私がこの世界に来たのは何かの間違いだろうか   作:指向性

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週一ペースで書こうかなと考えてます


サイカイ

side シロ

 

朝起きてからヘスティアちゃんが昨日よりも態度がちょっとよそよそしい。あり大抵に言うのであれば、警戒されているように思われる。寝相が悪かったかな…昨日は久しぶりによく眠れたからそんなはずはないんだけど…。

 

「シロ君、シロ君」

 

「如何したの?」

 

警戒はしているようだけど、お話はしてくれるみたい。ちょっとだけホッとした。どんな用事だろうと考えていた私にはとても良い誘いだった。

 

「シロ君は武器職人って言ってたけど、この世界の武器を見てみたいかい?」

 

私はの元の世界では二流にすらなれない、三流の武器職人だったけど、他の世界の武器を見ないという選択には決してならない。

 

「見てみたいのは山々なのですが、突然なんでその様な提案を…?ベルさんは私達が寝てる間に出てったのだけは見送ったので知ってますが、ヘスティアちゃんは武器でも買いに行きたいんですか?」

 

「えっとね、少し僕の友達の神様に近況報告をしに行こうかな、ってね?後、武器を作ってもらおうとも思ってるんだ。」

 

「そうでしたか…私も未熟な身として他の人の武器が集まる場には少し立ち会ってみたいので、是非ともご同行させて下さい。」

 

ヘスティアちゃんは私の言葉を聞くとうんうんと納得するかの様に私を見ては、早く準備をして行こうと誘ってくれた。でも、彼女が私から目を逸らした時の表情は何処か怯えている様に見えた。

 

side out

 

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side ヘスティア

 

ちょっと彼女を恐すぎているかもしれない。昨日の夜に行われた密会の様なものを思い出すと未だに寒気がする。相手から放たれる一方通行の殺意、血で塗りたくられたかのような真っ赤な瞳、そして……何処か儚さを感じさせる白髪。

 

「ヘスティアちゃん、準備出来ましたよ。」

 

「僕の方も準備が出来たよ、じゃあ行ってみよーっ」

 

「おー!」

 

今の様子だけを見るのであれば彼女は街にいる他の子供達と大差ない様に思える、けど…昨日の彼女を知ってしまった私僕は迷っている。ベル君を救ってくれた命の存在、それは僕達に危害を加えるナニカになってしまうのではないか、と。

 

「ヘスティアちゃん、その武器を売っているところもファミリア、って所なんですか?」

 

「そうだよ、そこのファミリアは【ヘファイトス・ファミリア】と言ってね。他のファミリアがダンジョン探索などで生活を養っているのとは別に、武器を作って商売をする事でこの世界では一番の知名度があるファミリアなんだ。」

 

彼女は僕の回答に先程よりも興味深そうに話を聞いていて、その姿をみた僕は…ベル君の主神として、救ってくれた彼女の味方で居たいと心に誓った。

 

side out

 

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side シロ

 

この世界で武器を作る事においては世界一とまで言わせたファミリア…ヘファイトス・ファミリアの中は簡単に説明すると大きかった。私が今まで見てきた中で一番大きく賑やかな場所だった。沢山の人が出入りし、その肩には自分で作ったものを売りに行くであろう人達。又は他の人と武器の作り方を考察している人達も居た。私は思ってはいけないけど…この世界は平和なんだって、この場所で実感した。

 

ヘスティアちゃんに連れられて来たものの、武器を見る前に僕の友達に会って欲しいと言われて小さな小部屋に私は連れられてきた。

 

「久しぶりヘスティア。元気そうで良かった。所で何か用?私も一応主神として忙しいのだけど。」

 

「久しぶりだね、ヘファイトス!ちょっと近況報告に来たんだ。」

 

二人の間には心地良い友好関係があるのが目に見えた。その風景を見ているだけでも私は少し楽しかった。

 

「…所で先程からそこに立っているのは貴女のファミリアの子?」

 

「初めまして、私の名前はシロ。とある理由でヘスティアさんのファミリアに居候させて貰ってます。」

 

「ははっ、彼女はちょっと違くてね。僕のファミリアの子を助けてくれて、そのお礼として此処の武器でも見せたら喜ぶかなってね。僕も君に会いたかったから丁度連れてきたんだ。」

 

「武器を見たいと言うって事は冒険者?その割には小さいけど……。って、彼女?」

 

「そう、彼女。彼女は女の子だよ?それと、さっきの質問だけど彼女は冒険者じゃない。自称武器職人みたいなんだ。」

 

自称…。まぁ、武器を作ってる姿を見せてないからしょうがないのかも知れない。

 

「ふーん…じゃあ、貴女の作った作品を何でもいいから見せてくれない?」

 

「……作品はありません。今、お見せできるのは私の家族【黒百合】だけです。」

 

ヘファイトスさんから言われるがままに、私はもう一人の私とも言える黒百合と命名した刀を相手に見せた。彼女はこの刀に触れない状態で何処か驚いたように刀を見終われば一言。

 

「この刀は魔剣に似ている。」

 

「魔剣……?」

 

「魔剣を知らないの?魔剣というのは魔法を放出する剣。そして、それとの剣は数回使えば確実に壊れてしまう諸刃の剣なの。でも、貴女のこの刀は…何処か…そう…これに似ている。」

 

ヘファイトスさんは自分の机を探ってきて、私の目の前に差し出されたのは思いがけない物だった。それは小さなナイフ。刃は未だに光を反射させているものの、その刃の全体にはヒビが入っていた。そして、そのナイフの一番の特徴とも言えるのはナイフの掴む部分に桜が彫られている点。

 

「……っ…芽吹…。」

 

「このナイフを知っているの?何処か他のナイフとは違うから保管していたの。」

 

「私の…家族です。」

 

私はいつの間にか霞んでいた視界のまま、静かにそのナイフの刃を撫でるようにするとパキリと音がして粉々に割れた。

 

side out

 

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side ヘファイトス

 

彼女が作ったという刀を見たときに私は妙な悪寒に襲われた。それは、直接殺意をぶつけられたかのような感覚で一瞬触れようとした瞬間に、肉塊になった私を瞬時に想像できた。

 

彼女の作った刀には何か魔剣と似通ったような物を感じた。魔剣に妖精から与えられた魔法が練りこまれているように、あの刀にも何かが入っている気がした。

 

そして、最近ダンジョン内に落ちていたとされるナイフと似ていると感じて彼女に見せた瞬間。彼女の表情は笑い、歪み、泣き、そして、無表情になっていた。

 

彼女が言うには芽吹という名前のナイフだそうだけど、そのナイフにはやはり魔剣と同じような何かがある。そう踏んでいたのだけど、彼女が触れた瞬間に呆気なく壊れてしまったので解明はもう出来ないだろう。

 

その光景を見ていた彼女には納得がいったのか、別れの挨拶だけをして早々に部屋から出て行ってしまった。その後ろを追いかけるようにヘスティアも出て行ったしまったけれど、これは…。

 

「彼女を少し観察してみるのもいいかも知れない。」

 

私はその一日、彼女の事を全く知らないというようにまるで…恋をした乙女の様に彼女について考えに耽っていた。

 

 

 




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