果たして、正人は九校戦に出場出来るのか!?
それでは14話です。
勉強会から二週間が経ち、生徒達が死力を尽くした定期試験が終わり、今日、その結果が発表される。
「あ~、ドキドキする~。」
ほのかはそわそわと結果発表を待っており、
「でも、今回は自信あるよ。」
雫は試験に手応えを感じたらしく、自信満々だ。
そして・・・・・
「試験など・・・・この世から消え去れ。」
正人は机に突っ伏した状態でぶつぶつと呟いている。
どうやら撃沈したようだ。
ちなみに、勉強会の時寝てしまった正人は、武臣監修のもと毎日五時間の強制勉強をさせられていた。
そして、ついに試験結果が発表された。
総合成績
1位、司波深雪
2位、光井ほのか
3位、北山雫
4位タイ、森崎駿
4位タイ、十三束鋼
・・・・・・以下省略
「やったー!」
ほのか両手を上げて喜んでおり、
「一位の深雪は当然として、まぁ順当な結果だね。」
雫は試験結果に納得している。
「深雪もおめでとう。」
「流石だね。」
ほのかと雫は深雪を称賛する。
「二人ともありがとう。」
深雪も嬉しそうだ。
そして、
「あそこスゲーな・・・・」
「上位三人が固まってる・・・・」
周りの人間は上位三人が放つ圧倒的なオーラに気圧されている。
しかし、
「三人とも、流石だな。」
森崎が上位三人に話しかけた。
「森崎君だって、実技では私より上じゃない。」
ほのかが言った実技順位は、
1位、司波深雪
2位、北山雫
3位、森崎駿
4位、光井ほのか
と、こうなっている。
「いや、今回は会心の出来だと思ってたんだがな、北山に負けてしまった。」
「そうは言っても、ほとんど差がないよ。」
雫と森崎の差は僅かであったため、雫も驕りは見せない。
「そう言ってくれるのはありがたいが・・・・・」
森崎は理論の結果の方に目を向け、複雑な表情を浮かべた。その理由は、
理論順位
1位、司波達也
2位、司波深雪
3位、吉田幹比古
4位、光井ほのか
何と、一位と三位に二科生が入るという異例の結果となっていた。
この結果に、
「ありえないだろ!」
「採点間違いじゃないのか!」
クラス中がザワつている。
そして、
(お兄様と並んでる・・・・!)
深雪は目を輝かして喜んでいた。
「深雪のこういうところが残念というか・・・・」
「かわいいというか・・・・・・」
雫とほのかはそんな深雪のブラコンぶりを見て和んでいた。
しかし、
「まったく、一体どんなズルをしたんだよ。」
「実技の感覚がわからないのに理論を理解出来るはずがない。しかも三位も二科なんて・・・・・」
試験結果に納得のいかない生徒達が、達也達を貶している。
それを聞き、雫が反論しようとその生徒達に歩み寄ろうとする。
「お前ら、いい加減にしろ。」
しかし、雫よりも先に森崎が口を開いた。
「二科生に一位と三位を取られたのに納得がいかないのは僕も同じだ。だが、相手を貶めたところでお前らの成績が上がる訳じゃないだろう?」
「そ、それは・・・・そうだけど・・・・」
森崎の反論に、その生徒は言葉がでない。
「認めろ、僕らは二科生に負けたんだ。それを認めない限り、僕らは負け続けるぞ!」
森崎はひとしきり言い終え、深雪達の方へと戻っていく。
「ありがとう、森崎君。」
深雪は森崎に礼を言う。
「司波さん・・・・・・・・・僕は別に、司波達也を認めた訳じゃない。ただ、自分の実力を認めず、他者を貶めることしか出来ない連中に腹が立っただけだ。だからお礼を言われる筋合いはないよ。」
森崎は澄ました顔で言ってのけた。
が、
「・・・・・ツンデレ。」
「なッ!?北山!」
雫の言葉に拳を震わせて怒りを露にする。
「あれ?」
しかし、ほのかが何かに気づいた。
「そう言えば・・・・・正人君は?」
「「「あ、」」」
いつも一緒にいたはずが、すっかりと存在を忘れられていた。
「・・・・いや、でもあれに話しかけるのか?」
森崎が指を指した方向には、机に突っ伏したまま、正人が暗いオーラを放っていた。
「えーと、正人君は・・・・」
ほのかは正人の総合順位を探す。
そして、
「・・・・・115位・・・・・。」
ほのかが読み上げた順位に、全員が絶句する。
そして、今度は雫が他の順位を見ていく。
「理論成績、192位。実技成績・・・・10位!?」
「おい!なんだこの偏りは!」
森崎は突っ伏したままの正人に問い詰める。
「仕方ねえだろ!この学校理論のレベル高過ぎなんだよぉ!あんなの分かる分けねえだろぉがぁあ!!」
「あ、起きた。」
