神喰、狩人始めます『更新停止』   作:血途

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皆さん、お久しぶりです。執筆速度が落ちている血途です。

それでも何とか月が変わる前に書き上げることが出来ました....。

イ「ハァ、それで今回の言い訳は何なんだ?」

ネタ切れ、幾たびに及ぶ書き直し、夏期講習....。あげればキリがないですが、まずはお待たせしてすみませんでした。

今回は自分としてはまだ物足りないのですが、これ以上手を加えると色々混ざりそうなので早めに投稿します。

さて、前書きは早めに切り上げて本編に移ります。どうぞ。


ヒュドラ戦(前編)

 「ギャァァァ!」

 

 耳を貫くような甲高い鳴き声を上げて、ヒュドラは左右の首で要と美空に襲い掛かった。その攻撃を要は姿勢を屈めて、美空は真上に跳躍することで回避した。

 

 「ていやぁぁぁ!」

 

 真下にあるヒュドラの首目掛けて、美空はブラッドアーツ・スカイフォールを発動させる。上空から地面に向けて急降下して攻撃するその技は、ヒュドラの肉を貫き、辺りに血が撒き散らされる。

 

 一方、ヒュドラの二本の首の連続攻撃をかいくぐりながら、懐へ潜り込んだ要がブラッドアーツ・秘剣昇り飛竜を放ち、クリティカルを狙い、下から切り上げる。が、

 

 「ギィィィ....」

 

 その攻撃をヒュドラは中央の首を使い、神機を口で受け止めた。咄嗟に神機を引き抜こうと、要が手前に力を入れると、ヒュドラは口から毒ブレスを放った。

 

 「後輩くん!」

 

 毒の霧に覆われた要に注意が向いた瞬間、美空が今まで押さえていたヒュドラの頭が持ち上がる。いきなりのことで体制を崩した美空は、そのまま地面を転がり落ちた。

 

 「っ!?」

 

 体制を立て直した美空に対して、ヒュドラは左の首で氷のレーザーを放つ。間一髪で避けた美空の脇では、大地が大きくえぐれ、凍りついていた。

 

 「このクソ野郎がぁ!」

 

 ヒュドラの拘束を振りほどき、要は毒の霧から脱出した。瞬時に鼻を覆ったため、毒を吸い込んではいないが、それでも脱出に体力を使ったようで、少し息が上がっていた。

 

 「ギャァァァ!」

 

 「チッ!前より厄介になってやがる」

 

 悪態をつく要だが、前より大幅に強化されたヒュドラに苦戦している。美空も、長引けば不利になっていくこの状況を打破するために、その頭脳をフル回転させて考えていた。

 

 「後輩くん、ブラッドレイジ使っていい?」

 

 「ダメだ。まともなメンテが出来ないここじゃ、一度使うだけで神機がダメになる。」

 

 「だよね....。」

 

 美空の血の力[喚起]を使って、神機のリミッターを外すブラッドレイジが使えない今、ブラッドアーツだけで攻めなければならない。だが、ヒュドラもこちらの攻撃に対応しつつある。

 

 そこで美空は、もう一度要に尋ねた。

 

 「ねぇ、後輩くん」

 

 「なんだ?今度は神機兵でも欲しくなったか?」

 

 「違うよ!....そんなことより、[同調]は使えないの?」

 

[同調]。それは要の血の力の呼称である。確かにそれを使えば勝てる可能性は上がるかも知れない。だが、それは美空やシエル、ギルとは異なり、使い勝手の良いものとは言えない代物だった。

 

 「....無理だ」

 

 会話をしていてもなりやまないヒュドラの攻撃を捌きながら、要は美空とやり取りする。当の要自身は、血の力を使わないと決めていた。

 

 「でも、あの時とは違う。きっと大丈夫だよ」

 

 「無理だ!」

 

 左の首から放たれる氷のレーザーを、要はギリギリでかわす。少し頬を掠った所は、氷が張り付いていた。要はそれを拭い取ると、神機を銃形態にして応戦する。

 

 「確かにそれならヒュドラ共を倒せるかもしれねぇ!....でも、」

 

 過去に、血の力を美空の[喚起]によって発現させたとき、戦いの中で大きなメリットはあった。と同時に、仲間にまで被害が及ぶデメリットも存在していた。

 それが判明して以来、要はどんな時でも血の力を発動させることは無かった。

 

 「何とかなる!」

 

 「だから無理だって....っ!」

 

 要が反論しようとして美空の方を向くと、その目は美空の覚悟を要に訴えていた。こうなるといくら反論しても仕方が無いと判断したのか、ため息を吐いた。

 

 「何かあったら責任取れよ」

 

 「わかってる!」

 

 要はゼロスタンスの構えをとり、意識を集中させる。発動までに時間がかかるのも、要の血の力の欠点だが、そこは美空がヒュドラを引き付けることで時間を稼いでいた。

 

 「ギ、ギャァ!?ギャ....」

 

 ブラッドアーツ・クリムゾングライドを発動させ、ヒュドラを撹乱しながら的確にその体を攻撃していく。ヒュドラも負けじと、三つの頭を使い美空を追いかけるが、やはり速度が違っていた。

 

 「ギィヤァァ!」

 

 痺れを切らしたヒュドラは、右と中央の首から周囲にブレスを吐く。それによってヒュドラの周りに睡眠と毒属性の霧が発生した。

 

 「うぐっ」

 

 視界を遮られただけでなく、呼吸を封じられた美空に、ヒュドラは舌を伸ばしてその足を捕らえた。

 

 「しまっ....」

 

 そのまま空中へ吊り下げられ、美空は宙に浮いた。ヒュドラの拘束から逃れるために、神機で舌を切り付けようとしたその瞬間だった。一瞬、そう、一瞬だが、美空の意識が飛びかける。

 

 「ぐっ....」

 

 その一瞬をヒュドラは好機を思った。右の首で捕らえている美空目掛け、ヒュドラは中央の口を開き、美空に襲い掛かる。

 

 「おい、何俺を無視してんだ?」

 

 突然、ヒュドラが何物かの殺気を感知し、咄嗟に左首でガードを試みる。瞬間、左側の意識が消えた。

 

 「ギャァ!?」

 

 見るとそこには見るも無残な左首の姿があった。切られた、というよりは食いちぎられた左首を見て、一歩遅れてヒュドラに痛みが走る。

 

 「ギャァァァ!」

 

 「うるせぇ」

 

 ヒュドラは残った四つの目玉で声の主、要を睨みつける。特に変わった様子が見受けられないが、ヒュドラは何かが変わったと感づいていた。

 

 「出来....たの?」

 

 「まぁな」

 

 要は神機を肩に担ぎ直し、美空の問い掛けに応じる。

 だが、美空の顔色はいつもより悪そうだった。

 

 「やっぱり....これ....つらい」

 

 「俺も頭がガンガンするけどな」

 

 先程美空の意識が飛んだのは、要の血の力の発動が原因だった。当の本人も、平然を装おっているものの、美空は要の額が汗まみれであることを見逃さなかった。

 

 

 「さぁ、第二ラウンドだ」

 

 要は神機をヒュドラに向ける。要の神機は目の前の、いや、敵と見なしたすべての物を喰らわんと、大きく口を開いていた。




さて、ついに要の血の力が明かされます。むしろここまでなぜ使ってこなかったのか、というのも気になりますが、それはまた後日。

力については次回あたりに詳しく述べようと思います。それでは皆さん、また次回お会いしましょう。
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