ラブライブ!~舞い降りた堕天使~   作:宣伝部長

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第12話

いつもより早く目が覚めた。

制服ではなく今日からはジャージ姿で家を出た。

今日からは見るだけではなく、アタシも早朝練習に加わることにした。

だから、こうして先に神社に来てストレッチをしている。

 

 

 

「あっ、天宮さん!」

 

 

「よっ、南」

 

 

「今日は早いんだね」

 

 

「まぁな」

 

 

 

最初にやって来たのはことりだ。

彼女はアタシを見つけると嬉しそうに笑顔で手を振って近寄って来る。

そして、並ぶように横に座り同じようにストレッチを始める。

アタシとは違って彼女からはなんかあまーい雰囲気を感じる。

こうゆうタイプに男はイチコロだろうな。

 

 

 

「今日は海未ちゃん弓道の朝練があるから来れないんだって」

 

 

「じゃあ・・・後はアイツだけか」

 

 

「・・・そうだね」

 

 

 

ことりの様子がなにやらおかしい。

アタシ達の後ろを気にするように視線を動かしている。

気になったのでストレッチしながらチラッと見れば、そこには潜むように人影が見える。

 

 

 

「希じゃなさそうだな」

 

 

「ちょっと・・・怪しいよね」

 

 

「行って来る!!」

 

 

「あっ、天宮さん!」

 

 

気になったら即行動!

アタシは何の前触れも人影の方に向かって駆け出した。

ことりの呼び声が聞こえるもまずは怪しいヤツだ。

相手もいきなりのことに動けずにいた。

そのおかげでアタシは怪しいヤツと対峙した。

 

 

 

アタシは呆れていた。

デカいサングラスに大き目のマスク。

一瞬あの子かと思ったが、黒髪のツインテールだから彼女ではないだろう。

アタシは170cmと長身の為に目の前の怪しいヤツに視線を合わせるように前屈みになった。

 

 

 

「なにか用かよ」

 

 

「あ、ああ、あんた達・・・・・」

 

 

 

スッゴいアタシにビビッてるんですけど・・・・・。

まぁ、普通はこうなるんだけどな。

μ'sのメンバーが怖がらないだけか・・・。

にしても、弱い者イジメしてる気分なんだけどな。

 

 

 

「言いたいことあるならサッサと言えよ」

 

 

「と、とっとこ・・・」

 

 

「とっとこ?」

 

 

「とっとと解散しなさい!!」

 

 

 

急かすと彼女も慌てたように噛んでしまう。

アタシがバカにしたように噛んだ所を口にすると彼女は怒鳴るように叫んで逃げた。

 

 

 

解散?アイツ、解散って言いやがったよな?

アタシは手水舎にあった清掃用のたわしを手にすれば、躊躇せずに必死に逃げるアイツに投げつけた。

見事にたわしは直撃してアイツはぶっ倒れたが、また立ち上がり逃げ出した。

 

 

 

「あの野郎!」

 

 

「咲ちゃん!大丈夫?」

 

 

「天宮さん、さっきの人は・・・」

 

 

 

いつの間にか穂乃果が合流しており、ことりと一緒にアタシに駆け寄ってきた。

2人共アタシが怖い顔で睨んでる先を並ぶように見つめていた。

 

 

 

「あの野郎・・・アタシ達に解散しろだってよ!」

 

 

「えええええ!?やっと、咲ちゃんも加わったばっかなのにそれは出来ないよ~」

 

 

「でも、本当に誰なんだろう」

 

 

「さぁな」

 

 

 

制服は音ノ木坂だった。

まさかの内部の犯行とはな・・・でも、コイツらに心配事を増やすのは心もとない。

アタシも正体がわからないとスッきりしねぇしな。

ココはアイツにちょっと聞いてみるかな?

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

「それで、うちの所に来たんやね?」

 

 

「そうゆうことだ」

 

 

 

放課後にはもやもやした気持ちを胸にアタシは生徒会室に来た。

希と絵里はいきなりの訪問に驚いていたが、理由を話せば納得してくれた。

しかも、アイツは3年生の色のリボンをしていたからこの2人ならわかるかもしれない。

 

 

 

「う~ん・・・もしかしたら、にこっちかもしれへんな」

 

 

「にこっち?なんだ、そのたま○っちみたいなの」

 

 

「矢澤にこ、私達と同じ3年生の子よ。我が校にひとつしかないアイドル系の部活動アイドル研究部の部長ね」

 

 

「1年生の時はスクールアイドルとか目指すぐらいアイドルの事が好きやったんよ?」

 

 

 

2人が言うにこは、アイドル大好きな女の子らしい。

だが、腑に落ちない。

どうして、アイドル好きの彼女が自分達を拒絶するのか?

なぜ、彼女がスクールアイドルとして活動していないかだ。

 

 

 

「そのアイドル研究部ってのは何人居るんだ?」

 

 

「にこっち1人やよ」

 

 

「はぁ?確か、部活動を設立するには5人必要だって・・・・・」

 

 

「設立時には5人必要よ。でも、その後は増えようが減ろうが生徒達の自由なの」

 

 

「でも、なんでそのにこってヤツ1人なんだよ」

 

 

「みんな・・・辞めてったんよ」

 

 

 

希が言うにはにこのアイドルとしての目標が高かったのか付いて行けないと言う理由で1人辞め、また1人辞め、そして、最後に残ったのが彼女だという。

そう・・・簡単に言えば、彼女はスクールアイドルを諦めざるえなかった。

アタシが真剣に考えてるのを見て、希はクスッと笑った。

 

 

 

「どうかしたのか?」

 

 

「いやぁ~・・・えらい真剣に悩んでるなぁ~と思ってな」

 

 

「はんっ!アタシだってアイツらと一緒にスクールアイドルを目指すって決めたからな、当然だろ?」

 

 

「天宮さん・・・あの子達と一緒にスクールアイドルを・・・?」

 

 

「あぁ・・・や、やっぱり似合わないか?」

 

 

「ううん、そ、そうじゃないけど・・・・・」

 

 

 

絵里がどことなく気まずそうにアタシを見ている気がした。

逆に希はいやらしい笑みを絵里に向けていた。

アタシ・・・なんかしたかな?

