西暦2065年…
世界がこうなる事は、誰も予測出来なかった。
何故なら突如現れた謎の生物によって、世界が食い荒らされてしまったからだ。
謎の生物は後に、“
“荒神”が世界を食い荒らした所為で、人類は滅亡の危機に陥っていた…
だが“荒神”が跋扈するこの時代で、ある組織が荒神を狩っていた。
フェンリル…
特にフェンリル極東支部に属する者の中には、荒神を討伐する部隊が存在する。
荒神を討伐する者を、“
これは、ある事が原因で突如その組織に配属される事になり、荒神を狩る“ゴッドイーター”として生きる一人の少年の物語である……
現在、2071年────
此処は…何処だ?
身体の
父さん…母さん は……
ーーあれ?
「……父さん!!! 母さん!!! そんな…!! 父さぁぁんッ!!! 母さぁぁんッ!!!」
目を覚ましたら何処知らぬ荒地。
全身が鈍く痛く、立ち上がるのに苦労した。
周囲を見回して父親と母親を捜したら…
俺が目の前で無惨な死体として発見してしまった。
何の仕業かは とうに検討がついている…
「荒神…!」
ギリギリ原形を留めている状態だが、これは間違い無く喰われた後…
でも何故 俺は喰われなかったんだ?
俺だって父さんや母さんと一緒に襲われた筈…
いや…今はとにかく此処から離れよう。俺は死んだ父さん母さんの分まで生きなきゃいけないんだ…
しかし、此処は…何処だ?
妙な穴から抜けて見渡したところ、壊れたビルが小さく見える。
俺が居た都市とはかなり離れてるみたいだ。
クソ…此処からだと歩いてかなり時間が掛かる。
荒神に見つからないように移動しなければ…
俺は周囲を見回しながら都市を目指して歩き出した。
ーー10分後…
どれくらい進んで、どれくらい時が経ったのだろう…
時間がわからないのは、精神的な負担がデカい。
いくらサバイバルでも、相手は怪物。動物とは違う…
とは言え、そんな経験 無いってんだよ。
動物とはレベルが違い過ぎる。いつ隙を突かれて喰われるかもわからない状況で、どう落ち着きゃ良いんだ⁉
「ダメだ…落ち着け、落ち着け」
そうだ、混乱してはダメだ。
こんな荒地でパニクっても死に急ぐだけの結果に過ぎない。
俺は頬を叩き、そっと走った。
段差が壁となっている道を見つけたので、俺はそこに身を隠して周囲を確認する。
と、視線の先に人間と荒神が戦っているのが見えた。
「何で荒神となんか交戦してるんだ?」
その時 思い出した。
荒神が俺の居た都市に群れ出した時、身の丈に合わない武器を持った5人が荒神を次々と倒していった。
「“神を喰らう人間”ーーゴッドイーター…」
そうか、荒神を倒しているのか。
でも仲間が一人も居ないし、押されている…
荒神の方もデカい…
このままじゃヤバいんじゃないか?
そんな事を気にしてたら背中から嫌な気配を感じた。
薄っすらと唸り声も聞こえるーーこれは、まさか…
「グァアアッ!!!」
後ろに振り向いた瞬間、鋭い牙を持った龍のような荒神が咆えた。
無論、言うまでも無く俺は荒神の姿を確認したその瞬間に駆け出した。
声を一切張り上げる事なく必死に走る。
直後、背後から血の噴き出す音がした。
振り向くと、赤紫色の大剣を片手で持つ男性が立っていた。
男性の足下には今さっきの荒神の姿があった。
「たく、今日は数が多くて困るぜ。よっ、大丈夫か?」
男性はこちらを振り向きながら俺に話し掛けた。
俺は礼が言いたかったが、何故か声が出なかった。
「おっと、こうしちゃ居らんねぇ」
男性は俺の腕を掴んで物陰に連れて行った。
「とりあえずここで隠れてな。用が済んだらまた来るからよ」
男性はそう言って走り去った。
それよりあの男性の右腕…
いや、そんな事は良いか。
そう思った時、左から女性の声が聞こえた。
気になって物陰から顔を出してみると、先の男性が持っていた大剣と同じ長さの大剣を持って戦う女性の姿があった。
相手は猛獣のような荒神…
苦戦を強いられているようだ。
女性だってああやって戦ってるのか…俺にもあんな力があれば、父さんや母さんを…
すると、女性が悲鳴を上げた。
大剣が弾かれた上に腰が抜けている。
「あのままじゃ…!」
その時、俺の頭の中に父さんと母さんの無惨な死体が浮かんだ。
俺には何も出来ないかもしれないーーでも……
でも…何もせずこのまま人が喰われるところを目の当たりにして、父さんや母さんと同じようになる様を見るのは、御免だ!
そう心で叫んだ時、俺は無意識に走り出していた。
「うあああああああああああッ!!!」
気が付いたら右手で大剣を拾い上げ、大声を上げながら右手に持った大剣を荒神に向かって思い切り振り下ろしていた。
意識が全て戻った時、大きな猛獣の荒神は顔面が真っ二つの状態で倒れ伏していた。
俺は何が何だかわからず、大剣を放した途端に腰が抜けて座ってしまった。
すると知らない男性とさっきの男性がやって来た。
「大丈夫⁉」
知らない男性は大剣と同じくらいに大きな銃砲を構えながら訊いた。
と、妙な右腕の男性は俺に近づいてしゃがみ込むと、倒れ伏している荒神を見てから言葉を口にした。
「お前、まさかこいつを一人でやったのか?」
訊かれたが、俺は何て言って良いか全く持ってわからなかった…
「あの……俺、必死で…その……守らなくちゃ喰われると思って…あぁ……すみません…」
ところが、男性は俺の頭を撫でた。
一体どう言う事だ…?
「よくやった。お前のお陰で新入りが助かった。礼を言う」
男性は笑顔で俺を褒め称えた。
「俺はリンドウ。雨宮 リンドウ って言うんだ。お前は何て言うんだ?」
名前を問われた俺は…そっと答えた。
「……俺は…熾嗎、劫迓ーー熾嗎 コウガです」
その日、俺は『フェンリル』とか言う組織のところへリンドウさん達と一緒に行く事になった。
続く
どうでしたか?
よろしければ感想をいただければ…
では…