何故か続いた。
神様転生して原作関わるならこれくらいしようせ!
明かされた衝撃の真実から立ち直った二人はA-RISEのライブ会場から立ち去り、別の喫茶店へ来ていた。
『自分の想像してた世界と違う』という事実を知り、三人は失意に呑まれ……
「ラブライブって何だよ。新しいブラか?」
「なんでライブという単語を無視してるんですか」
「わたくしはノーブラ派ですわ」
「聞いてねーよ!そんでブラは付けろ!擦れて痛いから!割とマジで!」
て、いなかった。平常運転である。
「コホン、まともな説明を致しますと『ラブライブ』というのは最強のスクールアイドルを決める大会ですわ」
レイラはわざとわしく咳払いすると、三人に説明を始めた。
「随分あっさり言うな。スクールアイドルってさっきの……リレイズみたいな奴らの事か?」
「
千夜が大河の言葉をやんわりと指摘する。
それを見たレイラは頷いて話を始めた。
「スクールアイドルというのは学校の部活みたいなものですわ。調べてみたところA-RISEは前回のラブライブの優勝チームのようです」
「あれ主人公じゃなくてラスボスか」
「前回優勝者って時点で確実ですね」
「……この世界は、主人公の女の子が仲間を集めてラブライブに出る話だったと記憶しております」
二人の反応を見た後に千夜は重要な件である《原作の流れ》を話す。
三人の間に、しばしの沈黙が訪れる。
「……今回の世界は、私達がそれに参加しろと?」
千夜の一言で沈黙が破れる。
「えぇー?アイドルぅ?」
「わたくしはやりますわ」
「マジかよ」
千夜の言葉に不満そうに反応する大河だが、反対にレイラはやる気に満ち溢れる返事をした。
「大衆の心を掴む、異性同性を魅了する、トークやダンス、これらの技術を覚えても損はありません。むしろ貴重な体験だと思いますわ」
「確かに……」
「まぁ……そうか」
レイラの言葉に千夜と大河の二人は同意する。
気分を良くしたのか「そうでしょうそうでしょう」とレイラは頷き、さらにまくしたててくる。
「ルックス上の上であるわたくし達が組めば最強ですわ!」
「いや、そもそも学校違うんなら意味ないだろ?」
大河のツッコミにより、レイラの言葉と勢いが途切れる。
「……そうでしたわ。貴女達とは敵同士になるかもしれませんわね」
「とりあえず何処の学校に居るか言っとくか?あー、この季節だと千夜は今から入学式か」
ふと思い出したように大河がレイラへ向き直りながら呟いた。
今の季節は桜の舞う春。春休みシーズンの頃である。
「そうですね。私は《音乃木坂学園》って場所にーー」
「ぶっ」
「げほっ」
千夜が入学する予定の学校の名前を告げれば、二人はいきなり吹き出した。
そして吹き出した二人もお互いに顔を見合わせる。
「……どうやら、凄いことになりましたわね」
「ああ……ホント」
「「わたくし(オレ)も音乃木坂学園ですわ(だ)」」
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「とりあえず皆さん落ち着きましたか?」
三人で学校以外に住んでいる場所などの詳細を確認した後、レイラは三人を見る。
二人は溜め息をつきながら頷く。
「三人一緒か……これさ、確実に主人公勢も一緒じゃねーのか?」
「学園までは覚えていませんが……有り得そうですわね」
大河の言葉にレイラは考え込む。
必死にこの世界の内容を思い出そうとしているのだろう。
「くっ、思い出せませんわ!」
しかし遥か忘却の彼方から記憶を引き出すのは難しかったのか、すぐに諦めたようだ。
「まぁ、スクールアイドルするのはいいんですが何か準備とかした方がいいのでしょうか?」
「準備……そうですわ!」
千夜の言葉にレイラが大袈裟に反応し、机を叩き千夜を指差す。突然のことに千夜がビクッとする。
「この世界は日常アニメ。そしてそれぞれの個性が際立つアイドル、そして学園もの!わたくし達はルックスは問題ありません。ですが、問題はそれぞれのキャラですわ!」
「……キャラ?」
「そうですわ!主人公達と行動するなら、キャラ被りはかなりマズいですの!下位互換とか言われるのは私達も、原作キャラにも得がありません。ですから……」
そう語りながらレイラは立ち上がり、千夜を指差した。
「千夜さん、まずは貴女を改造します!」
「うえぇ!?」
