問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん二世

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今回蘭丸が覚醒します。


過去を越えるために

 

 

 

 

蘭丸と黒瀬の戦いは激しさを増していた。

 

「はあぁぁぁぁ‼︎」

 

黒瀬に逆鱗を触れられ頭に血が上っている蘭丸は攻撃が単調になり、黒瀬に簡単にあしらわれていた。

 

「ククク…どうした?俺を殺すんじゃなかったのか?」

 

「クソがぁ‼︎さっさと殺されやがれ!」

 

怒号と共に黒い光線を放つ。その光線に触れた巨人族や魔獣は綺麗に消え去る。しかし黒瀬は光の速度と同等の光線を簡単に避けていた。蘭丸は舌打ちを打ちながら次々に光線を放つがその度に躱されていた。

 

「クソッ!一回落ち着いたほうがいいか…」

 

蘭丸は呼吸を整えるために一度距離を取るが

 

「おれがそんな暇を与えると思うか⁉︎」

 

当然その隙を逃す黒瀬ではなかった。一瞬で懐に潜り込むと黒瀬の膝が蘭丸の鳩尾にめり込み、蘭丸は苦悶の表情を浮かべる。

 

「カハッ……‼︎」

 

「まだだぜぇ‼︎」

 

そして畳み掛けるように顔面に膝を入れ、後頭部を掴み、地面に執拗に打ち付ける。顔を上げた蘭丸は口と鼻、頭部から血を流していた。

 

「ちっ!まさかこんな変態がここまでやるとはな……クソッ!マジでイラつく」

 

ワイシャツで荒く血を拭い、舌打ちをする蘭丸。そして第三宇宙速度の跳躍で黒瀬に迫ると勢いに任せて拳を振るが、黒瀬はそれを簡単に避ける。蘭丸は拳を乱打させながら追撃するが、それらを全て躱していた。

 

「クソッ‼︎」

 

「ハハハハ!怒れ怒れ!あの時みたいに見境なくな!そうしなきゃお前の力を奪うことが出来ないからな」

 

両手を広げながら高らかに挑発する黒瀬。明らかに蘭丸の怒りを誘っている。蘭丸は眉を寄せ舌打ちをする。

 

「いいぜ。その挑発乗ってやるよ、後悔すんなよ!」

 

蘭丸は掌を掲げ、空間を圧縮し始めた。先程巨人族に使った技同様、辺りの土や、二人の戦闘に横槍を入れようとしていた巨人族や魔獣を呑み込み大きくなっていった。

 

 

「……こいつで終わりにしてやる。今度こそな」

 

静かに死刑宣告を告げる蘭丸。しかし依然として黒瀬は笑みを浮かべていた。

 

「ククク…確かにソレは俺じゃあ防ぐのも避けるのも無理だな……だがそれをお前が打てるならな」

 

何⁉︎と蘭丸が言ったのと同時に蘭丸の体から力が抜け、圧縮した空間の塊は霧散し、蘭丸はその場に膝をついた。

 

「グッ……なんだ?力が………」

 

「ククク…やっぱりそろそろ限界がくると思ってたぜ……お前のギフトは強力な分、消耗が激しい。普段は馬鹿みてえな体力と精神力を持ってるが、お前はさっきもソレを使っただろう?おまけに怒りで消耗も普段より大きくなってんだよ。まあ怒らせたのは俺だがな」

 

「ちっ!俺としたことが……まさか俺が嵌められたとはな、」

 

「さて、お前の力を奪う為にもう一つさせて貰うぜ」

 

黒瀬は“アンダーウッド”を方、正確にはジンや飛鳥のいる方角である。

 

「ま、まさか…………」

 

「そのまさかだよ‼︎」

 

「止め……クソッ!体が……」

 

蘭丸は立ち上がろうとするが、体は言うことを聞かない。雄叫びを上げるが虚しくも力は入らない。首をあげるのが精一杯である。

それを横目に黒瀬は蘭丸と同様、空間の塊を作っていた。蘭丸のほんの一部のため威力は劣るが、彼らを消すには十分だった。

 

「クソッ!クソクソッ!クソッ!」

 

蘭丸は悔しさに涙を流す。あぁまた大切なものを守れないのか、折角修行して、もう何も失わないと誓ったのに、また守れなかった……

蘭丸は諦めるように目を閉じる。これから起きる惨劇から目を背けるように……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜蘭丸side

 

あれ?ここは何処だ?さっきまで俺は“アンダーウッド”にいた筈なのに?……まあ今俺がいったところで変わらんだろう。

俺は何も守れないんだ。それならこのまま寝ても………

 

「………る!………らん……」

 

なんだこの声は?どっかで聞いたような、それでいて、なんか暖かくて、懐かしい声だ。でも誰なんだ?

