問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん二世

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魔王戦です!


『The PIED PIPER of HAMELIN』①

 

 

 

「現れたか…」

 

蘭丸は契約書類を胸のポケットにしまい辺りを見回す。観客は我先にと逃げ惑っていた。

 

「何⁈」

 

突如白夜叉の驚愕の声が聞こえた。白夜叉の周りには黒い風が覆いそばにいた蘭丸達は空中に放り出された。十六夜は飛鳥を抱えて舞台裏の辺りに着地した。

 

「十六夜さん‼︎」

 

慌てて黒ウサギ達が集まり舞台裏には“ノーネーム”のメンバーが揃った。

 

「"サラマンドラ”の連中は客席の方に飛ばされたか…」

 

蘭丸が言う様に“サラマンドラ”のメンバーは観客席の方へと飛ばされて行った。

 

「魔王が現れた…そう言うことで良いんだな?」

 

十六夜が黒ウサギに問う。

 

「はい」

 

飛鳥、耀、ジンの顔に緊張が走っていた。冷静にいられているのは十六夜と蘭丸と黒ウサギだけである。レティシアは一足先に魔王の下へ向かったらしい。

 

「どうやらこの契約書類を見ると白夜叉は何やら参加条件を満たしてないらしいな」

 

蘭丸の持つ契約書類には『ゲームマスターの参加条件がクリアされていません』と書かれていた。

 

「これには特にわざと書かなかったってことはないよな?黒ウサギ」

 

「は、はい。“審判権限”を持つ黒ウサギの前で反則は出来ません」

 

そっかと蘭丸は契約書類をポケットにしまった。

 

「取り敢えず行動を起こすぞ。俺と十六夜がレティシアと一緒に魔王を迎え撃つ。黒ウサギは観客の避難、誘導。飛鳥、耀、ジンは白夜叉の所に向かってくれ」

 

そう言うと蘭丸は瞬間移動でその場から消え去った。

 

「蘭丸さん‼︎」

 

黒ウサギは呼ぶが彼はもう言ってしまった。

 

「仕方ねえ取り敢えず行動に移すぞ」

 

「ええ、そうね」

 

「行こう飛鳥、ジン」

 

「は、はい」

 

(……蘭丸さんどうかご無事で)

 

そしてそれぞれが動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

**

 

 

 

「白夜叉様、中の状況は⁈」

 

飛鳥と耀、ジンは白夜叉の所に着いた。白夜叉は黒い風に閉じ込められていた。

 

「わからん。だが行動が制限されているのは確かだ。よいかおんしら!今から言うことを黒ウサギへと伝えるのだ!間違えは許さん!おんしらの不手際は、そのまま参加者の死につながる!」

 

白夜叉の言葉にその場の全員が息を呑む。

 

「第一に、このゲームはルール制作段階で故意に説明不備を行っている可能性がある。これは魔王が良く使う手だ。最悪の場合このゲームにはクリア方法が存在しない。第二に、この魔王のコミュニティは新興のコミュニティの可能性が高いことを伝えよ。第三に…私を封印した方法は恐らく…」

 

「はあーい♪そこまでよ」

 

声の方に振り向くと露出度が多い白装束を来た女性が“サラマンドラ”の火蜥蜴がいた。火蜥蜴達は様子が変に思える。

 

「あらあら、本当に封印されてるじゃない。最強の“階層支配者”もこれじゃあ形無しね♪」

 

「おのれ……“サラマンドラ”の連中に何をした‼︎」

 

「そんなの秘密に決まってるじゃない。以下に封印が成功したとしても貴女に情報を与える程驕っちゃいないわ。それより、邪魔よ♪あなた達」

 

女性は手に持っていた笛を振ると火蜥蜴達が火を吹いてきた。それを耀がグリフォンのギフトで火蜥蜴を吹き飛ばす。

 

「あら?貴女なかなか面白いギフトを持っているのね。決めたわ。私の手駒にしましょ♪」

 

女性が笛を吹くと耀達は崩れ落ちた。その甘く取り込まれる様な笛の音によって。

 

「ジン君、春日部さん…大丈夫?」

 

飛鳥はジンと耀の状態を確認する。ジンはなんとか大丈夫の様だが五感の鋭い耀にとってはかなりのダメージだった。

 

「耀さん‼︎」

 

「ジン君……『春日部さんを連れて黒ウサギの所に行きなさい‼︎』

 

「…わかりました……」

 

飛鳥のギフトで支配されたジンは耀を抱えると普段とは桁違いの速さで走り出した。

 

「逃がさないわよ‼︎」

 

『全員、そこを動くな‼︎』

 

飛鳥のギフトでその女性と火蜥蜴を動けなくする。その隙に白銀の十時剣で斬りかかろうとする。

 

「この……小娘がっ‼︎」

 

「きゃあ⁈」

 

