【更新停止】転生して喜んでたけど原作キャラに出会って絶望した。…けど割と平凡に生きてます 作:ルルイ
前回リリなのの世界に来たのに、ファンをやめてしまった俺。
まだ名前を出してなかったが俺の名前は山本拓海。
前世の名前はまあ気にすんな。
この世界に実在するなのは、今後はなのはちゃんと呼ぶがあの子に遭遇してすっかり落ち込んだままだったが、とりあえず数日で立ち直った。
これならはやての方も同じだろうと八神家を探す気もない。
はやての両親が亡くなるのは知っているが、正直何時何処で亡くなるのかもわからないからどうにも出来ない。
歯がゆい気持ちにもなるが、現実的に考えて俺がどうにかするのは不可能だ。
ここは現実なんだし出来ることしかしない。
だがココは確かにリリなの世界なのだから魔法は存在しているんだ。
なら超常的な力というものを使ってみたいじゃないか。
前も言ったが戦いたいわけじゃなく、ただ自分の力で空を飛ぶくらいのことでいいので出来る様になりたい。
俺にリンカーコアがあるかはわからないが『努力すれば割とどうにかなる程度の能力』があるんだから、あるなしに関わらず割とどうにかなるだろう、努力すれば。
という訳で魔法の練習をしてみようと思うのだが、魔法には術式が必要でそれがなきゃ飛べるわけも無い。
その辺りは後で考えるとして、魔力を使えるように練習するくらいは出来るだろう。
といってもやり方がわからないから完全な手探りだ。
まあこれもこの世界来てやりたかった最後の楽しみだ。
地道にやっていこう。
魔力についてだが俺の考えではすべての人間は魔力を少なからず持っていると思う。
魔法の出てくるリリなの以外の物語でも、魔法を使う術がないから魔力があっても使えなかったり使う術が合っても魔力が低いために使えなかったりすることは多々ある。
だから例え少なかろうと魔力は誰にでもあるというのが俺の考えだ。
俺自身にリンカーコアという魔力の生成、あるいは制御する器官があるかはわからないが、魔力はあるとここがリリなのの物語の世界だと知っているから自信を持って言える。
だから自分の中の魔力を認識して意思で動かせるようになるのが最初の目的だ。
その方法だが・・・・・・
ぶっちゃげ瞑想とか位しか思いつかなかった。
魔力を使える人がいればその人に俺の体に魔力を流してもらって、魔力がどういうものか感覚を覚えるなんて方法も思いつくが、俺にそんな知り合いはいない。
両親が管理局員だったり特殊な血を引いていたりとか言う話は良くあるが、神様に頼んでおいただけあっていたって平凡な普通の両親でした。
おかげで家庭環境はこれでもかというくらい平凡に平和です。
というわけで、瞑想したり集中したりとかは家でも出来るけど外のほうがいいんじゃないかと、出来そうな場所を探しに行きました。
魔力ってのは自然の力っぽいでしょ。
マナって呼び方もあるし。(聖剣伝説とか)
自然の多そうなところで瞑想?っポイ事をしてみようと思いました。
自然の多くて人気のなさそうな場所を探そうと俺は街中を一人散策中。
前回言ったとおり俺はまだ五歳、そう遠くへはいけませんし暗くなる前に帰るのは当たり前です。
海鳴は山と海に挟まれた町なので自然も割と多いです。
その中で人気のない場所を探して、大きな公園の近くを通った時一度だけ見た顔が目に入りました。
なのはちゃんです。
・・・・・・これはまさかイベントでしょうか?
いやいや、神様にはちゃんと運命的そういうことは起こらないように約束させました。
とすればこれはただの偶然、それに別に目が合ったわけではなくなのはちゃんはこっちを気にしていない様子。
ならばココはスルー、いえそれ以前にまったく無関係な関係なんですから無関心になりましょう。
もう前世のリリなののなのはと目の前に現実として存在しているなのはちゃんは別物。
そしてまったく接点がないのにいちいち気にするのはおかしな話です。
次からはもう気にしないことにしましょう。
公園で遊んでるのはなのはちゃんだけじゃなく他にもたくさんの子供たちがいます。
全体を見るようにしてみれば、なのはちゃんはまったく目立つことのない普通の女の子です。
俺自身にしっかりそういう認識をしなおして、再び自然が多そうで人気のない場所探しに出ます。
そこそこ良い場所を見つけました。
神社の傍の林の中、奥のほうに行くと若干薄暗くて人気があまり感じられないちょうど良い場所でした。
神社の石段を登るのが五歳の子供にはちょっと辛いが、人気のない場所に行くのにはまあ仕方がない。
そうしてる間にすっかり夕方。
暗くなりきる前に家に帰らないと両親に心配をかける。
まだこの身は五歳児なんだから。
そう思うと某嵐を呼ぶ幼稚園児パネェ。
帰り道、途中に通った公園を横切ると。
「まだなのはちゃんいるし。
しかもなんか泣いてるし。」
神よぉ、ほんとに自然に騒動に巻き込まれないようにしてくれたのか?
これ、間違いなくイベントだろ・・・。
確かにこのまま放っておくことも出来るだろうけど、現実的に考えて公園で一人泣いている女の子を放っておくというのも非常に良心を痛める。
もう夕方だから他に公園で遊んでいた子供達は誰もいません。
良心的に詰んでるだろ・・・。
「ひくっ・・・・・・ひくっ・・・・・・」
「君、何で泣いてるの?」
「え!?」
ココはさすがに声をかけるしかない。
誰もいなくなった公園に突然現れた俺に少しなのはちゃんは驚いたようだ。
こっちが一方的に知っているだけなので自己紹介をして泣いている事情を聞く。
しかし泣いている上初対面だからか、なかなか会話が成立しない。
そもそも見たところ5歳の俺よりも年下みたいだから、現実的に考えてしっかりとした会話をこんな子供に出来るわけないよ。
少しずつ聞きだした事情と原作知識から、どうも父親の高町士郎が大怪我をしていて大変な時期らしい。
それで今は他の家族にもなのはちゃんを相手にする余裕がなくこうして一人ぼっちで寂しくて泣いていたらしい。
一応慰めるために頭撫でたり元気付けるために励ましている。
ナデポ? 現実的に考えてそんなモン存在するわきゃないねえだろ。
5歳児と5歳児未満でそんなモン起こったらぶっちゃげキモイわ。
そもそも現実的に考えてナデポが起こってもおかしくない年齢っていつだ?
小学生?マセガキめ。 中学生?イタタタタな時期だな。 高校生?失敗すれば通報だな。
というわけで普通に慰める程度の意味しかない。
少しは落ち着いてくれたようだから、なのはちゃんを家まで送ってやる。
手を引きながら送っていき、なのはちゃんはまだ泣き止んではいないが少しは収まってきている。
家に帰っても誰もまだ帰っていないそうだが、暗くなるまで小さい子供が出歩いていても不味いだろう。
なのはちゃんの家はそう遠くなくて直ぐにたどり着いた。
アニメで知っていたけど一般庶民にしてはでかい家だな。
道場まであるし・・・
そのままなのはちゃんを家に入れて俺は帰路についた。
なのはちゃんを送った分暗くなって、家に着くと両親が少し心配していて怒られました。
翌日、幼稚園が終わってから魔力を使う練習の為に神社の林に向かいました。
途中また公園の前を通るわけで・・・。
また公園になのはちゃんがいました。
しかも今日はしっかり目が合ってこっちに来ちゃいました。
なつかれた!?