 

 

 

「それで・・・咲ちゃんはどないするつもりなん?」

 

 

「やりたい気持ちがあるなら誘うまでだな」

 

 

「ふ~ん・・・あの子達はさっきにこっちに会いに行ったで」

 

 

「んっ?なんでアイツらが会うんだ?」

 

 

「生徒の数が限られてる中いたずらに部活を増やしたくくて、アイドル研究部がある以上あの子達の申請を受けないつもりだったの・・・・・」

 

 

「でも、うちがアイドル研究部と話しをつけてくること!って、言うたら飛び出して行ったんよ」

 

 

 

絵里の考えが普通なのはわかる。

廃校間近なのに今さらスクールアイドルをするのに部を設立するのは極めて難しいだろう。

だが、希の言ったようにアイドル研究部と合併すれば、なんの問題もない。

 

 

 

「じゃあ・・・アタシは家に帰って朗報でも待つかね」

 

 

「あれ?咲ちゃんは行かへんの?」

 

 

「アタシは怖がられてるみたいだからねぇ~」

 

 

 

今朝のことを考えると自分が会えばまたなにかしてしまうかもしれない。

いや、確実にアタシがキレるかもしれない。

それに外は大雨だから今日はもう家で寝たい。

咲は苦笑い混じりにぼやき、後ろ手に手を振って生徒会室を後にした。

 

 

 

「希・・・知ってたの?」

 

 

「なにが?」

 

 

「天宮さんがスクールアイドルを始めたの」

 

 

「うん、カードがうちに教えてくれたんや♪」

 

 

 

絵里の真剣な問い掛けに希はカードをそっと一枚取り出して口元を隠して笑う。

そんな彼女を見て絵里はわからないように口端を強く噛み締めた。

 

 

 

*****

 

 

 

まだ止まぬ雨。

もうかれこれ1週間は降り続けているだろう。

暗い雨雲を横目に今日も彼女は一人静かにアイドル研究部の部室へと向かう・・・。

 

 

 

ぼっちマイスター・・・『矢澤 にこ』。

 

 

 

「へ、変なナレーションみたいなの入れないでくれる!?それにぼっちじゃないわよ!!ってか、マイスターってなによ!?」

 

 

 

にこは1人で空に向かってツッコミを入れていた。

周りから見たらちょっと痛い子である。

 

 

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

 

 

それは置いといてにはいつものように部室の扉を開けた。

不意に眩い光がにこを照らし出す。

余りの眩しさに目を細めていたが、光に慣れて目を開けばそこにはμ’sのメンバーが椅子に座って待っていた。

 

 

 

「なっ・・・!?」

 

 

「お茶です!部長!!」

 

 

「ぶ、部長!?」

 

 

「今年の予算表になります!部長!!」

 

 

「えっ・・・」

 

 

 

いきなりの出来事に対してにこは驚いた表情であたふたしていた。

そんなにこの前に宿敵が立ちはだかる。

 

 

咲だ。

 

 

 

「な、なによ・・・」

 

 

「お前がスクールアイドルをやりたいって気持ちはコイツらから聞いたわ」

 

 

「そ、そんなことな・・・」

 

 

「そこでひとつ音ノ木坂学院アイドル研究部所属のμ’sの8人が歌う新曲について話があるんだけどよ?部長さん、どうするよ」

 

 

「えっ?」

 

 

 

この前のことを思い出して震えだすにこ。

だが、その考えとは裏腹に咲はにこと肩を組みニィッと笑顔である提案を出す。

そう、μ's8人の新曲。

にこを入れての8人。

 

 

 

 

「・・・・厳しいわよ?アイドルって言うのは笑顔を見せる仕事じゃない!笑顔にさせる仕事なの!!それをよぉく自覚しなさい!!」

 

 

「やる気マンマンで結構!それじゃあ雨も上がったみたいだから練習するか?」

 

 

「練習するにゃ~♪」

 

 

 

あんなにどんよりだった雨雲が嘘のように太陽の光が差しているのが見えた。

それを確認した凛が屋上へと走り出し、他のメンバーも遅れまいと部室を飛び出して行った。

咲も続いて部室を出ようとするが、不意に手をにこに掴まれた。

 

 

 

「アンタ・・・本当にいいの?」

 

 

「なにがだよ」

 

 

「私は貴女に・・・あ、あの・・・・・」

 

 

「あの時はあの時だ。そりゃあ、お前からはアタシはまだまだヒヨッ子だ!だから、お前がアタシを導いてくれんだろ?」

 

 

「・・・・・っ!?と、当然よ!私がアンタを立派なアイドルにしてあげるわよ!!」

 

 

「へいへい、期待してるぜ」

 

 

 

前の事を気にしているにこだったが、咲は頭の後ろで手を組んで部屋の奥に進むと振り返ってにこを指差してにやにやと笑う。

すると、その言葉に少しを頬紅くするが胸を張って自信満々に宣言してみせる。

そんなにこを見て近付くと頭をポンポンっと叩いた後に屋上に走った。

にこは撫でられた頭を少し嬉しそうに触った後に仲間の元へと向かった。

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