東方海戦異変   作:十文字9418

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作者「今回は一応、深海棲艦との戦いなんだけど…あんまり書けなかったな」

咲夜「しかも、なんか深海棲艦の扱いが雑じゃない?」

作者「メインは次回だから…今回ははっちゃけたw」

霊夢「これから何が始まるの?」

作者「大惨事大戦だ(深海棲艦にとっての)」


第十九話 共闘

〜海上〜

 

よく晴れた秋空の下、那智達はレベリングを行う海域を目指して航行していた。

 

磯風「…それにしても、珍しいものだな。あの提督がレベリングの命令を出すとは…」

 

天津風「一体、どういう風の吹き回しかしら?」

 

浜風「二人とも、そんなこと言ってはいけませんよ…」

 

磯風と天津風を窘めながら、浜風自身もどこか違和感を拭えずにいた。

 

浜風「(…何があっても…みんなは私が守る!)」

 

浜風はそう心に誓いつつ、周囲の警戒に当たった。

 

 

 

それからの道中では特に変わった事は起こらず、那智達は目的の海域に到着した。

 

しかし、逆にその事がその場にいる全員の不安を煽った。

 

夕雲「おかしいわ…。ここまで来ても、深海棲艦が一隻もいないなんて…」

 

巻雲「夕雲姉さんの言う通りですね…いつもならここに来るまでにも数回は戦闘になるのに…」

 

巻雲がそう言った時、浦風が何かに気づいた。

 

浦風「…ん? みんな、何か聞こえんかね?」

 

全員が耳をすませてみると、微かにだがドォンという音が聞こえた。

 

浜風「…これって…砲撃音…?」

 

那智「何かが襲われているのかもしれん! 皆、急ぐぞ!」

 

那智を筆頭に一隊は音のした方に向かった。

 

 

 

 

 

さとり「…まだ追ってきますか…しつこいですね…!」

 

さとりが後ろを見ると、十数体の深海棲艦が自分達を追ってきている姿が見えた。

このまま逃げていても追いつかれるのは時間の問題だろう。

 

さとり「…仕方ありません…。お空! 迎撃準備は?」

 

お空「バッチリですよ! さとり様!」

 

お空はそう言いながら、体を百八十度反転させ、腕の制御棒を深海棲艦達に向かって構えた。

 

お空「七星『セプテントリオン』!」

 

お空がスペルカードを発動させると、周りに巨大な青い火球が七つ出現し、それらを一気に深海棲艦に向かって放った。

 

 

ドゴオォォン…!

 

 

お空の放った火球は深海棲艦達に直撃し、黒い煙がもくもくと上がった。

 

お空「やった! やりましたよ、さとり様!」

 

笑顔でさとりの方に振り向くお空に、さとりも笑顔で返そうとしたが、一瞬で背筋が凍りついた。

 

さとり「お空! まだ一体残ってる!」

 

さとりが叫んだ瞬間、煙の中から軽巡ヘ級が飛び出し、お空に砲身を向けた。

咄嗟にお空はスペルカードを取り出したが、とても間に合いそうにない。

 

そして、ヘ級がお空に砲撃を放とうとしたその時!

 

 

砲撃音と共にヘ級の砲身が横に吹っ飛ばされた。

 

その隙をお空は見逃さず、スペルカードを発動させた。

 

お空「光熱『ハイテンションブレード』!」

 

お空が放った光線状の弾幕はヘ級を撃ち抜き、撃ち抜かれたヘ級はその場に崩れ落ちて海の底に沈んでいった。

 

 

戦闘が終わってすぐ、さとりはお空の元に駆け寄った。

 

さとり「お空! 大丈夫? 怪我してない?」

 

お空「大丈夫ですよ。狙いが逸れてくれて助かりました!」

 

お空の言葉にさとりは少し前にした砲撃音の事を思い出し、辺りを見回した。

 

すると、左の方にこちらに向かってくる人影が見えた。

 

さとり「…どうやら、あの人達が助けてくれたみたいですね。ようやく、今の状況を把握出来そうです」

 

 

 

 

 

さとり達に近づいてきたのは、那智達一行であった。

 

