ここがヴァーチャルなのか。すごいな・・・俺よく買えたな これは苦労した価値があるってもんだな。
とりあえず情報が欲しいな。テスターでも探すか?
「見つけたところで話せるか?・・・・・無理だな」
とりあえず狩りに行くか。ひと狩り行こうぜ!
「ちょっ!そこのお二人さん!その迷いない走り、βテスターだな?」
二人?いやそれ以前に俺はテスターじゃないな。
「あ、あぁ。そうだが。二人ってなんだ?俺は一人__おわぁ!」
「え?うおっ!いつからそこにいたんだよ」
「お前こそ影薄すぎだろ・・」
俺が影薄いのはいつものことだから気にしないが、お前も影薄いぞ?俺が気づかなかったんだからな。
俺と同種なのかな?まぁどうでもいいが
「ちなみに言っておくが俺はテスターじゃないぞ」
「そうなのか?まぁいいや、そっちのテスターさんよ、ちょいとレクチャーしてくれないか?」
「別に構わないが」
「あ、俺もお願いしていいか?」
あれ?何か俺全然話せてない?やばい、このゲームコミュ力上げてくれるのか!?
「うぉわっ! 痛ってぇ・・・」
「もっとこうタメを作って打ち込む感じだ。ほら!やってみろ」
「うおぉぉぉ!」パリン!
はぁ。ソードスキル打つくらいでそんな苦労することかね・・・
「ハチは飲み込みが早いな。クラインとは大違いだ」
「キリト。そんな髪の赤いやつと一緒にしないでくれ」
「ハチ!そりゃひでぇよ!」
「それよりキリト。もう少し情報が欲しい。戦い方はわかってきたからいいとして、もっとこの世界について教えてくれ。製品版はβ版とは違うことくらいわかってるんだがそれでもβ時の情報を知っていて損はないだろう?」
「それはそうだが・・・」
「このクエストはやったほうがいいとかこの辺りは危険だとか些細なことでもいい。あとは・・・お前がクリアした階層までの情報とボスの情報だ」
「それは!」
「安心しろ。情報を鵜呑みにするつもりはない」
「わかったよ」
そうして俺は苦労せず情報を手に入れた。
「だぁー。疲れた」
「どうする?休憩するか?まだ続けるか?」
「もちろんまだやる!と言いたいところだが、腹減ってきてよ」
「この世界の飯は空腹感を満たすだけだからな」
「てなわけで一旦落ちるぜ!ハチはどうするんだ?」
「俺はもう少し情報を集めたいところだが、腹も減ってきたし落ちるかな」
「そうか。それじゃあまた後でだな」
「そうだな」
そうそう。言い忘れたが小町!お兄ちゃんにフレンドが二人も出来たぞ!ホントにこのゲームはすごい。主にコミュ力が・・・
「おい?ログアウトボタンがねぇぞ?」
は?何言ってんだよ。んなわけ無いだろ
「おい。ちゃんと見たのか?」
「あぁ、でもねぇんだよ・・・」
「おいおい。ふざけんなよ」
「ホントにない。GMには伝えたのか?」
「伝えたさ!でも反応がねぇんだよ」
それはおかしすぎることだろう。
「まぁ初日だし、仕方ないか」
仕方ないで済ませるなよ。何か裏があるに決まってるだろう。クソッ明日は予定があるってのによ・・・
「それよりもこれからどうするか考えたほうがいいんじゃないか?」
「そうだ__ぅえ!?」
なんだ!?何が起こった?
「ここは・・・はじまりのまち?なんで・・・?」
「強制転移か・・・?」
強制転移?ということはGMか?この不具合について何かあるのか?
そもそも、不具合なのかも気になるところだな・・・
こうして比企谷八幡はまた、闇に飲み込まれる。
デスゲームという名の重く苦しい現実に
奴の・・・茅場の言葉の真意に悩み
帰れない現実に人が死ぬ現実に困惑する
結局、この世界にも彼の居場所は存在しなかった