あいつ・・・今日は居るのか?
賽銭箱の前でいつも座り込んでいたら絶対に来る。
「なんや今日はやけに機嫌ええね?なんかあったん?」
「なんでもねぇよ」
ほらな?
早朝と放課後はいつも神田明神に寄ることにしている。
最初に此処に来た時は中学3年生の時に学校をサボる為にこの場所を見つけた。
その時にばったりあったのが、目の前の巫女だ。
確か・・・名前は東條希だったか?
ただの巫女だと思ってたのに入学式の時にばったりすれ違ったんだよな。
学年は2つ上でしかも、副生徒会長だとさ。
本当に世の中ってのは狭いもんだ。
「希、学校でアイドルしてる奴いんのか?」
「う~ん・・・スクールアイドルならおるよ」
スクールアイドル?普通のアイドルじゃないのか?
希が嘘ついてるようにも見えないしな・・・。
「もしかして・・・スクールアイドル自体知らへんの?」
「興味ねぇことは調べねぇよ」
「スクールアイドルってのは、学校が擁するアイドルの事やね」
「じゃあ、あいつもそのスクールアイドルってのを目指してるのかもな」
「やっぱりなんかあったんやん♪」
あんな奴がスクールアイドルか・・・って、背後から抱きつくのいいけどお前の胸頭にのっかかってるから!!邪魔!!
退かせるが面倒だからこのまま話を続ける。
アイドル女のこと。
西木野のこと。
「うんうん、また音楽に関われるのはええんとちゃう?」
「アイドルなんて柄じゃねぇ事はお断りだけどな」
アイドルなんてただの軽い奴らだろ?
ただ、男共にちやほやされたい連中の集まりだ。
興味なさげに白銀髪を弄っていると希は頭の上から上体を起こした。
あの顔なにかあるな・・・。
「明日もココに来るんやろ?」
「まぁな」
「そん時にええもん見れるよ」
コイツのあの笑顔はいつもなにかしら意味がある。
特にアタシに関わってくることが多い。
最初は信じれなかったんだが、次々に当てていくもんだから信じるしかないだろ!
「それって・・・スピリチュアルなことか?」
「そうやね~スピリチュアルかもしれへんよ~♪」
いっつもこうだ。
自分はわかっているのにアタシの反応が見たいからと言って教えてくれないパターンだ。
だから、アタシはいつも驚かされてばっかりだ。
いつか、仕返ししてやりたいな。
「じゃあ、アタシは帰るけどよ?サボったりするなよ」
「さっちゃんに心配されへんでも大丈夫やよ~」
「気安くその名前で呼ぶなっての!!」
最後には振り返らずに叫ぶと白銀の女は棒付き飴を咥えながら手を振り階段を降りて行った。
1人残された希はゆっくりと夕日を見上げてこう一言呟いた。
「吉と出るか凶と出るか・・・やな」