那智「…危ないところだったな。二人とも怪我はないか?」

 

那智はさとり達に駆け寄ると、心配そうに言った。

 

さとり「ありがとうございます。おかげで助かりました。…私、古明地さとりといいます」

 

お空「霊烏路空、お空って呼んでね!」

 

那智「妙高型重巡洋艦、二番艦の那智だ」

 

那智に続いて駆逐艦達がさとり達に自己紹介をした。

 

浜風「…それにしても、変わった服装ですね」

 

浜風はさとり達の服装を見て不思議そうに言った。

 

那智「…二人は艦娘…ではないのか?」

 

お空「うにゅ? 艦娘?」

 

さとり「…那智さん、少し待ってくださいね」

 

さとりはそう言うと片目を閉じ、じっと那智を見つめた。

 

那智「な、なんだ?」

 

さとり「………なるほど…」

 

じっと見つめられ、たじろぐ那智を横目にさとりは一人納得したように呟いた。

 

さとり「…やはり、幻想郷とは別の世界に来てしまったようですね…」

 

那智「幻想郷…? すまない、さとり。こちらにもわかるように説明してくれないか?」

 

さとり「あっ、ごめんなさい。…実は……!」

 

さとりはそこで話をやめ、真後ろに振り返った。

そして、すぐに大声で叫んだ。

 

さとり「全員、この場から離れて! 早く!!!」

 

さとりの言葉に全員がその場から離れた。

次の瞬間、さっきまで那智達がいた場所に大きな水柱が上がった。

 

「…ホウ…躱シタカ。…忌々シイ…ガラクタ共ガ…!」

 

その言葉と共に那智達を砲撃した者が海中から姿を現した。

 

双頭の魔獣のような艤装持った深海棲艦…戦艦水鬼だ。

 

那智「な…!? 何故、戦艦水鬼がこんな所に!?」

 

浦風「ど、どうするんじゃ!? あんな化け物に勝てるわけが…」

 

慌てる那智達を見て、戦艦水鬼は愉快そうに笑った。

 

戦艦水鬼「慌テル事ハナイ…スグニ全員…沈メテヤル…ククク…」

 

那智は一旦冷静になり、考えを巡らせた。

 

那智「(…落ち着け…。今のこちらの戦力ではやつを倒すことは不可能だ…しかし、逃げたところですぐ追いつかれるのは目に見えている…。…ここは…私が囮に…)」

 

那智が覚悟を決め、命令をだそうとした時…

 

さとり「自己犠牲はいけませんよ、那智さん」

 

いつの間にか那智の隣に来ていたさとりがそう言って那智を制した。

 

那智「さとり!? …しかし、それ以外に方法は…」

 

さとり「私とお空も協力します。…貴女も、本当はこんなところで死にたくはないでしょう?」

 

那智「…勝てる…のか? あいつに…」

 

さとり「私が指示をだします。それに従ってもらえれば、全員生き残れます。…それとも、ここで全員死ぬ事を選びますか?」

 

はっきり言って、先ほど会ったばかりでどこの誰かもわからない者に指示を仰ぐなど正気の沙汰ではない。

しかし、少しでも生き残る可能性があるのだとしたら…

 

那智はさとりをまっすぐ見て言った。

 

那智「…信じていいんだな?」

 

さとり「ええ。期待は裏切りませんよ」

 

さとりも那智の目を見て答えた。

 

那智「よし…皆、聞いたな?」

 

磯風「ああ、私もこんなところで死ぬ気は毛頭ないからな」

 

夕雲「生きて帰りましょう…全員で」

 

浦風「さとりさん、指揮をよろしく頼むんじゃ」

 

さとり「お任せください。…あっ、那智さん。予備の通信機をお借りしたいのですが…」

 

那智「ん? ああ、わかった…」

 

そう言って那智はさとりに通信機を渡した。

そして、渡してからふと気づいた。

 

那智「(…何故、私が予備の通信機を持っている事を知っていたんだ…?)」

 

少し疑問に思ったが、那智は頭を降って目の前の状況に意識を集中させた。

 

 

 

 

 