正人はバーサーク気味で起き上がった。
「親父の一日五時間勉強会は頭おかしいくらいスパルタだし!母さんはテスト勉強関係なしに組手してくるし!ふざけんなよチクショオオオオオ!!」
「壊れたな。」
森崎は冷ややかに言ってのけた。
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そして、ここは放課後の生徒会室、現在、生徒会メンバーは揃って頭を抱えていた。
「・・・・・・真由美、やはり実技成績優先で決めるべきじゃないのか?」
摩利は真由美に進言するが、
「そうなんだけど・・・・総合成績を完全に無視するのは流石に・・・・・・」
真由美はまだ判断しかねていた。
「確かに・・・・・前例のない事態ですものね・・・・・」
深雪も困った顔をしている。
すると、生徒会室のドアがノックされた。
「生徒会長、司波です。」
「入って。」
失礼します、と言って達也が生徒会室に入ってきた。
深雪は達也の登場に喜んでいるようだ。
「達也君、貴方を呼んだのは他でも有りません。先ずはこれを見て。」
真由美はある生徒の試験結果を達也に見せた。
「これは・・・・・正人の試験結果ですか?しかし、何故これを自分・・・に・・・・・・・・」
達也はその試験結果を見て何かに気付いたようだ。
「見ての通り、彼は実技成績だけなら10 位、男子だけで見れば4位だ。・・・・・が、しかし、」
「総合成績で半分を下回っている事が問題なんですね?」
摩利の説明を聞くまでもなく、達也は状況を把握した。
「そう、私達は今、山田君を九校戦のメンバーに選出するかどうかを悩んでいるの。実技成績だけを見れば確実にメンバーに入れるべきなのだけど・・・・・ここまで総合成績が低い生徒が選手に選ばれた前例がないのよね。総合成績を完全に無視してでも選手に選ぶべき実力が、彼に有るのかどうか、それが今回の論点です。」
真由美は、そこで、と言葉を続ける。
「達也君、あくまで参考程度になんだけど、実際に山田君と模擬戦をした貴方の意見を聞きたいの。」
「それは構いませんが・・・・・・山田が選ばれるとして、他の生徒は納得するのですか?」
「そこだ。」
達也の発言に摩利が答える。
「正に今回の問題は、山田君に他の生徒達の反対意見を押し潰してでも、選手に選ばれるほどの実力が有るのか、ということだ。誰も文句を言わないなら悩む必要などない。」
「成る程。」
摩利の話を聞き終え、達也が話を始める。
「では、正人に代表選手が務まる程の実力が有るのか、という点についてですが・・・・・十二分に有ると思います。」
「理由は?」
摩利が尋ねる。
「正人の魔法『オリハルコン』は、近距離、遠距離双方で使用可能な魔法であり、威力の調節も出来ます。また、盾による防御も可能ですし・・・・機動力の上昇も出来るそうです。そしてなにより、正人自身の戦闘技術の高さです。おそらく、『モノリス・コード』においては、この学年にアイツに勝てる人間はいないでしょう。」
「機動力の上昇?」
真由美が首を傾げる。
「俺も直接見たわけではありませんが、テロリスト侵入の際、鎧のような形を作り、それで倒したと聞きました。」
「よくわからんが、とにかく戦力としては申し分ないと言うことか。」
達也の意見を聞き、摩利は顎に手を当てる。
「真由美、やはり実技最優先で山田を選手に入れるべきじゃないか?」
「そうね、反対意見は出るでしょうけど、そこは私たちがどうにかしましょう。」
摩利の意見に、真由美も意を決した。
その時、
「その件についてですが、」
市原が口を開いた。
「先程も話に出ましたが、山田くんは森崎君とたった二人で、マシンガンで武装した者を含むテロリスト七人を打ち倒しています。その実績を公表すれば、反対意見はかなり減るのでは?」
「それよ!ナイス、リンちゃん!」
真由美は市原の妙案に思わず席を立つ。
「成る程、確かにそれは良いアイデアですね。まあ、後は本人が了承するかですね。本人の性格を考えると、面倒臭いと断りそうですが。」
「何を言ってる、事後承諾で片付けるに決まっているだろう?」
達也の懸念に、摩利は当たり前のように返した。
「摩利、そんなことするわけないでしょう。ちゃんと私と摩利と、後は十文字君の三人でお願いしに行くわよ。」
(三巨頭全員で、か。・・・・・同情くらいしてやろう。)
達也は何も知らぬであろう正人を哀れんだ。
次回からやっと九校戦に向けて始動していきます!
九校戦開始までの期間の話をオリジナルでいれますのでお楽しみに。