問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん二世

29 / 68
魔王戦決着ですッ‼︎


『The PIED PIPER of HAMELIN』③

 

十六夜とヴェーザーは激しい打撃戦を繰り広げていた。

 

「おいおいどうしたよ?いきなりおとなしくなったじゃねえか」

 

「……気に入らねえ…」

 

「何⁈」

 

「出し惜しみは辞めようぜヴェーザー。ずっと狙ってんだろ?俺が懐に飛び込む瞬間を!この一撃が決まれば勝てるって言うお前の目が!ああ気に入らねえ‼︎」

 

「OK……死ね。クソガキ」

 

とヴェーザーは笛を頭上で円状に乱舞させ、霊格を開放した。そしてヴェーザーと十六夜の全力がぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

**

 

フローゼン通りではラッテンと新たな戦力を手に入れた飛鳥ぎ向かい合っていた

 

「一体今までどこに行ってたのかしら?私の可愛い赤ネズミさん?」

 

「ラッテンフェンガーに匿われていたのよ。貴女を倒す為に」

 

“ラッテンフェンガー”と聞いてラッテンは飛鳥の肩に立つ小精霊へと視線を移す。

 

「そう……とうとう姿を現したのね?偽物」

 

小精霊は飛鳥の影に隠れる。

 

「仮を返すわ……行きなさい、ディーン‼︎」

 

「潰せ、シュトロム‼︎」

 

「DEEEEEEEEEN‼︎」

 

「BUUUUUUUUUM‼︎」

 

二体の巨兵は雄叫びを上げる。ディーンがシュトロム殴るとシュトロムは砕け散った。さらにもう一体のシュトロムを勢いのまま殴る。

 

「後ろがガラ空きよ‼︎」

 

「‼︎ディーン!」

 

「DEEEEEEEEEN‼︎」

 

ラッテンは隙を突いて飛鳥の背後を狙うが、ディーンに捕まりその巨大な手で拘束する。

 

「もう良いわ。ディーン」

 

「DEN」

 

飛鳥の声で手を緩めるディーン。だがラッテンはかなりのダメージを負っていた。

 

「これで蹴られた仮は返したわ。でも、これじゃあまだ気が収まらないわ………ゲームをしましょう。貴女に一曲分の演奏を許可します。それで私に服従しているディーンを魅了して見なさい」

 

飛鳥はいつもの高圧的な物言いでゲームを提案する。ラッテンは最初こそは飛鳥の突然の事に戸惑うが直ぐに笑みを浮かべた。

 

「いいでしょう。それでは、幻想曲“ハーメルンの笛吹き”どうかご静聴の程を」

 

とラッテンは演奏を始めた。

 

 

 

 

**

 

一方十六夜とヴェーザーは互いの全力をぶつけ合い両者倒れていた。

 

「おい坊主。お前、本当に人間なのか?」

 

「さあな、分類学上ではそうなってるが、“正体不明”だからな」

 

十六夜は上半身を起こしながら笑う。

 

「さあ立てよ。笛が壊れてもまだ戦えるだろ?」

 

「いや、そうでも無いらしい。チッ、召喚の釈煤が壊れたら、そりゃあこうなるよな」

 

ヴェーザーの身体は光の粒子となって次第に消え始めていた。

 

「ああクソッ!下らねえ挑発に乗るんじゃなかったぜ」

 

「そう言うなよ。こっちは楽しかったんだぜ?俺と殴りあえるやつなんて今までいなかったしな」

 

「フン。お前みたいな人間、そういるかよ」

 

既にヴェーザーは首辺りまで消えていた。

 

「…そうさ、お前みたいなやつは前のマスターだけで十分さ」

 

そう言い残しヴェーザーは完全に消えた。

 

 

 

 

 

**

 

現在、飛鳥はラッテンの演奏を聴いていた。その音色はとても美しく甘美な物であった。

 

(ああ、これはちょっとずるいわ。全てを投げ出しても、この甘美な音色に酔いしれたくなる)

 

飛鳥の気持ちとともにディーンの支配力も弱まって来ていた。

 

(…でも、私達のハロウィンを完成させるのよ)

 

 

 

 

 

そしてラッテンは一曲演奏し終えた。飛鳥はそんなラッテンに賞賛の拍手を送った。

 

「とても素晴らしい演奏だったわ」

 

飛鳥はそう言うがディーンを魅了するには至らなかった。

 

「あーあ負けちゃった。まあさっきの一撃でほとんど致命傷だったし、今の演奏で霊格を使い切っちゃった」

 

ラッテンもヴェーザーと同じく光の粒子となって消えている。

 

「じゃあね可愛いお嬢さん。楽しかったわ♪」

 

ラッテンもいつもの笑顔を見せて消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

**

 

