魔法科高校のやや優等生   作:BEBE

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さあ!森崎のクイック・ドロウが火を吹きます!

次ぐらいで入学編終わります。

では10話です。


テロリストVSモブ顔コンビ

(ど、どうして・・・・・何でこんなことに・・・・・・・)

 

ほのかの体は震えていた。

 

ほのか達SSボード・バイアスロン部は、部長の指示に従い避難場所に向かっていたのであったが、突如武装したテロリスト達に襲撃され、窮地に立たされていた。

 

(クッ、マシンガンなんて持ってこられたらどうしようもない・・・・・)

 

雫は苦虫を噛み潰したような顔する。

 

相手の武装がナイフだけで、さらに一人であれば雫でも対応できただろう。

しかし、今雫達を囲んでいる男達は七人もおり、さらにそのうちの一人はマシンガンを所持している。

ハッキリ言って勝ち目がなかった。

 

部員達を庇おうと前に出ている部長も、顔を歪めている。

 

「おい、さっさと撃っちまえ。あまりのんびりしている暇はないぞ。」

 

「分かっている。」

 

そして、マシンガンの銃口が雫達へと向けられる。

 

(いや・・・・何で・・・・そんなの・・・)

 

ほのか涙を流しながらその場にへたり込む。

さらに他の部員の中にも泣き崩れだす者が出てきた。

 

「クソ!」

 

部長は意を決してマシンガンの男に部活用のCADを向けるが、間に合うはずがない。

 

(ダメ!!)

 

無駄だと思いながらも、雫もほのかを庇うように前に立ち、CADを構える。

 

しかし、無情にもマシンガンの引き金が引かれる・・・・・

 

 

「させるかああああ!!」

 

「な!?」

 

その寸前、男はいきなり横に吹き飛ばされた。

 

「クソ!何が!?」

 

しかし、それは男の意識を奪う程の威力はなく、すぐさま体勢を立て直し、マシンガンを構えるが、

 

「ウオラアアア!!」

 

「ゴバァ!」

 

追撃で放たれた白い拳を顔面に受け、今度こそ気絶する。

 

そして乱入してきた二人の生徒は、バイアスロン部を庇うようにしてテロリスト達の前に立ち塞がる。

 

「な、なんだテメエら!?」

 

「あなた達は・・・?」

 

男の仲間とバイアスロン部の部長がほぼ同時に口を開いた。

 

 

「ゼェ、ゼェ・・・・・何とか間に合ったな・・・・ゲホッゴホッ!」

 

「ハァ、ハァ・・・・・ああ、間一髪だ・・・・・オエ・・・」

 

救世主、森崎と正人が全力疾走により虫の息で登場した。

 

「正人君!森崎君!」

 

ほのかは泣きながら二人の名前を叫ぶ。

 

「二人共、どうしてここに・・・」

 

雫も目を見開き尋ねる。

 

「あの連中を追って来たんだよ。・・・・・・終わるまでほのかのそばにいてやれ。」

 

正人は左手で雫の頭を軽く叩きながらそう言い、テロリストの方を向き直す。

 

その時、雫は正人の右腕だけを覆っている白い半透明の鎧が目に入った。

 

「森崎、俺が突っ込むから援護頼む。」

 

「任せろ。」

 

そして森崎は拳銃型のCADを、正人は白い鎧を纏った右腕を構える。

 

「ふざけやがって!」

 

「ぶち殺す!」

 

テロリスト達もナイフを構える。

 

「何か数が増えてるけど・・・・・仕方ねえ。・・・・行くぜ!」

 

そして正人がテロリストの一団へ突っ込む。

 

それを迎え撃つようにテロリストの一人がナイフを突き出すが・・・・・

 

先程の男と同じように、突然何かに吹き飛ばされた。

 

そして、その隙を逃さず、正人が拳を叩き込む。

 

そして森崎はCADの照準を別の男に合わせる。

 

先程からテロリスト達を吹き飛ばしているのは、森崎がクイック・ドロウにより放った『空気弾』《エア・ブリット》である。

エア・ブリットは圧縮空気の弾を打ち出す単純な魔法であるが、それを森崎家のクイック・ドロウで打ち出すことにより、相手の先手を取ることができる。

だが、クイック・ドロウは魔法の発動速度のみを求めた技術であるため、威力が低く、それ単体で敵の意識を刈り取ることは難しい。

 

・・・・・・しかし、今は心強い相棒がいる。

 

森崎が再びナイフを構えた男を撃ち、正人がその隙を突き、気絶させる。

 

射撃による援護と、高い近接戦闘技術。

 