黒ウサギか?いやあいつの声はなんというかもっと可愛い感じだ。レティシアは……違うな。あいつはもうちょっと色っぽい感じか……

 

「蘭丸‼︎起きなさい‼︎」

 

「はい⁉︎」

 

突然だからつい素の声が出たな。ん?でもこの声って、もしや……

 

「母さん⁉︎」

 

「ふふ……久しぶりね。蘭丸」

 

やっぱり母さんだった。俺は11年ぶりに見た母さんについ涙が出そうになったが状況を把握するために堪える。俺は母さんと対面してその場に座る。

 

「母さんがいるってことはここは………」

 

「違うわよ。ここは死後の世界なんかじゃないわ。ここは貴方の精神世界。……まあ夢みたいなもんよ」

 

「そ、そうなのか」

 

ついでにこの精神世界ってのは元の世界との時間の流れが全く違うらしい(まあ俺のギフトの影響だろうが)。

 

「それより」

 

と母の顔がマジになる。そして母さんは

 

 

 

パチン

 

 

…俺にビンタした。……精神世界だってのに痛いんだ。あ、ってことは精神的苦痛ってことか?

 

「貴方、なんで諦めてるのよ。今貴方の仲間のピンチなのよ!」

 

…母さんの言うとおりだ。俺は黒ウサギたちを守ることを放棄している。その事は間違ってはない。

だが

 

「無駄だったんだよ。母さんが殺されてから、俺はあいつの復讐、そして親父の言っていた器を鍛えるために修行してきた。そしてあいつらと出会って今度こそは守る。そう誓ったのに……」

 

俺は守れなかった。せっかくまた守れると思ったのに、あんな安い挑発に乗って、力を失うなんて。

そう言うと母さんが

 

パチン

 

またビンタをした。正直かなり痛い。そして母さんは俺を抱きしめる。

 

「大丈夫。貴方はもう昔と違う。ちゃんと守れる力を持っている。だから諦めないで。私との約束を守って」

 

「母さん………」

 

俺は涙が止まんなくなった。

 

「私の分まであの子達を守って上げて。貴方なら出来るはずよ。私と貴方のお父さん……アーサー王の子供なら…」

 

…………ん?今、聞き間違いじゃないよな。確かにアーサーって……

 

「はあぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

「あら、どうしたの?」

 

「だって、あいつが俺の子供じゃないって……」

 

「ふふふ、またあの人の嘘ね」

 

……マジかよ何回嘘つけばいいんだよあのクソ親父。今度あったら殴ってもいいかな?多分返り討ちにあうけど。

 

「さて、そろそろ戻りなさい。現実の世界に」

 

「ああ、ありがとな母さん。行ってくる」

 

そしてどんどん精神世界が消えていく。今度こそは守る。

 

 

 

 

 

 

大切なものを!

 

〜sideout〜

 

“アンダーウッド”では、黒瀬が今にもジンたちに狙いを済ませていた。

 

「ククク…こいつで奴が壊れれば俺が神に………」

 

そこで、とてつもないほどの霊格を感じて黒瀬は驚愕した。

 

「まさか…………⁉︎」

 

振り向いた時、二つ驚いた。まずは自分の左腕が消えていた事。そしてもう一つ。

 

「よう、ケリをつけに来たぜ黒瀬」

 

先程とは霊格が上昇している二宮蘭丸がたっていた。黒瀬は冷や汗をかいて苦笑いをする。

 

「へへ、どうした?俺に力を取られに来たのか?」

 

「聞いてなかったのか?俺はケリをつけに来ただけだ」

 

「どうでもいいが力尽くで奪ってやる!」

 

黒瀬は瞬間移動を連続で行いながら蘭丸に接近する。蘭丸はピクリとも動かない。黒瀬はニヤリと笑い

 

「いまのお前なら………」

 

黒瀬は言葉を続けられなくなった黒瀬。それもそうであろう。今度は右手を消されていたのだ。

 

「な、なんなんだよ……なんでそんなに強くなってんだよ………」

 

「俺は今度こそ、全部、守ってやる。その為にはお前如きに負けるわけには行かない!」

 

ギリリッと歯噛みをする黒瀬は狂ったように雄叫びを上げて、全速力で駆ける。

 

「うがあぁぁぁぁ‼︎俺は黒瀬晶!神になるために生まれた男だ‼︎」

 

「そうかい…俺は二宮蘭丸!大切なものを守るためにこの力を使う!」

 

黒瀬は蘭丸の目の前に瞬間移動すると再生させた右手でブラックホールを作ろうとする。しかし蘭丸は一瞬のうちに刀を取り出し、一刀両断した。そして追撃し、黒瀬の体はバラバラにされた。だがそれでも再生しようと体が戻りかけている。

 

「お………の……れ……」

 

「じゃあな、変態」

 

黒瀬は蘭丸の作り出したブラックホールによって消えた。

 

「……終わったよ母さん。約束、果たせそうだよ」

 

蘭丸はそこに立ち止まり黙祷をする。1分ほど黙祷をすると目を開いた。

 

「さて、作戦の方は………黒ウサギが少女に襲われてるか………そっちに行くか」

 

 





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