問題児たちと時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ふわにゃん二世

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魔神グール

 

 

 

 

蘭丸とミロは途中に現れる異形な生物を消滅させ、爆発させながら、奥へと進んでいく。

 

「うーんなかなか歯ごたえのない連中だ。なあミロ」

 

「蘭丸さん……凄すぎ……ます……」

 

ミロは肩で大きく息をついていた。

だが気づくと二人は広いところに出ていた。そこは宮殿の外であった。

 

「おい魔神グールとやら!きてやったぞ」

 

蘭丸が軽い調子で呼ぶと目の前に黒い霧が発生し、形を作っていく。その姿は二メートル程の巨大な人型の魔神であった。

 

『ふん!よくきたな人間よ!だが時間は大丈夫か?お前らはかなり宮殿で時間を潰した様だが?』

 

「まああと10分しかないしな。まあ……」

 

「蘭丸さん?」

 

『お前は邪魔だ小僧。暫くその中でおとなしくしていろ‼︎』

 

そしてグールはミロへと視線を移す。

 

 

「魔神グール‼︎よくも私達のだけではなく多くの命を‼︎」

 

ミロはグールの周辺を爆発させる。

 

『ふふふ、小娘が!儂は実態を持たぬ者、そしてこの姿も仮の物故に儂は死なん!』

 

「そんな…」

 

ミロは次々と爆発を起こすがグールはそんなの御構い無しにミロとの距離を詰めて来る。

 

「きゃあっ‼︎」

 

グールはミロの連続で鳩尾に拳を入れる。ミロは空へと吹き飛んだ。

 

(やはり魔王は強い。私では倒せないの?仲間の仇も打てないの?)

 

ミロは思い出していた。死んだ三人を含めた仲間達と、父と様々な者を救助しながら、笑あった日々を…

 

(これがいわゆる走馬灯ってやつなの?私死ぬの?)

 

『終わりだ小娘‼︎』

 

グールはミロにとどめの一撃を放つ、ミロは覚悟を決めて目を瞑ったがいつまでも痛みは来ない。それどころか体に暖かみが伝わる。

 

「大丈夫かミロ⁈」

 

「蘭丸……さん…?」

 

ミロの目の前には笑顔でこちらを見る二宮蘭丸がいた。

 

「ごめんな?あの空間に閉じ込められた時にちょうどインターバルが来て少し時間を経過させてた」

 

『おのれ小僧‼︎貴様何をした⁉︎どうやって儂の魔宮牢から逃げ出した⁈』

 

「ただお前の空間から抜けて、瞬間移動でミロをこっちに移動させただけさ」

 

 

「つーかあんな程度で俺を閉じ込められると思っているのか?」

 

『おのれ!…いくら貴様でもこの私を倒せるのか?あと三十秒だぞ?』

 

「ああ、お前の倒し方ならとっくにご存知だぜ?」

 

蘭丸は空間の行けるところまで瞬間移動で行き、壁となる場所に手を当てるとその一からどんどん空間が消えていく。

 

『ま、まさか…』

 

グールは驚愕の表情で蘭丸の下へ向かおうとしたが途中で壁にぶつかったかの様な感覚に襲われ、跳ね返される。

 

『馬鹿な!儂は実体を持たないもの物に妨害されるはずが…』

 

「俺は時空間を支配することができる。いくら実体がなかろうが空間に存在しているならどんなものでもおれの思うがままだ‼︎」

 

そう言いながらも空間が消えていく速度はどんどん早くなっていく。

 

『辞めてくれ‼︎降参だ‼︎降参するから‼︎』

 

「残念ながらルールに降参は無かったはずだ!お前は俺がここで消す」

 

空間はもう九割程消えかかっていた。

 

『嫌だあぁぁぁぁ‼︎』

 

「らしくない絶叫だな。このゲーム俺らの勝ちだ‼︎」

 

そして魔神グールと異空間は消え去った。

 

 

 

 

 

 

「な、なんだ歪みが収まっていく?」

 

その頃森で待っていたスカーロは突然のことに驚いていた。

そして歪みは完璧に消えた。

 

「って事はゲームがクリアされたのか?蘭丸とミロはどうなった?」

 

「後ろだよスカーロさん」

 

スカーロが後ろを向くとそこには娘と仲間を抱えている蘭丸が立っていた。

 

「蘭丸‼︎」

 

「ああ、スカーロさん…すまなかった仲間は助けられなかった」

 

スカーロはすでに死んでいる仲間をみる。

蘭丸は申し訳なさそうに顔を俯けている。

 

「気にするな蘭丸。むしろ感謝したいくらいさ。お前がこの時空の歪みを消滅させてくれて、仲間の遺体を運んで来てくれた。こいつらは最後まで戦おうとしてたんだろうな、顔が物語ってる」

 

スカーロは目に涙を浮かべながら蘭丸に笑顔を見せる。

 

