八雲のネタ帳   作:八雲 紅

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なんか思い付いたので
ラブライブ成分は薄めです、ていうかほぼ無いです


よく訓練された転生者がラブライブの世界へ放り込まれる話

 

神様転生という言葉を知ってるだろうか。

 

「ハロー、私は神様。君を間違えて殺しちゃったからお詫びに好きな世界に転生させてあげる」というやつだ。

二次創作や夢小説での王道ともいえる展開だ。

 

自分の知ってる好きな世界へ行けて、運が良ければチートも貰える。

原作とどう関わるか、ヒロインとどう関わるか、好き放題できると思い、胸を弾ませるだろう。

 

だが、いずれ気付く。

自分の知っている『作品』の世界と『現実』の世界のギャップに。

『作品』を通して見ていた、そこに住む人々に。

 

これに気付いてしまえば、一気に『現実』だと信じていた世界が『作られた箱庭』へ変わってしまう。

全てにリアリティを感じなくなる。

 

そして、転生は何度も何度も繰り返される。

もう嫌だと叫んでも、逃れられない輪廻の輪に組み込まれてしまう。

 

 

そしてようやく気付かされるのだ。

 

 

神が人間を救う筈が無い。

人間は今も昔もずっと、神のオモチャなのだと……。

 

 

いつしか、転生者達には共通する一種の感情が芽生えた。

 

 

 

 

 

ーーーー合言葉は?

 

「神様殺す」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大多数の人が行き交う大都会、東京のとある一角に存在する喫茶店より物語は始まる。

小綺麗で洒落た喫茶店のカフェテラスには既に三人の女性が席に着いており、それぞれが注文したものを待っていた。

 

「お待たせしました」

 

程なくして、店員が注文した飲み物をトレイに乗せて運んでくる。

店員が一礼して席を去ったあと、三人のうちの一人が口を開いた。

 

 

「神様殺す」

 

「神様殺す」

 

「神様殺す」

 

 

一人が言えば、残りの二人も呼応したように同じ言葉を述べる。

 

太陽が眩しい春の昼下がりの喫茶店で三人の女性が物騒で意味不明な言動を取っているのを一般人が見れば通報されるのは確実だろう。

 

 

「間違いはないみたいですね」

 

「どうやら今回はオレら三人だけらしいな」

 

「そのようですわね」

 

 

あれがある種の合図だったのか、三人はそれまで黙っていたのを誤魔化すかのように笑顔で会話を始めた。

 

 

 

「ひとまず、自己紹介から致しましょう。わたくしの名前は天田レイラ。高校三年生。見ての通りハーフですわ」

 

恐らくこの三人の中で一番目立つであろうお嬢様言葉の女性が微笑みながら名前を明かす。

白く透き通った銀色のロングヘアーに妖しく光る赤い瞳、そして左目の下にある泣きぼくろが特徴だ。

言葉遣いだけでなく、動作の一つ一つに気品がある。

 

 

「オレは黒川大河。高校二年生。一応言うがオレは女だからな」

 

次に名乗ったのは日焼けした褐色の肌を晒すボーイッシュな女性。

黒に近い灰色のショートカットヘアーに青の瞳の彼女は不機嫌そうな顔で頼んでいたカプチーノに口をつけた。

 

 

「最後は私ですね。如月千夜です。高校一年生です。よろしくお願いします」

 

最後に黒髪黒目で白いフレームの眼鏡をかけた、この中では一番普通な彼女が眼鏡をくいっと上げる動作をしながら名乗る。

 

 

「さっそくお聞きしたいのですが、お二人の記憶が戻ったのはいつでしょうか?」

 

「一昨日くらいだな。いきなり頭に情報が叩き付けられるのはやっぱり慣れねぇ」

 

「私もそれくらいかな。しかも女になるのは初めてだから……昨日も一昨日も記憶の整理でいろいろ大変だったよ」

 

「あら、実は女性になるのはわたくしも初めてなんです。どうでしょう?これから親睦を深めるために三人でホテルにでも……」

 

「オレにそんな趣味はねーよ!」

 

