突然、アラガミ討伐任務の依頼を受けた
コウガは、初陣で任務を遂行する事になるが…
その先の任務に…
改めて自己紹介をするーー
俺は熾嗎コウガ。フェンリル極東支部配属の16歳の新人ゴッドイーターだ。使用神機は新型のバスターブレード/バックラー/アサルト。
ちなみに身長は173cmで、好きな女の人のタイプは優しいってところ。極東支部の誰かで表すならーー橘サクヤさんかな、多分。
実は只今、訓練の真っ最中でございます。
「ハァァ! フンッ!」
バスターブレードで訓練用アラガミを真っ二つに叩ッ斬り、直後に捕食を行う。これは"コンボ捕食"と言う技術だ。
コンボ捕食は攻撃の連続の間に潜り込ませるように素早く神機を捕食形態に変えて繰り出す事で、通常の捕食に比べて攻撃の遅延を無くす。短い間隔で大ダメージを与えられる為、覚えてて損は無い技術なんだ。
通常の捕食は、捕食形態になるまで1秒は掛かる。でも、コンボ捕食はそんな些細な時間すら省け、違うスピードで同じ威力を得られる。
俺としては攻撃の連鎖より一発の威力に頼るバスターブレードだと、正直コンボ捕食の効果は薄いのでは無いか? と思うのだが、それはやはり使い手次第なのだろうか。俺にはよくわからない。
そういや、捕食すると"アラガミバレット"が得られる。通常の捕食の場合、獲得出来る"アラガミバレット"が3発のところ、コンボ捕食だとたった1発だけしか獲得出来ないのが、コンボ捕食の唯一のデメリットと言ったところか。
「フゥンッ! オラァ!」
トドメにバスターブレードの特殊攻撃、言わば"必殺技"のチャージクラッシュを訓練用アラガミに放つ。チャージクラッシュの時に剣から放出される黒紫色のエネルギーは、ゴッドイーターの偏食因子と神機のオラクル細胞が混ざり合う事で形成されるモノらしく、その時の剣の広範囲性も"それ"によるモノらしい。
そんなこんな色々と頭ん中で喋くったが、無事訓練の目的を達成出来てたワケです。余談だけど、アネット・ケーニッヒさんとフェデリコ・カルーゾさんは、俺より何ヶ月か先に入っただけで、ほぼ同期らしい。
「御苦労、訓練目的は達成した。上がって良いぞ」
ツバキ教官が俺にアナウンスから声を掛けてくる。今までこんな運動は明らかに出来ないものだったのに、今や既に『ゴッドイーター』と言う名の"超人"の仲間入り、正直とんでもないよね。
ーーーーーー
「お疲れ様です」
挨拶をしながら訓練場内から神機を担いで出る俺へ、ツバキ教官が歩み寄ってきた。もしかしてお褒めの言葉でももらえるのでしょうか?
「今回の訓練もなかなか良い成績だったな、この調子で次も頑張ってくれ」
「はい」
「ーーそうそう、お前宛にアラガミ討伐任務の依頼が来てるぞ」
「俺に任務の依頼? 何かの間違いでは?」
「残念ながら間違いでは無い、依頼主は榊支部長からだ。詳しい内容はヒバリから訊け、良いな?」
「……はい」
俺に榊支部長から直接のアラガミ討伐任務の依頼? 入ってまだ日が浅い俺に任務を依頼するだなんて、支部長も物好きだねぇ。しかし、頼まれたからにはやるしかないかな。
早速、俺は訓練場を後にして、エントランスへ向かった。エントランス中央でコンピューターを弄ってるオペレーターは竹田ヒバリさんーー俺が最初に来た時に『中央でコンピューター弄ってる女の人』と称した人だ。
「ヒバリさん、俺宛にアラガミ討伐任務の依頼が来てる って聞いたんですけど」
「うん、来てるよ。依頼主は榊支部長、依頼内容は『オウガテイル』5体の討伐及び"コア"の回収。近くに別のアラガミが居るらしいけど、大型じゃないから無視して大丈夫だそうだよ。頑張ってね」
「はい、じゃあ行って来ます」
俺はエントランスからターミナルに通ずるエレベーターに乗り込み、"戦場"へと繰り出したーー。
ーーーーーー
ーーいざヘリから降り、オウガテイル5体を倒し、コアを回収する為、俺は神機を構えた。到着場所は市街地跡、荒れ果てた地の向こうには、巨大な穴を空けられた超高層ビルが一つ
アラガミが食い荒らした様を まざまざと見せつけられるこの光景には、憎しみと悲しみと怒りが湧き上がる。いつか絶対にアラガミを全て、一匹残らず滅ぼせたら と思う。
さてと、気を取り直して、アラガミ討伐任務を開始しますか。俺は神機を肩に担ぐ形で持ち、市街地跡に降りた。
「よし、
静かに呟き、静かに市街地跡を歩き出す。以前は人で賑わいごった返していたこの市街地だろうが何処であろうが、戦場であり修羅場ーー足を踏み入れる事は論外。