「う……ん…」

 

「ミロ‼︎」

 

「ミロ、目が覚めたか?」

 

目が覚めたミロは辺りを見回し、現状を確認すると顔を紅くし、とっさに爆発を起こした。

 

「「へ?」」

 

素っ頓狂な声を出した二人は爆発に呑まれた様に見えたが二人とも無傷であった。

 

「ふう…危ない危ない」

 

「蘭丸、お前何をしたんだ?」

 

「ああ空間を壁の様に作って防御壁に…」

 

「いや、そうじゃなくて娘にだ。あんな顔を真っ赤になったミロは初めて見た」

 

ミロは少し蘭丸から離れて顔を隠している。おそらく真っ赤っかであるのはスカーロは容易に想像できた。スカーロは少し考える様に指を顎添え、何か思いついた様にニヤけていた。

 

「よし!ミロお前蘭丸が入るコミュニティに入れ‼︎」

 

「ちょっと、父上?何を」

 

ミロは真っ赤にしてスカーロに詰め寄る。スカーロはミロにだけ聞こえる声でささやく。

 

「…何があったか知らんがあんないい男そうなやつすぐに他に取られるぞ?」

 

「〜‼︎」

 

「と言うわけだいいか蘭丸?」

 

「俺は構わないがミロは…」

 

蘭丸はミロに視線を移す。ミロは俯きながら

 

「よろしく……お願いします」

 

消えそうな声で言った。

 

「そっか。ならよろしくな」

 

蘭丸はニコッと笑みを見せる。ミロは一段と顔を赤くする。その様子をニヤニヤみるスカーロ。なんとも下世話な父親である。

そんな空気を出していると

 

「見つけたのですよー問題児様……って貴方達は?……………………ってスカーロ様でございますか⁈」

 

黒ウサギは自称素敵耳をピーンと貼りスカーロに驚いていた。

 

「おお!その弄りがいのある耳はやっぱり黒ウサギか?久しぶりなもんだ」

 

「ええ、お久しぶりで……ってその覚え方辞めて下さい‼︎傷つきますよ⁈」

 

黒ウサギのノリツッコミ彼女は今日で何回ツッコミをしているのだろうか?

 

「ヤハハハ!わかるじゃねえかオッサン」

 

黒ウサギの後ろから十六夜が笑いながら歩いて来ている。

 

「オッサンって……まあもう42歳だもんなオッサンか…」

 

「相変わらず礼儀知らずだな十六夜」

 

スカーロは十六夜にオッサンと呼ばれ凹み、蘭丸も十六夜の礼儀知らずに呆れていた。蘭丸は自分は例え問題児だとしても人への最低限の礼儀は守る事を心情にしていた。

 

「あ、黒ウサギコッチの娘が俺が入るコミュニティに入りたいって言うからさ、入れてもいいかな?」

 

「え?」

 

「あ、あの…黒ウサギは一向に構わないのですが…スカーロ様はどう思われるのか…」

 

「ああ、俺はいいぞ?」

 

スカーロは黒ウサギがしどろもどろになっているところを遮ってアッサリ承諾した。

 

「え?」

 

「え?じゃない。俺はいいって言ってるんだ。だが今のコミュニティの状況をちゃんと蘭丸に話さないとな」

 

「わかりました。蘭丸さん…黒ウサギのコミュニティの現状を包み隠さずお伝えします」

 

蘭丸は黒ウサギからコミュニティの状況について聞いた。三年前に魔王によってコミュニティの旗と名前、人間までが奪われて行ったこと、今はジンがリーダーをやっているのだがまだ小さい為黒ウサギがほとんどコミュニティの事をやっていることなど。

 

「いいぞ。お前のコミュニティに入っても」

 

それを聞いた蘭丸は暫く黙っていたが普通にOKした。

 

「え?本当ですか蘭丸さん」

 

「ああ、そんな状況のコミュニティを見捨てられないしな。で、ミロはどうする?ついてくるの考え直すか?」

 

「いえ、私は蘭丸さんの側にいると約束しましたので、何処までもお供しますよ」

 

ミロは蘭丸に笑顔で答える。その笑みは本当に美しく見えた。

 

(へえ…こりゃ面白いな蘭丸を弄るネタが出来たぜ)

 

十六夜は密かに蘭丸弄り計画を立てていた。

 

 

「ではもうそろそろジン坊ちゃん達と合流しましょう、大分遅くなりましたし」

 

「じゃあ俺が一瞬で連れてくよ」

 

蘭丸は黒ウサギの前に時空の穴を開けた。

 

「これは?」

 

「ほら、早く」

 

「待ってください蘭丸さん」

 

「本当おもしれえなお前」

 

蘭丸に続きミロ、十六夜、黒ウサギの順に穴へと入って行った。

 

「…元気でな‼︎ミロ!」

 

スカーロは娘を笑顔で送った。

 

 

 

 

 

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