東方海戦異変   作:十文字9418

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霊夢「ずいぶん長くなったわね」

作者「前後編合わせると七千文字越え…いつも平均二千文字にしてみれば、大長編だよ」

咲夜「毎回長くしてもいいんじゃない?」

作者「…時間が…無いんだよ…」

咲夜「貴方なら二十四時間寝なくても大丈夫でしょ?」

作者「それ違う人だから!」


第十六話 VSflagshipレ級(後編)

提督「…う……。…っ…!」

 

―ここは…? 私…どうなったの…?

 

全身を打ち付けたため、提督の意識ははっきりとしていなかった。

 

しかし、そんな状況のなかで誰かの声が聞こえた。

 

「て……! ……りし…ろ! …提督!!!」

 

提督「…天……龍…?」

 

天龍「提督!? ったく! 心配かけんなよ…!」

 

提督「あれ…? 私…生きて…」

 

「気がついたか…よかった。人を守れなかったなんて事、慧音に言えないからな…」

 

提督の前には見知らぬ女性が立っていた。

 

赤いもんぺにところどころ血で染まった白シャツ、地面につきそうなほど長い白髪…。

 

提督「…貴女は?」

 

妹紅「私は妹紅。藤原妹紅だ」

 

天龍「レ級の砲撃が当たる瞬間、この人が割り込んで防いでくれたんだ」

 

提督「レ級の砲撃を!? 大丈夫なんですか!?」

 

妹紅「平気さ、このくらい。…さて、この辺も大体片付いたし、私も加勢しに行ってくるよ」

 

そう言うと妹紅は前線の方に飛んで行った。

 

 

 

その頃、最前線では…

 

魔理沙「榛名! 落ち着くんだぜ!」

 

榛名(小破)「離してください! あいつだけは! 許せません!!」

 

ビスマルク(小破)「待ちなさい、金剛! 今行ったらあいつの思うつぼよ!」

 

金剛(中破)「Don't stop me! …ヨクモ…提督を…!!」

 

flagshipレ級(中破)「(ソウソウ…ソレダヨ…! 私ガ求メテタ必死サ…!!)」

 

そこでレ級は思いっきり笑って言った。

 

flagshipレ級(中破)「アハハハハ!!! 死ンダ! 死ンダ! アハハハハハハ!!!」

 

金剛・榛名「…っ!!」ギリリ…

 

flagshipレ級(中破)「アレアレ? ドウシタノ? モシカシテ、怒ッテルノ? …アンナ…『ゴミ』ノタメニ…?」クスクス…

 

―限界だった。

 

心から信頼し、好いていた提督を殺され、その上『ゴミ』呼ばわりされた事に二人の理性は崩壊した。

 

今、二人にあるのは…レ級に対する殺意のみだった。

 

魔理沙「…榛名…?」

 

ビスマルク(小破)「金…剛……?」

 

金剛・榛名「…殺す…! …コロシテヤル!!!」

 

もはや、二人に声は届いていない。二人は怒りに身を任せ、レ級に突進した。

 

比叡(中破)「お姉様! 榛名!」

 

魔理沙「早く止めないと…!」

 

ビスマルク(小破)「無理よ! あの二人に追いつくなんて…!」

 

 

そうこうしてるうちに、金剛と榛名は主砲を構えた。二人は刺し違えてでもレ級を殺すつもりでいた。

 

レ級もそれに対抗し主砲を構えた。その顔は嬉々としてまるで遊園地のアトラクションを目の前にした子供のようだった。

 

そして、三人が砲撃を開始しようとした…その時!

 

 

 

 

 

「蓬莱『凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-』!」

 

 

 

 

 

三人の間に巨大な水柱が上がり、金剛達をレ級から引きはがした。

 

榛名(小破)「!?」

 

金剛(中破)「What!?」

 

魔理沙「! この技!」

 

flagshipレ級(中破)「…」

 

妹紅「やれやれ…手間のかかる奴らだ」

 

水柱の影から妹紅が姿を現した。

 

魔理沙「やっぱり妹紅か! どうしてここが?」

 

妹紅「久しぶりだな、魔理沙。どうしてって…そりゃ、あんな砲撃音とマスパを見たら嫌でもわかるさ」

 

霧島(大破)「…魔理沙さん、こちらは一体…?」

 

魔理沙「ああ、霧島達は知らなかったか…藤原妹紅。幻想郷でもかなりの実力者だぜ」

 

榛名(小破)「…邪魔をしないでください。もう少しで、あいつを殺せるところだったのに…!」

 

妹紅「…殺す? 殺されるの間違いだろ? さしずめ、適当な口車に載せられて逆上してろくに考えもせず突っ込んだってとこか…」

 

