東方海戦異変   作:十文字9418

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作者「夏といえば! そう、夏祭りだ〜!!

というわけで、今回は舞浜鎮守府の夏祭りの模様をお届け致します!
浴衣回だよ! やったね、みんな!(まあ、画像はありませんが…)

それともう一つ、今回非常に長いです(九千文字超えましたw)
なので、時間がある時にちょっとずつ読んでいただければと思います」

※ニヤニヤしたら負け


第十七.五話 夏祭り

夏のよく晴れたある日、大きなあくびをしながら魔理沙は鎮守府の廊下をぶらぶらと歩いていた。

 

魔理沙「ふあぁ…。…流石に寝すぎたな…もう昼過ぎじゃないか…」

 

その時、曲がり角からアリスが姿を現した。

しかし魔理沙はそれを見てすぐにアリスだとは気がつかなかった。

なぜなら、アリスはいつもの服ではなく…浴衣を着ていたからだ。

 

アリス「あっ、魔理沙。おはよう…といっても、もう昼過ぎだけど…」

 

魔理沙「アリス!? その浴衣どうしたんだぜ!?」

 

驚きの声をあげる魔理沙にアリスはクスクスと笑いながら説明を始めた。

 

アリス「そっか、魔理沙は朝礼の時にいなかったから知らないのね。…今日、市営公園で夏祭りがあるのよ。それで用意してもらった浴衣を鳳翔さんに着付けてもらったというわけ」

 

魔理沙「えぇ!? そ、そんな重要な事、どうして教えてくれなかったんだ!?」

 

アリス「教えるも何も…魔理沙、貴女ずっと寝てたじゃない。何度も起こそうとしたのに、ぐっすりと」

 

魔理沙「でも、このことを教えてくれていれば、すぐ飛び起きたぜ! …全く…アリスのせいで出遅れたぜ…」

 

恨めしげな視線を送ってくる魔理沙に少しイラッとしたアリスは意地悪そうな笑みを浮かべた。

 

アリス「そんな事言うんだ…へぇ〜…せっかく、魔理沙と一緒に夏祭りを楽しもうかな〜って思ってたのに…」

 

魔理沙「…え?」

 

アリス「でも、やーめた。…他に誰かいなかったかな〜…」

 

そう言いながらアリスは魔理沙に背を向け、スタスタと歩き出した。

魔理沙は慌ててその背中を追いかけた。

 

魔理沙「ま、待ってくれ、アリス! 今のは謝るからぁ…!」

 

アリス「しーらない!」

 

必死に許しを乞う魔理沙をアリスはツンとした態度ではねつけた。

 

その時、二人の後ろから声が響いた。

 

「アリスさーん!」

 

アリスが振り返ると、可愛らしい浴衣を着た ろー がこちらに小走りして来ていた。

 

アリス「あっ、ろーちゃん! 浴衣の着付け、終わったのね?」

 

ろー「はい! …その…どうですか…?」

 

ろー は少し頬を赤らめながら、おずおずとアリスに自分の浴衣姿について訊いてみた。

 

アリス「とっても可愛いし、よくにあってると思うよ!」

 

ろー「…えへへ…。Dankeです…! …その…アリスさんも、とってもよくにあってますって!」

 

アリス「そう? ありがと、ろーちゃん」

 

魔理沙「おーい、アリス? まだ話は終わってないぜ〜?」

 

なんとか話を戻そうとする魔理沙にアリスはまた意地悪そうな笑みを見せた。

 

アリス「え〜? 何の事? …そうだ、ろーちゃん! 夏祭りのお店とか、一緒に見て回らない?」

 

ろー「え!? いいんですか!? う、嬉しいですって! はい!」

 

魔理沙「!? おい、アリス!?」

 

まだ何か言おうとする魔理沙にアリスはにっこり笑って言った。

 

アリス「というわけで、私はろーちゃんと一緒に回るから! それじゃあね♪」

 

それだけ言い残すと、アリスは ろー と一緒に行ってしまった。

それを呆然と見送った魔理沙は二人の姿が見えなくなった後、大声で叫んだ。

 

 

魔理沙「アリスのバカ〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

 

 

それから時は過ぎて、もうすぐ夏祭りが始まる時間帯。

鎮守府にいる全ての人が大講堂に集められ、提督から連絡や諸注意が通達されていた。

 

