雪ノ下雪乃の成長
「ふぅ…………」
勉強も一区切りついたのだし,少し休むとしましょう。奉仕部は一学期の終了と一緒に活動がなくなったので,しばらくの間,みんなに会っていない。去年は私にとっては凄く変化した一年だったわ。そして,今までで一番楽しい一年だったわ。いきなりドアが開いて,そこからかしら。
いつも一人でいた部室に,比企谷君がやってきて,平塚先生が彼を入部させて。部室が二人の空間になって,でも,彼が私を見るのはあいさつするときと,私が話しかけたときだけ。少し寂し……………いえ,なんでもないわ。由比ヶ浜さんもそのあとに入部して,三人いて違和感のない空間になっていったわね。由比ヶ浜さん,ちゃんと受験勉……………夏休みの課題やってるかしら。心配ね。彼は,問題ないと思うけれど,多分怠惰に過ごしているのでしょう。………………………その時間に電話くらいかけてきてくれてもいいのに……………………
そういえば,彼の誕生日って今日だったわね。何かあげようかしら。でも,彼の趣味ってしらないのよね。何か買いに行こうかしら。今日やるべきことは終わったのだし,息抜きがてら探してみましょう。
「……………………えっ⁉︎」ピクッ
今,何か変な感じがしたのだけれど。気,気の,せいよね。別に怖いとかそういうわけではないのだけれど,だれだっていきなりへんなものを感じとったら少しくらい驚くものよ。一般的に考えて驚くことが普通よ。別に幽霊が出たとかそういうことが怖いだなんて,ちっとも,ちっとも思っていないのだし,そもそもそんな非科学的なものがこの世の中にあるわけがないじゃない。そりゃぁ,一般大衆の中には怖がったりする人がいるけれど,私はちっとも,ちっとも怖くなんてないもよ。
早く出ましょう。いえ,怖いからとかではなく時間を有効的にかつ無駄がないように動かないといけないというだけよ。幽霊が怖いから早く家から出たいとか,そういうわけではないのよ。
っと,来てみてわかったのだけれど,ここのデパートって凄く道が入り組んでいるのよね。少し,ほんの少し,迷ってもおかしくないわね。
「おーい,雪ノ下ー」
振り返ってみると,死んだ魚の目をした比企谷君がいた。あ会えて嬉しい。けど,彼に悟られてはいけない。平静を保たないと。でも,頰が少し上に浮いていく。それから,顔が少し紅くなっている気がする。
八幡 「顔紅いぞ。熱でもあるのか?」
雪乃 「紅い,かしら。だとすれば,あなたのせいね。あなたの比企谷菌のせいで紅くなっているだけね」
比企谷君のせいなのは事実なのだから,嘘ではないわよね?彼に会うと顔が紅くなる。どうしてそうなるかを,私はもう知ってる,けれど.....
八幡 「……………ねぇ,久久に会ったのに何でこんなに辛辣なの?そういう病気なの?」
雪乃 「あなたと一緒にしないでちょうだい」
八幡 「別に俺は病気じゃない。ところで,なんで俺を呼んだの?」
雪乃 「え?呼んでいないのだけれど。遂に夢と幻の区別がつかなくなってしまったのね」
八幡 「いやそれ,どっちも現実じゃないじゃん。雪ノ下さんが電話でーーーーーーー
『ひゃっはろー』
八幡 「なんですか?」
『あれ?私が誰だかわかるの?』
八幡 「あなたほど怖い人はいませんから」
陽乃 『またまた〜。やっぱり面白いな〜,君は』
八幡 「んで,何の用ですか?俺,これでも受験生なんですが」
陽乃 『ん〜,実はね〜。雪乃ちゃんがデパートで待ってるから来てほしいってさ〜。いってあげてね?』
八幡 「面倒くさいんですが」
陽乃 『じゃあ〜,いってあげたらNAXコーヒーを30個あげ 八幡 「喜んでいかさせていただきます」……………人が話してるのに遮ったらダメだよ?』
八幡 「NAXコーヒーにはどんな社会通念も通用しません」
陽乃 『んじゃ,今○□デパートの二階の奥の方にいると思うから,よろしく〜』
ーーーーーーーーーーってことだったんだが」
雪乃 「ちょっと待って。まず,私がそんなこと姉さんにお願いするわけないじゃない」
八幡 「いや,そんなことはわかってんだが,見事に餌があったもので,さ?」
雪乃 「まぁ,えっとそんなことよりも,今日 プルルル八幡 「はい」
八幡 「あーはいはい。わーったよ。今から帰るよ」
八幡 ガチャ「あー,悪い。小町が家で待ってるからそろそろ帰るな。用も特にないようだし」
雪乃 「どうしたの?家出は連絡を絶ってからやるものでしょう?」
