魔法科高校のやや優等生   作:BEBE

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少しだけ優等生の方の話とも絡みます。

劣等生の方だけでは少し物足りないので。

それでは7話です。


謎の女性

模擬戦2の翌日、この日から部活の勧誘が始まるため、HR前の教室はどこの部活に入るかの話題で盛り上がっていた。

 

「クソ!エリカの野郎、結局奢らせやがッた。」

 

しかし、正人は昨日の一件で機嫌が悪かった。

 

「まあ、男なんだしパフェのひとつくらいで喚くとみっともない。」

 

そして雫に一閃される。

 

「いや、アイツわざわざ一番高いヤツ頼みやがったからな!千円近くしたぞあれ!」

 

現在お小遣い制の正人にとっては千円の出費はかなりの痛手なのだ。

 

「あんの赤女・・・・・いつか然るべき報いを受けさせてやる・・・」

 

正人から不穏なオーラが放たれている。

 

「と、ところで、皆は何の部活に入るの?」

 

ほのかは話を変えようとする。

 

「私はまだ決めてない。」

 

「俺は剣術部を見ようと思ってる。」

 

何とか話題は変えられたようだ。

 

「そっか、私もまだ決めてないんだよね。今日色々見て回ろうかな。」

 

ほのかがそう言った時、深雪が教室に入って来た。

 

「あ、おはよう深雪。」

 

「おはよう。」

 

「おー、おはよう深雪。」

 

雫、ほのか、正人の順で挨拶をする。

 

ちなみに、正人と深雪も名前で呼び合うようになった。

 

「三人ともおはよう。正人君、昨日は災難だったわね。」

 

深雪はフフ、と笑いながら地雷を踏み抜いた。

 

((バカー!))

 

雫とほのかは恐る恐る正人の方を見る。

 

「イヤー、ホントに参ったよ。」

 

以外にも正人は苦笑い程度ですんでいた。

 

が、

 

「ホントな、アイツのせいで俺の一ヶ月の小遣いの半分が消えたよ・・・・・次やるときは刃有りでやってやる。」

 

結局正人は不穏なオーラを放ち、物騒なことを呟いた。

 

「・・・・・・ごめんなさい、もしかしてマズかったかしら・・・」

 

深雪も自分のミスに気付いたようだ。

 

「まあ、今のは不可抗力だよ・・・・・」

 

「て言うか、正人のお小遣い、月2000円なの?」

 

ほのかは深雪のフォローをし、雫は正人の高校生としては少ない小遣いに驚愕したとき、始業のチャイムが鳴った。

 

 

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そして現在、正人は剣術部の見学のため、体育館を目指していたのだが、

 

(何だこの人の壁は・・・・・)

 

各クラブが新入生の勧誘に奮闘しているため、通路が混み合っていた。

 

(まったく、こんなのに一々引っ掛かってたら日が暮れるぞ。)

 

そう思いながらも、正人は意を決してその中を突っ切ることにした。

 

 

そして、

 

 

(どこからも勧誘されなかった!)

 

見事にスルーされたため、スムーズに人混みを抜けることができた。

 

が、正人は膝をついてショックを受けていた。

 

(いや、スムーズに行けたから良かったんだけどさ・・・・・何?俺ってそんなにオーラない?)

 

正人が見た限り、全く勧誘を受けずにあそこを通り抜けたのは、自分だけであった。

 

(どんだけ背景みたいな存在感なんだよ!ミスディレクション会得してんじゃねえか!)

