ラブライブ!~舞い降りた堕天使~   作:宣伝部長

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第11話

あの日以来彼女達には会っていない。

と言うよりも会いたくない。

カッとなったのもあるが、和菓子の礼も言ってなかった。

あの穂むらまんじゅうは美味かった。

 

 

 

もう放課後だ。

今日もあいつらは屋上で練習をしているはずだ。

アタシはさっさと帰るかな・・・。

 

 

 

「咲ちゃん、もう今日は帰るん?」

 

 

「・・・・・」

 

 

「なんでうちのこと無視するん!」

 

 

「面倒事に巻き込まれると思って」

 

 

「あぁ、ひどいな~」

 

 

 

このスピリチュアルに絡むとろくな事がない。

いつもなにかに巻き込まれる時はコイツからだ。

だから、特に今は会いたくない。

 

 

 

「生徒会の仕事サボってんじゃねぇぞ」

 

 

「んふふ・・・心配してくれるん?」

 

 

「んな訳ねぇだろ!」

 

 

「今日はご機嫌ななめみたいやね」

 

 

 

コイツのこの笑顔。

アタシはいつもなにかを見透かされてる気がして気味が悪い。

すると彼女は不意に一枚のカードを取り出した。

そして、彼女の口から思い掛けない一言が発せられた。

 

 

 

 

 

「もうアイドルは諦めるん?」

 

 

 

 

 

その一言にアタシは目を見開いた。

アイドルを諦める?その言葉に唇を噛み締める。

忘れたい過去だ。でも、なぜコイツがそのことを知ってるんだ。

鋭い目つきで睨むアタシに臆せず、彼女は言葉を続ける。

 

 

 

「本当は中学3年の時にアイドル目指してたんやろ?」

 

 

「そんなことねぇよ!」

 

 

「でも、オーディション受けたんやろ?」

 

 

「・・・・・なっ!?」

 

 

 

誰にも口にしたことない秘密をあっさり彼女は口にした。

アタシは自分の顔が真っ赤になるのがわかる。

スピリチュアルか!?スピリチュアルなのか!!

 

 

 

「良く会いに来てくれた時にオーディションの封筒をちょこっと・・・ね♪」

 

 

 

思い出した。

本当はアイドルのオーディションのことを相談したかったんだ。

でも、あの時はまだ相談するほど勇気がなくて諦めたんだった。

些細な変化も見逃さないな・・・コイツ。

 

 

 

「だから、アタシをアイツらに会わせたのか?」

 

 

「そうやで」

 

 

「・・・・・とんだお人好しだな」

 

 

「咲ちゃんの為やと思ったんよ」

 

 

 

アタシの為・・・か。

こんなにコイツはアタシのこと思ってたのかよ。

赤の他人なのによ。

 

 

 

「だが、アタシはやらねぇ」

 

 

「どうしてなん?」

 

 

「アタシはアイドルに向いてないんだよ」

 

 

 

オーディションの時にも言われた。

理由を聞いてもなにも説明されなかった。

結果は不合格。

アタシはそれ以来アイドルと言う存在に興味はなくなった。

そして、憧れも・・・・・。

 

 

 

「でも、彼女達は咲ちゃんとアイドルが・・・」

 

 

「いいんだよ、いいんだよ!アタシは・・・・・!!」

 

 

 

アタシは怒鳴っていた。

 

 

 

本当はアイドルをやりたい!

 

 

 

でも、過去を思い出すと踏み止まってしまう自分がいる。

 

 

 

そんなアタシの目からは涙が溢れ出てしまっていた。

 

 

 

 

 

「咲・・・ちゃん?」

 

 

 

不意に名前を呼ばれたことにビクッと両肩を強張らせて振り返る。

するとそこには一番会いたくないメンバーが居た。

 

 

 

「な、なんだよ・・・」

 

 

「アイドルやろうよ!!」

 

 

「だから、アタシは・・・・・」

 

 

「向いてないなんて言わせない!!」

 

 

 

急に高坂はアタシに抱きついてきた。

 

 

 

「咲ちゃんは咲ちゃんだよ!やりたい気持ちがあればチャレンジしたらいいんだよ!!」

 

 

「そうですよ、私達でもこうして活動出来てるんです!」

 

 

「天宮さんがプロのアイドルは一握りって言ってたけど、スクールアイドルは無限大だよ!」

 

 

 

今度は海未とことりが抱きついてくる。

 

 

 

「私も勇気を出して・・・頑張ったよ」

 

 

「貴女の音楽のセンスは私が認めてあげる」

 

 

「天宮さんも凛達とアイドルするにゃ~♪」

 

 

 

新たに加わった3人も微笑みながらエールを送る。

 

 

 

 

そして、穂乃果はガシッとアタシの両肩を掴んでこう叫んだ。

 

 

 

 

 

「だから、一緒にアイドルやろうよ!!」

 

 

 

アタシの止まっていた涙はまた流れ出した。

だが、アタシは泣きながらも笑顔を作り、頷いた。

 

 

 

 

 

穂乃果は嬉しさのあまり抱きつく力を強め、

海未はもらい泣きをし、

ことりはアタシの頭を撫でてくれ、

小泉と星空は互いにはしゃぐように抱き合い、

西木野は嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

 

「希!!」

 

 

「んっ?」

 

 

「・・・ありがと」

 

 

「どう致しまして」

 

 

 

 

 

こうして、アタシは7人目のメンバーとしてμ'sの一員になった。

一度諦めた夢だが、こいつらとならやれそうな気がする。

アタシはそう感じている。

 

 

 

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