八幡 「何が好きで愛する小町からの誕生日の祝いをしてもらえる日に家出せにゃあかんのだ。俺の誕生日今日なの覚えてないだろ?」
雪乃 「覚えているわ。プレゼントはないけれど」
八幡 「いや,そういう嘘はいいよ。んじゃ」
雪乃 「待って。プレゼントをあげたら,覚えていたと認めてくれる?」
八幡 「まぁな。でも,用意してないんだろ?」
雪乃 「いいえ,ずっと前からあなたにもらってほしいものがあったわ」
八幡 「へ〜。そんなものが。んで,くれるのか?」
雪乃 コクッ
八幡 「ありがとう。それは今家か?」
雪乃 「いいえ,今あるわ。あなたの目の前に」
八幡 「…………………何もねぇぞ」
雪乃 「だから…………その……………あげたかったっていうのは…………………わ………………わた……………」///
八幡 「悪い。全然聞き取れん」
雪乃 「だから!こういうことよ!」
そう言って私は彼に抱きついた。
八幡 「………………えっ?えっ?えっ?えっ?」
雪乃 「だから………………あなたにあげたかったのは,わ……………私……………」///
自分でもわかる。凄く顔が紅くなってる。顔が熱い。そして,凄い恥ずかしい。生まれて初めて好きになった人で,そして、初めての告白。こんな思いなのね,恋って。そしてそんな彼の顔を見たら,彼の顔も紅くなってた。それで,そんな彼から発せられる言葉はーーーー
八幡 「えっと……………つ,つまり………………どういうことだ?」
ーーーーーー相変わらずだった。彼らしいといえばそうなのだけれど。だから,改めて言葉に。
雪乃 「はっきりと言葉にしないと伝わらないようだからします。比企谷君,あなたのことが好きです。私と,付き合ってください」
はぁ,言ってやったわ。言い切ったわ。でも,多分彼は由比ヶ浜のことが好きなのでしょう。仕方ないわ。今まで散々なことを言ってきたのだから。でも,これで後悔はしない。初恋をできたんだもの。それで,その相手に告白をしたんだから。だから後 八幡 「俺も好きだ」悔はしな…………え?
八幡 「俺も雪ノ下のことが好きだ。だから,付き合ってくれ」
雪乃 「由比ヶ浜さんじゃなくて?」
八幡 「何言ってんだ?」
雪乃 「い,いえ。なんでもないわ。じゃあ,これからよろしくね,は……………八……………幡」///
思ってた以上に名前で呼ぶことって難しいのね。彼だって言えないに決まっている。だから,気にすることではないわね。
八幡 「よろしくな。ええと………………ゆ,雪乃」
彼が名前を言えるだなんて。驚きが隠せないわ。なぜ彼が言えて私が言えないのかしら。なんだか非常に悔しいわ。
八幡 「ん,まぁ,最高の誕生日だ。今までの中で。ありがとな」
そうね。誕生日だったわね。頭が真っ白になっていたわ。もう一つ,プレゼントをあげるとしましょうか。
彼に近づき,彼の唇に。彼は驚いていたが,そのあと,目を瞑ってくれた。受け入れてくれた,ってことでいいのよね。さて,最後の行動よ。
雪乃 「誕生日おめでとう。八幡」ニコッ
八幡 「ありがとう,雪乃」フッ
そして,その夜。
「ひゃっはろー,雪乃ちゃん」
雪乃 「姉さん………………」
陽乃 「ほらほら〜,お姉ちゃんに言うことあるでしょ?ほらほら〜,言いなさいよ〜」ツンツン
雪乃 「はぁ………………。姉さんのおかげで比企谷君と付き合うことになりました。ありがとうございます」
最大限に嫌さを演出した私の話をうんうんとうなづきながら姉は言う。
陽乃 「いや〜,比企谷が私の弟になるのか〜。楽しみだな〜」
そのことを考えてなかったわ。彼の精神,もつかしら………………
まぁ,でも,今日から,私に恋人ができたわけだけれど,恋人って,何をするのかしらーーーーーーー
結局,彼とはなんだかんだで変わらない気がするわ。まぁ,彼もわからないでしょうし,特に気にすることではないわね。これが,私の一年での成長。大きな,成長。私も彼もいい方向へ成長している。このまま,どこまでいくのかしら。
陽乃 「あっ。それから雪乃ちゃん」
雪乃 「まだ何か?」
陽乃 「おめでとっ」ニコッ
雪乃 「あ………ありがとう」
多分,初めて心の底からの感情を姉さんに見せた。
お読みいただきありがとうございます。
さてさて,どうでしたでしょうか?3000字オーバーですよ。……………すごくしんどいですね。
でも,テスト勉強のいい気分転換になりました。
なんか,なんか,なんなんだろう。達成感あるのに,なんか,無理やりすぎじゃないですかね。私は楽しく読めますけれど,皆さんはどうでしたか?