Fate/ONLINE   作:遮那王

22 / 37

遅れてすいません。
大学がちょっと忙しいです。

こんだけ長引いて2000文字程度しかいかないとか、体たらくですわ……。




幕間3 神父暗躍

 

第一層の外れにポツンと佇む教会。

そこは一般のプレイヤーには認識される事が出来ず、ある特殊な存在のプレイヤーだけがそこを見つける事が出来る。

 

その中の奥の奥の一室、神父の格好をした男は無数のモニターを見ながら不気味に笑みを浮かべていた。

 

「どうやら、君の計画は順調に進んでいるようだね」

 

ふと、部屋の入り口側から男に声をかけるものがいた。

 

白と赤を基調とした服。

その上から暗赤色のローブを身にまとい、普通のプレイヤーとは一線を画した存在感を放っている。

 

「―――ああ、ようやく全てのサーヴァントが出揃った。小さな小競り合いはあったが、ようやく本当の聖杯戦争が始まる」

 

クククと男は笑みを零すと、入口付近の男へと向き直る。

 

「其れはそうとして、君に渡したサーヴァントはどうかな?気にいってもらえたか」

 

笑みを浮かべながら男…言峰綺礼は、入り口付近に立つ男…ヒースクリフへと問いかける。

 

「―――やや癖は強いがね、確かに強力な存在だよ。君が最強クラスだと称するのも頷ける」

 

ヒースクリフは頷きながら言峰に言葉を返す。

数ヶ月前、ヒースクリフは言峰から譲り受けた聖遺物を使い、この世界でサーヴァントの召喚を行っていた。

そして、その召喚に言峰は立ち会い、ヒースクリフのサーヴァントも確認済みである。

 

「それで、何故今日私を呼び出したのかな?これでも忙しい身なのだが」

「フ……これを見たまえ」

 

ヒースクリフの問いに言峰は目の前のモニターの一つを指差す。

 

「ほう……」

「これほど巨大なデータを合わせるのはさすがに骨が折れた」

 

そこには、魚や蜂、鯨などをモチーフとした、ポリゴン状のモンスター達が浮かんでいた。

 

「これらはエネミーと呼ばれるモンスターとはまた似て非なる存在たち。このエネミー達を特殊なダンジョンに解き放つ」

 

言峰はそう言うと右手を上げ、立体ホログラムを出現させる。

そこに映るダンジョンは、SAOのフィールドとはまた違い、四角く角ばった通路がただ続くだけ、言わば迷路のような物であった。

 

「成程……此処にエネミー達を解き放つのか」

「そう、このエネミー達は一般のプレイヤー達では傷つける事が困難であろう。だが、サーヴァントであれば彼等を打ち倒す事が出来る」

 

ヒースクリフは言峰のその言葉に、顎に手を持って行きながら考え込む動作をする。

 

「ならば、マスター以外のプレイヤーが入り込めないようにするべきかな」

「ああ、サーヴァントを所持しているマスターのみにこのダンジョンの入り口は反応する。そして、その中のクエストに挑戦してもらう」

「クエストだと?」

「そう――――――差し詰めサーヴァント用のクエストと言ったところか」

 

言峰は笑みを浮かべながらも、右手を動かす事を止めない。

 

モニターに映る様々なエネミー。

立体ホログラムとして投影される多種多様なダンジョン。

 

そして、最後にモニターに映し出されたのはマフラーやワッペン、剣などのアイテム類であった。

 

「これは?」

「これらは全て、マスター達が使うサポートアイテム―――――私はこれらを礼装と呼んでいる」

 

モニターには、多数のアイテム達が浮かび上がっている。

それも全て同じという訳ではなく、メガネやベルトと言った日常で使うものや、水晶やマントという魔法使いが使いそうなアイテムまである。

 

「これをクエストの報酬にと、わたしは考えているのだが」

 

言峰はそう言うと、ゆっくりとヒースクリフへ向き直った。

ヒースクリフはモニターを眺め、全て確認し終えるとモニターを見つめながら口を開いた。

 

「分かった、君の考えに私も乗ろう。ダンジョンをそれぞれの階層に幾つか設置する。それで構わないかね?」

「話が分かるようで助かる」

 

そう言いながら、言峰は満足そうにうなずく。

その様子にヒースクリフは溜息をつきつつも、再び口を開いた。

 

「話はそれだけかな。私はそろそろ失礼させて頂きたいのだが」

「ああ、それだけだ。忙しい所呼び出してすまなかったね」

 

一言二言だけ交わすと、ヒースクリフは教会を後にした。

 

残された言峰は、画面を見ながら口元に笑みを浮かべ右手を数度動かす。

すると、画面が切り替わりそこには十数人の男女が映る。

 

言峰はそれを見ながら満足そうに笑みを浮かべると、静かに口を開いた。

 

「さあ、存分に足掻いて見せてくれ。私のために」

 

--------------------

 

通達:聖杯戦争参加者へ

 

本日の正午、君達のために新しいクエストを用意した。

 

クエストの内容は各階層に用意したダンジョンの制覇。

 

ダンジョンは複数存在し、君達はこのダンジョンを見つける事から始めなくてはいけない。

 

これらのダンジョンを見つけ出し、クリアしてくれたまえ。

 

なお、このダンジョンはサーヴァントを連れていなければ入る事が出来ない。

 

そこに出てくるモンスター達もサーヴァントでしか倒す事が出来ない。

 

クエストをクリアする事が出来れば、それなりのアイテムを手に入れる事が出来る。

 

このクエストに挑むかは君たちの判断に任せる。

 

今後の聖杯戦争に役立てていきたまえ。

 




本当は10月に入るまでに投稿したかったのですが間に合いませんでした。
次はもう少し早く投稿します。

次回はキリト回です。
遂にセイバーと奴が出会う!?

感想お待ちしています。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。