「昨日は一日中部屋で色々とシましたわ。女性の身体って男性と違ってすごくイイんですのよ?」

 

「変態だ……」

 

 

ここに集まった三人は、俗に言う『転生者』と呼ばれる存在。

前世の記憶を持ち、最初から確固とした自我を持つ異質な存在。

 

彼女達はつい最近までは前世の記憶が無い状態で過ごしていたが、ふとした瞬間に思い出した。

前世のことを思い出し、次に自分の居る世界が現代に近いものだと理解した彼女達は転生者の間であらかじめ決めていた合言葉「神様殺す」を利用し、ネットで仲間を募った。

そしてこの三人は出会うことが出来たのだ。

 

 

「何か問題でも?」

 

「色々ありまくりなんだよ!」

 

「別に女性限定ではありません、男性でも構いませんわ。女性側の気持ちを知るいい機会だと思いますの」

 

「あ、ダメだこいつ」

 

「でも、実際どうしたらいいんでしょうか……男を好きになるのは精神的に、女を好きになるのは身体的にアウトですよね」

 

「考えていたら疼いてきましたわ。千夜さん、一緒に御手洗に行きませんか?」

 

「アホか!そんな下らない話は置いてさっさと話を進めるぞ!」

 

 

大河が声を荒げると、レイラはやれやれと言った表情で口を閉じた。

 

 

「……ここは何処の世界なんでしょうか?」

 

「現代世界なのは確実だな」

 

「最近に記憶が戻ったということは、今から『原作』の始まりが訪れるのでしょう」

 

 

転生者が送られる世界には元となるもの、俗に言う『原作』と呼ばれるものが必ず存在する。

転生者同士で集まるのは情報交換のため。原作の有利な情報を知り、この狂っていく世界を生き抜くためには欠かせないことなのだ。

 

 

「今回みたいに記憶が途中で入ったりすることもあれば、最初から記憶があることもありますよね」

 

「先程も言いましたが、記憶は物語の始まりが関係しております。最初から完成された世界ならば、産まれた時から記憶が存在するケースが多いですわ」

 

「確かにファンタジーとか異世界は産まれた時から記憶があるからなぁ」

 

「今回は違うタイプみたいですわね。この手のタイプは事前準備が出来ない分、厄介ですわ」

 

「ネットで色々と調べてみたが露骨に変な事件とか地名は無かった気がするぞ」

 

「女になっているのも関係があるんでしょうか……」

 

「三人では少し分かりませんが、もしかしたら関係あるかもしれませんわ」

 

 

三人は一通りの事情や異世界の情報を話したあと、街で情報収集にすることに決めた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

秋葉原。

今も昔も変わらない、オタク達の聖地。

数多の人間と店が跋扈するその場所へ三人は足を踏み入れた。

 

 

「この場所はいつ来ても変わりませんわね」

 

「そうか?いや、むしろ変わったのはオレらか……」

 

「……見られてる気がする」

 

 

能天気に呟くレイラに大河が意味深に呟き、千夜はいつもとは違う感覚に戸惑った。

 

お嬢様、ボーイッシュ、清楚……それらの属性を生かすかの如く与えられた天性の肉体。

この三人、控えめに言っても外見はかなりの上位クラスである。

 

通行人がチラチラと視線を送るくらいだ。千夜はその寄せられる視線に戸惑っていた。

 

その中を彼女達は歩く。

 

 

「現代というと、何があるんでしょうか?」

 

「闘うヒロイン系の線が濃厚ですわね」

 

「裏社会ものもありそうだな。性別全く関係ねーけど」

 

「……異次元からの侵略者は流石に考え過ぎかなぁ」

 

 

各々の予想を話しながら三人は秋葉原の中を歩く。

途中、メイドのバイト募集やら怪しいおじさんに声を掛けられたり変な勧誘が来たりしたが特に変わったことは無かった。

 

 

しばらく歩いていると、建物の前にたくさんの人だかりが出来ていた。良く見ると建物にはCDショップの看板がある。

 

 

「あら?あれは……」

 

「やけに人が集まってるな」

 