提督「…連日言われてる通り、夜でも熱中症が流行ってるから十分注意する事! それから、軍資金はさっき渡したとおり、それ以上は自腹で。最後に、人様に迷惑をかけないようにすること! …私からは以上だけど、何か質問は?」

 

提督がそう訊くと、何人か手を挙げた。

 

提督「えっと…じゃあ、まず赤城」

 

赤城「はい! すばり言います、軍資金がこれだけじゃ全然足りません! もっと軍資金の供給をようきゅ…」

 

提督「却下。…はい、次は…」

 

赤城「…」

 

要求を一秒で却下させられた赤城を加賀と幽々子が慰めた。

 

加賀「ドンマイです、赤城さん」

 

幽々子「きっとまたチャンスがあるわよ〜」

 

そんな赤城を放っておいて、提督は次の人を指名した。

 

提督「じゃあ、金剛。何かしら?」

 

金剛「ハーイ! 一つQuestionネ! 提督は一緒に見て回らないんデスか?」

 

提督「ああ、その事ね。運営の方の仕事が少なければ、多少は回れるだろうけど…可能性は低いと思っておいて」

 

金剛「Oh…残念デース…」

 

提督「後、質問ある人はいる?」

 

隼鷹「はーい!」

 

提督「お酒が飲めるとこはないわよ」

 

その瞬間、隼鷹が盛大にずっこけた事は言うまでもない。

 

 

 

 

 

〜市営公園〜

 

市営公園では様々な露店が出店し、既に多くの人で賑わっていた。

 

提督「じゃあ、ここで解散! 帰りはそれぞれでいいけど、あまり遅くならないようにね」

 

提督はそう言うと雑踏の中に消えていった。

 

 

 

自由行動が始まってすぐ、比叡は金剛の元に向かった。

 

比叡「お姉様〜! 一緒に回りませんか?」

 

榛名「榛名達も御一緒していいでしょうか?」

 

金剛「Oh yes! たまにはSistersとのLoveを深めないとネ!!」

 

金剛達四姉妹が笑いあっていると、ビスマルクとプリンツの二人が近づいてきた。

 

ビスマルク「私達もついて行っていいかしら?」

 

プリンツ「オマツーリは初めてなので…」

 

金剛「もちろんOKデース!」

 

霧島「あっ、皆さん、あそこにかき氷の屋台がありますよ! 早速行ってみましょう!」

 

 

 

一方、こちらでは…

 

雷「もこたん! 一緒に行きましょう!」

 

イムヤ「もこた〜ん! こっちこっち!」

 

島風「もこたん、おっそ〜い!!」

 

妹紅「こらこら、引っ張るんじゃない。それに、もこたん言うなっていつも言ってるだろうが…」

 

妹紅が暁型の四人と島風、潜水艦の二人に引っ張られていた。

 

その後ろから、天龍と木曾の二人が陽炎型・睦月型の六人を連れてそれに続いた。

 

天龍「しっかし、ここに来てまだ間もないってのに…随分と好かれてるもんだな、妹紅は」

 

黒潮「お? 天龍はん、もしかして妬いとるんでっか?」

 

天龍「んなわけねーだろ。からかうなよ…」

 

 

木曾「皐月達はあっちに混ざらなくてよかったのか?」

 

皐月「前のとこではこういうお祭りになんて連れてってもらえなかったから…色々見ておきたいんだ」

 

長月「それに、見ているだけでもなかなか面白いぞ」

 

菊月「心が躍るな…」

 

楽しそうに屋台を見ている皐月達を見て木曾も自然と笑顔になった。

 

 

 

夕立「椛ちゃ〜ん! 一緒に見て回るっぽい!」

 

そう言いながら、夕立は椛の背中に抱きついた。

 

椛「ほわ!? 夕立さん!?」

 

時雨「夕立、いきなり抱きついちゃダメだよ。椛さんが困ってるでしょ」

 

椛の慌てる様子をちょっとだけ面白いと思いつつ、時雨は夕立を窘めた。

 

夕立「お祭りなんだから別にいいでしょ〜? 椛ちゃん、一緒に行こうよ〜」

 

時雨「全くもう…。ごめんね、椛さん。一緒に回ってもらえないかな?」

 