まさに理想とも言えるコンビである。

 

 

「クソ!射撃が邪魔だ!」

 

テロリストの内の二人が森崎の方へ走り出す。

 

が、

 

「おい、余所見してんじゃねえよ。」

 

正人がいつの間にか片方の男の横に接近し、そして右腕の鎧が白く光る。

 

そして、その肘から白い粒子が放出され、

 

「オラアア!吹っ飛べ!!」

 

正人の拳は粒子の放出により加速し、とてつもない威力となった拳が横腹に刺さる。

 

「グボアア!!」

 

「な!?グガア!」

 

そして隣にいた男を巻き込み木に激突し、二人共意識を失う。

 

テロリストは残り三人、半数以下にまで減っていた。

 

「く、クソ!相手は二人だ!三人同時にかかるぞ!」

 

一人の男の指示のもと、三人で一斉に仕掛けてきた。

 

「森崎!奥の二人を頼む!」

 

正人はそう言い、先頭の男に接近する。

 

「調子に乗るなよ!ガキがぁ!!」

 

そう叫び、男がナイフを突き出す。

 

が、正人は右腕の鎧による裏拳でナイフの刃をへし折る。

さらに裏拳により後ろに振り切ったら腕を無駄にせず、そこから右ストレートを顔面に叩き込み、テロリストの意識を奪う。

 

一方、森崎はまず奥にいる一人にエア・ブリットを命中させ、怯ませる。

 

(クソ!だがこの隙に刺し殺す!)

 

もう一人の男は森崎が再度魔法を発動する前にカタをつけようと走り込む。

 

しかし、

 

「遅い!」

 

森崎はすぐさま銃の照準を合わせ、エア・ブリットを放った。

 

(な!?ば、バカな!魔法の発動スピードが速すぎる!)

 

そして男は避けることもできずに空気の弾に直撃した。

 

さらにその顔面に正人の拳が刺ささる。

 

 

テロリストは残り一名となった。

 

 

「クソ!クソ!この化け物どもがぁ!」

 

そう叫びながら、森崎に撃たれたもう一人は、近くに落ちていたマシンガンを拾い上げ、銃口を二人に向ける。

 

しかし、森崎のエア・ブリットによりマシンガンを弾かれる。

 

そして・・・・・

 

「終わりだ、クソヤロウ!!」

 

正人が既に目の前まで迫っており、その肘からサイオンが放たれた。

 

そして、粒子の放出によりブーストされた拳が、最後の一人を殴り飛ばした。

 

 

森崎と正人はたった二人でテロリスト七人を撃破したのだ。

 

「くはー!右肩抜けるかと思った!」

 

正人は右腕の鎧を消し、肩を押さえながら森崎の方を振り向く。

 

「助かったぜ、森崎。」

 

「僕の方こそ・・・・・一人じゃ多分やられていた。」

 

そして正人と森崎は互いの奮闘を称え、バイアスロン部の方を向いたそのとき、二人は何かに突撃された。

 

見ると、ほのかが泣きながら二人に抱きついていた。

 

「うあああん!正人くうううん!森崎君くうううん!!うわああああん!」

 

ほのかは二人にお礼を言いたい用だが、言葉になっていない。

そして何より・・・・

 

「み、光井!?む、胸が!胸が当たってる!」

 

ほのかが二人に抱きついたことにより、彼女の豊満なバストが押し付けられる形になり、森崎がパニックを起こしている。

 

「ほのか!ちょっと!俺今肩痛めてるから!あんまり右腕揺らすな!」

 

正人は正人でパニックである。

 

因みに正人が使用した白い鎧は、実体粒子を纏いそれを放出し、推進力にすることにより、防御力と機動力を両立させることを目的としたオリハルコンの型である。

しかし、本来は全身に纏う物であるが、今回はCADがなかったため全身分の鎧を作るには時間が掛かりすぎるので、片脚や片腕だけを作ったのだ。

そのため、肘ブーストの勢いだけでも肩が抜ける危険がある。さらに、そのときの反動も肩に負担を掛けさせたため、右肩を痛めたのだ。

 

そんなことなどほのかが知るはずもなく、より一層強く抱き締めてくる。

 

「いだだだだだ!ほのか!あ、ほら、避難!避難しなくちゃいけないから!」

 

「う、ひっく・・・・うん・・・そうだよね、ごめん。」

 

嗚咽混じりにそう言いながらやっとほのかが二人を解放する。

 

「ご、ゴホン・・・・では、僕が避難所まで誘導しますので着いてきてください。」

 

