あのLIVE以来あの3人とは距離が縮まったと言うのだろうか。
関わる機会も増えた。
しかも、アタシの事を記念すべき『ファン1号』と称している。
これって喜ぶべき・・・なのか?
だが、逆に面倒事も増えた。
「お~ね~が~い~!!」
「拒否する!!」
「ちゃんとした部活として認めてもらうのには5人いなきゃダメなんだよ~」
「アタシより西木野を誘えよ!!」
「誘ったけど、絶対イヤだって言われたも~ん」
「じゃあなんでアタシを見つける度に勧誘なんだよ!」
「さっちゃんだも~ん」
「理由になってねぇし、その呼び名はヤメロ!!」
と言った感じで学校で鉢合わせすればいつもこんな感じだ。
毎度毎度飽きもせずに良くやるよ・・・まったく。
しかも、しつこいのはコイツだけだし、他の2人はここまでは来ない。
いつもこんな感じだから教室に帰ってくるとアタシは机に突っ伏してグロッキー状態にある。
「天宮さん・・・これ」
「おぉ・・・サンキュー」
こんなアタシに小泉が紙パックのりんごジュースを差し入れしてくれた。
あぁ・・・生き返る~!!
「最近・・・忙しそうだね」
「・・・・・ったく、アイツを撒くのも一苦労だぜ」
「で、でも・・・天宮さんだったら・・・・・アイドルになれるよ」
「なれる、なれないの問題じゃなくて・・・イヤなの」
小泉の言葉にアタシは大きな溜息を吐いた。
その反応に申し訳なさそうに小泉は両肩を落とした。
「小泉はやりたくないのか?スクールアイドル」
「えぇっ!?」
「LIVEの時に星空と居たじゃん」
あの講堂に小泉と星空は一緒にLIVEを見に来ていた。
2人共食い入るようにLIVEを見ていたのはアタシの中では印象に残っている。
噂をすると彼女も駆け足でこちらにやって来た。
「やっぱりあそこで堂々と見てたのは天宮さんだったのかにゃ!」
「あいつらとは知り合いだからな」
「じゃあ、じゃあ!かよちんをスクールアイドルの人達に紹介してくれないかにゃ?」
「どうしてだ?」
「かよちんは昔からアイドルの事が好きなんだぁ~♪だから、スクールアイドルやりたいんだって~」
だが、当の本人は俯いて何も言わずに黙り込んでいた。
アイドルが好きなのはこの前のこともあるからわかる。
「もしかして・・・自分に向いてないとか思ってるんじゃないのか?」
「・・・ど、どうして・・・わかったの?」
「なんとなく」
「ふえぇ・・・・・」
小泉はアタシみたいにハキハキ物事を口にするタイプではない。
やりたいと思っていても、私には無理、私には似合わない、私では出来ないと心の中に閉まってしまう。
それが、今の彼女だと思う。
「やりたいならハッキリと自分の口から言ったらいい。プロのアイドルはすぐにやれないけど、スクールアイドルってのはやりたいって気持ちがあれば誰だって出来るんだからよ」
「・・・天宮さん」
「そうだよ!凛もかよちんのこと応援するから!!」
「・・・凛ちゃん」
まだ迷いが残るのか小泉はそわそわとしていた。
アタシはココまでだ。後は、小泉がスクールアイドルをやりたいか、やりたくないかだな。
「屋上でいつもダンスとかの練習してるからいつでも来な!」
「・・・・・はい」
「じゃあアタシはちょっとお昼寝してくるわ」
「でも、5限目始まっちゃうよ?」
「そりゃあサボる為に行くからいいの、いいの!じゃ~な~」
「行っちゃった・・・・・」
授業を平然とすっぽかす彼女の姿を2人は引き止められもせずにただただ見送るのであった。
その後、放課後になって屋上に練習に来た3人に起こされた模様。