椛「いいですよ。…文さんも青葉さんとどこかに行ってしまいましたし…」

 

時雨「え? あの二人、こんな時も一緒なのかい?」

 

椛「ええ。…流石に写真は撮ってないと思いますが…」

 

 

 

文・青葉「…ヘックシュン」

 

文と青葉は同時にくしゃみをし、顔を見合わせた。

 

文「…どうやら、誰かが私達の噂話をしているようですね」

 

青葉「こんな時でも写真撮ってるなんて言ってるんでしょうか…。もしそうだったら、本当に失礼な人ですね」

 

いつも新聞作りのために飛び回っている二人も、今日は純粋にお祭りを楽しんでいる。

 

文「まあ、もしもの時のために!」

 

青葉「カメラは持って来てるんですけどね〜!」

 

…とは、限らないようだ。

 

 

 

鈴仙「妖夢、一緒に見に行かない?」

 

妖夢「ごめん、鈴仙! 提督さんから幽々子様達の事頼まれてて…」

 

幽々子「妖夢〜! 早く早く〜!!」

 

赤城「まずは、焼きそばでしょうか…たこ焼きも捨てがたいですね…」

 

加賀「お好み焼きは譲れません…」

 

妖夢「ちょっと待ってくださいよ、幽々子様〜!! 」

 

露店に一直線に向かって行く三人を妖夢は大急ぎで追いかけた。

 

 

 

瑞鳳「瑞鶴、加賀さん行っちゃったよ〜? 追いかけなくていいの〜?」

 

露店の方に向かう加賀達を見て、瑞鳳はニヤニヤしながら瑞鶴に尋ねた。

 

瑞鶴「なっ何言ってんのよ、瑞鳳! わ、私は別に加賀さんの事なんて…」

 

瑞鳳「またまた…嘘ばっかり。養成所にいた時からずっと…」

 

瑞鶴「ちょっ!! 余計なこと言うな〜!!!」///

 

翔鶴「ほら、二人とも〜。於いてっちゃうよ〜?」

 

 

 

鈴仙「あはは…妖夢は大変そうだな〜…」

 

そうつぶやく鈴仙に川内が声をかけた。

 

川内「おっ、鈴仙! もしかして一人?」

 

鈴仙「…まあね、一緒に行っていい?」

 

川内「もちろん! よ〜し、久々の夜戦だ〜!」

 

鈴仙「川内、夜戦ではないと思うよ…?」

 

鈴仙は川内型三姉妹と雲龍姉妹のグループについて行った。

 

 

 

アリス「それじゃ、ろーちゃん。行ってみよっか!」

 

ろー「はい! よろしくお願いします!」

 

アリス「…それにしても人が多いね。ろーちゃん、はぐれないように私の手をしっかり握ってて」

 

そう言うと、アリスは ろー に手を差し出した。

 

ろー「ふぇ!? …は…はい…」///

 

赤くなった顔を隠しながら、ろー は恐る恐るアリスの手を握った。

 

 

その様子を魔理沙は屋台の影からじっと見つめていた。

 

魔理沙「(…昼間あんな事言わなきゃ…今頃…)」

 

魔理沙がそう思っていると、その背中を誰かがトントンは叩いた。

振り返ると満面の笑みを浮かべた鈴谷と呆れ顔の熊野が立っていた。

 

鈴谷「魔理沙〜、こんなとこで何してんの〜?」

 

魔理沙「鈴谷!? べ、別になんでもないぜ!」

 

慌てた様子の魔理沙を於いておいて、鈴谷も屋台の影から覗き込んだ。

 

鈴谷「はは〜ん…。なるほどなるほど、アリスにふられちゃったのか〜」

 

魔理沙「うぐっ!」

 

図星を突かれ、何も言い返せない魔理沙に鈴谷は軽い口調で言った。

 

鈴谷「まあ、今日くらいはろーちゃんに譲ってあげなよ。その代わり、今日は私達が付き合うからさ〜…いいよね? 熊野」

 

熊野「はぁ…世話が焼けますわ…」

 

鈴谷「よ〜し! じゃ、早速行ってみよ〜!!」

 

 

 

 

 

金剛達戦艦組は、それぞれのかき氷を楽しんでいた。

 