「行ってみましょう」

 

 

三人はその中へと向かっていく。

そして三人は何が起きているのかを理解した。

 

どうやらアイドルがCDの販売をするらしく、さらにサプライズでそのアイドルがこの場で一曲歌うらしい。

 

 

「これはアレですわ、アイドルのライブが始まった瞬間にモンスターが現れてそのアイドルが変身してモンスターをやっつける展開ですわね!」

 

「いや?案外アイドルがオレらを見て「やっと見つけた」とか言って襲ってくるんじゃね?」

 

「上からナンバーズハンターが降ってきそう」

 

 

例えどれが当たっても確実にロクなことにならない予想を三人は話す。

会場の熱気と場の雰囲気が合わさって彼女達の会話を聞く者は居ない。

 

 

神器(セイクリッド・ギア)はありませんが、魔術の心得ならあります。嵌め手なら任せてくださいまし」

 

手袋(コントローラー)は無いけど関係ねぇな。殴りあいなら任せとけ」

 

「あ、これIS持ってない私が一番の役立たずですね。一応、銃の扱いと機械の操作なら出来ますのでよろしくです」

 

 

三人は不測の事態に備えて話し合いを始める。

彼女達の事情を良く知らない者ならば確実に「残念な美人」と命名されそうな会話内容である。

 

三人の会話が物騒なのにはちゃんと理由がある。彼女達、転生者の目的は神を殺すこと。

 

転生者は転生した世界にて技術武術魔術その他あらゆるものを学んで強くなる。

そして神を殺す。

 

全ては、そのために。

 

 

「お、始まるみたいだな」

 

大河の言葉に反応し、二人は特設のステージへ視線を向けた。

ステージの脇からスポットライトに照らされながら現れたのは如何にもといった感じのアイドル衣装姿の三人組。全員が女性だ。

 

「今日は私たち『A-RISE』のために集まってくれてありがとー!」

 

リーダーと思われる栗色の髪の女の子の声がマイクを通して辺りに響く。

彼女の左右には紫の髪の女の子と茶髪の女の子が控えている。

 

 

「アライズ……誰?」

 

「存じ上げませんわ」

 

「分からねーな」

 

 

ステージではA-RISEと名乗ったアイドルのダンスが披露されており、周りのテンションが最高潮となっているがこの三人だけは違った。

 

 

「あの三人の誰かが美少女戦士だったりするんでしょうか」

 

「今からテロリスト来たりしてな」

 

「全員可愛いですわね。食べてしまいたいですわ」

 

 

彼女達のファンが聞けばタダでは済まされない会話を三人は繰り広げている。まぁ、その場合タダで済まされなくなるのは間違いなくファンの方になりそうだが。

 

 

「A-RISEって何だよ」

 

「携帯で調べてみましょうか」

 

「お願いしますわ」

 

 

千夜は携帯を取り出し、A-RISEを検索する。

 

 

「えーっと、A-RISEはUTX学園所属のスクールアイドル。栗色の子がリーダーの綺羅ツバサ。茶髪の子が優木あんじゅ。紫髪の子は統堂英玲奈。この三人は前回のラブライブの優勝チーム。……普通のアイドルグループみたいですね」

 

「ラブライブ……ですって……」

 

千夜の読み上げた内容を聞いたレイラは額に手を当てふらりと後ずさる。ラブライブ、という単語に反応したようだ。

 

「どうした?」

 

「わたくしも詳しくは覚えていませんわ……なにぶん何百年も記憶を遡りますから。でも、これだけは思い出せます」

 

 

レイラは胸に手を当て、意を決した彼女は衝撃の事実を二人に告げた。

 

 

「ここ、日常アニメの世界ですわ!!!!」

 

 

日常アニメ。

戦闘とは全く縁の無い世界。

 

レイラの言葉を聞いてワンテンポ置いたあと、ようやく理解したのか二人は長いため息を吐いた後にがっくりと肩を落とした。

 

 

 

 

 





A-RISE(あの人たちライブ聞いてない……)

女体化したらまずは自分のおっぱい触って自家発電すると思うんだ
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