さとり『…砲撃、来ます。浦風さんは右に三メートル。磯風さん、巻雲さんは左に四メートルほど動いてください』

 

浦風・磯風・巻雲「了解(じゃ)!」

 

指示を受け、三人がその通りに動くと戦艦水鬼の攻撃を楽々と躱す事ができた。

 

さとり『浜風さん、天津風さん。今、お二人に注意が向いていません。後ろに回り込んで攻撃を。那智さんと夕雲さんはまだ警戒されていますので、大きくは動かないでください』

 

その指示に従って、浜風と天津風の二人は戦艦水鬼の後ろに回り、魚雷を放った。

 

戦艦水鬼「チョコマカト…! …グアッ!?」ドォン!

 

戦艦水鬼が気づいた時には、既に手遅れで魚雷をまともにくらってしまう。

 

その後も、まるで詰め将棋のように少しずつ戦艦水鬼にダメージを与えていった。

対する戦艦水鬼の攻撃はまるっきり艦娘達に通らない。

 

戦艦水鬼「(クソ…! コンナ…ガラクタ共ニ手コズルナンテ…! …何故ダ…! 何故…!)」

 

そう思いながら周りを見回したその時、戦艦水鬼は少し離れたところにある人影を見つけた。

 

こちらを見ながら、しきりに口を動かす様子に戦艦水鬼はすぐに悟った。

 

…あいつだ。あいつさえ倒してしまえば…!

 

戦艦水鬼の行動は早かった。多少の被弾に構わず、さとりに向かって突撃した。

 

戦艦水鬼「死ネエェ!!!」

 

しかし、そんな危機的状況にもかかわらず、さとりは冷静な様子でポツリと呟いた。

 

さとり「…少し気づくのが遅かったですね」

 

そう言うとさとりは横に飛び退いた。

そして、さとりの後ろには…制御棒を構えたお空が待ち構えていた。

 

戦艦水鬼「ナ!?」

 

さとり「お空! 一気に決めなさい!」

 

お空「了解です! さとり様!」

 

〜CAUTION! CAUTION!〜

 

お空「爆符『ギガフレア』!」

 

次の瞬間、戦艦水鬼は制御棒から放たれた巨大な光線状の弾幕に包まれ見えなくなった。

 

 

 

 

 

ギガフレアのエネルギー放出が終わった後、その場に一つ動く影があった。…戦艦水鬼だ。

 

戦艦水鬼(大破)「…覚エテイロ…! イツカ…必ズ復讐シテヤル…!」

 

戦艦水鬼はさとり達を睨みつけながら、海中に消えていった。

 

 

 

戦艦水鬼が居なくなってすぐ、那智達はさとりの元に駆け寄った。

 

那智「さとり、ありがとう。…貴女が居なかったらどうなっていたことか…」

 

那智に続いて駆逐艦達もさとりとお空にお礼を言った。

 

さとり「礼には及びませんよ。皆さんが無事で良かったです」

 

那智「…それにしても…だ。さとり、お空、貴女達は一体何者だ? 艦娘ではないのにあんな攻撃ができるなんて…」

 

さとり「それは、貴女方の鎮守府とやらに着くまでの道中でお話しますよ。…そちらからすれば、とても信じられるような事ではありませんが…」




深海棲艦との戦いなんてなかったんや…(戦艦水鬼? いえ、知らない人ですね…)

とまあ、冗談はさておき…今回は自分の力を過信してさとり達に単艦で挑んだ戦艦水鬼さんの慢心が起こした悲劇ですね(遠い目)

慢心、駄目、絶対!


次回はいよいよ、さとり達が黒岩鎮守府に入ります(第二次大惨事大戦の匂いがプンプンするぜぇ!)

それともう一つ、追加する艦娘に龍田さんと夕張さんを新たに加えたいと思います。
夕張さんはなんとなく…いたらおもしろそうかなと。
龍田さんはさとりさんとのコンビで見てみたいと思って追加しました。



龍田・さとり「もう声も出ませんかぁ〜?」フフフ…



なんだろう、急に寒気が…


次回もいつ投稿するかは不明ですが頑張って書き上げます。

それでは、第二十話をお楽しみに…
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