ビスマルク「これがカキゴーリね…。って金剛、その青い液体は何なの!?」

 

金剛「ブルーハワイデース! とってもDeliciousネ!」

 

プリンツ「…! いちご味、美味しい…」

 

比叡「そうですよね! やっぱり、いちご味ですよね!」

 

榛名「榛名はメロン味の方が好きです」

 

霧島「え? そこは砂糖水じゃないの?」

 

全員「それはない!」

 

霧島「美味しいのに…」

 

 

 

天龍「おっ! 射的があるじゃねえか!」

 

天龍達は射的の屋台に足を止めた。

 

天龍「やっぱ、お祭りっていえばこれだよな〜」

 

電「て、天龍さん! 電、あのぬいぐるみが欲しいのです!」

 

電が指差す先には、可愛らしい猫のぬいぐるみが置いてあった。

 

天龍「あれだな。…よし、任せとけ!」

 

天龍は空気銃を手に取り、ぬいぐるみに狙いを定めて引き金を引いた。

天龍の放った弾は正確にぬいぐるみを捉えたが、ぬいぐるみは少しぐらついただけだった。

 

天龍「くっ…まだまだ! 後四発残ってる!」

 

パンパンパン!!

 

今度は連続で撃ってみたが、やはりぐらつくだけでぬいぐるみは落ちなかった。

 

店主「毎度あり〜」

 

天龍「ち、ちっくしょ〜…」

 

電「…残念なのです」

 

妹紅「ドンマイ。惜しかったな」

 

妹紅はねぎらいの言葉をかけたつもりだったが、その言葉が天龍のプライドを刺激した。

 

天龍「ほう? なら妹紅、お前もやってみろよ。結構難しいぜ、これ」

 

妹紅「はあ? なんで私が…」

 

妹紅が言い返そうとした時、電が妹紅の浴衣の袖を掴んだ。

 

妹紅「んあ? 電?」

 

電「…妹紅さん…。電、あのぬいぐるみとって欲しいのです…」

 

妹紅の方が背が高いのを利用して自然となる上目遣いに加え、目を潤ませて頼み込む電。

はっきり言って、その仕草は反則級である。

 

妹紅「わ、わかった。わかったからそんな目で私を見ないでくれ…!」

 

電「本当ですか!? 電、とっても嬉しいのです!」

 

暁・雷「(電…恐ろしい子…!)」

 

響「(хорошо…)」

 

妹紅「ったく、しょうがないな…。…あの猫か?」

 

空気銃を構えながら、妹紅は電に尋ねた。

 

電「はい。お願いします」

 

妹紅は照準を合わせ、空気銃の引き金を引いた。

 

パン…………コテン

 

弾は見事にぬいぐるみの頭に当たり、バランスを失ったぬいぐるみは後ろに転げ落ちた。

 

天龍「んな!?」

 

店主「おおっ! 一発とはやるねぇ〜。ほれ、おめでとさん!」

 

渡されたぬいぐるみを電はギュッと抱きしめた。

 

電「わぁ…可愛いのです! 妹紅さん、ありがとうなのです!」

 

雷「もこたん! 次はあれとってよ〜」

 

ゴーヤ「あっ、ずるいでち! もこたん、あれを狙ってくだちい!」

 

島風「もこたん〜、私もあれ欲しい〜!」

 

妹紅「順番だ、順番! 後、もこたんゆーな!!」

 

 

既に空気となってしまった天龍に黒潮がハンカチを差し出した。

 

黒潮「ほれ、天龍はん。これで涙拭きなはれ」

 

天龍「泣いてねーよ! …んな事より、木曾のやつはどこに行きやがった? さっきから姿が見えねえけど…」

 

黒潮「木曾はんなら、あそこで姉さん達と金魚すくいしとるよ」

 

天龍「…またかよ」

 

天龍は呆れ気味に言いながら、金魚すくいの屋台に向かった。

 

 

天龍「おい、木曾! お前また金魚すくいやってんのかよ…」

 

木曾「ん? おお、天龍。やっぱ、祭りに来たらこれは外せねえだろ」

 

天龍と話をしながら、木曾はまた一匹金魚をすくい、お椀に入れた。

 

皐月「それにしても、木曾さんって金魚すくい上手だね!」

 