「黒髪で大人しい清楚系眼鏡なんて絶対被るに決まってますわ!というか眼鏡キャラが被るだけで貴女のキャラは崩れてしまいます!というかダンスするなら眼鏡はダメですの!」
「酷ぇな、おい……」
「なん……ですと……」
レイラのストレートな指摘を受けて千夜は落ち込んだ。
「ていうか二人はどうなんですか!お嬢様キャラもボーイッシュも被ったらリカバリー不可じゃないですか!」
「オレもかよ!?」
「わたくしはハーフ外国人枠ですしお嬢様を抜いても、アルビノダウナー系や中二病系だっていけますのよ。わたくしのキャラは108式ありますわ!」
「ドン引きだよ」
「ていうかアルビノだったんですね……」
「実際になってみると分かりますがアルビノは辛いですわ。陽光が肌に突き刺さりますし肌や目の血管は浮き出てモンスターみたいな外見になりますし。私に魔力が無ければヤバかったですわ」
魔力で肌や瞳を守っていますわ、と付け加える。
「って、そんなことはどうでもいいですわ!まず必要なのはキャラ改造!あと千夜さんは外見も!大至急ですわ!大河さん、千夜さんを捕まえて下さいまし」
「は?まぁ、いいけど」
「え?ちょ、え?」
レイラの命令で大河は千夜を捕まえた。見る人が見ればキマシタワーが建つだろう。
「連行してください」
「何処に?」
「我が家ですわ。これより千夜さん改造計画を発動します。外見は私の魔力でどうとでもなります」
「いや、いきなり整形みたいなことしたら周りの人間が驚くんじゃないか?」
「心配ありませんわ!こういう時は都合よくみんな一人暮らしと相場が決まっていますの!」
「…………いや、まぁ確かにオレも一人暮らしだが」
「あの、離して下さい。逃げませんから」
会計を済ませ、店を出た三人は歩き出す。
オリ主が世界を生き抜くのも大変なのである。
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場所は変わり、レイラが一人暮らしをしているマンションの一室。
そこに三人は居た。
「ちーっす。如月千夜だよー?ヨロシクぅ!」
「信じて送り出したオリ主がキャラを180度変えて帰ってきましたわ」
「いや、お前のせいだろ」
なんということでしょう。
黒髪眼鏡の清楚系乙女は消え、目の前には水色の髪をしたギャル系乙女が立っていた。
「まぁー、元々眼鏡は伊達だったからいいんだけどね。こういうキャラもなかなか面白いねー」
「一度吹っ切れると全てがどうでも良くなるやつだと思うぞ」
「皆のムードメーカー。そして処女ビッチも純情もいける、美味しいキャラですわ!」
劇的ビフォーアフターを目の前で見ていた大河が小さく呟くが自分の仕事に満足したレイラには届いていなかった。
「学校が楽しみですわ!」
「……そういえば、スクールアイドルってどうするんだ?部活なら入部しなきゃいけないよな。オレ陸上部なんだけどどうするか……」
「主人公が新しく作るのかな?それに入ればいいじゃん?」
「そもそも主人公をどうやって見つけるんだよ。主人公の顔やメンバーとか覚えてないんだろ?」
「ああ、それなら簡単ですわ」
スクールアイドルをするに至っての不安。そもそも主人公って誰?という疑問にレイラは笑顔で答える。
「髪色か瞳か名前がおかしい人を探せば一発ですわ」
「「…………確かに」」
レイラの答えに千夜と大河は素直に頷いた。
自分達にしてもさっきのA-RISEにしても、一般の人間とは髪色が圧倒的に違う。
それを探せばいい。考えれば、簡単なことだった。
「では、入学式にまた会いましょう」
「ああ、また会おう」
「って言っても入学式って明後日じゃーん」
荷物を纏め、千夜と大河は帰る準備を整える。
三人が再び集うのは音乃木坂で、だろう。
「それでは、最後に……」
二人が玄関から出ていく前、レイラは二人に呼び掛けた。
大河も千夜も、彼女の言わんとすることを察した。
そして三人は声高々に宣言した。
「「「神様殺す」」」
転生者達は今日も行く。
この世界を生き抜くために、自分のために、全ては神様を殺すために。
彼女達は、スクールアイドルを目指す。
希(あれ……久しぶりに占いしてみたらメンバーが9人から12人になってる?)
希「ねぇ、エリチ。12で思い浮かぶものって何かある?」
絵里「えっ?……そうね、12正座かしら」
希「スピリチュアルやね」
μ'sのμは数字の12だから三人増えても大丈夫ヘーキヘーキ