ラッテン、ヴェーザーが倒された同刻、ペストは彼らの霊格が消滅したのを確認した。

 

「……二人とも倒されたのね」

 

「…やったか、十六夜」

 

蘭丸は苦しそうに笑顔を浮かべた。

 

「…やめた」

 

突然ペストの雰囲気が変わり、霊格も上がった。

 

「時間稼ぎは終わりよ。白夜叉だけを手に入れて……皆殺しよ!」

 

ペストは両手から黒い風を放つ。

 

「チッ!こりゃ、さっまでのと違うってか?」

 

「そうよこれは触れただけでそのものを死においやる風よ」

 

死の風はどんどんと街を覆い尽くしていた。

 

「クソッ!」

 

蘭丸は黒死病の身体に鞭を打ち立ち上がると空間を切り裂く刃を放つ。刃の通った所の風は霧散したが黒死病の影響で威力が落ちていた。

 

「クソッ……力が足りない!」

 

「うわあぁぁ‼︎」

 

悲鳴の方を見ると一人の少年が風に追われていた。

 

「ヤバイ‼︎」

 

蘭丸は直ぐに少年の下に瞬間移動で移動するが

 

「大丈夫か………ゴハァッ‼︎」

 

ビチャッビチャッ!

 

蘭丸は血を吐き、その場に倒れてしまった。

 

「蘭丸さん‼︎」

 

黒ウサギは全力で跳躍するが間に合わない。

 

(駄目、間に合わない)

 

黒ウサギも諦めた時、

 

「DEEEEEEEEEN‼︎」

 

ディーンが風を遮った。

 

「早く逃げなさい!ステンドグラスは一旦大丈夫よ!」

 

「は、はい」

 

その子供は建物へと入った。

 

「よかった」

 

「「よそ見してんなこの駄ウサギ‼︎」」

 

十六夜と蘭丸の怒号で黒ウサギの目の前まで風が来ていた事に気づいた。蘭丸が黒ウサギを抱え、十六夜が死の風を蹴り砕いた。それにはペストも驚いていた。

 

「ギフトを砕いた?貴方は一体…」

 

「言っとくが俺は人間だぞ魔王様‼︎」

 

十六夜はそのままペストを蹴り飛ばす。だが神霊であるペストには効いていなかった。

 

「そうね、ギフトを砕いたくらいじゃあ恐るに足りないわね。蘭丸は今力を発揮できないし………………星を砕けるような一撃じゃなきゃ、魔王は倒せないわよ」

 

ペストは衝撃派で十六夜を吹き飛ばす。だが十六夜は直ぐに起き上がった。痛みよりペストの言葉が効いたようだ。

 

「ハッ!随分と素敵な挑発してくれんじゃねえか!おれがこんくらいだと思うなよ」

 

「全くだ!俺はまだ本気なんてだしてないぞ!」

 

蘭丸は十六夜の怪我を治しながらもペストから目を離さない。

 

「お待ちください!黒ウサギに作戦がありますので十六夜さん達は隙を作ってください」

 

「だがそれをあいつが待ってくれるとは…」

 

「ご安心を。今ここにいる皆さんをまとめて月へとご案内します」

 

黒ウサギのギフトカードから輝きを放ち、その輝きぎ収まると辺りは景色が一変していた。

 

「チャ、月界神殿(チャンドラマハール)軍神では無く月神の恩恵を持つギフト…」

 

「Yes!これこそ“月の兎”が帝釈天様より授かった恩恵でございます!では十六夜さん達は魔王を足止めしておいてください!」

 

ペストへと向かう十六夜達。それにペストは焦っていた。

 

「オラァ‼︎」

 

蘭丸によって怪我が回復した十六夜はペストを思いっきり殴る。そして蘭丸も威力は落ちるものの、空間を砕く拳を振るう。

 

「くっ!こんな所で……」

 

ペストはそれに抗おうとする

 

「無駄です!」

 

黒ウサギの掲げた紙片から太陽の光が放たれる。太陽神の鎧である。

 

「そ そんな、軍神に月神に太陽神! 三天を操るなんてこの化け物!!」

 

「今です飛鳥さん‼︎」

 

「放ちなさい、ディーン‼︎」

 

「DEEEEEEEEEN‼︎」

 

隙が出来たペストにディーンが放ったのは黒ウサギから託されたギフト、“マハーバラタの紙片”から召喚される“インドラの槍”であった。勝利の恩恵を持ち、当たれば必ず勝利をもたらす槍、一度限りではあるが。

 

その槍がペストを貫いた。

 

「そんな………私は…まだー‼︎」

 

そして“黒死斑の魔王”は爆死した。

 

「終わったか………」

 

そして蘭丸はその場に力なく崩れ落ちた。

 




誤字、感想お待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。