菊月「もう二十匹以上すくっているのに、まだ破れないとは…」

 

陽炎「どうやったらそんなに上手くいくのかしらね?」

 

不知火「是非、御指導御鞭撻をお願いしたいものです」

 

木曾が金魚をすくっていく様子を見てはしゃぐ駆逐艦達に対して、天龍は呆れた様子であった。

 

天龍「木曾、もうそれくらいにしてくれ…。これ以上、金魚増やしてどうすんだよ…」

 

天龍が呆れ気味に言うのも無理はない。

木曾は祭りの度に金魚すくいをするため、天龍達の部屋では既に大量の金魚が飼われているのだ。

 

木曾「…それもそうだな。今日はこれくらいにしておこう」

 

十分とはいかないものの、満足した木曾はポイを店主に返し、金魚を受け取った。

 

 

 

時雨「はい、綿あめお待ち遠様!」

 

時雨は買ってきたばかりの綿あめを差し出した。

 

椛「ありがとうございます、時雨さん」

 

夕立「わぁ〜美味しそう! いただきま〜す!」

 

椛が時雨から綿あめを受け取った瞬間、夕立は時雨が持っていた綿あめに食いついた。

 

時雨「ちょっ、夕立! ちゃんと持って食べなよ…」

 

夕立「♪〜」ポムシャポムシャ…

 

時雨の注意に耳を貸さず、夕立は幸せそうに綿あめを頬張っている。

 

時雨「全くもう…。これじゃ食べにくくてしょうがないじゃないか…」

 

椛「ふふっ…。その割にはまんざらでもなさそうですが?」

 

椛は微笑ましい姉妹の様子を見て笑いながら言った。時雨もそれにつられて笑った。

 

時雨「あはは、まあね。…僕たちもいただこうか」

 

椛「そうですね、いただきましょう…」

 

 

 

赤城「すいません、焼きとうもろこし十本ください!」

 

加賀「フランクフルト、十本お願いします」

 

幽々子「あら〜、美味しそうな焼き鳥ね。う〜んと…じゃあ、二十本お願いね♪」

 

妖夢「(提督さん、ごめんなさい! この人達止まる気配がありません!!)」

 

三人を追いかけつつ、妖夢は心の中で提督に謝った。

 

 

 

飛鷹「隼鷹、何飲んでるの?」

 

隼鷹「ん? ラムネだよ。さっき鳳翔さんが買ってきてくれたんだ〜」

 

鳳翔「まあ、お酒の代わりということで…。飛鷹さんも飲みますか?」

 

飛鷹「あっ、じゃあいただきます」

 

翔鶴「私もいただいていいでしょうか?」

 

鳳翔「はい、どうぞ」

 

飛鷹と翔鶴はラムネを受け取り飲み始めた時、瑞鶴と瑞鳳の二人が人数分のチョコバナナを持って戻ってきた。

 

瑞鳳「みんな〜! チョコバナナ買ってきたよ!」

 

隼鷹「おっ! 人数分買ってきてくれたのか。気が利くね〜」

 

すると、瑞鳳は首を横に振った。

 

瑞鳳「買ったのは一本だけだよ」

 

飛鷹「え? じゃあ、残りの五本は?」

 

瑞鶴「そこの店、ルーレットを回して出た数字分追加でもらえる方式だったんだけど…私が回したら最大数の五が出て…」

 

翔鶴「…流石は幸運の空母ね」

 

 

 

鈴仙「…あのさ、那珂? 一つ訊いていい?」

 

那珂「ん? な〜に?」

 

鈴仙「なんでこんなに暗いのにサングラスしてるの?」

 

那珂「那珂ちゃんは〜みんなのアイドルだから〜これつけないと大騒ぎになっちゃうよ〜?」

 

鈴仙「あっ、そうなんだ…。ってあれ? みんなは?」

 

天城「鈴仙さん、こっちです!」

 

鈴仙が呼ばれた方を見ると、とある屋台に川内達が集まっていた。

鈴仙と那加が駆け寄ってみると、川内、神通、雲龍の三人がヨーヨーつりをしていた。

 

雲龍「もうちょっと……あっ」

 

川内「ちょっと浸かっちゃったかな…あ〜、やっぱりか…」

 

雲龍・川内、記録0個

 