が直ぐにその拘束は解け、飛鳥を殴りつける。そして倒れた飛鳥の腹部を蹴り上げ、気絶させる。

 

「…ふふ♪いいわねこの娘。一瞬でもこの私の動きを止めるなんて」

 

その女性は飛鳥を抱えて何処かへと連れて行った。

 

「くっ!……頼むぞ……蘭丸。恐らく私はこのゲームが終了までこのままだ…」

 

白夜叉は此処にいない少年の名を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**蘭丸side

 

その頃、蘭丸は魔王の下へと直ぐに到着していた。

 

「お前が魔王か?」

 

蘭丸は白い巨兵の頭部に立っている斑のワンピースを着ている少女に聞いていた。蘭丸はその少女からただならぬ強さを感じていた。

 

「ええ、そうよ。……それにしても貴方なかなかの美形ね。私のものにしたいわ」

 

「それは嬉しい言葉だが、残念ながら相手が魔王なら俺はお前を倒さなければならない。覚悟しろよ?」

 

蘭丸は刀を手に取り、斑の少女に刃先を向ける。

 

「そう……残念ね……シュトロム…やりなさい」

 

「BRUUUUUUM‼︎」

 

その少女の下にいる巨兵、シュトロムは大気を吸い込むと、雄叫びと共にその大気を放出した。

 

「シュトロム……嵐か……となると天災の類の悪魔か」

 

と呟く蘭丸だがその体はシュトロムの風をものともしない。それどころか、蘭丸には風が当たっていない様に見える。

 

「シュトロムの風をものともしない?貴方のギフト?」

 

「ああ、俺は時空間を支配出来るギフトだからな。空間を曲げて風の流れを俺に当たらない様にしてる。……さて、今度はこっちの番だ」

 

蘭丸は一瞬でシュトロムの後ろに移動すると、刀でシュトロムを空間ごと切断した。

 

シュトロムは力無く倒れるとその姿を消した。

 

「やるじゃない貴方。カッコイイし、実力もある。名前を聞いておくのもいいでしょ?」

 

「…俺は“ノーネーム”の二宮蘭丸…以後お見知り置きを」

 

肩を竦めながら蘭丸は刀を鞘に納めると異空間に収納した。

 

「そう…蘭丸。やっぱり貴方が欲しいわ。説得が無理なら力ずくでも……」

 

とその少女の言葉は突如として現れた火の玉と流星の如くの勢いのランスによって遮られた。

 

「……貴女は吸血鬼?」

 

「大丈夫か蘭丸‼︎」

 

レティシアは蘭丸のそばに寄った。

 

「ああ、それにサンドラまで来たのか」

 

「……目的は何ですか?“ハーメルンの魔王”」

 

「ああそれ間違い。私のギフトネームは“黒死斑の魔王”(ブラックパーチャー)よ」

 

その少女はサンドラを指差すとニヤリと笑った。

 

「私の目的は星霊白夜叉と青海龍王の遺品つまり貴女のその龍角が欲しいの」

 

だから頂戴と言いたそうである。サンドラは一瞬驚く表情を見せるが直ぐに顔を引き締め

 

「成る程、流石は魔王。でも私は“階層支配者”として貴女を見過ごすことは出来ません‼︎」

 

「そう、素敵ね“階層支配者”」

 

サンドラの火龍の炎を黒々とした風で相殺する。二つの衝撃波は空間を歪め、強大な力の波となって周囲を満たし、境界壁。照らすペンダントランプを余波のみで砕く。

 

「俺を忘れるなよ?まだ本気の一割もだしてないぜ?」

 

蘭丸は足に薄紫のオーラを溜めると少女に向かって振り抜いた。振り抜いた所には空間を切り裂いた刃が少女へと向かっていく。

少女もまた黒い風で防ごうとするが、その刃はその風を切り裂いた。

 

「⁈」

 

少女は咄嗟にその刃をよけた。その刃の通った後には空間に裂け目が入っていた。避けられたのを確認した蘭丸は舌打ちをし、指を鳴らすとその刃と空間の裂け目は元に戻った。

 

「やるわね。ますます貴方が欲しくなったわ」

 

「むっ…」

 

蘭丸は苦笑を浮かべながらまた戦闘態勢に入ろうとしたその瞬間、激しい雷鳴が鳴り響いた。

 

『“審判権限”の発動が受理されました!これよりギフトゲーム"The PIED PIPER of HAMELIN"は一時中断し、審議決議を執り行います!プレイヤー側、ホスト側は共に交戦を中止し、速やかに交渉テーブルの準備に移行してください!繰り返します…』

 

黒ウサギの声が聞こえた。

 

「どうやら一回勝負はお預けだな」

 

「そうね」

 

蘭丸、斑少女、サンドラ、レティシアの四人は交渉テーブルの用意の為“サラマンドラ”の本拠へと向かった。

 





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