 

正人の脳裏に某バスケ漫画の主人公がよぎった。

 

(・・・・・・さっさと体育館に行こう。)

 

正人は心にダメージを負いながらも、当初の目的である体育館に向かっていった。

 

 

 

が、

 

体育館に入った正人が見たものは、倒れ伏す剣術部の面々と、その中でただ一人立っている達也の姿だった。

 

「おおおい!達也!?何やってんだよお前!」

 

「あ、正人君。ヤッホー。」

 

叫ぶ正人にエリカが声をかける。

 

「あ、エリカ!お前昨日の千円返せよ!」

 

「実は今剣道部と剣術部の喧嘩があってさ、ヒートアップした剣術部を達也君が一人で全員倒したの。」

 

「うん、説明はありがたいけどスルーすんな。」

 

正人は千円を取り戻すまで諦めない。

 

「じゃ、アタシはこれで!」

 

そう言いエリカは一瞬でその場を去っていった。

 

「逃がすか!」

 

正人はエリカを追ったが、結局巻かれてしまった。

 

 

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結局、部活勧誘期間中、剣術部の新入生の勧誘はなく、正人はどこにも入らない結果となった。

 

「クソ、何か最近ついてねえな。」

 

「まあ、剣術部の活動再会まで待てばいいだろ。」

 

朝のHR前、正人は前の席の森崎と喋っている。

 

「森崎はどこ入ったんだっけ?」

 

「コンバット・シューティング部だ。」

 

「おお、ピッタリじゃん。」

 

正人はちょうどいい部活に入れた森崎が少し羨ましかった。

 

「まあ、別にどうしても部活に入りたかった訳じゃないんだけどな。」

 

そんな会話をしていると、雫とほのかが走ってきた。

 

「「正人君!」」

 

「お、おお、どうした?」

 

正人だけでなく、森崎も二人の剣幕に少し引いている。

 

「私たち昨日、正人君のお姉さんに助けられたかも知れないの!」

 

「間違いないよ!あれはオリハルコンだったよ!」

 

ほのかと雫はかなり興奮している。

 

「ああ?待て待て、一回落ち着け。」

 

「そうよ、二人とも少し落ち着いて。」

 

深雪がやって来て二人をなだめる。

 

「でも、私もあれは正人君のお姉さんだと思うわ、顔立ちもなんとなく似てたし。」

 

「深雪もその場にいたのか?」

 

「ええ、私が来たのはもうその人が二人とあともう一人の子を助けたあとだったけど。」

 

深雪は正人質問に短く答えた。

 

「・・・・・・・とりあえず説明頼む。」

 

「わかった、私が話すね。」

 

少し落ち着いてきた雫が説明役を買ってでた。

 

「先ず部活勧誘の話から始まるんだけど・・・・・ 。」

 

雫の説明が始まった。

 

 

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時間を少し遡り、昨日の放課後。

 

路地裏で倒れる三人の少女と、その少女達を見下ろすフルフェイスの四人組がいた。

 

(何これ・・・・頭が割れるような・・・・・)

 

雫は突然自分達を襲った頭痛が何か分からなかった。

 

三人はキャストジャミングの影響による強烈な頭痛により、魔法の行使はおろか、立ち上がることも出来ない。

 

そして、ナイフを構えたフルフェイスの男が迫ってくる。

 

(そんな・・・・こんなの・・・やだよ・・・)

 

ほのかは涙を流すが、為す術はない。

 

そしてナイフがほのかに降り下ろされようとしたその時、

 

「何をしてるのかしら?」

 

いつの間にか、フルフェイスの男の横に、一人の女性が立っており、男の腕を掴んでいた。

 

ショートヘアーながらも艶のある髪、加えてスタイルもいい綺麗な二十代前半くらいの女性だった。

 

薄手のパーカーにジーンズというラフな格好であるが・・・・なぜか買い物袋を持っていた。

 

「な、何だこの女、いつの間に・・・・」

 

しかし、男は最後まで言葉を放つことなく、その女性の掌底を鳩尾に叩き込まれ、意識を手放した。

 

「女の子にそんな物騒なもの向けるんじゃないわよ。」

 

その女性は持っていた買い物袋を地面に置く。

 

「貴様!よくも同士を!」

 

男達の内の一人が女性にナイフを突き出す。

 

が、

 

バキン、という音とともにナイフの刃が折れた。

 

見ると、女性が脚を振り抜いていた。

 

突き出されたナイフの刃を蹴り砕いたのだ。

 