店主「ありがとさん、参加賞に一つ…はいらなそうだね…」

 

神通「あの…よかったら、お一つどうぞ…」

 

神通、記録6個

 

川内「おおー! さっすが神通! こういう繊細な作業は得意だね〜」

 

神通「そっ、それほどでも…」

 

鈴仙「それじゃ遠慮なく一個もらうね。ありがとう、神通」

 

神通「…ほ、火照ってきてしまいました…」///

 

 

 

鈴谷「魔理沙! 熊野! 見て見て〜!!」

 

鈴谷の呼ぶ声に魔理沙と熊野は振り返り…思いっきり笑った。

 

魔理沙「ぶははは!! 鈴谷、なんだよそのお面!」

 

鈴谷はゾンビ風のお面をつけ、いかにもゾンビがしていそうなよろよろ歩きでこちらに向かってきていた。

 

鈴谷「へっへっへ…。どぉ? 面白かった?」

 

熊野「しゅ…趣味悪いですわ…鈴谷。一体どこで買ってきたんですの?」

 

鈴谷「ん〜? 向こうのお面屋さんだよ。あっ、そうだ! 熊野に良さそうなのがあったから買ってきたんだ〜」

 

魔理沙「おっ!どんなのだ?」

 

熊野「(…嫌な予感しかしないですわ…)」

 

鈴谷「あったあった! これだよ!」

 

そうして鈴谷が熊野に差し出したのは…

 

 

とてもリアルな熊のお面だった。

 

魔理沙「ぶっ…! す、鈴谷…ww…これって…w」

 

鈴谷「そう! 熊野に熊のお面のプレゼントでーす! 熊野、早速つけてみてよ〜」

 

熊野「………い…」

 

鈴谷「ん?」

 

熊野「いい加減にしろですわ〜〜〜!!!」

 

 

 

アリス「ろーちゃん、お待たせ。はい、りんご飴」

 

ろー「わぁ…アリスさん、Dankeですって!」

 

ろー はアリスからりんご飴を受け取り、少し舐めてみた。

 

ろー「! りんご飴、とっても美味しいですって!」

 

アリス「ふふっ…よかった。…じゃあ、もうちょっと見に行こっか」

 

アリスがそう言うと ろー は頷き、りんご飴を持っていない方の手でアリスの手を握った。

するとアリスも ろー の手を優しく握り返した。

 

ろー「(アリスさんの手…暖いな…)」

 

りんご飴を食べながら、ろー はアリスの手の温もりを感じていた。

大好きな人と過ごす、幸せな時間…。

 

ろー「(この時間が…ずっと続けばいいな…)」

 

ろー がそう思っていると、近くのスピーカーからザザッっとノイズがはしり、それに続けて放送がはいった。

 

 

『只今より、花火の打ち上げを開始致します。皆様、どうぞ足を止めてご覧下さい…』

 

 

それから数分後、すっかり暗くなった夏の空に次々と花火が打ち上がった。

 

赤、橙、黄色、緑に青などの色鮮やかな大輪が花開き、すぐに夜空へと消えていく…。

 

とても幻想的で美しいその光景は夏祭りに参加していたすべての人を魅了した。

 

 

そして、あっという間に時は過ぎ…

 

 

『いよいよ、次で最後となりました。最後は巨大な二尺玉です。…それでは、どうぞ!』

 

その瞬間、一発の花火が打ち上がり…一際大きな花が咲いた。

 

最後の花火が打ち上げ終わった瞬間、公園内は大きな歓声と拍手で満たされた。

 

 

『…以上をもちまして、今年の夏祭りは終了となります。お帰りの際は十分注意してお帰りくださるよう、お願い致します…』

 

 

 

 

 

〜帰り道〜

 

夏祭りが終わった後の帰り道。

アリスと ろー は祭りの余韻に浸りながら、鎮守府に向かって歩いていた。

 

アリス「ろーちゃん、楽しかった?」

 

ろー「はい! とっても楽しかったですって!」

 

満面の笑みを浮かべる ろー の姿に、アリスも自然と笑みが溢れた。

 

アリス「…そうだ! ろーちゃん、これ受け取ってくれないかな…?」

 

アリスはそう言うと紙袋を ろー に差し出した。

 

