問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ? 作:ふわにゃん二世
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巨人族殲滅を行っていたジン、ペスト、飛鳥の下に現れたアウラは……
「さようなら、“黒死斑の御子”‼︎そして“龍角を持つ鷲獅子”連盟の皆さんとその他大勢の皆さん‼︎不用意に全軍をすすめさせたあなたたちの敗北よ‼︎」
そしてアウラは“バロールの死眼”を使用した。一瞬戦場全てを覆う黒い光を放つ。
そして死を覚悟したが体に特別な変化はない。しかし
「「「「「ウオォォォォォォォォ‼︎」」」」」
光を浴び、黒死病から解放された巨人族が時の声を上げた。
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蘭丸が黒瀬との戦いとは別の場所で奪われた“バロールの死眼”を撃ち抜く準備をしていた黒ウサギはリンに襲撃されていた。黒ウサギの“擬似神格・金剛杵”の稲妻もリンの正体不明のギフトによって効かず黒ウサギは苦戦を強いられていた。
「あはは!凄いねウサギさん」
「くっ……」
リンの投げるナイフを辛くも避け続ける。
(くっ……この少女、何者⁉︎)
“擬似神格・金剛杵”の神格を解放した黒ウサギの現在の手持ちのギフトは“マハーバーラタの紙片”のギフト二つと“太陽の鎧”。しかしこれらのギフトは使用にはリスクがあり、出来ればここで使いたくはない。しかしこのままでは作戦を実行できない。
(それに先程の光はおそらく“バロールの死眼”。本来の召喚はされなかったのでしょうがバロールが使われたなら急がなくては……)
いち早くバロールに気づいた彼女であったが、その思案が仇となった。
「隙ありだよ、ウサギさん」
「しまっ…………」
その隙を狙ったリンはナイフを投擲する。しかしそのナイフは黒ウサギを捉えることは無かった。
黒ウサギの前には投擲されたナイフを握った蘭丸の姿があった。
「蘭丸さん⁉︎どうしてここに?」
「おう、あいつはもう片づけた。だから早く“バロールの死眼”を止めてこい。ここは俺に任せろ」
「ありがとうございます!」
黒ウサギはその場を離れようとする。しかしリンもそれを許すわけがなく、
「行かせないよ!ウサギさん!」
「その台詞、そのまま返すぞ」
黒ウサギを追おうとしたリンだが、その手前を塞ぐように蘭丸が立ち塞がる。その隙に黒ウサギは見えないところまで走っていった。
「これは………しかも、蘭丸って………貴方が“時空間の支配者”の二宮蘭丸さんですか⁉︎」
「そんな噂になってるのか俺って?まあ如何にも俺が二宮蘭丸だ」
蘭丸は敵の前とは思えない程の緊張感の無さでリンに語りかける。リンとしても敵を前にしてこの態度を取られては胸中穏やかではなかった。
「……随分と余裕ですね。まるで私じゃあ相手にならないと?」
「まあそんなとこだな。お前とのギフトを考えも俺の方が上だ。悪いことは言わん、引け」
「ッ‼︎舐めないで下さい‼︎」
リンは苛立ちながら、数本のナイフを投げる。そのナイフは瞬くまに蘭丸の目の前に迫っていたが蘭丸は全てを素手で掴む。そしてそのまま投げ返す。第三宇宙速度で投げられたナイフはリンに届かず、地面に落ちる。
「……わかりますか?貴方の攻撃は私には効かないんですよ」
冷や汗をかきながらも笑みを浮かべるリンに蘭丸も不敵な笑みを浮かべる。
「いんや、これで確信した。お前では俺に勝てない」
スラリと三尺五寸の長太刀を抜いた蘭丸、リンはさらにナイフを投げる。それを長太刀で全て捌いた。
(確かにこの人は私じゃあ勝てないかもしれない。でも作戦のためにはどうしてもここに止めておかなきゃ……)
リンはナイフを握りしめながら覚悟を決める。最悪、刺し違えても、という覚悟だ。
「さて、そろそろ終わりにするか」
そう言うと蘭丸はおもむろに長太刀を上空に放り投げる。
(何を⁉︎)
リンは視線を刀に一瞬移した。しかしそれが仇となった。一瞬のうちに蘭丸は目の前から消えていた。
「瞬間移動⁉︎でもどこに……」
「チェックメイトだな」
蘭丸はリンの背後から小刀を首に当てながら拘束していた。小刀の切っ先が首筋の皮膚に当たり、つー、と血が垂れていた。リンは一瞬の自分の行動に後悔していた。
(不覚だった……十分警戒してたはずなのに、)
「さて、お前のギフトの種明かしといこうか、まずお前は概念的な距離を操る類のギフトだろ?」
「はい、正解です」
蘭丸の質問に素直にリンも答える。
「ですが、どうしてわかったのですか?」
「さっき遠巻きから見物してた時だが、お前の投げたナイフが黒ウサギを通り過ぎた後、すぐ後ろで地面に落ちた。速度と距離が比例しないのは明らかにおかしいだろうな」
そう先程の黒ウサギとの戦闘の際にリンのナイフは黒ウサギを通り過ぎた後にすぐ後ろで地面に落ちたのだ。つまり彼女のギフトは空間操作または時間操作の類であると推測ができるのだ。
「まあぶっちゃけ、俺のギフトの性質上、そういう類のギフトは使用時に空間が歪んで見えるんだよ」
ケラケラと笑う蘭丸は表情を一変させる。
「このまま引けば見逃してやる。ってかもうお前逃げた方がいいんじゃないのか?」
「それは、どういう意味ですか?」
「……さっき様子見に行かせた分身からの報告なんだが、どうやら白夜叉が仏門に神格を返上したらしい。ついでに言うとアーサーの親父も“エクスカリバー”を解禁したらしい」
「え⁉︎嘘」
「それがマジなんだよな。これじゃあお前らの送った魔王もすぐにやられるだろうな」
どうすると蘭丸が問うと、リンは諦めたかのように肩を窄める。
「そうですね。そんな状況なら仕方ないですね。ここは引かせてもらいます」
「それが正しい選択だな」
リンはぺこりと軽く会釈をすると離脱していった。蘭丸はその場で今回の“契約書類”を読む。
「今回のゲーム、クリアするには……やっぱりこれか、十六夜は耀に会えていなかったら………」
とクリア条件について考察をしていると上空に変化が訪れた。
巨龍が“アンダーウッド”上空へと姿を現した。
「GYEEEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaEEEEEEEEEEEEEEEEEEEYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaa!!!」
「あっちゃー、耀の奴やっぱり見落としてたか、まあこの短時間にここまでたどり着いただけでも上出来かな?って随分と偉そうだな俺」
苦笑しながら“契約書類”をしまうと蘭丸は古城に向けて瞬間移動で消えていった。
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