金剛(中破)「…」ギリッ…

 

妹紅「そんな安い考えしかできないなら、今すぐここから下がれ。迷惑だ」

 

魔理沙「妹紅! そんな言い方…」

 

妹紅「軽率な行動は死を招く。今だって私が止めなければ、二人ともお陀仏だぞ」

 

榛名(小破)「そんなの覚悟の上です! 例え私が死ぬ事になったとしてもあいつを…!?」

 

その瞬間、妹紅の雰囲気が明らかに変わった。

 

その威圧に榛名は次の言葉を続ける事ができなかった。

 

妹紅「…軽々しく…死ぬ覚悟があるなんて口にするな…! 私はな…命を大切にしないやつが大嫌いなんだ!!!」

 

榛名(小破)「…っ! 貴女にわかるんですか!? 大切な人に先立たれる、この辛さが!!」

 

妹紅「…そんなの…!」

 

その時、ドォンという音と共に水柱が吹き飛ばされる。

 

妹紅「…チッ…。魔理沙、二人を頼む。頭を冷やしてやれ。その間は私がなんとかする」

 

魔理沙「わ、わかったぜ」

 

レ級と向き合う瞬間、妹紅は榛名を一瞥し呟いた。

 

妹紅「少なくともその提督って人は、仲間の死なんて望まないと思うぞ」

 

榛名(小破)「…知ったような口を…」

 

妹紅「どうだかね…」

 

妹紅はそれ以上何も言わず、レ級との戦闘を開始した。

 

 

 

ビスマルク(小破)「…金剛」

 

金剛(中破)「わかってマス…デモ…」

 

榛名(小破)「…」

 

魔理沙「(頭ではわかってるんだろうけどな…)」

 

その時、全員の通信機からザザッとノイズが走った。

 

金剛(中破)「? 通信…誰カラ…?」

 

提督『…ごう……金剛! 聞こえる!?』

 

金剛(中破)「…テイ…ト…ク…?」

 

榛名(小破)「提督!? 無事なんですか!?」

 

提督『ええ、大丈夫よ。でも私の通信機が壊れちゃってね…。今、加賀が戻ってきてくれたから加賀のを貸してもらってるんだけど…』

 

ビスマルク(小破)「しかし…よく無事だったわね」

 

提督『妹紅さんのおかげよ。彼女がレ級の砲撃を止めてくれたの…』

 

魔理沙「やっぱりか…。人助けは妹紅の性分だからな」

 

そんな会話を聞きながら、金剛と榛名はいままでの状況を振り返っていた。

 

―私は…何をしてたんだろう…。

 

勝手に提督が死んだと思い込んで、ちゃんと状況を確認しないままレ級に突っ込んでた…。

 

妹紅の言ってた通り…簡単に命を捨てようとしていた。

 

そんな自分が、とても情けなく思えた。

 

 

提督『みんな、まだ戦える?』

 

魔理沙「…大半は大丈夫だろうけど、霧島が…」

 

霧島(大破)「大丈夫です…。ここまで来て引くわけにはいきません」

 

提督『無理はしないように。無理して沈んだなんて絶対に許さないから…全員、無事に戻ってきて…』

 

金剛(中破)「…了解デース!!」

 

―今度はこっちが助ける番だ。

 

 

 

妹紅VSレ級の戦いは熾烈を極めていた。

 

両者とも接近戦・遠距離戦共に長けており、今も激しくぶつかりあっている。

 

妹紅「くそ…相変わらず堅えな…」

 

flagshipレ級(中破)「マタ…邪魔シタ…」

 

妹紅「あ?」

 

flagshipレ級(中破)「マタ! 邪魔シタ!! イツモイツモ楽シクナルトコロデ邪魔スル!!」

 

レ級は苛立ち、憎悪に満ちた目で妹紅を睨んだ。

 

妹紅「…邪魔するさ。私は命を大切にしないやつも嫌いだが…人の命を面白半分で奪うやつがこの世で一番嫌いなんだよ!!!」

 

flagshipレ級(中破)「…ダマレ……ダマレェ!!!」

 

レ級は艦載機を六機発艦した。艦載機はものすごい勢いで妹紅に向かって行く。

 

妹紅「不死『徐福時空』!」

 

妹紅もスペルカードで応戦し、三機を撃墜する。

 

が、残る三機は妹紅を翻弄し徐々に妹紅を水面まで追い詰める。

 

妹紅「この………ぐぁっ!?」ドォン!

 

艦載機に気を取られ、妹紅は水中からの雷撃をモロにくらってしまった。

 

さらに艦載機が無数の銃弾を妹紅に浴びせる。

 

妹紅「ぐああぁぁっ!!!」

 

その間にレ級は主砲を構え、照準を定める。

 

flagshipレ級(中破)「コレデ終ワリ…ダッ!?」ドォン!