ろー が紙袋を開けてみると、中から薄青く輝く髪留めが出てきた。

 

ろー「…綺麗…」

 

アリス「りんご飴を買ってた時、近くの屋台で売ってたものなんだ。安物だけどね」

 

受け取ってすぐ ろー はその髪留めをつけてみた。

 

ろー「…どうですか?」

 

アリス「うん、よく似合ってるよ」

 

アリスにそう言われ、嬉しくなった ろー は自分が思ったことを素直に言った。

 

ろー「アリスさん! また来年も一緒に行きたいですって!」

 

アリス「…そうだね…。…行けたらいいね」

 

ろー「え? …あっ…」

 

アリスの寂しそうな口調に、ろー は自分が失言していた事に気がついた。

 

 

アリスは…この世界の人ではない。

 

いつか唐突に居なくなってしまうかもしれない…。それなのに、来年もなどという約束ができるわけがなかった。

 

ろー「ご、ごめんなさい!!」

 

頭を下げて謝る ろー に、アリスは慌てて言った。

 

アリス「ろーちゃんが謝ることはないよ! 私こそごめんね。…せっかくの楽しい雰囲気を台無しにしちゃって…」

 

それでも ろー は下を向いたまま、アリスに尋ねた。

 

ろー「…アリスさんは…いつ居なくなっちゃうんですか…?」

 

アリス「…わからない…。明日かもしれないし…一年後かもしれない。…でも、ずっとここには居られない…それだけはわかる」

 

アリスは潤んだ目を手の甲で拭き、ろー と視線を合わせるようにしゃがんで優しく微笑んだ。

 

アリス「だから、私にできることならなんでも言ってね。…少しでも力になりたいから…」

 

すると ろー はゆっくりとアリスに近づき…ギュッと抱きしめた。

 

アリス「? ろーちゃん?」

 

ろー「…ろーちゃんは…アリスさんと一緒にいたいですって……! …だって、ろーちゃんは…アリスさんの事が…大好き…だから…!」

 

その言葉にアリスは戸惑った。

素直に ろー の言葉は嬉しかった。しかし、これに答えてしまったら、より一層別れの時に辛い思いをさせてしまうのではないか? そんな疑問がアリスの中を渦巻いていた。

 

アリス「…ろーちゃん、ありがとう…でも、ずっと一緒には…」

 

ろー「たとえ…」

 

アリスの言葉を遮るようにして ろー は言った。

 

ろー「たとえ、離れ離れになっても、ろーちゃんがアリスを好きなのは変わりません! …それに…思い出は…ずっと残りますって…!」

 

ろー はさっきアリスにもらった髪留めを外し、手のひらに載せた。

 

ろー「これも、大切な思い出ですって! これを見る度、今日の楽しかった事が思い出せます! …だから…」

 

ろー はアリスの顔を見て、にっこり笑った。

 

ろー「ろーちゃんと…楽しい思い出、いっぱい作ってくださいって…」

 

アリス「…ろーちゃん…」

 

アリスは ろー を優しく抱き寄せた。

 

アリス「ありがとう………私も、ろーちゃんの事…大好きよ…」

 

ろー「…嬉しい…ですって…!!」

 

 

 

それから少ししてから、二人は鎮守府に向かって歩き出した。

鎮守府に着くまで、二人は手を繋いでいた。お祭りの時とは違い…お互いの指を絡めて握っていた…。




〜翌日〜

『熱愛発覚!?

昨夜の夏祭りが終了した後、我々はアリスさんと潜水艦の呂500さんが恋人つなぎをして鎮守府に戻るという決定的瞬間をカメラに収めた。

我々の調べによると、二人は夏祭りの間一緒にいた事が判明しており、二人が付き合っている可能性は極めて…』

アリス「あんの、マスゴミ共があぁ!!!」


その後、二人が付き合っている事は鎮守府中に広まり、多少のいざこざが発生した事は言うまでもない。





ちょっと後日談を入れてみました。

まあ、そんなわけで無事ろーちゃんがアリスに思いを伝えることができました。
このペアは何となくで作ってみたんですが…以外にいい組み合わせだったかなと今では思っています。

とりあえず、おめでとう。

さーて、次はどんなペアを作ろうかな…。



では、次の話をお楽しみに…。
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