを崩さない。

 

「まあ、少し面白いな………オラァ‼︎」

 

蘭丸は拳に白いオーラを溜め、そのまま宮殿を殴る。すると空間にヒビが入り始めた。

 

「な、何?」

 

「俺のギフト“時空間の支配者”は時空間を支配することができる。そしてこの技は空間を殴り、対象を空間ごと破壊する‼︎」

 

すると空間が破壊されると同時に宮殿は少しずつ壊れ始めた。

 

「バカな!この宮殿には常に結界を張っているはずだ!壊れるはずが……」

 

「たかが結界如きで俺を止められるかぁ‼︎」

 

そして宮殿の最奥は轟音とともに破壊された。しかしまだ魔獣が蘭丸に襲いかかろうとしている。

 

「す、凄い…」

 

「まさかここまでとは」

 

「ヤハハハ!やっぱりあいつは相当なチート野郎だぜ」

 

三人は被害の一番少ないところに避難していた。そこで白夜叉の時には出す暇も無かった実力を目の当たりにした。

 

「あらら、宮殿が壊れちまったな。直すか」

 

そう蘭丸が言いながら宮殿に左手をかざすとたちまち宮殿は元の形を取り戻し、さらに宮殿の悪魔化が消え、魔獣達は消えて行った。

 

「これも俺のギフトた」

 

蘭丸は怖い程の笑みをルイオスに向ける。

 

「バカな……アルゴール‼︎」

 

ルイオスは明らかに錯乱していた。アルゴールは石化のギフトを蘭丸に放つが……

 

「おいおい俺の忘れちゃ困るぜ元魔王様!お前の相手は俺だぞゴラアァァァァァ‼︎」

 

十六夜はその光を踏み砕いた。そのままアルゴールへと突っ込みアルゴールを殴り額を貫いた。

 

「re………GEE………」

 

アルゴールはそのまま崩れ落ち立ち上がることは無かった。

 

「そ、そんな……」

 

ルイオスは地面に膝をつき勝負を諦めた。

 

「このギフトゲーム、“ノーネーム”の勝利……」

 

「まてよ黒ウサギ」

 

黒ウサギが“ノーネーム”の勝利宣言を十六夜が遮った。

そして項垂れるルイオスを見て

 

「俺たちはこのゲームでお前たちの旗印を手に入れたら、今度は旗印を盾にもう一戦申し込む。

そして、次は名前を頂く。そうすればお前らも名無しだ」

 

十六夜は最高な笑みをルイオスに向ける。だがその笑みに愛嬌はなく、恐怖があった。

 

「ま、待て」

 

「そして、また名と旗印を掛けて勝負をする。お前たちから絞るだけ絞って、箱庭で活動できなくなるぐらいに徹底的に潰してやるよ」

 

「や、やめろ!僕のコミュニティがなくなる」

 

そこで蘭丸が前に出る。

 

「なら立ちな。最後まで諦めずに、ルイオス=ペルセウス、俺が相手になる」

 

蘭丸は丸腰で立つ。

 

「く……諦めてたまるかぁぁぁ‼︎」

 

ルイオスはハルパーを握り蘭丸へと走り出す。

 

「ふ、いい顔だ」

 

蘭丸の蹴りがルイオスの首筋を捉えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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