イ「あまり中二病的にならないようにな」
う...頑張ります。
それでは本編です
白き兵団
リンと要の仲直りから二日後、要と美空は集会場に呼び出された。人払いは済ませたようで、いつもどうり中にはギルドマネージャーと衛兵トロスの姿があった。
「おぬし達、先日のアラガミのクエストご苦労じゃった」
「って言っても逃げられちゃったけどね」
確かに、リンを救うことができたのは大きなことだ。しかし、アラガミを逃がしてしまったからには、早期発見しなければ凍土の生態系が危うくなるだろう。
「それでも、おぬし達が居なければ、救える命が無かったかも知れん。というわけで、これが今回の報酬じゃ」
ギルドマネージャーはトロスに革の袋を持ってこさせた。ジャラという音がして、ズンと机の上に置かれる。重さからしてかなりの量だろう。
「そ、そんなに受け取れませんよ!」
「いや、おぬし達は十分に働いてくれた。これくらいの報酬はさせてほしい」
「じゃ、遠慮なく」
「後輩くん、めっ!」
金の入った袋に手を伸ばそうとしていた要の腕を、美空はたたき落とす。要は手をさすりながら渋々引き下がった。
「申し訳ありませんが、これは受け取れません。」
「そうか....。ならお望みのものはあるかの?出来るかぎり支援するが?」
「うーん....。じゃあ、これ下さい。」
そう言って美空が手にとったのは簡単な装飾がなされた一枚の板。その手に握られていたのは要のハンターカードだった。
「んあ!?お前いつの間に....」
「そ、そんなものでよいのか?もっと値が張る物でもよいのじゃぞ?」
「いえ、これがいいんです。これがあれば、後輩くんと
「お断りだ。」
要は美空の手からハンターカードを取り返し、自分の懐にそれをしまった。美空は要の態度に対し、頬を膨らませて愚痴を言う。
「後輩くんさぁ、最近冷たくない?」
「一応聞くが、お前はハンター達の誇りをお前はなんだと思っているんだ?」
「後輩くんとのデート券」
「全国のハンターに土下座して謝って来い。」
目の前でコントを繰り広げている要と美空を見て、ギルドマネージャーはホッホッホと笑ってトロスに新人用のハンターカードの申請用紙を持ってこさせる。老人は言い争いを続ける二人の前に、その紙を渡した。
「そんな物でよいのなら、ここに名前を書くがよい。三日以内には自宅に届くじゃろうて」
「やったー!」
「はぁ。すまねぇな、やかましい奴で」
「ホッホッホ。たまには賑やかなのもよいじゃろうて。」
要はやれやれという気持ちで、書類を書いている美空の方を振り向くと、ある項目でペンが止まっていた。それは....
「ねぇ、後輩くん。」
「ん?なんだ?」
「
住所の項目。ハンターカードが自宅に送られるというのなら、確かに住所は必要であろう。しかし、要はてっきりリンの家で寝泊まりをしていると思ったので、リンの住所を書けばいいのではないか、と思ったがこの隊長は予想外の言葉を返してきた。
「う~んとね、あたし、牧場みたいな所で若葉の布団でぐっすり寝てたよ。」
「ようするにホームレスだから野宿してたんだな。だからってなんで俺の家なのか、一応理由を聞いてもいいか?」
「後輩くんの家に住もうと思っているから」
「....よし、いますぐ荷物を整理しろ。リンの家に全部投げ込んでやる。」
要は美空の手からペンを奪い取ると、書類にリンの住所を書き込んでそれをトロスに押し付けた。要はギルドマネージャーに礼を言うと、美空の荷物運搬に向かう。納得いかない美空は要の足にしがみついて必死に泣きながら抵抗していた。
(やれやれ....。あいつも大変だな)
要の苦労に共感したトロスだった。
※
凍土の洞窟の中で、ヒュドラはその三つの首で、六つの赤く染まった瞳で目の前の集団を見ていた。
ヒュドラのオラクル細胞によって体を支配下におかれたモンスター達は、皆頭部が白くオラクル細胞で覆われており、それはまるで白い兜をかぶった兵士だ。
今こそ復讐の時だ....。
そう言うかのように咆哮するヒュドラ。その不気味な声に続けて、モンスター達は同様に叫ぶ。
そして彼等は進軍した。目指すはユクモ村、仕留め損ねた獲物が住む場所。
はい、ということで今回もデータ開示と参りましょう。こちら!
名前:ヒュドラ(完全体)
属性:氷
弱点属性:火
ヒュドラ(吸血体)が凍土のモンスターを食いながら元のオロチに近づこうとした形。首は三つで、首、舌の両方に伸縮性あり。ちなみにそれぞれの首で吐くブレスが異なる。(ヒュドラの目線で右から睡眠ガス、毒ガス、氷レーザー)
全状態異常無効化、捕食時体力回復効果つき。
名前:ヒュドラ(寄生体)
属性:無
弱点属性:火
怪我を負ったヒュドラ(吸血体)がイビルジョーに襲われた時に、ヒュドラ本体から分離してイビルジョーに寄生したのが始まり。主に首筋から侵入し、脳の神経細胞を支配する。寄生されたモンスターは、頭部が白いオラクル細胞に覆われ、本体から簡単な命令を受けて行動する。また寄生されたモンスターは基礎能力が上昇する。