「な、何が!?」

 

男は何が起こったのか理解できていなかった。

 

そして、そのまま振り抜いた脚を今度は軸足にし、回し蹴りを男の側頭部に放つ。

 

「グガッ!」

 

フルフェイスの上からであるにも関わらず、とてつもない衝撃に襲われ、さらに、

 

「ふっ!」

 

肘鉄を鳩尾に食らい、気絶する。

 

「な、何者なんだ!この女!」

 

「クソ!退くぞ!」

 

残った二人は冷静に逃走を図るため、バイクのもとへ走る。

 

しかし、

 

「あら、格上相手に背中見せるなんて、」

 

そう言いながら、女性はパーカーのポケットに右手を入れ、黒い剣の束のような物を取り出した。

 

それを見て雫は目を見開く。

 

(あれは正人の!?何で?)

 

そして、その束から赤い半透明な刃が出現し、赤く光る。

 

「自殺行為よ。」

 

そう言い、赤い剣を視認不能なほどの速度で、男に向けて振るう。

 

その刃から赤い斬激波が飛び、男を吹き飛ばす。

 

「ヒッ!ま、魔法士だったのか!」

 

隣にいた男がやられ、焦りながらもキャストジャミングを放つ。

 

しかし、

 

「ダメよ、そんなのじゃ。あなた達レベルじゃ私には効かないわよ。」

 

女性は平然と男に歩み寄る。

 

「ヒッ!く、来るな!来るな!」

 

「煩い。」

 

女性は男の腹部に剣を叩きつけ、気絶させる。

 

 

「す、すごい・・・・」

 

赤髪の少女、エイミィは思わず呟いた。

 

「でも、今の魔法は・・・・・」

 

雫は女性が使った魔法が気になった。

 

「うん、正人君の・・・・だよね。」

 

ほのかがそう言ったとき、

 

「あなた達!大丈夫?」

 

深雪が路地に現れた。

 

「あら、この子達のお友達?」

 

「え、ええ。貴方は?」

 

深雪問われ、女性はフフ、と笑う。

 

「ただの買い物帰りの魔法師よ。それじゃあ、その子達はよろしくね~。」

 

そう言い残し、その女性は買い物袋を拾って去っていった。

 

「え、あ、ちょっと!」

 

深雪が止めようしたが、既に見失ってしまった。

 

「・・・・・えーと、説明をお願いできるかしら。」

 

深雪は三人から状況の説明を受けたのだった。

 

 

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「て、ことがあったの。」

 

雫は説明を終えた。

 

「お前らな、不用意に危ないことに首突っ込むんじゃねえよ。ハッキリ言って、死んでたぞ。」

 

正人は雫とほのかを嗜める。

 

「うん・・・・・ごめんなさい・・・・」

 

ほのかが俯きながら謝る。

 

「でも、だからこそ誰なのかハッキリさせてお礼を言いたいんだよ!命の恩人だもん。」

 

雫は正人の目を見て訴える。

 

「ねえ、あの人は正人のお姉さん何でしよ?」

 

雫に利かれた正人は、ハア、とため息をつく。

 

「・・・・・・俺に姉はいないし、この辺に住んでる親戚もいない。」

 

「え?でも、オリハルコンを使ってたし、正人君と全く同じCADも持ってたんだよ!無関係なはずないよ!」

 

ほのかは正人に問い詰める。

 

「正人君、私もそう思うわ。・・・・それとも、何か言えない事情が?」

 

「いや、そうじゃない。」

 

深雪の質問に正人は短く答える。

 

「・・・・・・・母親・・・・・」

 

「「「え?」」」

 

「それ、俺の母親だ。」

 

「「「ええええー!?」」」

 

三人の叫び声が重なり、

 

(全く話が分からない・・・・)

 

森崎はただ一人取り残されていた。

 




チート母さん登場!

次回親父も出てきます。

まあオリキャラそれ以上増えないと思います。

次回もよろしくお願いします。
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