 

主砲を放つ瞬間、横から砲撃を受け主砲が妹紅から大きく離れたところに着弾した。

 

魔理沙「妹紅! 大丈夫か!?」

 

妹紅「なんとかな…。…どうやら、頭は冷えたみたいだな」

 

金剛(中破)「…Sorry、妹紅…。貴女がいなカッタら…今頃…」

 

妹紅「…こっちこそ、さっきは流石に言い過ぎた。…ごめん」

 

金剛が手を差し出すと、妹紅はその手を掴み立ち上がる。

 

flagshipレ級(中破)「…ナンデ…ナンデ!? ナンデミンナ私ノ邪魔ヲスルノ!?」

 

レ級は駄々を捏ねる子供のように地団駄を踏み、キッと金剛達を睨みつける。

 

flagshipレ級(中破)「…死ンデヨ…! 死ンデ私ヲ少シデモ楽シマセテヨ!!!」

 

レ級は残った艦載機をすべて発艦した。

 

魔理沙「!? あいつ! まだあんなに艦載機を!?」

 

金剛(中破)「全員、三式弾に切り替えてクダサ…」

 

妹紅「いや、切り替えなくていい…。私が引き受けよう」

 

榛名(小破)「!? 無茶です! そんな…」

 

妹紅「『リザレクション』」

 

榛名(小破)「体で…って、え!?」

 

さっきまでボロボロだった妹紅の体が一瞬で無傷の体に戻った。

 

比叡(中破)「ヒエェ! 傷が消えた!?」

 

霧島(大破)「…一体どうなって…」

 

妹紅「話は後だ。…一気にいくぞ! 『フェニックス再誕』!!!」

 

妹紅から無数の火の鳥が放たれ、次々にレ級の艦載機を飲み込んでいく。

 

flagshipレ級(中破)「…! ソンナ…全機ロスト…シタ…?」

 

予想外の出来事にレ級の思考が停止する。その隙を金剛達は見逃さなかった。

 

金剛(中破)「いくヨ、みんな! 全砲門、Fire!!」

 

二度目の集中砲火にレ級は大破したが、まだ沈むまでには至らなかった。

 

flagshipレ級(大破)「…マダ……マダ…終ワリジャ…」

 

魔理沙「いや、終わりだぜ」

 

魔理沙はレ級の体に八卦路を押し当て、残った魔力を全て注ぎ込んだ。

 

魔理沙「吹っ飛べ! 『ファイナルマスタースパーク』!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイナルマスタースパークの魔力放出が終わった後、そこにレ級の姿はなかった。

 

魔理沙「…やった…のか…?」

 

妹紅「…いや、あそこ…」

 

妹紅が指さす先には、確かにレ級の姿があった。レ級は敵意のある目を金剛達に向けた後、海の中に姿を消した。

 

妹紅「…追いかけるか?」

 

金剛(中破)「…Noデスね。レ級は退けマシたし、帰航命令も入ってマス」

 

妹紅「まあ、次出てきたら倒せばいい話か」

 

魔理沙「…そうだな。妹紅がいるなら安心…」フラ…

 

ビスマルク(小破)「魔理沙? 大丈夫?」

 

妹紅「あ〜…こりゃ魔力の使いすぎだな。最後にファイナルマスタースパークなんてぶっかますから…」

 

魔理沙「…言わないで欲しいぜ…」

 

妹紅「しょうがないな。私が背負って行くから、先導を頼むよ」

 

金剛(中破)「OK! Follow me! ついて来てクダサイネ!」




妹紅の人物紹介、及びスペルカード説明です


〇藤原妹紅
能力:『老いる事も死ぬ事もない程度の能力』

・迷いの竹林に暮らす蓬莱人
・困っている人は放っておかない性分
・長い間人との関わりを絶っていたので、言動がかなりストレートな節がある


〇使用スペルカード
・蓬莱『凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-』
妹紅の代表的なスペルカード
火山噴火のごとき巨大な炎を叩きつける(今回は水面に叩きつけたため、水柱で表現)

・不死『徐福時空』
自分の周りからレーザーのような弾幕を直線に放つ

・『フェニックス再誕』
火の鳥型の弾幕を連続して放つ、強力なスペルカード

・『リザレクション』
スペルカードなしで発動する技
全ての傷を回復する(死んでいても生き返る)



妹紅さんがチートに思えますが、ただ死なないだけで疲れは溜まる設定にしており、戦闘不能にはなります(気絶的な感じかな?)

それでは、第十七話をお楽しみに…
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