暫らく辺りを捜索していたら、まず一体目のオウガテイルを発見した。俺は無言のままオウガテイルに駆け寄り、高く跳躍した後に対象の真上から兜割りを叩き込んだ。
すると二体目のオウガテイルが市街地跡のエリア中心のビルから跳んで来た。透かさず俺は振り下ろしていた神機を対象の方向に真っ直ぐ振り上げ、神機の刃に引っ掛かったオウガテイルをそのままの勢いで地面に叩きつけ、地面に押し付けたまま対象の胴体を真っ二つに引き裂いた。
引き裂いた地面は深く抉れ、アラガミの血が混じった。これは"俺"だからなのか、今の俺に慈愛や慈悲など皆無、ただアラガミを狩るだけの"機械"のような、そんな気持ちになっていた。
「後3体…」
ちなみに今回のミッションは俺一人、実戦経験者は一人も居ない。雑魚のオウガテイル如きにベテランは連れて行けないって言う事か。
そんな時、背後の気配に気付いて振り向くと、不意を突くようにオウガテイルが飛び掛かって来た。即座にバスターブレード、"ノコギリ"の刃の無い先端で対象の頭部を突いて吹き飛ばし、対象が地面に転がった直後に神機を振り下ろし、体を真っ二つに断つ。
「後、2体」
俺は静かに呟き、また対象の索敵を始める。ところで変に思う事が一つある、何故 榊支部長はわざわざ俺に向けてこんな任務を依頼したのだろうか。
索敵を暫らく行っていたら、前方の段差からオウガテイル二体が現れ、こちらに向かってくる。ところが、オウガテイルは俺を素通りして行った。
「何だ一体?」
奇妙に思った俺はオウガテイルが現れた前方を見つめる。すると突然轟音が鳴り響き、段差の向こうのビルに大きな亀裂が走り、直後爆発のような勢いでビルが破砕した。
ビルから現れたのは四足で佇む白い龍のようなアラガミ。腕や背中に装甲らしき硬い皮膚があり、口から紅蓮の炎を覗かせる。
「何だ、コイツは⁉」
直後、アラガミは何の前置きも無く突如連続で殴りかかってきた。俺もアラガミの攻撃に合わせて後方に連続でステップし、アラガミの拳を躱した。
アラガミは即座に後方素早く下がり、口から巨大な火球を飛ばしてきた。火球の速度は速いが、咄嗟に俺は空高く跳び上がり、アラガミの放った火球を避ける。
空高く跳び上がったからには落下もセットで付いてくるーーつまりは、大ジャンプの後には、大ダメージを狙えるチャンスが出来上がるって事だ。俺は落下の勢いに任せて神機を力一杯アラガミに振り下ろす。
「うぅおおおォォッ!!!」
俺の神機の一振りは、一直線にアラガミに向かって行き、背中を叩き割った。
「よし!」
そんな刹那、アラガミの背中から奇妙な焔の輪が現れ、そのアラガミは怯む事無く立ち上がり、空中に浮かんだかと思えば全身から巨大な炎柱を放った。攻撃直後だった俺は地面に着地した瞬間に炎柱をくらった。
「ウゥオッ!!」
着地直後でシールドを出す事すら儘ならなかった。炎柱に吹き飛ばされた直後、立ち上がろうとするもアラガミが高速で俺の方へ向かって来て、一瞬で俺の後ろに回り込んで殴り飛ばした。
またもシールドが出せず攻撃をモロにくらってしまった。さすがにヤバい、全身が燃えるように熱く、そして激しく痛い。
地面に転がった頃には火傷と骨折と出血だらけだった。神機は無傷なのに、俺は全身に至って重傷、もはや立つと言う事が出来なかった。
はぁぁ、結局こうなるのか。折角、死んだ父さんと母さんの分まで生きるって決めたのに、これじゃあ、そんな約束が意味無いじゃんーー
ーーいや まだだ、俺はまだ諦めない。そうだ、生きるって決めたなら、生きるって約束したなら、その約束は守らなければいけない。
何がなんでも、それがどんな状況下であろうと、約束は守らなければならない。ルールは破る為にあり、約束は守る為にーーあるッ!
俺は全身傷だらけにも関わらず、その場からいつの間にか立ち上がっていた。そして徐に神機を肩に担ぐ形で持ち、全身に力を込めた。
すると神機の刀身に黒紫色のエネルギーが纏い出し、次第にそれは大きくなる。俺が更に全身に力を込めたその瞬間、神機の黒紫色のエネルギーは巨大化し、ビルの天辺に達する程長くなった。
「ウゥゥオオオオオオォォォッ!!!」
俺はそれを持ち上げ、体を右に回しながらアラガミに目掛けて思い切り振り下ろした。超巨大な黒紫色のエネルギー刃はアラガミの頭から尻尾に掛けてを断ち切った。
そのアラガミは体が左右半分に裂けて死に、それから俺の意識も途絶えた…
続く
突然現れたアラガミ、それは『ハンニバル』だった。
しかしハンニバルと同等に戦い、更には異様な大きさのチャージクラッシュまで
彼は一体何なのか…?