顔を赤らめながら森崎は先頭に立ち、避難所を目指す。

 

「あー、まったく!ほのかのヤロウ俺の肩を破壊する気か?」

 

「それだけ怖かったんだよ。」

 

正人のぼやきに隣を歩いている雫が返した。

 

「まあ、それもそうか。お前も無事で何よりだな。」

 

「うん・・・・・」

 

返事をした雫の表情はどこか暗い。

 

「・・・・・・・また助けられちゃったね・・・・・」

 

「また、て・・・・前に助けたのは母さんだろ。」

 

「うん・・・まあそうなんだけど・・・・・・」

 

雫は何故かうつむいていた。

 

「・・・・・・私、佳菜子さんに助けられてから、強くなりたいって思ってたんだ。危ない時、いつも誰かが助けてくれるなんて都合の良い話あるわけないし・・・・・自分と、大切な人達のことぐらい、私の力で守りたいと思った。今度は、私が皆を守る番だって、そう思った。・・・・・今回だって、泣いてたほのかを守りたいと思った。

・・・・・・・でも・・・・・・でも、無理だった。いざとなったら・・・・やっぱり・・・何も出来なかった・・・・・・」

 

「・・・・・雫?」

 

正人は、途中から雫の声が震えていることに気付いた。

 

「銃を向けられたとき・・・・・咄嗟にほのかの前には出れた。・・・・・・・・・だけど・・・・・手も、脚も震えて・・・・・頭だって真っ白になった。・・・・・・怖くて・・・・・・何も出来なかった。」

 

そして、雫の頬を涙が伝う。

 

「私・・・・私、自分が情けない。・・・・・何も出来なかったなんて・・・・・・・・悔しいよ。」

 

雫は俯いたまま、ボロボロと涙をこぼした。

 

「ねえ・・・・・どうしたら佳菜子さんみたいに・・・・・正人や森崎君みたいに強くなれるの・・・・?」

 

雫は涙を拭うこともせず、正人の顔を見上げた。

 

「・・・・・・・ハァ。」

 

正人は一度大きく溜め息をつき・・・・・雫の頭をワシャワシヤと乱暴に撫でる。

 

「ちょ、ちょっと正人!?」

 

雫は突然のことに珍しくテンパっている。

 

「あのなぁ、まずうちの母親と人間を比べるのは間違ってるし、そもそも俺も森崎もそんなに強くはねえよ。」

 

「だって!たった二人でテロリストを・・・・・」

 

「二人いたからだ。」

 

「え・・・・?」

 

雫は正人の言葉の意味が分からなかった。

 

「俺も森崎も、どっちか一人しかここにいなったら・・・・多分瞬殺されてたな。」

 

正人は苦笑いを浮かべながら言葉を続ける。

 

「だけど今回は、俺に出来ない遠距離攻撃が出来る森崎と、森崎に出来ない接近戦が出来る俺がいた。

[接近戦]の俺と、[遠距離攻撃]の森崎・・・・・お互いの穴を埋めれる人間が揃ったから、勝てたんだよ。」

 

それに、と正人は付け加える。

 

「俺も最初は震えが止まんなかったしな。」

 

そして、今度は雫の頭を優しく撫でながら笑いかける。

 

「自分に出来ないことを無理矢理やろうとしなくても良い。自分一人でどうにかする必要なんてねえんだよ。もっと人を頼って、甘えれば良いと思うぜ。」

 

「でも!助けられてばっかりなんてやだよ!」

 

「だったらさ、お前はお前に出来ることで皆を助けてやれよ。」

 

「私に・・・・出来ることで?」

 

「ま、それが何かは俺には分からん。ただ、もし俺が困ってたら・・・・・お前は出来る範囲で良いからさ、俺を助けてくれるか?」

 

正人は優しく雫に尋ねた。

 

「・・・・・・うん、分かった。そのときは絶対私が正人を助けてあげる。」

 

「頼んだぜ。」

 

正人は雫の返答を聞き、笑みを浮かべる。

 

 

「・・・・・・・正人・・・」

 

「うん?」

 

少し間を空け、雫が口を開いた。

 

 

「ありがとう。」

 

涙を拭い、雫は頬を赤く染めながら微笑み、正人の目を見る。

 

「・・・・・どういたしまして。」

 

正人は少し照れくさそうにはにかんだ。

 

 

 

 




というわけで!ヒロインは雫にしたいと思います!

エリカと悩んだんですが・・・やっぱり彼女にはレオがいいなーと思ったので雫にしました!

エリカ派の皆様も、今後も読んでいただけると嬉しいです。
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